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一刀

 

フリークライミングをしてきた。

瑞牆山は小面岩のマルチピッチ、それは「一刀」。

壁中に一切の残置物を残さず、取り付きから岩頭まで花崗岩のクラックに導かれトップアウトする、最高にかっこいいライン。

このラインを初めてトライしたのは5年ほど前。その時から「安易にトップアウトはしたくない」と考え、各ピッチ完登して次に進むことにした。おあつらえむきに最終ピッチはランナウトするという。A0でトップアウトするネタバレクライミングは相応しくない。最後まで未知の領域を残して登ろうと思った。

妥協した点があるとするとハングドックとヨーヨースタイルを許容したあたり。それも当時のパートナーとよく話し合って決めた。

そんなわけで5年まえは3Pを抜けることも叶わず敗退。なにもかも足りてなかったが心意気は買っていただきたい。

そして今年の春、パートナーは山ちゃん。我々が組むと晴天率が著しく悪い。びしょびしょの1Pを沢登りのように抜ける。2Pのクラックもシケシケ、ここは前回ピンクポイントしてるので3Pのハンドクラックに注力する。2日間のトライの末、2PのRPに成功、山ちゃんは3Pも成功していた。

 


 

満を持して秋、岩はパリパリ。1Pに至っては快適すぎて#5,6の出番なし。2Pを山ちゃん。クラックに枯葉が詰まっていたが堅実に登り切る。フォローも落ちることなく続き、3Pに取り掛かる。

 

1P
1P 5.9

 

岩の状態は控えめに言って最高。やや風が冷たい。ハングのムーブを忘れていて少し消耗する。数手進み足が切れるが耐えてレイバックで切り抜ける。前回悪く感じたワイドハンドは抜群のフリクション、気がつけばフィンガークラックが目の前。チョックストーン下で十分にレスト、集中してマントルを返した。

2Pと合わせて一刀でRPグレードを更新できたことになる。地味に嬉しい。

 

3P
3P 5.11b

 

ここからが念願の初見のピッチとなる。歩きを交えチムニーピッチを抜ける。

 


5p 5.7

 

そして最終ピッチは噂のランナウト。出だしは左上したクラックでグリーンスピリットのように見えなくもない。快適に左上クラックをぬけマントルを返す。なるほどプロテクションは取れない。だが本日のフリクションにおきましては何の心配もございませんとばかりに、サラリとOS。あれ、もしかしてトラッドのOSグレード更新では…

冷たい秋風が吹き抜ける岩頭に抜け、小ヤスリのクライマーと談笑した。

取り付きを発ったのが9時半、岩頭に12時半。終わってみれば3時間程度のフリークライミング。壁には思い出だけを残してきました。

 

 


岩頭

ストロンブレイカー ノーグレーディング

 

ゴールデンウィークはいろいろと登った。

リハビリと称して「正面壁右岩稜線」のマルチピッチから、カサメリの「はるな」、「ストロンブレイカー」、「瑞牆大橋下ルーフクラック」など。

あらためて書き出すと4課題にすぎないが、それぞれ特色があって印象深い。

なかでも「ストロンブレイカー」は強く印象に残ってる。「はるな」を登ったあと軽い気持ちでカサE氏と取りついたのだが、「こんなところにクラック課題なかったはず」という先入観からロクに調べもせずにトライを開始する。(なお、トポにはバッチリ記載されている。山ちゃん教えてくれてありがとう)

まあ結果的にそれはよかった。自分で判断せざるを得ないし、「5.11c」とあればトライしなかった可能性は高い。

ちなみに我々の当初の読みでは5.10aから5.10cであった。

 

で、登ってみると読み通りフィンガーからハンドサイズ。右上ラインなので右足の置き場所に困る。核心のジャミングやプロテクションで試行錯誤しつつトップアウト。カムは0.4が比較的多かった。

