月別アーカイブ: 2015年2月

スーパークリエイターと氷瀑を登ってみた

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おなじみ、ヤマーン!メンバーとスーパークリエイター・ムタさん(本人曰くハイパーマルチフリーター)という異色のパティーにてアイスクライミング。

メンバー的にお気楽スポットがマストなのでマップと睨めっこ。すると甲斐駒の麓にアプローチの良さそうな滝を発見。ネットで検索してみると割とメジャーな氷瀑らしい。日向山南面にただずむ「錦滝」だった。

当日は二月半ばにしては最高気温15°と小春日和。氷結が心配だがとにかく好天。アプローチの林道も雪が少ない。駐車位置から一時間弱で錦滝に到着すると、F1はしっかり氷結しておりコンディションも良好。しかし今回の目当てはF2。取り付きまで上がると、抜群の日当り。当然氷結はゆるそうだが、中間部までは比較的硬そう。

装備を整えトップロープを張るためリードで登る。実は初リード(疑似リードは経験アリ)だ。慎重に間隔を詰めてスクリューを打っていくと、6本を使い切り一旦ロワーダウンして回収。再び登り返して前進。残り1/3くらいから氷結が極端に甘くなり、スクリューはスカスカ。階段状になっているため落ちる心配はほぼ無いが、緊張する。

 

DSC_2466[photo by YAMAAN!]
 

落ち口に到達すると氷は一段と緩い。というか既に一部融解している。左の草付きへ逃げるが、岩盤の上に泥が堆積しているだけなので緊張を強いられる。想定よりも時間(とメンタル)を消耗したが、無事トップアウトを果たしトップロープを張ってロワーダウン。

その後、ヤマーンチームに続いてムタさんの人生初アイスクライミング、ちなみにボルダーとかリードの経験もなし。掛け値なしのバージントライである。意外と、いや、初めてとは思えない安定感で高度を稼いでいく。話題のNorrønaブランドのハードシェルが眩しい(借り物)。順調に落ち口直下まで前進するが流石にパンプに耐えきれずテンション。ロワーダウンしてカップ麺を食すと、「こんな旨いカップ麺ははじめてっ」とスーパークリエイターにしては凡庸な感想を口にしていた。

 

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ひとしきり登った後は日向山山頂に向かう予定だったが時間的に中止。ラッセル大会およびシリセード大会で幕を閉じたのであった。

 

IMG_1373[シリセードで童心を取り戻す代表]

ジャンバラヤ

先日、「生と死の分岐点」から無事生還(RED POINT)したのはご報告の通り。早速吉報を届けに行ったところ、盛大な賛美と祝福に包まれると思いきや、

 

「ふーん」みたいな。

「まー二日もかけりゃね」的な。

「そりゃ登れてトーゼンってもんだよ」とかって反応。

 

や、分かってるんです。これくらいで満足するなと。まだまだお前は高い所に行けるはずだと。厳しい言葉も全て、期待感の表れなんだと。私、もちろん気付いておりましたとも。

で、次に進むにはどうしたら良いかと考えたところ、まずは弱点克服ではないかと。「分岐点」に 2Days 5Try を要した原因は

  • ムーブのボキャブラリー不足
  • ボルダーだと辛くないムーブがリードだと辛い問題

が大きかったと感じています。この弱点を克服するには一本でも多くのルートを登って経験値を積むのが正攻法だと思うので、5.11台の良質のルートを沢山登りたいと思います。と言うわけで城山のナイスな5.11に登ってきました。

メンバーはUEChang,NOBUtang,Mサカ氏,Sザキ氏,Nミチくん,僕。総勢6人。

 

 

チャンディーラサ 5.11a

当然のFlash狙いで取り付くが、下部のディエードルでまごつく。そしてテラスへ上がって核心のマントル。ムーブが分からず、早速弱点を露呈。しかし弱点克服の好機と奮闘マントルへ突入。ピンチこそがチャンスなのだ。渾身の強引100%のマントルが返ろうとした瞬間….フォール。FLならず。しょっぺー。

2try目でマントルを返してRP。返した後にロープの流れが悪くて焦った。

 
その後、ディエードルとマントルの変態職人ことUEchangに交代。かつてこれほど相性の良い関係があっただろうか。ディエードルを見つめる彼の視線は、無機質な岩に対するそれではなかった。

 
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まずはディエードルをヌルヌルと抜ける。見よ、このセクシーなキョンを。そして、ハイキックのようなハイステップからスムーズなマントル。私の強引ムーブとは一線を画す優雅なクライミングにため息がもれる。抜群の安定感で終了点に到達。クリップをかける彼の表情は恍惚そのものだった(見てないけど)。

 
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ジャンバラヤ5.11c

そして本日の大物、「ジャンバラヤ 5.11c」にMサカ氏とトライ。まずはMサカ氏から。

オブザベーション通りハングまでは特に難しくない様子。しっかりレストしてハングに突入。左のクラックから入っていくが、悪そう。何とかハングを越えるも、次のクリップができず一旦ロワーダウン。

交代して僕。もちろんここでもFL狙いだが、ハングでやはり苦戦。その後のクリップを何とかこなそうとするがA0。とりあえずトップアウトしてムーブ確認。核心はハングから次のクリップまでだ。クリップはリードにありがちな「ちょっと手を進めた方が安心できるクリップ」。ハングはボルダーライクな「手数をかけずに黙ってデッド」。

そして2try目。ハングまでのアプローチでややスタックするが、ハングに到達。予定通りサクっと抜け、手を進めてクリップ。最終局面でパンプを感じるが、気合いとともに保持。無事にRP。一応「2TryRP」なんだけど、FLするにはまだまだムーブの引き出しが足りないなーと痛感。特にハング後のクリップに関しては如実に経験不足を感じた。次は「ジゴロ」のFLを狙いたい所。

