超絶快晴の八ヶ岳で、裏同心ルンゼ〜硫黄岳周回ルートを登ってきたよ!
パートナーはクライミングギアの新たな地平を“ブッチギリ”で切り拓く、マイスター・タロー。クラック登攀はないので名器タローカムの出番がないのが残念。
足慣らしには最適の定番ルートで快適なアルパインアイスを堪能しました。
シーズンイン
秋のリード・ボルダーシーズンでは「アイス?そういやそんなアクティビティもあったね」的な態度を示しておりましたが、岩が冷たくなってくるとアイゼンを履きたくなるのが人情というもの。
早速タローくんに連絡して予定を詰める。登攀要素のない雪陵ハイクあたりでお茶を濁すつもりだったが、アルパインアイスを提案されるや秒速で鞍替え。
ちなみに某氏から「今シーズンはアイス消極的とか言ってなかったっけ」と突っ込まれたが、もちろん「そんな昔のことは忘れたよ」と即答しておきました。
積雪は少なめ
当日朝はこの冬一番の冷え込み。とはいえ雪は少ない。美濃戸ー赤岳山荘までのダートも凍結箇所なし。
赤岳鉱泉までは凍結箇所多数だが夏時間と同程度で鉱泉に到着。荷物をデポして裏同心へ向かう。
裏同心ルンゼ
F1に着くと既に2-3パーティ。大混雑を予想していたが、それほどではなかった。順番を待って登攀開始、タローくんのリードでスタートする。氷柱はしっかりしているが硬すぎず、アックスは打ち込みやすい。
F2はやや渋滞気味。気長に待ってリード交代。1段目は低いのでノープロテクション。2段目のナメ滝に今季初のスクリューを打ち込む。
3段目も一気に抜けたかったが渋滞。ビレイポイント作ってピッチを切る。
流水のしたたるラインは「濡れてるの、大好きなんで(キリッ」と前置きしてタローくんが水線突破。そういえば「アイスクライミングは沢登りの延長線にある」と誰かが言ってたのを思い出す。
F3−F4は同時登攀でF5直下まで一気に抜ける。F3−F4は小振りだったりナメだったりでよくわからんうちに通過。
F5でリード交代。スクリュー二本で抜ける。BDとグリベルのスクリューを交互に打ったが、個人的にはBDが刺さりやすくて好きかな。
[草付きを直登 photo by Taro Inomata]
F5上部から左岸草付きをダイレクトに大同心基部まで詰める。ここでロープを収納。
大同心稜へのトレースは積雪量が少なく浮き石が厄介。アイゼンの摩耗が気になる…
大同心ルンゼ
[高度感がいい photo by Taro Inomata]
当初の予定では大同心稜から下降だったが、僕の無言の圧力を感じたか「想定より早いんで、稜線まで抜けましょうか」とタローくん。待ってましたとばかりに大同心ルンゼへ突入。
[FIXロープもある photo by Taro Inomata]
岩場主体のルンゼ内はFIXロープもあり快適に高度を稼ぐ。徐々に風が強まるが日差しが強くて熱い。
大きく視界が開けてくるが、もうひと踏ん張りで稜線へ抜ける。風がますます強まる。
稜線上は最高の展望、北アルプスがきれいに見渡せる。富士山も安定のクオリティ。ところでサムズアップをバッチリ決めているタローくんだが、彼の親指がガムテープで補修されているのは内緒だ。
硫黄岳
黙々と登り返して硫黄岳へ上がり振り向くと、横岳-赤岳-阿弥陀岳。爆風吹き荒れるイメージの硫黄岳頂上だがこの日は比較的穏やかだった。小休止を入れて長〜い赤岳山荘までの下山へ備えるのであった。
Stats
というわけでシーズン一発目から会心の山行となりました。久しぶりにアックスを振ったせいか右手が腱鞘炎になってしまったけどすぐに治るでしょう!タローくん、本当にありがとう。
今年はフリーも沢もアルパインも、やりたいクライミングはほぼやり切れた感があります。お世話になった皆様、心からお礼申し上げます。
コースタイム
- 赤岳山荘 06:30
- 赤岳鉱泉 08:00
- – 大休止(30分)
- 裏同心ルンゼF1 08:50
- 大同心稜合流 11:55
- – 中休止(20分)
- 横岳稜線 12:40
- – 小休止(5分)
- 硫黄岳 13:30
- – 小休止(5分)
- 赤岩の頭 13:50
- 赤岳山荘 15:50