しっかり休んでレッドポイントを狙うが核心のプロテクションで力尽きる。まあ前日マルチ登ってるし致し方なしとこの日は撤収。グレードについては疲労もあり、加えてクラック経験が足りなさすぎてなんともだが、当初の読みは大きくずれていないように思えた。

 

 

数日後、今度は家族でカサメリ。この間、ストロンブレイカーをどう登るかを考えていた。
選択肢は3つ、

  • 普通にリードする
  • ロープソロでリードする
  • ボルダーとして登る

結果的にボルダーを選択したのだが、その理由はざっと以下

  • ビレイヤーの確保が難しい
  • ロープソロは未経験
  • 斜面沿いなので山側に飛べば落差を減らせる
    • もっとも谷側にふっ飛ぶと落差は増える
  • すでにプロテクションありで全貌を知ってしまってるので冒険性をもとめるとボルダーしかない
  • フレッシュな状態なら不確実性のあるムーブはほぼない
  • ボルダーとしてギリ許容できる数少ないチャンス

他にもあった気もするが、ボルダーとして登るのがもっともクリエイティブだと思えた。

 

家族をモツランドに残してオランジュへ。クラックの状態を確かめるために中間部まで上がる。めちゃくちゃ快適。クラックの状態云々より、体の状態がよい。前回はどんだけ疲れていたのだろう。

一度クライムダウンして今度は核心直下まで。核心はやはり少々緊張する。山側に飛べば…とか言ってたけど濡れた露岩に苔が生えているのでできれば飛びたくない。着地で盛大に滑って肘をぶつけて滑落するイメージが浮かんでくる。

地上に降りて「本当にやるのか」とあらためて問い直すが、リスク的にもムーブ強度的にもできない理由は乏しい。何よりロープもカムも持たずにムーブを起こすことが思っていた以上に楽しく、この選択は間違っていないと思えた。

短いレストの後、再び取りつく。

中間部のハンドまでサクサク上がる。やはり快適。フィンガーを交え核心まで。少し甘いシンハンドを決め意を決して足を上げる。するとシンハンドがバチ効き。前回はチョークアップする余裕など皆無だったが、今は違う。余裕のチョークアップからビクトリージャムへ。ルンゼを詰めて取りつきへ戻った

とても良い課題だった。
この場を借りて初登者に敬意を表したい。

 

おそらくボルダーとしては登られていないと思うが、高さや内容を踏まえると「ノーグレーディング」とするのが良いと思っている。

 

ギャラクシアン 12a RP

6年ぶりにギャラクシアンをトライした。

前回は真夏だったということもあるが、それ以上に花崗岩スキルが足りず、スラブに入るや否や完全にお手上げ。滝のような汗をかいてA0回収したのも今となっては良い思い出である。(もっとも大部分はパートナーの獅子奮迅の活躍による)

6年ぶりにトライすると前回見えなかったムーブやホールドが次々に見つかる。もしかすると前回の記憶を忘れてるだけかもしれないが、中間部のジャミングによる解決は成長の証だと主張したい。

そして長いだけのスラブとおもっていたこのルートが、実際には多彩な内容が詰まった珠玉の一本であることを知った。いったい6年前はどこを登っていたのだろう。

9月のトライではまだコンディションが悪く、いっしょにトライした雀ちゃんと日当たりがあーだこーだと会話した。縁があればチャンスは来るだろうと思って帰路についた。

2週間後、とくにギャラクシアンを狙うわけではなくカサメリ入り。壁を見上げると午前中は日陰に入るようでコンディションは良さそう。

とりあえず青龍を登って、これまた長いこと宿題の「朱雀 5.11a」を登る。2週間前とは比較にならないフリクションの良さに驚愕する。

オランジュに上がると雀ちゃんが既にギャラクシアンをトライしている。圧倒的な安定感を見せながら高度を稼ぐ。さっくり登って降りてくると開口一番「前回の5倍のフリクション」とのこと。まだ肚が据わっていないがこの時間帯を逃せば岩に陽が当たる。意を決して準備する。

