カテゴリー別アーカイブ: スポートルート

青龍、白虎

IMG_2472

 

瑞牆山カサメリ沢コセロックの「青龍 5.10b」「白虎 5.10c」を登った。20m前後の快適なラインで、どちらとも左に体を開くレイバッック。左右逆のレイバックならもっと美しい2本となるが、さすがにそんな出来すぎたラインはないだろう。個人的にはスタート核心の「白虎」が登りやすかった。

それから、青龍5本目のボルトが緩んでいたので増締めしておきました。最近はモンキースパナを常に携帯しております。

 

IMG_2473[顕著なフレークが面白い]

 

 

プラチナムとポパイ

ワイフの「トラバント 5.9」解析をビレイした後、前回未回収のプラチナムへ移動。しかし、モツランドは湿度1000%。同じエリアでこれほどコンディションが違うのかっつーくらいのシミったれ模様。

とりあえずドロー設置とムーブ確認でプラチナムに取り付くがヌメる。極めつけはマントル。リップは日が当たってるはずなのに何故だ。

せっかくなのでポパイ偵察で継続。しかしこれは大きな戦略ミスとなった。どっかぶりを下部から真っ向勝負で抜け、上部の(一見)易しそうな部分に入るが、なんかボルトがゆるゆる。前述のスパナはあいにく地上だ。びびりながら次のボルトに到着するもこれも緩い。激しく後悔しながら終了点へ。その後、回収にも苦労させられヨレヨレ。

帰りの時間を気にしながらレストして2try目。ヌメりとヨレに耐えながら、なんとか最終クリップに到達。気力を振り絞って最後のシークエンスをこなし、気合いでリップをはたいた。

止まったと、そう思ったんですよ。

これが5月のフリクションなら、、、、いや、言うまい。

その後、最後のホールドを探るとカンテを回り込んだところにガバが。また、このパターン。次行った時はポパイと一緒に頂いてやるぜ(増締めも忘れません)

CrackBerry

IMG_2434

 
先週のなんちゃってクラックに引き続き、今回はガチクラック。舞台は瑞牆ではなく小川山。遂にクラックデビューを果たしてきました。

ちなみに今回は2days。おなじみUEchangと金曜夜発で土曜はスポートルート、ジムメイトのS氏と廻り目平周辺。日曜は姐さんにご紹介いただいた山岳グループに混ぜていただきマラ岩周辺、余った時間はUEchangと石楠花ボルダー。スポート、クラック、ボルダーと一粒で三度美味しい週末を満喫してきた。

 

とろろ

 
IMG_2331

 
というわけで土曜は「とろろ 5.12a」にアタック。S氏の「イムジン川 5.11c/d」と交代でトライ。といっても完全に探り便の私と対照的にS氏はOSを視野に入れたガチトライ。厄介なプロテクションに悩まされOSは逃したが3トライでRP。圧巻の登りだった。初めてNPのビレイを任されたけど、ボルトルートより格段に緊張する。やードキドキした。

本題のとろろは苦戦しまくったが2トライでムーブ完成。長い上に傾斜が強く好ルート。脆いのが玉に傷だが絶対に登りたい一本だった。問題は小川山へスポートルートで来る機会があまりないってとこ。

 
IMG_2329
[イムジン川のライン]

 

龍の子太郎

 
IMG_2333

 
そして翌日、初の本格クラックデビュー。もちろんトップロープでレッツジャミング。秘伝のテーピングを施しハンドジャムをねじ込む(姐さん、リード&テーピングありがとうございました)。

が、いまいち効いてんのか自信が持てない。

手の甲が痛いのは確かだが、保持してる実感が希薄。それでもゴソゴソと探ると「痛みと保持の妥協点」みたいなのが朧げながら見つかり、なんとか高度を稼いでいく。息を切らしながらプロテクションを回収し、レイバックからやや強引にマントルを返して無事トップアウト。

初めて外岩をリードした頃の感覚が蘇るようだった。

 

カサブランカ

 

IMG_2382

 

そして名作「カサブランカ 5.10a」。なんとビレイをしてくださるのは開拓・初登者である竹本氏。こんな贅沢が許されていいのか分からないが全力で登る。

出だしから思ったよりも悪いが、ガバまで辿り付きレスト。そこから「超快適ハンドジャムパート」と噂される中間部に突入。しかし、まだまだ余計な力が抜けず超絶パンプに加え、フットジャムがスタックして悶絶。心が折れそうになりながらようやく切り株に到達する。そこから先も何度も諦めそうになったが耐えに耐えて遂に終了点へ。

