月別アーカイブ: 2016年7月

単独遡行 入川谷

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足慣らしの沢登りで奥多摩は入川谷へ行ってきた。思い立ったが吉日ってやつで単独遡行。ガイド本によれば遡行時間4-5時間、遡行グレード2級。遡行時間はともかくグレードに関しては単独ってことを考えると少し緊張感が漂った。

 

薄曇りの奥多摩

IMG_5739[入渓地点]

 
当日は薄曇り、気温もやや低め。稜線付近はガスっているが雲間から日差しが時おり差し込む。あんまり濡れたくない雰囲気でイザ入渓。

 

IMG_5745[土砂で埋まったトバ倉骨]

 
入渓直後のミニゴルジュは濡れたくない一心で右壁をヘツる。あやうくドボンしかかったが無事突破。倒木が多いと思ったら左岸が崩壊していてゴルジュはほとんど埋まっていた。悲しい。

その後、平凡な河原と伏流地帯を淡々と進み「布滝」まで。変化に乏しく、やや退屈。

 
IMG_5767[外道滝]

 
「オキの倉骨」を抜けて「外道滝 5m」に到着。可能性があれば登攀したいと考えていたが残念ながらホールドが乏しい。右岸から巻く。

 
IMG_5776[銚子滝]

 
つづいて「銚子滝 8m」が姿を見せる。こちらは左上バンドが弱点となりそう。さらに上部は凹角状になっている。プロテクションをセットする余地もありそうな雰囲気。おそらく凹角はツルッツルに間違いないがそこは気合いで突破だ。ま、もちろん単独トライなんてするわけないけど。こちらも右岸から巻く。

速滝

IMG_5780[速滝下段]

 
いかにも奥多摩的な仄暗い速滝に到着。ハイライトとなる滝だがこれも登れず。右岸から巻くが、可能な限り滝に近いラインを辿り下段の落ち口へトラバース気味に到達。

 

IMG_5793[速滝上段]

 
上段は立派な滝。巻きは右岸からルンゼ詰め岩稜を上がる。

 

IMG_5800[小滝が続く]

 
ロクな滝登攀がないまま終わってしまうのかと危惧したが小滝がチラホラ。とは言え物足りない。

 

IMG_5803[5m滝]

 
ようやく5m滝が出現。快適に水流右を抜ける。

 
IMG_5806[快適な二段滝]

 
さらに10m滝。これも快適。

 
IMG_5807[やや悪い二段滝]

 
もう終わりかなーとおもったらまだまだ。今回の滝の中で一番手応えがあった。

 

IMG_5810[ラスト多段滝]

 
駄目押しの滝。抜け口直下がハングしている。灌木にプロテクションを取ってハングを乗っこす。

 

IMG_5813[落ち口から]

 
これにて遡行終了。右岸に仕事道が続き鳩の巣方面へ抜ける。

 

IMG_5816[鳩の巣駅への登山道]

 
2級の沢ということで気合いを入れて入渓したが終わってみると登攀要素が少ない印象だった。銚子滝を直登できれば一気に遡行価値が上がる気もするが、そうすると3級くらいになるんだろうか…
鳩の巣駅への登山道は古い石垣があったり部分的に広葉樹が生えていたりとよい雰囲気だった。

 

 

ジャミングドラゴンへの道

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小川山にクラッククライミングに行った。

昨年5月以来、1年2ヶ月ぶり。この間、城ヶ崎クラックや瑞牆マルチ、その他トラッドルートをコツコツと登りそれなりに手応えを感じていた。ここらでひとつ、現在の実力を測ってみるのも悪くない。あの時とは違う圧倒的に成長した姿をカサブランカに見せつけてやるぜ、そう思って妹岩を訪れた。

 

愛情物語 5.8 MOS

とりあえずアップで最も簡単なNPルートを登る。ジャミング要素は皆無。快適にカムセットを確認して完登。

 

龍の子太郎 5.9 RP

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続いて昨年トップロープで登っているタツノコにトライ。前回はハンドジャム初挑戦につきかなり強引な登りになった記憶がある。最後のマントルも無理やりなムーブだった。

まずは出だしに#1を決めて乗り込んでいく。クラック内はやや湿っているがジャムの効きはよい。冷静にプロテクションをとって高度を上げる。テラス手前でレイバックへ移行し乗っ越す。灌木をつないで終了点まで。

NP特有の緊張感こそあれどあっさり完登。ひとまず成長を実感する。

 

カサブランカ TO

続いて今日の大ボス「カサブランカ 5.10a」にトライする。こちらも昨年トップロープで登っている。核心部の「バチ効きのハンドジャム」とやらがまったく効かず、激痛のフットジャムに泣かされズタボロになったのはいい思い出である。

下部でのグラウンドフォールに注意と何かで呼んだので気合いを入れて取りつく。

最下部のやや甘いクラックを慎重に抜けバンド手前で#3を決め乗っ越す。既に足の疲労感を感じるが無視。カムをセットして十分に休み、次のバンドを目指してジャムを決める。不安定な体勢でカムを選ぼうとするが何かに引っかかってギアラックが回らない。なんとかセットをするが今度はロープがフットジャムに噛み込んでクリップに難渋。

半端なく消耗したところで核心直下のバンドに到達、#4を決めてマントルを返す。見上げると視線の先にはフレアしたクラック以外にホールドは皆無。じっくり休みたいところだが消耗が激しく十分な回復は見込めない。意を決してフットジャムをねじ込み気合いで立ち込む。しかし激しく足が痛い。数手進めたところで不安定な体勢からカムをセットするがメンタル、フィジカルともに限界となりテンション。

その後、A0混じりでセットしながらとりあえず上まで抜け、ロワーダウン後にトップロープでムーブのおさらい。昼寝を挟んでラストトライに挑む。核心まではスムースに進んだが核心でフットジャムをねじ込んだ瞬間に自分の体が終わってることを実感、数手進めてフォール。

まだまだ修行が足りなかった。

 

届け手のひら TO

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完全にヨレているがここからのスラブが面白いところ。定番の駄目押しスラブとして「届け手のひら 5.10c」に取り付く。

もちろんOS狙いで虎視眈々とムーブを読んで高度を上げていく。しかし中間部の大穴でムーブを間違えフォール。そのままムーブを探って核心へ。ここでも狙ったホールドが甘くあっさりフォール。最後は指力マックスから立ち込んでデッド。そういえば笠間の石器人スラブも同じようなムーブで登った気がする。もうちょっとスラブらしく足技で登りたい。

ま、次回いつになるんでしょうな…

 

フットジャム修行

というわけでタツノコには通用したがカサブランカには見事に跳ね返された。

この一年あまり、プロテクションとハンドジャムはそれなりの数をこなしてたきたがフットジャムに関してはほぼゼロだった。前者の成長を垣間見れた一方で後者の未熟さを痛感することになったのは、つまりそういうことだろう。

S兄貴曰く「俺はカサブランカよりタツノコのほうが登りにくいよ」とのことだが、個人的には「ワングレードの差とは到底思えない!」って感じだ。

何が辛いってフットジャムの痛さ。技術的な未熟さは当然だが、シューズも見直したほうがよさそう。今回使ったシューズはフェイス用サイズ感なので指の曲がりが深い。フットジャムをねじ込むと親の仇のごとく足指の第一関節が圧迫される。

アナサジレースの値段とにらめっこしながら、まだまだドラゴンは夢のまた夢、タツノコが精一杯だと痛感するのだった。