結び変えボルトまで上がって第一核心へ。5倍のフリクションとやらは…ガセではなかった。異次元のスメアでどこでも踏めそうな雰囲気すらある。とか思っているとまさかの足スリップ。落ちたと思ったがなんなくリカバー。これが5倍ってやつなのか。そして中間部へ。おもむろにジャミングを差し込む。しかしフリクションが良すぎてスメアでもフツーに登れる。結局多少はジャムったもののほぼフェイスムーブで突破。成長の証は…またどこかで役に立つだろう。

そして上部。すこしずつ陽が差してきて眩しい。あと少しだが緊張感も高まる。上部核心に入るが前回のムーブがうろ覚え。落ちたくない一心で半分アドリブながら突破。最後の小ハングも記憶ほど悪くなくバタつきながらも抜ける。終了点の閉じないビナを自分のビナと交換して息が整うのを待った。

ゴンベイ4

締めに「てるやまもみじ 5.10」とこれまた長い宿題の「ゴンベイ4 5.11b」を登った。

しばらく会ってなかった友人と久しぶりに遊ぶような、そんな気がするカサメリ沢だった。

In 2021

ここ2年ほど新年エントリーを書いてなかったので久しぶりに書いてみようと思う。

2020年は色々あったわけだが、下の子も3歳になり以前より岩場に行ける回数は増えた。ありがたいことにキャンプ大好きっ娘に育ってくれたので瑞牆や廻り目平に関しては非常にアクセッシブルになった。あとはビレイを習得してくれれば…

昨年最大の成果としてはベルジュエールのレッドポイントだが、その後登ったもので印象に残ってる課題を備忘録しておく。

ナーガ 1級

これは2020年で一番面白かった課題。可能な限り足先行にこだわってスタートしたかったので満足度高し。中間部もバチ効きのフットジャムとハンドジャムで構成される秀逸な構成だった。体感グレードはよくわからないけど2級でもいいのかもしれない。ちなみにチップクラック2級は登れてないぞ。

生命力

ここ数年登った中で、トップアウト後にもっともシャウトした課題。

中間部のポッケを捉えるまでムーブ解析とトライ数を要したが、ポッケを捉えてからは2トライで登れた。リップから先は完全に初見だったので脳汁がMAX。めちゃくちゃ充実した。

初日はスラビスタとセッションだったので、完登はソロが理想的と思っていた。念願叶ったわけだが、登れたら登れたで誰でもいいからグータッチをさせてくれと割と本気で思った。人とはわがままな生き物ですね…

グレードは雷帝と比較すると易しく感じた。新しいトポによると生命力 初段(V8), 雷帝 初段 (V7)とグレーディングされているが、個人的には生命力 初段(V7), 雷帝 初二段(V8)あたりが妥当に思える

Hapinnest You

これは3日ほどトライしているがまだ登れていない。春シーズンには登りたい。めちゃくちゃ面白い。

水際カンテ

年始に御岳に行ったのでかねてより気になっていた池田功の名作にトライ。

下地がかなり上がっているのでお買い得だよと居合わせたクライマーさんに教わる。せめてスタートは地面からやるかとトライ開始。思ったよりホールドはよくてそのままリップまで。

リップは予想通りツルツル。カンテと言うか稜線というかとにかく岩の形状に合わせてもがくとなんと登れてしまった。

え…!? もしかして..これって….二段フラッシュ…ってやつじゃ…

と思いながらスポットしてくださったクライマーさんに「いやでも、ちょっと左上気味でしたかね…デュフフフ」みたいに浮かれポンチな会話をかましてしまったのでかなりキモかったと思われる。

とは言え奮闘感溢れる直登マントルラインも魅力的なので再度トライを開始。だが、見事にスベスベかつ足もない。何度かトライしたのち、下手にホールドを探っても望みは薄いと判断し、リップをマッチして返しきるムーブを選択。