トップロープでこれだけ充実したのはいつぶりだろうか。

その後、強々女性クライマーがスイスイと超快適パートを駆け抜けていく様を見ながら撤収作業。
姐さん、竹本さん、お付き合いいただきました皆様、勉強させていただき誠にありがとうございました。

絶景スラブとクラックの謎

IMG_2298

 
たまには趣向を変えてスラブとクラック(!?)だけのワンデイを過ごしてきました。

 

亀甲めぐり

 

IMG_2283

 
クライマーにとっての新たな聖典「瑞牆 クライミングガイド」の下巻最後の方に掲載されているルート。写真から伝わる開放感がハンパない雰囲気で、これは夏前に登るのが吉と即決。今回のメインターゲットとした。

トポ掲載通り出だし核心だけどそこは簡単。
その後、露出感抜群のスラブをダイクに沿ってトラバース。

—-絶景!
なんだけど緊張感も抜群。
しかもスラブスキルが低すぎて超絶苦戦。

緊張感と日差しから手汗で滑り、次のクリップがやたらに遠く見える。だが、ここへは景色を眺めにきたのだ。従ってPASSも装備しているし、もちろんカメラも携帯している(落し止め付き)。僕は速やかにテンション撮影の準備に入った。

 
IMG_2302

 
終了点から眺めた八ヶ岳と南アルプスは美しかった。

 

十六夜

 
IMG_2309

 
降りてくると十六夜でUEchangとノブタソに合流。ちょっとだけセッション。スタートにコツが必要で面白い。両足マッチまで進んだところで離脱。

 

私も三倉に連れてって

 

IMG_2323

 
さて本日のもう一つのテーマ、クラック。ねじねじの岩場にあるOWに挟まってみる。しかし、、何もできない。ワイフと「意味わかんねー」「上手い人どうやってんだー」と盛大に敗退。助けてクラックマスター。

 

チョーサイコールーフ下部

最後に本気出しとこうかと「チョーサイコールーフ下部 5.11c」に取り付く。しかし、西日がこれでもかと照りつけ、全くホールドが持てない。取り合えずムーブはバラしたが、次くるのは秋以降になりそう。

オリーブ男子

IMG_2185
GWに引き続き、カサメリ沢。前回触った「プラチナム」と「ポパイ」の為に。ちなみに最初に断っておきますが浮気性の為にどちらも触っておりません。(ッエ

 

レーザーズエッジ 5.10d MOS

IMG_2189
今回は久しぶりのドラパイセンとMサカ氏とSザキ氏。小クジラでアップしてからのモツランド。浮気(めんたいこ 5.11b)のため放置プレイとなっていた「レーザーズエッジ 5.10d」にトライ。(百岩では10c/dと記載されているが最近刊行された瑞牆リードトポでは10d)

もちろんマスタートライだが、あわよくばオリーブまで頂いてやるぜと鼻息MAX。総数14本のドローをぶら下げて取り付く。いささか重さを感じつつも無事完登。そして「オリーブ」を見上げた。

 

浮気相手は「オリーブ」

全長25mのオリーブはトポの通り被ったラインにガバが散見。これはイケそうと、ビレイヤーのドラパイセンに「オリーブ、頂いちゃいます」と告げおもむろにスタート。サクッとオリーブを頂戴した後、ポパイに転戦する構えだ。もちろんそんな甘い考えが通用するはずがない事は冒頭で述べた通り。

ガバを丁寧に辿り、パンプを抑えつつ高度を稼いでゆく。しかし慎重になりすぎたか核心部に至る頃には割とギリギリ。クライムダウンするがレストポイントを見失い、消耗したまま核心部へ。するとこれまたトポの通り、ビクトリーガバが遥か彼方。「こんなの届かねーよ、ここでランジとかマジすかー」となってフォール。セルフが取れない程のパンプは久しぶりだった。

その後トップアウト、レストポイントの再確認と核心ムーブを確認してロワーダウン。核心ムーブがいまいち悪い。

Sザキ氏に「めんたいこ 5.11b」のムーブを押し売りした後、昼寝。ドラパイセンは「最近登ってないから5.10cがやっとだよー」とか言ってたがあっさり一撃。
IMG_2229[参考にならないアドバイス失礼しました]
そして2try目。ムーブに不安が残るが中間部の大レストを挟めば突破できると踏んで取り付く。ビレイをしてくれるワイフには「昼寝してるんじゃないかってくらい休むのでよろしく」とおよそ本気トライらしからぬエクスキューズを入れてスタート。

