月別アーカイブ: 2015年9月

小川山トリコロール

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長い充電期間を経て、ついにボルダーシーズンが開幕。最高のフリクションで存分に指皮を削ろうと目指した先は小川山。久方ぶりのクラッシュパッドを背負いこみ、夜明けに集うはあの三人。コバ、ミケ、俺氏でいざ行かん廻り目平。

 

634、現る

快調に中央道をひた走り、須玉のセブンイレブンに到着すると、おや?見た顔が。

近年、飛ぶ鳥を落とす勢いで難課題を完登している634君である。聞けば小川山に行くとのこと、現地でセッションできるといいねーなどと談笑しつつお買い物。

しかし、我々は気づいてしまった。彼らの男女比に。その比率たるや驚愕の3:2。対する我々は純度120%のオッサントリオである。これが格差社会って奴なのだろうか…コバ号の車内はさながらお通夜の如くであった。

 

変人 一級 RP

634君からプレゼントされた予期せぬプレッシャー(予期プレ)にもめげず、石楠花エリアに向かう。とりあえず「変人 一級」のガバでアップ。

その後、トポにある通りSDでトライ。顕著なアンダーホールドからスタートするが、あまりの簡単さに一同釈然とせず。今一度トポを見直し、左端のダブルポッケからスタートを試みる。すると一転して意味不明、スタート不可に陥る。

「さっきのでいいんじゃね?」「や、でも何かいい手がある気もする」つーかんじでゴニョゴニョすること数十分。伝家の宝刀トウフックでスタートを解決、さっくりRPをキメる。トウフックでシットスタートを攻略する、個人的には強烈にツボるフェチ課題であった。初登したクライマー氏とは朝までトウフックについて語り合いたいものだ。

 

 

神の瞳 初段 2撃

首尾よく変態変人になったところで続きまして「神の瞳 初段」。既にトライを見てしまっているのでFlash狙いだ。既登のコバちゃんから恥も外聞も捨て根掘り葉掘りヒアリング。

そして1try目。順調に手を進めるが足位置が低く、リップ取りを外す。あえなくフォール、ミケちゃんとバトンタッチ。私のミスった足を確実に捉えてヒラリとリップをパーミング。危なげなくマントルを返して文句なしにFlash達成。この男、底知れず。

634君につづいてミケちゃんからもプレッシャーに晒されるなか、慎重にRP。2撃というよりFlashを逃したというほうが近い。エイハブのほうが苦労した記憶がある。ま、強くなったってことでいいんじゃないすかね。

 

 

達筆 三級 RP

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石楠花エリアでもう少し手ごたえのある初段ってことで「一筆 初段」を打ちに移動。しかし、スタートはできるが初手が取れず。手ごたえアリどころか手強すぎ。達筆に鞍替えするが、これも3Qにしては悪い。なんとか完登するがやばかった。

 

ベヒーモス 一級 RP

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最後にファンタジー岩。前回、と言っても一年以上前にマントル敗退した「モルボル 初段」を回収する構え。しかし、今回もリップのスローパーのホールディングがままならない。

一体この一年何をやってたのかと自分を責めるが、そういえばこういうホールドに嫌気がさして、石灰岩やら凝灰岩やら、どっかぶりリードに向かったんだと独り納得。

ミケ・コバ両氏からアドバイスをもらい、なんとなく保持れそうな気配になってきたが、お隣の「モルヒネ」とか「ベヒーモス」が気になって浮気。

ミケちゃんがビシバシとパワフルなパーミングを繰り出し「ベヒーモス 一級」をRP。つづいてこちらはソロ〜リ手を出してRP。いい課題だった。モルボルの回収は、派生ラインだがムーブが面白い「モルヒネ」に託そうかな!

 

 

帰りは安定の境川。この日は、肉の日ってことで豚汁がサービス。最後の最後で予期せぬプレゼントを頂戴し、シーズンインとしては十分な成果を噛みしめましたとさ〜。

ルンルンしてられるのも今のうちだぜ

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二度目の有笠山。スチームボーイ・タローとバイリンガル・S兄貴。

今回も安定の曇天。週中までは晴れ予報だったはずが一転、関越道に大粒の雨が降り注ぐ。しかし我々が目指す場所はそう、ヘルケイブ。ドライコンディションの約束された地である。S兄貴が「この雨で行くとか、お前ら正気なの?」的な雰囲気を醸しているが、アクセルを踏む足はゆるまない。

 

アップは沢登り

東の駐車エリアに今回も一番乗り、フェアリーへ上がる。アップは二度目にして恒例となった”びしょ濡れ”パスファインダー5.11b/c。S兄貴から「この状態でアップって、お前らアップの意味わかってる?」的な視線が突き刺さるが粛々とトライ開始。