秋冬に緩く継続した懸垂15回3セットの真価を見せる時がきたのだ。

リップマッチから全力でプッシュするがほぼ膠着状態。やっぱムーブ間違ってるんじゃね、という思いと、諦めんな返し切れ、という思いが交錯しているとジワジワ体が上がってきてなんとか完登。期待を裏切らない奮闘系マントル課題だった。カンテ、とは…

 

今年の抱負

というわけで今年も可能な範囲で登っていこうと思います。特段大きな目標を立てるつもりはないけれど、こどもたちとマルチピッチができると楽しそうだな、と思っている。

ベルジュエール 10pitch 5.11b


パラパラと小雨が降り出した。レインウェアはいらないレベルだが、敗退すべきか否かを意識しつつ4年ぶりのチムニーに挟まった。

#6はスッカスカでまったく効かない。もちろんそれは4年前に経験済み。しかし今回はそれに加えてところどころ結露している。

ズリズリ上がって黒ずんだリングボルトにクリップする。一息ついて上部に目をやると、記憶より近い気がした。甘い考えが浮かぶがすぐさま打ち消し、ただひたすら無心で前進しようと覚悟を決めた。


天気予報

今秋の予報はいつもに増して難しい。当初は土日を使ってベルジュエールからビバーグを交えて蒼天攀路をプランニングしていた。だが七転八倒する天気予報に愛想を尽かして日帰りにシュリンク。それでも午後は崩れる予報。一方、土曜日は登れたっぽい。我々の土曜を返してくれ。


植樹祭発 (5:15)

そんなわけで前夜泊で瑞牆入り。オープンビバーグで霧に包まれながら時折訪れる晴れ間からオリオン座を見てまどろむ。3時間程度の仮眠時間。明日は午前中にカタを付けなければ雷雨に巻かれるかもな…とか考えると…朝になってた。

まだ暗いうちに植樹祭を発つ。


First Pitch (6:40)

ゆっくり登って準備してClimb On。4年ぶりのベルジュは寒くは無いけどシットリ。

ハング抜け口まで登ってロワーダウン、これをアップとする想定で登攀開始。

ハング抜けはちょっと悪い。前回はここでスリップフォールした記憶。慎重に手を進める。無事に抜けると、そのままイケそうな気がする。可能ならマスターで登りたい。次の手を出す。

上部核心に入る。前回は初見でムーブがわからず、そこそこ時間を使って抜けた気がする。ただ4年も経つとほぼ何も覚えていない。慎重にムーブを探る。ホールディングを調整して手を伸ばす。なんとしても登りたいと思った。核心を抜け、歓声をあげた。


2-3nd pitch (8:00)

続いてスラブトラバース。このルートの二大恐怖核心。だが、サクサクとスズメちゃんが突破。流水でヌルヌルのスラブもなんのその。ただでさえ重いシングルロープを引きずって3pitch目まで。小面岩が綺麗にみえた。



4th Pitch (9:00)

一番フレンドリーなピッチ。今回も美味しくいただきました。ちなみに今回はアナサジピンクですが、アッパーの厚み不足でフットジャムが痛い。


5th Pitch

ハイライトとなる大フレーク。ガスに巻かれて辺り一面まっしろ。予報どおり天気は下り坂で気持ちが焦る。ススズちゃんが高度を上げていくがクラック内部は流水でびちゃびちゃ。大胆にレイバックでグイグイ上がっていく。メンタルどうなってるんですかね。


6th Pitch

そして冒頭のチムニー。前回はここで30-40分は格闘したような気がする。だが今回の天候でそんな時間はかけられない。少しはチムニーも上手くなってると信じて挑む。

リングボルトにクリップして、#6をセットしようとギアラックから#6を外す。と、なぜか#4が脱落して遥か彼方に落ちていってしまった。こんなことが起こるんだろうか。呆然とするが、なかったことにして目の前のタスクに手中する。

#6を開き気味に決めた後は一切上を見上げず無心でプッシュで前進する。壮絶な耐久系クライミングの幕が開けた。と、思っていた。

すると…
.
..