レーザーズエッジを抜け、終了点から右へトラバース。やや脆いが広々としたテラスで休む。たっぷり休んだところで「さて戻ろうかな」と来た道を戻ろうとするが、なにやら悪い。「これ、行くのはいいけど戻るの辛いんじゃね」と思いながらも何とか戻って再開。

案の定、核心へ到達するがヨレ気味。予定通りハイステップとガストンで突破し、遠いガバを取るためキョンに入ろうとするが体が入らない。「やっぱこのムーブじゃあ辛いかー」と敢えなくテンション。

若干途方に暮れつつ、ふと見上げると良さげなポッケを発見。「あの1try目はどこ見てたんだよ」と小一時間問い詰めたくなるが、ポッケ一つで万事解決するほどでもなく、3try目の疲労度を考えるといよいよ厳しい。「こりゃあ仕切り直して後日フレッシュな状態でトライかな」という諦めが漂いはじめた時、見つけてしまった。

最高にイカしたムーブを。

詳細は伏せるが、それは外岩で出したことのないムーブだった。いや、インドアでもここまで顕著なアレは滅多にないだろう。不安定かつパワフルだったムーブが、絶妙なバランスと手順で一転、スムーズに上部まで繋がりクリップに不安もない。まさにピースがはまったと確信した。

ロワーダウンしながら「このルート、チョー楽しいー!」を連呼、「たらこ 5.11d」を打つドラパイセンとMサカ氏を観戦しながらレストに入った。
IMG_2248[登ってないとの事だったが、「たらこ5.11d」にワンテンまで迫るパイセン]

 

オリーブ 5.11c RP

IMG_2208
そして迎えた、3try目。決して小さくない疲労を感じながらレーザーズエッジを抜ける。今度のレストポイントは終了点。改めて立ってみるとテラスより休める気がする。あの2try目は(以下略

そしてハングへ突入。連続するガバを抜け核心へ、前腕のパンプから逃げるように高度を稼ぐ。既にハイステップが厳しいがガストンへ繋ぎ、そして例のアレに。ピシャリとハマったアレはサイコーにフィールソーグッドだった。だがここで「慎重にレスト」とかしちゃうと恐らく1try目の二の舞。軽くシェイクしてポッケへ、そのまま気合いとともにガバを押さえた。しかしまだ安心はできない。もはやヨレ切っている体をギリギリの所でコントロールして遂に終了点へ。

思っていたより展望が開けなかったので、終了点のハングを乗っこして完登とした。(特に視界は変わらなかったけど)

 

浮気から始まる本気について

IMG_2240[本日の勝負Tシャツ]
というわけで二週連続、浮気からの本気は見事成就。素晴らしいクライミングで花崗岩グレードを更新させていただきました。

5.11cというグレードに対しては2tryで登れるのが理想的ですが、体力的限界に近い3try目で登った事により、結果的に極めて充実度の高い登攀になりました。そして、何度も言うけど「例のアレ」。ホントーに吃驚するぐらいハマッた。事前情報無しで是非探っていただきたい。(体のサイズが合わない場合はご了承ください)

そして次回こそはポパイ、、、なんだけど「チョーサイコールーフ」という魅力的な課題があってですね…

 

Granite Week

IMG_2143

 

一般的にG.W.って言えばやっぱ「Golden Week」なんだけど、でもね、いつのころからかゴールデンウィークと表記される事は減り、G.W.と表記される事が増えた。これはですね、やっぱ言わなきゃだめなんだと。我々はそういう時代に生きてるんだと。つーわけで声を大にして花崗岩週間を満喫してきました。もちろん定番の瑞牆山で。

 

チョーナンスラブ

 
img

 

今年も家族サービス的なキャンプ&ゆるふわクライミング。しかし、ひと味違うのが「開拓」であります。基本的にクライミングに興味薄なマイソン達ですが、岩の掃除をするのはまんざらではない様子。スラブの苔をきれいに落とし、掃除のついでに初登。実に渋い趣味である。

 

ジュゴン偵察

 
もちろん「ゆるふわ」とは言え恒例のSlashFaceは欠かさず。しかし右足首の微痛が気になったので適当に撤退。その後KZさんに地図まで書いてもらった小クジラ岩に移動。ジュゴンを触るが、いまいち謎。そもそものスタートも良くわからず、これまた適当に撤退。そのまま「たかねの湯」へ。