 
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Mサカ氏も3try目でRP。や、つーか強すぎだわ。外リード三回目くらいのはずなんだが。

 

プチマルチ

〆に「クロスロード 5.10a」から「ロングディスタンス 5.10d」に抜けるプチマルチ。60mロープで登れるんだけど、あえてピッチを切ってハンギングビレイ。沢とか山でしかマルチピッチシステムを使った事がないので、後学の為。テラスに上がる風が冷たかった。

 
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今年は本格的なスポートマルチ登りたいなー。

Granitism

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近年、加熱の一途をたどる花崗岩至上主義ですが(当社比)、春が来るまで瑞牆・小川山は冬眠中。気合いが入ってれば雪なんて関係ないそうですが、アイスクライミングとか雪山とかスキーも楽しい。ふと気づけば指皮は滑らか。オフィスの指紋認証も一撃で開錠。日常生活では理想的な指皮でございますが、花崗岩エバンジェリスト(自称)としては憂慮すべき事態。

つーわけで冬場の花崗岩オアシス、笠間に行ってきました。お相手はミケコバ。実は小生、笠間は初めて。とんだ花崗岩エバンジェリスト()もいたもんだ。

東北道をひた走るコバフォレスタ号の中では、笠間の何たるかを両先輩から拝聴。予習しておいた心霊情報の答え合わせを行う。SAでご飯を食べて、2番乗りくらいに駐車場に到着。エリアに向かう。

コバちゃんが「石器人スラブ 初段」を打つというのでアップもなしにやってみる。すると2,3try目で上部に到達。スタートホールドに右足が乗り、あとはリップを取るだけってところでフォール。ミケコバからは「絶対いけるよ!」と熱い応援を頂戴するが、次第に高度が下がり、ついでにモチベーションも下がってきたところで移動。「自分、基本ドMなんで、サクっと登れる課題はどうにも….サーセン」と意味不明の言い訳を残す。

 

 

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お次は「シンプル&ディープ 初段」。初手がなかなか取れず、マントルも悪そう。お隣の「エモーション」を触ったり、「石器人スラブ」に出戻ったりと、フラフラと浮ついているとミケちゃんが「シンプル&ディープ 初段」をRP。やはり強い。真の花崗岩エバンジェリストの登りを堪能させていただいた。

 

 

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んで、カンテでも遊んでみるかーってことで「ハートビートカンテ」に移動。地上数メートルの岩棚の上に起立するカンテを右上する、「裂けた青空」みたいなカンテだ。おもむろにスタートすると足が抜けてスリップ。大爆笑だったが、狭い岩棚の上でコバちゃんにドロップキックを見舞うところだった。その後もビビリながらムーブを探り、ようやく固まってきた頃にまたしてもスリップ。笑いを耐えられなくなって移動。

しかしカンテで削りまくった指皮は既に終了。早々に「ラブタッチ」を敗退。記念受験に「うるま」に移動。恒例の「ゔぉっく病」確実とみられていたが、指皮が痛くて「ゔぉっく病」すら発病せず。

 

 

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というわけで、初笠間は清々しいほどの「坊主ー成果なし」にて終了。この感じ、この展開、どこかで見たことあんなーと思ったら「北山公園」でした。花崗岩エバンジェリストとして坊主ってどうよ、な話ではありますが、花崗岩を“楽しむ”エバンジェリストを目指したいと思います。

大武川一の沢大滝

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およそ二年ぶりの本格的なアイスクライミングに行ってきました(ガイド山行なので連れて行ってもらったのほうが正しいかな)。事前に美濃戸河原奥の氷柱で擬似リード練習(コソ練)したんだけど「付け焼き刃は効かんのだよ」と150mの氷瀑に弾かれました。

 

DAY.1

前日に幕営地までハイクアップ。意外にも雪が少なくてせっかく用意したワカンの出番はなし。積雪が少ない部分は表土が完全に凍結。スリッピーすぎるのでアイゼン歩行に切り替えて前進する。気持ちよい天気だけど翌日は崩れる予報。
 

IMG_1131[好天に恵まれ汗だく]

 

IMG_1133[幕営地から大滝を樹間から望む。いまいちスケール感が伝わらないかも]

IMG_1137[北東方向には甲斐駒。いつみてもかっこいい]

 

 

DAY.2

翌日は2:30起床の4:00発。
暗闇の中、前衛滝を登攀。暗すぎてもはやケイビングに見える。

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夜間行動でアイスクライミングなんて山岳漫画か小説だけのフィクションと思っていましたが、どうやら実在するようです。意外にもフツーに登攀可能。もちろん氷瀑自体が簡単ってことなんだろうけど。

明るくなってきた頃、大滝取り付き地点到着。

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取り付いてみると強烈なスケール感。他のパーティがいないので快適に登攀開始。

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氷の状態は程よくアックスも良く決まった。ハイステップで一気に前進せず、丁寧に足を決めスクリューを決めることを想定して登る。カカトを下げ、腰の入った美しいフォームで着実に高度を稼ぐイメージだ(あくまでも脳内では)。2p目くらいから予報通り降雪。風がないので比較的余裕がある。

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下降は同ルート懸垂。降雪が強くなり、アイスシャワーがいつの間にやら雪崩の様相を呈し始める。取り付きに戻るとデポした荷物は既に雪の下。ロープ回収してるとまたしてもアイスシャワー。もはや「立派な雪崩ですね」ってレベルになっているので一目散で離脱。スパイスの効いた山行でした。

今シーズンはあと2回はアイスの予定が入ってるので、もう少しスキルアップしたい。純粋な登攀能力だけじゃなく、状況判断や読図力、歩荷力など諸々を含めて。