………
あれ?めっちゃ快適なんだが…

クラックが少しずつ狭まってきて進みづらくなる。両手を逆手でPushしながら膝と足裏と背中でずりあがる。

落ちる気が全くしない…なんということでしょう。

不意にメットに何かが当たった。チョックストーンだった。前回はバテバテで必死の思いで返したマントルをこともなげに返して、チムニーの抜け口に立った。

できすぎた展開で我ながら嘘っぽいのでこの画像を貼っておこうと思った。


8th Pitch (11:00)

一時強まった雨脚も小康状態となり、これを抜ければ完登は目前というクラック。屈曲したラインで先の展開が読みにくいルートだが、抜群の読みで手堅くOS。

「ガバっぽかったのでしっかり片手固めて出したら登れた」みたいなコメントだったけどつくづくスゲー。


Last Pitch (12:20)


ついに最終ピッチ。またしてもパラパラと雨が降り始める。出だしの被ったクラックがやや悪い。雲が流れていくのを視界の隅に捉えながら最後のスラブを抜け、岩頭へ。

4年ぶりに十一面から眺める瑞牆はいたるところで霧が沸き立ち、雲の切れ間から富士山がのぞいていた。


砂の塔

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2週間ぶりにカンマンボロン。前回ややミスったアプローチをきっちり修正し、「太陽の塔」の取り付きへドンピシャで到着。前日の雨の影響か下部は沢登り状態。砂のエリアを偵察しに行く。

コルまで上がり砂のエリアを望む。とてつもなくカッコイイ。このエリアは実に4年ぶり、基部から見上げた壁はよく乾いていた。

 

砂の塔 5.12a

できる範囲でアップを済ませてOSトライ。下部はボロボロと脆い。まさに砂。大きなガバがミシミシいってる。気がする。たぶん気のせい。ポジティブなホールドをつなぎ高度を上げていく。進めば進むほど岩は硬くなっていく。

傾斜を喰らい始めるあたりでホールドも細かくなってくる。しばしラインを読む。何度か行きつ戻りつを繰り返し突破。そして核心。ブランクセクションに見えた部分は果たして…何もなかった。

詰んだ。と思っていると下から「出せー!」コール。出した。落ちた。

いくつかムーブを試して核心を超える。上部は気持ちよい凹角を辿って終了点まで。核心のムーブは割りと好きなタイプ。

スズメちゃんのビレイを挟んで2トライ目。

さっきよりミシミシいってる気がする。レストポイントで呼吸と意識を整え、核心に入る。片足が切れるがすぐに足を拾う。そして手を寄せ…られない。典型的なテンションムーブだったらしい。一気に次のホールドへ、ブランクセクションに入る。腰が落ちてるが全力で粘る。

ギリギリで届いた。上部でムダに吠えまくった。2トライで登れたのはとても嬉しい。

ボロンボロン 5.11c

4年前にヨレてA0回収した思い出のルート。改めて登ってみると、どこでA0したのか逆にわからなくなった。不思議なこともあるもんだ。

4年前より強くなったかは正直わからない。多分あまり変わってないだろう。ただ、上手くなったような気はする。もっと上手くなりたい。

クラック 11b

ほどよくヨレたので太陽のエリアにあるクラックへS兄貴と移動。7mくらいのシンハンド〜フィンガーサイズ。手はなんとかできるが足が痛い。それも親指の爪。クラックの時はアナサジレースを使ってるが兄貴曰く、それじゃあ痛いだろうとのこと。靴はいまだに悩みのタネだ。