ところで瑞牆だと「たかねの湯」あるいは「増富の湯」が入浴候補となるが、「増富の湯」の渋さも個人的には嫌いではない。ただ食堂の営業時間が短いとか、休憩室も同時に閉鎖するとかもうちょっと、その、営業努力をですね…

 

めんたいこ 5.11b RP

 
IMG_2152

 

翌日はカサメリ沢でリード。フリクション抜群の「たぬき 5.10a」で快適にアップ。その後、「レーザーズエッジ 5.10c/d」に移動。順番を待ちの間、周辺のラインを物色してると「めんたいこ 5.11b」が快適そうな気配。瞬時に浮気を決意する。

MOSトライで核心部でテンション。その後、あっさり上部に抜ける。おそらく粘ればMOSしたと思われるが、その後丁寧にムーブを確認して2try目で気持ちよくRP。

 

 
「ワニワニワニ 5.11b」と比較して随分甘い気がするが、あまりに快適だったのでUEchangに強引に進める。しかし「十六夜 初段」の為に温存している彼の意思は固く、2tryで放棄。その後回収のため、再び登って「プラチナム 5.11c」に移動。

 

プラチナム

 
三ツ星ルートとして紹介されている「プラチナム 5.11c」だが、個人的にはそのまま上部に抜ける「ポパイ 5.11d」に興味津々。1ピン目が常軌を逸した高さにあるが、なんて事は無く右から回り込めば問題なし。オブザベーションで想定した通りのカチカチルートで、保持力よりも持久力が重要な印象。2try出してカンテガバを取りにいく所でフォール。

一応、ムーブは固まったので、次回はサクっとRPしてポパイにトライしたいっすな!

liMeStone

IMG_1918

 

満開の桜が新緑に染まった広葉樹に点々と咲く長瀞を抜けて、こんにちは二子山、はじめまして弓状エリア、ハンパない染み出しっすね。

というわけで漸く初上陸を果たしましたは二子山、ご案内は江戸川橋のGIジョーことS木兄貴。

 

弓状エリア

 
祠エリアを一瞥したら早々に弓状エリア。日当り良好の南面に強傾斜の石灰岩が圧倒的なスケールで鎮座。まさに壮観。てっきり針葉樹のうっそうとした山腹に岩場があるもんだと思っていたら、目からウロコのスーパーロケーション。

前述のごとく染み出しはハンパ無いが、そんな事より一刻も早く、何でも良いから登りたい欲求が止まらない。荒ぶる鼻息を落ち着かせる暇もなく兄貴オススメの「高くのぼれ 5.10b」に取り付く。兄貴の「これは人の登り見たら意味ないヤツだよ」との言葉通り、核心部のブラインドホールドに一瞬戸惑うが冷静に対処。一年ぶりの石灰岩ルートだが、特にブランクは感じることなくOS。

 

 

Big momo 5.11c 2撃

 
IMG_1918

 
さて、本日は兄貴お目当て「ペトルーシュカ 5.12b」に参戦する予定だったが、壮絶な染み出し。その濡れっぷりたるや、コルネがヌルリと黒光りでセクシーパラダイス。弓状の下部に行くほどコンディションは悪く、兄貴のモチベーションも下降線。

個人的には11台も登りたかったので、テクニカルと噂の「ビッグモモ」にトライ。一手目からわりーよ。何とか止めて、3クリップ目までは快適に抜ける。そして核心に突入。奮闘するも謎が解けずテンション。トップアウトしてムーブ確認、時間を掛けて丁寧に謎を解いていく。石灰岩特有のダイナミックなムーブかと思いきや、スタティックなハイステップがキーとなった。

そして2トライ目、下部で足が切れるが立て直して核心に突入。パンプに耐えハイステップから体を上げる。ギリギリでリップを掴んでRP。内容の詰まった良いルートだった。

 

 

ペトルーシュカ

 
午後を回り風が吹き始めると、件のコルネがにわかに乾き始める。せっかくなので12台触らないとねーって事で兄貴に続く。既に11cを登った体にはキツい傾斜に1クリップ目でA0。その後も無数のムーブ選択肢に翻弄されながら何とか最終クリップに到達。ちなみにほとんどA0してしまった。流石に不甲斐ない。