核心部は前回同様にびっしょり。一方で抜け口のガバカンテは比較的ドライ。沢登りとしてはやや不完全燃焼である。(違

 

ルンルンしんすけ 2ten

アップも早々にヘルケイブへ上がる。前回、壮絶な3tryの末、やっとのことでトップアウトした「ルンルンしんすけ 5.12b」と再会である。一番乗りと思いきや先客がいらっしゃる。ありがたくドローを拝借。

さて、本日のミッションは2 tension、あわよくば1 tensionに迫りたい。「ワンテン地獄」と名高い当ルート、噂ではワンテンに達したままRPできない者が集う「ルンルンクラブ」とやらが存在するらしい。なんとも恐ろしい話である。

まずは本日の一本目、ムーブを探りながらトップアウト。相変わらず最後の核心と4−5pin間が厳しい。一方で第一核心は少しづつ安定してきているが、更にひと工夫欲しいところ。

するとタロー君が第一核心のニーバーを解決。前回8g氏だけがベストポジションを得ていたが彼も足位置を発見。「これだよー!」とか言ってるのでパクってみたところ「これかーー!!」って感じ。

更に、最終核心直下の水平クラックでのホールディングを兄貴が大発見。驚愕のフィンガージャムを見出す。「キメれば親指解放して握らなくてもOK」と意味不明の発言まで飛び出す。これは検証せねばなるまいとチェックするがジャムが決まらない。クラックマイスターの匠の技かそれともガセかと思い始めた頃、おや?

なんと小指がガッツりジャムっているではないか。その効きっぷりたるや次の手を出すときにスタックするレベル。最終核心直下で絶好のレストポイントが出現。

三人いれば文殊の知恵とはよく言ったものである。前回より大幅にムーブは洗練され、本日2try目で2ten。更に1tenに迫るつもりだったが、4−5pin目の解析不足でフォール。4try目は時間的にも体力的にも断念、移動することにした。

二日目にしてこの進捗率。この様子だとRPは意外と早いかもしれない。兄貴からも「ルンルンクラブ」に入会することなくRPしちゃえばいいじゃん。と強気のエールをいただく。入会せずにRPできるかはわからないが、ルンルンとか言ってられなくしてやるぜっ。

 

大いなる山の日々 5.11a OS

〆は東の石門エリアへ。濡れている故かヘルケイブとまったく異なる岩質に思える。兄貴推薦の「大いなる山の日々 5.11a」にトライ、まずはタロー君から。兄貴がOSトライを推すので岩陰でレスト。彼のトライをサウンドオンリーで楽しんでいると、何やらホールドを探すのが難しそう。ついに痺れを切らしたか、11aとは思えないダイナミックムーブの気配が。残念ながらランジは止まらなかったようでバトンタッチ。

予想通りホールドの繋ぎがキモのルート。ヨレで落ちそうになるがガバに救われなんとかOS。結構危うかった。

今シーズン中にはルンルンしたいなー。とムーブを反復しながら渋滞なしの関越で帰京。お疲れさまでした。

そして年上の女房は見つかったか?

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結論から先に述べると、見つけることはできた。しかし、口説き落とすことはできなかった。足りなかったのはクライミング能力か、甲斐性か。

 

ゾウリムシ 5.11a RP

お目当て「金のわらじ 5.12a」に隣接する「ゾウリムシ 5.11a」でアップ兼ドロー設置。ちなみにこの二本が引かれている石塔の名は姐御岩(もちろん未婚。そうだろう?)。「草履」は「草鞋」に掛けていると考えるのが自然だ。命名者のスキルフルなフローには脱帽である。

実は「ゾウリムシ 5.11a」は既に3try目。前回は降雨のため敗退してしまった。サクッとマスターで登り、調子よく「金のわらじ」を探る構えである。

しかし、中間部のムーブを失念し、あっさりテンション。先日「ボルドー」&「漁師の娘」を2撃した勢いはどこに行ったのだろうか。気を取り直してムーブを再チェック。2回目で無事RP。

 

金のわらじ 初トライ

そして漸く本命課題にトライ開始。出だしのスラブが地味に悪そうだと警戒していたが、登ってみると意外にムーブが楽しい。しかしハング直下から3クリップ目までのランナウトがメンタルを削る。なんとかクリップをこなし核心部へ。遠いと聞いていたホールドを探すが予想を上回る遠さ。粘る間もなくパンプによりテンション。

しばし前腕を休ませムーブ解析開始。ハング左下部付近に何やらホールドは存在するが、こいつらを保持できる気がしない。万一保持したとして、そこから遠い一手を放つのは絶望的だ。更にハング直下という性格上、ハングドックから壁に戻るのが一苦労。あっという間に体力を奪われる。