クラックセッションでヨレヨレになったところで砂のエリアへ戻ると、山ちゃんのRPトライ。
コルを登り返し、対面から撮影。素晴らしいトライが撮れた。

太陽の登 1st Pitch

近況報告

5億年ぶりにブログを更新しようと思ったらプラグインエラーとか出ちゃってて、よし、Wordpressは捨ててhugoとかstatic-gen系に乗り換えてやるぜと決心しました。んで、30分くらいリサーチしてたらめんどくさくなってきたので、シレッとプラグインを削除してWordpressに戻ってきてイマココ。

1月ごろは自分史上最高のチムニー?課題が登れました。ロケーション、ムーブともに”胎内くぐり”そのものだと感じたので子育て・子授かりで下田にゆかりのある伊古奈の名をいただきました。こじつけだけど。

そのあと、城山のFateをバタつきながらも2tryでのぼりました。

この手のかぶったルートを動画でみかえすと我ながら下手すぎると思いました。どの辺が”崩れている”のか有識者の意見が欲しいところであります。

COVID-19

そして、そうこうする間に自粛と緊急事態宣言で岩場にもジムにもいけない日々に突入。しょうがないので鉄棒やってたら、マッスルアップができるようになってた。

ひとつ明確にしておこうと思いますが、この期間に登りにいった人も行かなかった人にも、自分は肯定したい気持ちが強い。まだうまく説明できないが、何かで読んだ「俺は俺のやりかたでやる、君は君のやりかたでやれ」がやけに沁みる。

*開け

というわで「*(アスタリスク)開け」は瑞牆へ行った。それも屈指のマイナーエリアでワイドやらハンドやら。

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復帰一本目のワイド。良いスクイーズチムニーだった

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そして数年ぶりのカンマンボロン

カンマンボロン、大面、末端あたりは取り付きからして雰囲気が違っていて、そりゃあ雨の侵食でさえも梵字と言いたくなるよなと思う。

今回はスズメ&MSMと「太陽の登」をセッション。3回フォールしたら交代というグラウンドアップというかヨーヨースタイルをさらに大甘にしたような高回転スキームで各自高度を上げていく。正直取り付きからではクソ簡単に見えたのだが、実際には厳しい核心とその後も気の抜けないムーブが続く秀逸な構成。

2トライ目でトップアウトし、3トライ目でレッドポイントすることができた。

3トライ目で登りきったことも嬉しかったが、2トライ目で核心後の際どいムーブをマスターで落ちずに抜けきったこともよかった。花崗岩は最高すぎる。

summer high

6月から8末にかけて、いわゆるオフシーズンにのぼったやつあれこれ。

不動沢下のハング課題

初めてトライしたのはちょうど2年前。スタートから数手がムーブがあり面白い。しかし落ちまくったのは最後の一手という辛いパターン。この日は初めてのナイトボルダーだったわけですがランタンの灯の下、ワントライ目で登れた。いい課題だった。

メメクラック

ねじねじの岩場は4年ぶり。前回来たとき、美しくかつ激ムズそうなクラックがあると思っていたら実は「ねじ式 四段」だったわけで、改めてご対面。まあスタートしかできなかったけどな。4年前は「ねじ式」の前に木が生えていた気がするが伐採されたようで切り株だけが残っていた。ちょっと悲しい気がした。

「ねじ式」を挟んで両隣のトップロープ課題をボルダーでトライする。「メメクラック 5.10b」はフィストパートが湿っていたがハンドとフットジャムをねじ込んで突破。乾いてても結構難しい気がする。充実した。

ねじねじ

「ねじねじ」は快適なフェイスからスラブ。上部にボルトが打ってあるが、設置される前に登りたかったなと。まあ上から落ちたら「イシャはどこだ!」ってなるので理解はするのですが。