そして核心。終了点直下が核心という、ドS展開を前に奮闘するが突破できず。右手ピンチが見事なまでの百万人ホールドと化し、世間のドM化を窺い知る事となった。

その後、中間部で発見したトウフックムーブを兄貴に試してもらうが、ドMとしてはビミョーとの事で採用してもらえず。

レストを挟んで2トライ目。A0クリップでさえギリギリになりつつ、粘りに粘って核心を突破。ドロップニーからピンチ取り、飛ばしてガバ。このムーブが下から繋がるか否かの判断ができないほどにヨレて終了。

来シーズンまでにドMスキルを磨き、次回の調教に備えたいと存じます。

ジャンバラヤ

先日、「生と死の分岐点」から無事生還(RED POINT)したのはご報告の通り。早速吉報を届けに行ったところ、盛大な賛美と祝福に包まれると思いきや、

 

「ふーん」みたいな。

「まー二日もかけりゃね」的な。

「そりゃ登れてトーゼンってもんだよ」とかって反応。

 

や、分かってるんです。これくらいで満足するなと。まだまだお前は高い所に行けるはずだと。厳しい言葉も全て、期待感の表れなんだと。私、もちろん気付いておりましたとも。

で、次に進むにはどうしたら良いかと考えたところ、まずは弱点克服ではないかと。「分岐点」に 2Days 5Try を要した原因は

  • ムーブのボキャブラリー不足
  • ボルダーだと辛くないムーブがリードだと辛い問題

が大きかったと感じています。この弱点を克服するには一本でも多くのルートを登って経験値を積むのが正攻法だと思うので、5.11台の良質のルートを沢山登りたいと思います。と言うわけで城山のナイスな5.11に登ってきました。

メンバーはUEChang,NOBUtang,Mサカ氏,Sザキ氏,Nミチくん,僕。総勢6人。

 

 

チャンディーラサ 5.11a

当然のFlash狙いで取り付くが、下部のディエードルでまごつく。そしてテラスへ上がって核心のマントル。ムーブが分からず、早速弱点を露呈。しかし弱点克服の好機と奮闘マントルへ突入。ピンチこそがチャンスなのだ。渾身の強引100%のマントルが返ろうとした瞬間….フォール。FLならず。しょっぺー。

2try目でマントルを返してRP。返した後にロープの流れが悪くて焦った。

 
その後、ディエードルとマントルの変態職人ことUEchangに交代。かつてこれほど相性の良い関係があっただろうか。ディエードルを見つめる彼の視線は、無機質な岩に対するそれではなかった。

 
IMG_1239

 
まずはディエードルをヌルヌルと抜ける。見よ、このセクシーなキョンを。そして、ハイキックのようなハイステップからスムーズなマントル。私の強引ムーブとは一線を画す優雅なクライミングにため息がもれる。抜群の安定感で終了点に到達。クリップをかける彼の表情は恍惚そのものだった(見てないけど)。

 
IMG_1244

 

 

ジャンバラヤ5.11c

そして本日の大物、「ジャンバラヤ 5.11c」にMサカ氏とトライ。まずはMサカ氏から。

オブザベーション通りハングまでは特に難しくない様子。しっかりレストしてハングに突入。左のクラックから入っていくが、悪そう。何とかハングを越えるも、次のクリップができず一旦ロワーダウン。

交代して僕。もちろんここでもFL狙いだが、ハングでやはり苦戦。その後のクリップを何とかこなそうとするがA0。とりあえずトップアウトしてムーブ確認。核心はハングから次のクリップまでだ。クリップはリードにありがちな「ちょっと手を進めた方が安心できるクリップ」。ハングはボルダーライクな「手数をかけずに黙ってデッド」。

そして2try目。ハングまでのアプローチでややスタックするが、ハングに到達。予定通りサクっと抜け、手を進めてクリップ。最終局面でパンプを感じるが、気合いとともに保持。無事にRP。一応「2TryRP」なんだけど、FLするにはまだまだムーブの引き出しが足りないなーと痛感。特にハング後のクリップに関しては如実に経験不足を感じた。次は「ジゴロ」のFLを狙いたい所。

 
IMG_1270

 

Mサカ氏も3try目でRP。や、つーか強すぎだわ。外リード三回目くらいのはずなんだが。

 

プチマルチ

〆に「クロスロード 5.10a」から「ロングディスタンス 5.10d」に抜けるプチマルチ。60mロープで登れるんだけど、あえてピッチを切ってハンギングビレイ。沢とか山でしかマルチピッチシステムを使った事がないので、後学の為。テラスに上がる風が冷たかった。