一通り傾斜回避ムーブを探ってみたところで、肚をくくって真っ向勝負にシフト。足位置を調整し強引に体をあげると、何やら手が届きそうな雰囲気。

気合い一発、左手を放つ。だが甘い。何とか耐えて更にもう一発。かろうじてハングを抜けたが、今度は右手の寄せが非常に厳しい。強引に寄せてはみたが繋げては出せるムーブではない。間違いなく最適化が必要だが、核心突破は初日の成果として十分。早めに切り上げて久しぶりに植樹祭でキャンプ。

 

お洒落ムーブは金の草鞋を履いてでも探せ

翌日、ゆっくり起きて「金のわらじ」二日目。前日1try目で核心を突破したこともあり「ひょっとしてRPできるんじゃね?」などと淡い期待を抱く。

しかし本日1try目、スラブで迷う。様式美のようなお約束パターン。無駄に消耗したままクリップにまごつき、核心突破できず。核心ムーブの足位置を確認し未着手のパートへ突入。

抜け口から5クリップ目までをヒールやら水平フラッギング、トウフック等々を駆使して突破。核心部が真っ向勝負なのに対してこちらは小技系。ヒールに乗り込むのが多数派と思われるが、足技を多用するムーブはやっぱ押さえとかないとね!

その後、「ゾウリムシ」と共有するホールドをできるだけ避けつつ最上部へ。最後の乗っ越しもヨレてると非常にキツい。

 

3テン・トップアウト

長いレストを挟んで本日2try目。指皮が既に消耗しているが登り出せば無視できる程度。ハング直下に到達するが呼吸が荒い。若干最適化されたハング直下を抜け、3クリップ目をこなし核心へ入る。吠えながら左手を突き出し上部のホールドを捉える。しかし右手を寄せる余力はもうなかった。

その後、右手寄せの画期的な足位置を見いだし、抜け口のムーブとの連携も向上。中間部、上部でテンションを入れつつトップアウト。着々とムーブが洗練されていくが指皮と体幹が売り切れで回収。金のわらじ2daysは幕を閉じた。

次回完登できるかと問われると、可能性はありそう。しかし、もう少し時間をかけてじっくり登ってもいいんじゃないかなーと思える良課題に出会えました。姐さん、マジパねえっす。

秋の大収穫祭 ボルドー5.12a

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待ちに待ったシーズン到来ですが、種も蒔いてないのに大収穫がありました。全面的にスーパー・ハーベストクライマー、つよぽんパイセンのお力添えがあってこそですが、とにかく幸先いいのでご報告。ちなみに上の写真はベニテングタケ。スーパーキノコみたいだけど毒キノコです。

 

志賀ランド

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カサメリ沢を渡って普段とは逆方向の左手下流へ向かう。初めて訪れるが、ここも魅力的な岩が豊富。5分とかからず、本日のお目当て「ボルドー5.12a」に到着。予想より傾斜が強く、登攀意欲が一気に上昇する。

つよぽんパイセンが「何はともあれ前情報なしにOSトライすべし」と猛烈に推すので言われるがまま突撃。もちろんマスタースタイルである。スタートから第一バンドまでは快適なガバが続くが、第二バンドへ直上するあたりから一気にホールドが細かくなる。あれやこれやとムーブを試みるが謎が解けず、粘りに粘ってテンション。OSトライは幕を閉じた。

その後、それっぽいムーブを探り当てるがどうも厳しすぎる。とうとうパイセンに教えを請うと、「今のムーブで登る人もいるよ」と前置きしつつ神ムーブを伝授。目から鱗なシンプルムーブだった。これは初見では見つけらんないっす。少なくとも今の実力では。

その後はテンション入れながらムーブとホールド探し。なんとか第二核心まで進む。しかしここでも謎多きムーブに四苦八苦。カンテを抱え込んでみたりカチを刻んでみたりヒールフックしてみたり。どうやらカンテが正解のようだが最終カチが遠い。つよぽんパイセンも固まっていないとのことでバトンタッチ。

 

更なる神ムーブ

「まだ固まってないけどRP狙いでいくよ」と宣言してパイセンがトライ開始。宣言どおり圧倒的安定感と気迫で一気に第二核心直下へ。しっかりレストしていざ突撃。最終カチを捉えた、と思ったが惜しくもフォール。RPをほぼ確信していただけに非常に惜しい。だがまた本日一便目。じっくりと第二核心を錬る。

そして、最後の鍵となるムーブをカンテに見いだす。ちなみにこのムーブの有効性は身長によって大きく左右されるだろう。幸い我々は身長、リーチともにほぼ同じ。またしても神ムーブを授かる。

 

ボルドー 5.12a RP

そして2try目。リラックスして第一バンドまで上がる。軽くシェイクを挟んで第一核心の薄ピンチを保持。ゆったりとタメを作ってスローパー、カチへとムーブを繋ぎ、よどみなく第二バンドに到達し3ピン目をクリップ。パンプは感じない。呼吸も一定のリズムを刻んでいる。悪くない流れだ。