ハンドジャム課題

IMG_2414

「私を三倉につれてって」の右となりのワンポイント課題。ハンドジャムを効かせてマッチするのが良い練習になる。濡れてなければ…だが。

瑞牆レイバック

一体何年寝かしたのがもはや不明だが、ようやく「瑞牆レイバック」を登った。ランディングにあった岩ってこんなに小さかったのかと。色々と感慨深かった。

プーシェ & 穴社員

スラビスタとkidsでクジラ岩周辺。名作3級をトライ。プーシェはいい課題だった。OSできなかったけど。穴社員はかろうじてOS。その後ウイスキーボトルの2級とか3級を登ったり…

虹の入江

そして3年ぶりの虹の入江。前日もトライしてみたがどうにも3手目が取れない。スラビスタの足ナビゲーションのおかげでなんとか完登。ありがとうございました。ただ3年は寝かしすぎた感があって、もう少し集中的にトライした方が充実するんじゃないかな。

帰りに「雨月」をトライするとこれが超絶面白い。こいつは長期熟成させずに登りたいと思いました。

瑞牆DEBUT

2歳になったひいさんを連れて瑞牆キャンプへ行った。彼女にとって初の瑞牆だが、GWのロックトリップでキャンプ生活にもロングドライブにも慣れたようで往きの車内では爆睡。

皇帝岩

テン場を設営した後、定番の皇帝岩。とりあえずヴォックのガバにぶら下がる。ソーメイは反対側のカンテラインで遊んでいたが指皮が即効で売り切れてモチベーションだだ下がり。ま、久々の花崗岩だししょうがあるまい。

スラッシュフェイス

昼頃、別行動で上にあがる。ずいぶん久しぶりにスラッシュフェイスと対面。件のランジは小さな発見があったが進展と呼べるかどうかは謎。秋にまた来ようと思う。

組手

M坂マンが「ワンデイ上等」と息巻いていたので合流してokeyさんともども組手。初手のカチが喰い込む。ランジを止めるところまでは繋がったのでそっから先はまた今度。ジムナスティックで楽しい。

杉野カンテ

そして前回一目惚れした杉野カンテへハイクアップ。下部の曲線美は何度やっても楽しい。カンテへ出てから切り返すのか直上するのか3人で協議するも何れのムーブも解決せず。こいつをノーマットソロで登り切った宮下氏には驚嘆せざるを得ない。また手に負えなそうなハイボール見つけたらシレっとサジェストしようと思う。

サザンクロス

翌朝はひいさんが車に乗りたいというのでドライブがてら不動沢最下部。アプローチ0分なのも嬉しい。小さなマントル課題をガンバしつつ大きなポッケ課題をオブザベーション。

気温は高いが岩の状態は悪くなくイケそうな雰囲気。核心はなんというか我慢系?3トライ目で成功。見た目よりはマイルドなハイボールでした。

その後、向かいの前傾ボルダーへ移動するがまたしてもマントル敗退。うーむいい加減登らせてほしい。

チンアナゴ

植樹祭に戻ってお蕎麦食べてトレイルラン装備で大面方面に上がるとミケちゃんと合流。皇帝岩へ向かうというので付いていく。

彼らがフリークエントフライヤーを打つ側で見当違いなアドバイスを飛ばしつつ周辺を散策。

すると美しいスパイヤー状のボルダーを発見。web上で「狆穴子」として紹介されたが最近になって既登だったことが判明したとか。色んな意見があると思うが、こんな良質のラインがトポに載ってないとなると登って紹介したくなるのは無理からぬことだ。初登であろうとなかろうと、岩を見て自らのラインを描いたのであれば良いクライミングだったんじゃないだろうか。その体験や岩との関係性に「狆穴子」という名前を与えたのであれば、そう呼べばいいと思う。少なくともトポに引かれた線をなぞるより、クリエイティブな行為だと僕は思っている。

雷帝

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超絶久しぶりに瑞牆でクライミング・キャンプをした。

ボルダーシーズンはそろそろ終盤って声も聞こえてくるが木々の緑はそれほど濃くなく、気温も15度以下。こりゃ梅雨が来るまで遊べるんじゃねと思いつつ、アップのために猫頭エリアへ行く。