 
IMG_1321

 
今年は本格的なスポートマルチ登りたいなー。

生と死の分岐点

IMG_1085

 

その仰々しい名前のを聞いたのは去年の暮れだったか。「スパイダーマン 5.12a」に何もできず敗退し、江戸川橋の二階で居並ぶ13クライマーにボヤイてた時だ。

「あんな細いホールド、持つところも立つところもない」「普段のクライミングとカルチャーが違いすぎる」「ムーブとかあるんですか?(どーせ地味ムーブだろ!)」「無駄に怖いっす」

今思い出しても糞ヘタレクライマー発言だったと記憶している。しかし寛大な彼らは、僕が登るべき一本として「生と死の分岐点」を推してくれた。城山はチューブロックの看板ルートだ。凝灰岩特有の程よいフリクションと明確なホールドに導かれ、薄かぶり断崖を登る。左手には「白壁の微瑕」を末端に大きな空が広がり、眼下には大仁の街。行った事のない城山だったが、「これしかない」と思った。

 
 

ムーブ探り

 
年が明けて、ドラパイセンと早速「分岐点」へ行った。UEちゃん、ノブたん、ワイフも一緒だ。初めての城山は、ストレッチスペースがなかったり、落石に神経を使ったり、難点もあるが魅力的な課題に圧倒された。

とりあえず「イスタンブール」「椿の森の中で」「ワイルドX」でアップをこなし、いよいよ「分岐点」へ。先行トライしていたクライマーのドローをお借りしてスタート。もちろんOS狙いである(真顔)。

 
IMG_0902[ドローありがとうございました]

 
スタートとなる大穴ポッケから、アンダーを取って足上げ。ドローが目の前にあるがクリップなんて無理。テキトーに周辺のポッケを掴むがやはり厳しい。早々に行き詰まる。辺り構わずホールドを探した挙句、何も見つからないままパンプによりA0。あっけなくOSトライは幕を閉じた。

すぐさまムーヴ探りに移行するが、遅々として解析が進まない。それもそのはず、アンダーからクリップを含む数手がこのルートの核心だからだ。ホールドはどれもこれも悪い。左奥のガバポッケは12bで登る場合は限定と聞いていたので迷ったが、結局キャッチ。これで12aとなった。しかし已然として厳しい。

その後、A0クリップを連発しトップアウト。ロワーダウンしながらムーブをさらに解析するが「ホントに繋るの、これ?」感はMAX。まったく繋がるイメージを持てずにドラパイセンに「これ、もう1便出しますよね(や、なんつーか、他のに浮気するのも選択肢としてアリじゃないすかね、あ、もちろんモチベーションはバッチリっすよ!自分、全然折れてないっすから)」と伺うと、パイセンはきっぱりと言った「もちろん!」

というわけで長レストを挟んでの2トライ目。「2トライ目はなぜかスムーズになる」の法則に従い、比較的スムーズに核心を抜けようとするが、クリップでもたつき、足置きが雑になりテンション。再度トップアウトしてムーブを固めていく。

他のクライマーのトライを眺めながらムーブを錬りつつ、太陽が傾き始めた頃に3トライ目。まだムーブが固まっていないが体は限界。行けるとこまで〜と思っていたら案の定ヨレヨレ。それでもなんとか核心を抜けてクリップまで進む。しかしもう何も残っておらずテンション。いつまでたってもパンプが回復しなかった。

一方、ドラパイセンは圧倒的完成度で核心を抜け、「あ、これRPするな」と思ったところで惜しくもフォール。さすがに4便目は無理と撤収。核心のパワーとバランスを要求するムーブが想像以上に体幹を削るようだ。帰りはUEちゃんが提案した「クライマーしりとり」に興じているとあっという間に東京。

 
 

生と死の分岐点 RP

 
二週間後、再び城山。今回はUE、ノブに変わりましてMサカ氏。前回同様「ワイルドX」に加え「クロスロード」でアップ。前回より風が少なく暖かい。天候まで味方につけ不安要素は皆無、と浮かれていた。この時までは。

そして気合いの1便目。「一応、ムーブ確認便なんですが、調子が良ければそのまま….」とドラパイセンに言おうとすると「皆まで言うな」という視線に促され、スタート。

アンダーから、危なげなくクリップをこなし、スムーズに核心を抜ける。これはいけるんじゃないかと次のクリップへ。だが決まらない。まごつきながらもなんとかクリップをこなし、手を進める。しかし、パンプした腕が回復せずフォール。