猫頭ントルの右カンテを登って右隣の岩に移動。まだ雪の積もってる時期に少しだけ触った初段を打つべく前に立つと…びしょびしょ。誰だ梅雨までとか言ったやつは。カンテ挟んで左フェイスは乾いていたのでカチ課題を登ってアップ終了。

雷帝

ずいぶん前に2,3時間トライした際、なんとなくムーブはできていたので今日は最適化して繋げるだけ。まあそう考えて上手くいった試しはほぼない。加えて今日は初手のアンダーがどうも湿気っぽい。いや、前回もそうだった気もする。

トーやらヒールをかけてるとなんかいい感じになってきたので初手、二手と繋ぐ。さて、、こっからが本題。足位置をいろいろと調整してデッド。デッドの強度はまあ耐えられるんだが足さばきが辛い。あとはもう気合だな。と思ってたらトーラバーに穴。おい。

ここで上部大丈夫なんかな〜みたいな気分が湧いてきたが、普段エラソーなことを言ってるので探るのはやめて時が満ちるのを待つ。

久しぶりにがっつりシークエンスを脳内再生してスタート。穴の空いたトーラバーも問題なく自分的核心の足さばきをこなしてデッド。止まった。そして上部へ。ちょっと緊張感のあるムーブからガバを捉えてマントルは快適。スラブをゆっくりと上に抜けた。よいクライミングだった。

 

大面岩基部

思いのほか早い時間に登れてしまったので上にあがる。ちなみに完登動画を撮ろうと思って劇打ちするも登れずちょっと凹んだのは内緒だ。

まずは不可視。中間部のムーブが辛かったが探ってるうちにいい解決策を発見。だが最後のポッケが遠い。結局止められずに敗退。なんというか江戸川橋にありそうなカチカチっぷり。

sakuma

それから佐久間の塔の背後にあるケイブ。内部はかなり脆く崩壊しまくってるのでケイブ入り口のカンテ&クラックで遊ぶ。ムーブは難しくないけどヨレまくりでこれまた敗退。マルチのアップにおすすめです。

DKマントル

6時をまわって小雨がぱらついてきたので頃合いとばかりにマントル課題。ヨレっぷりに加えてこのコンディション。これなら登れなくてもしょうがないよねという敗者のメンタリティ全開で取り付くと、どうしたことか2トライで登れてしまった。こいつぁー面白い課題だと完登動画を撮ろうと思って劇打ちするも(略

夕飯はやまにのカンパーニュにカマンベールを焼いて乗せたら至福。

 

ジャイアント・ジャム・サンド

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翌朝は水墨画のような明けの月とともに起床。
朝食はセルジュ・ゲンスブールを聴きながら摂るというエレガントスタイル。
重い体を引きずってM坂マンとOkeyさんについて初めての地獄・リアス式エリアに行く。

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OSで「ジャイアント・ジャム・サンド」に取り付く。最後でちょっと焦ったけど無事完登。ハンドからフィストまで、ムーブも多彩で面白かった。このグレードをOSできる程度にはトラッド能力が残っていたことに安心。

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周囲のクラックを観光しつつ下に降りてM坂Mが「N字クラック」をトライする横で「B1フィンガー」に取り付く。11aのフィンガーなんて分相応だが何事も経験だ。当然早々にテンションが入るが普段やらないハングドック(怖くてカムになんてぶら下がれねーよ)連発でなんとかトップアウト。このグレードのトラッドルートを自分で解決してトップアウトできたことはとても大きな自信になった。まあできればハングドッグなしがいいんだけど。怖いから。

その後は杉野カンテを掃除したり下部だけノーマットでトライしたりして遊んだ。このラインは瑞牆でも屈指の曲線美だと思う。これをいつの日か、ボルダーとして登りたい。