トップアウトして再度ムーブ確認。すると、フォールしたパートが「あれ、こんな悪かったかしら」と豹変。一瞬、気が動転するが心を落ち着けて確認する。やはり悪い。典型的な「気に留めてなかったムーブが後々になって自己主張してくるパターン」だ。だが今回は頼れる兄貴、ドラパイセンが居る。兄貴の的確なアドバイスによって劇的に解決。

ロワーダウンしてドラパイセンとバトンタッチ。相変わらずの安定感で核心を抜け、足が切れるも耐えて繋げる。「あ、これRPするな」と思ったところで惜しくもフォール。奇しくも的確なアドバイスを頂戴したそのパートでだ。とは言え、お互いにムーブは固まっているので二人して長レスト。

ところが昼を過ぎた頃から風が吹き始める。更に太陽が雲に隠れて極寒タイムに突入。しかもこんな日に限ってダウンは洗濯中。

ようやく風が収まってきた頃、ドラパイセンの2トライ目。抜群の安定感で核心を抜け「あ、先越されたな」と思ったところで驚愕のフォール。デジャヴの様な展開に周囲も動揺を隠せない。

そして風が再び強まる中、運命の2トライ目。「寒いんで声出しまくりでいきます」の宣言通りシャウトしながら核心を抜ける。クリップをこなし上部へ、ガバポッケを捉える。しかしまだ気は抜けない。限界近くまでパンプした前腕と、たたらを踏む膝を繊細にマネジメントし、慎重に立ちこんでゆく。最後の核心である右手ポッケへのデッドにさしかかるが、パンプの度合いからデッドは不可能と判断。左手で薄カチをだましながら、細心のバランシームーブで捉える。最後まで集中力をキープしつつ、リップへ。シャウトする必要はないんだけど、とりあえず叫んでおいた。

ダイナミックさと繊細さのバランスが程よく、特に後半のパンプに耐えてスタティックに高度を稼いでいくパートは充実する。おもしろかった。グレードに関しては厳密には5.12aってことになるのかな。ようやく12クライマーを名乗る事ができましたよっと。

 
IMG_0907
[ぼくのシャウトは大仁の町まで響いただろうか]

 
 

グレイシー 5.11c OS

 
Mサカ氏の「ストーンフリー 5.10c」OSを見届けた後、隣の「グレイシー 5.11c」にトライ。ボルト2本の見るからに紐付きボルダーといった印象。ひょっとしてOSできるんじゃね?と取り付いてみるとあっさりOS。気持ちよいスローパーと安心感抜群のガバによるボルダールートでした。正直な所、「ワイルドX 5.10a」や「クロスロード 5.10a」より簡単に感じてしまった。

こいつは間違いなくMサカ氏にはオススメ度ナンバーワンだと猛プッシュ。すると案の定RP。外リード二回目だそうですが流石としか言いようがない。

 
IMG_1102
[二度目とは思えない安定感でストーンフリーを登るMサカ氏]

 
最後にドラパイセンの3トライ目を見守るが、やはりヨレが顕著。残念ながら宿題となった。夕方になると風が止み、昼間より暖かい日差しの中撤収。次は「白壁の微瑕」をやるかな。

チャートの傾向と対策。

noryjoy

 

Chert

 
チャート、いわゆる堆積岩の一種に分類され、二酸化ケイ素を主成分とする。海の底深く、悠久の時を経て造られた後、地表に隆起したものを我々は目にし、そして登る。そのエッジは鋭く、硬い。岩肌にざらつきは認められず、凹凸が少ない面は艶やかに光る。

チャートの岩場は、もやは説明不要である御岳をはじめとし、多数のエリアが東京近郊に存在する。東京在住であれば非常に身近な存在なのだが、実はあまり良い印象を持っていない。より正確にはフリークライミングの対象として魅力を感じないのだ。その理由は、先に述べた刃物の様なエッジと、貧弱なフリクションしか生まない岩肌だが、御岳の過密具合も多分に加味されている。一方で沢の対象としては魅力的だが、それについては別の機会に譲ろう。

前置きが長くなったが、久しぶりにチャートの岩場へ赴いた。週末の時間的都合が故だが、このところ花崗岩での成果に伸び悩み、プラトーに陥りつつあるのを感じていたからだ。好みではないとはいえ、花崗岩以外の岩に触れることに何かしら意味を期待していた。と同時にチャートへの印象を少しでもポジティブにするためでもあった。

ま、結論から述べるとどちらもビミョーな結果になったんだけどね。

 

天王岩

というわけで、自宅からドアtoドアで2.5時間な天王岩へ初上陸。電車、バスの乗り継ぎもスムーズかつ停留所から岩場までは3分。かつてこれほどアプローチに恵まれた岩場があっただろうか。これで花崗岩だったら、いや言うまい。

まずは「下の岩場」でアップ。

フタリシズカ 5.8 MOS
スタートのホールドを握ると痛い。件のエッジが手のひらに食い込む。チャートの洗礼を受け、強烈なアウェイムードに(勝手に)晒される。すると、川からの湿気で滑ったホールドが沢っぽく見えてきて、「そうか沢だと思えばいいんだ」と謎の開き直り。エッジで刺激されるのが原因なのか手の平が異常にあったまる。ワイフにトップロープをセットして交代。

つゆしらず 5.9 MOS
百岩では星二つとなっているが、それほど面白いとは感じなかった。

サンコウチョウ 5.10a MOS
隣のラインが近くてどこまでがokなのかわかりにくい。こういうところがっ…いや何でもない。

 

ノーリージョイ 5.11b RP

 
天王岩の中では比較的長いライン。部分的に被っているがほぼ垂壁のフェイスをガバとカチでグイグイ登り、核心部はトラバース。ホールドが尖っていなければジムにありそうな課題である。マスターオンサイトで決めてやるぜと息巻いていたところ、トラバースでフォール。いや、痛かったんですよ、指が。とりあえずそのまま上まで抜ける。ムーブも面白い。ホールドがわかっていればアップでも使えそうな印象。

そしてトラバースのムーブを再確認。トポによると「クラックを使うと5.10d」とのことなので可能な限り離れようと苦心する。ついでに正体クライマー卒業に向けて、ここぞとばかりにドロップニーを採用。後は繋げるだけとなった。

そして2トライ目。順調に核心へ至る。もちろんドロップニーもばっちり決まった。しかし、ここでお約束の手順ミス。左手を飛ばす予定が先に足を上げてしまったため飛ばせない。窮地に立たされるが、クラックから左へ30cm、いや20cm、、ひょっとすると15cmほどずれたカチを使って抜ける。その後は慎重に上まで抜けて完登。ヒジョーにもやっとするクライミングだったが、「そもそも限定とかナンセンスですよ」と居合わせた強々クライマーの兄貴が仰っていたので、ヨシとしておく。
 

 
エスパー 5.12a/b
どっかぶりのラインにドローがかかっていたので、遊ばせていただく。ばらせなかったが、割とあり得る感じ。背後の木に衝突しそうで、怖い。

鬼太郎音頭 5.10b/c MOS
締めに天王岩最長ライン。核心部の強度がよれた体には丁度良かった。内容、長さ共にクオリティの高い名課題だった。

コーナークラック 5.7 MOS
本当は「冥土の土産 5.10d」を登ろうとしたんだけど、時間がないのとチャートのスラブが怖すぎたのでシレっと転戦。

 

傾向と対策

著名なクライマーが言っていた「岩と仲良くなることが大切なのだ」と。
もちろんそうだとも。朝、家を出るとき「今回の逢瀬でチャートとのすれ違いはきれいさっぱり解消してるはずさ」と淡い期待を抱いていた。「家路に着く頃には、次回のチャートトライを計画してるに違いない」と。しかし、その結果は…いや、まだ結論を急ぐ必要はない。少し時間を置けばいいのだ、えーと、来年の夏くらいまで。

ロープワーク

甲府幕岩でロープワーク練習とチョロっとリード。メンバーはUEchang、WiFe、notti。

甲斐駒ー鋸岳にバリエーションを交えた山行にいくのでUEchangとロープワークを確認するのが今回の目的。

以下講習内容

  1. 懸垂下降
  2. ビレイ
  3. セカンドビレイ
  4. アセンダーでの登り返し
  5. ダブルロープのビレイ

鋸岳の破線ルートを行くにしては大げさなメニューだったけど、割と楽しかった。

余った時間で少しだけリード。前回宿題になった「岳でキョン 5.11c」を一発で仕留める。本当はマスターで登りたかったけど、まだ実力が足りないようです。

UEchangは「HIVE 5.10a」をフラッシュしたあと「イエローマウンテン 5.9」をMOS。

退屈してたnottiをTRトライさせて終了。お疲れさまでした。