軽くレストを入れ、流れを断たないように第三バンドへ上がる。4ピン目をクリップし、ほぼパーフェクトで第二核心直下へ達する。一瞬、この流れのまま行こうかと考えがよぎるが焦らずレストを挟む。

左カンテで十分にレストした後、いよいよ核心に挑む。甘いカンテを保持して体を上げる。カンテをはたきながら抱え込み、更に体をあげる。そのまま一気に最終カチを取る予定が距離が足りない。思わず薄カチを刻み、もう一度カンテをはたいた。しかし刻んだカチが仇となり、バランスが崩れ手が出ない。

完全に硬直していると、つよぽんパイセンが「届くよー!」とPUSH。2try目の高度としては既に上出来。落ちてもいいからムーブを出そうと左手をビクトリーカチへ放った。フリクションが良かったのか、カンテとのバランスが良かったのか。果たして左手は不思議なほどビタリと止まった。

パイセンの「まじで !? 2撃じゃん !!」に祝福されながら必死の形相で乗っ越し。イージーなはずのムーブを吠えながらこなして終了点へ。

 

 
ワンデイで登れたら快挙と思っていたカサメリの5.12aがまさかの2撃という事態にしばし呆然。パイセンアドバイスがなければ2,3日は費やしただろう。花崗岩マジックの効いた良ルートでした。

その後、つよぽんパイセンは「プレッシャーだよ〜」と言いつつ危なげなくRP。二人で気分良く志賀ランドを後にした。

 

漁師の娘 5.11c RP

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予想外に早くボルドーが登れたので、次なるターゲットに「漁師の娘」をトライ。悪そうな印象を抱いていたが、改めてオブザベーションしてみると意外とポジティブな雰囲気。早速マスタートライを開始。

予想通り快適なホールドが続き、核心へ。やや遠いカチを捉え、右手を寄せる。あわやOSと期待したが寄せた右手が甘く、躊躇してるうちにパンプ。残念ながらワンテンとなった。

核心のムーブを修正して、つよぽんパイセンとバトンタッチ。ここでもリーチが同じ利点を生かしてムーブを共有、サクサクと高度を稼ぐパイセン。しかし柔軟性は個人差が大きかったか、やや股裂き状態。それでもアッサリと核心をマッチして突破。見事に一撃。続いて僕も2撃でRP。

 

 
リーチによって大きくグレードが異なり、身長170cm以上なら非常に登りやすい5.11cになるだろうと意見が一致する。

 

朱雀 5.11a ワンテン

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〆にヤバそうなスラブで始まる朱雀にトライ。案の定出だしがバランシーかつメンタル削り系。それっぽいムーブは発見したがヨレと湿度上昇のためワンテンで撤収となった。

最後の最後でスラブにはじかれるってところが花崗岩っぽいというかカサメリっぽい展開ですが、あまりある成果にホックホクの一日になりました。シーズン始まったばかりでこんな大収穫があるとどっかに大穴が待ち受けてるんじゃないかと不安になりますが、この調子でガッツリ登ってやろうと思います。

DryとWet、あるいは地獄と妖精

OLYMPUS DIGITAL CAMERA[photo by taro inomata]

 

めっきり涼しくなってきたと思いきや、台風ラッシュで未だシーズン開幕とはいかないこの数週間。ようやくなんとかなるかなーって感じで有笠山に行ってきました。毎度お世話になっているタロー君のパジェミに乗り込むのは、はんなり系クライマー8g氏とタロー君、そして僕。

ちなみにタロー君と僕は有笠山初上陸。8g氏を誘ったはいいが全く不案内。車内では以下のようなやり取りが交わされた。

  • 8「二人とも有笠はしょっちゅう行ってんの?」
  • タ&僕「へ!? まったくド素人ですが」
  • 8「え!? 二人とも庭みたいなもんやろうから付いてく気マンマンやったのに」
  • タ「まあアプローチ近いみたいだし」
  • 僕「分からなかったらエリアに居るであろう常連さんに聞けばなんとかなる。はず…」
  • 8「まじか…」

だが悲しいかな、駐車エリアには一台たりとも先客はいなかった。

 

パスファインダー 5.11b/c RP

東口からフェアリーロックに上がる。やはり事前情報通り目と鼻の先だ。しかし、予想外の潤いっぷり。しっとり、とかシケシケなんてチャチなもんじゃぁ断じてない、所謂「ビショビショ」ってやつだ。挙げ句の果てに上部からはひっきりなしに水滴が降り注ぐ。

どう考えても不利な条件だが、とりあえず「パスファインダー」だけはやっておくかと既に完登済みの8g氏を交えてセッション開始。比較的濡れていない下部を抜けるもビショビショの核心でスッポ抜け祭り。粘って3try目で完登。タロー君も続く。

IMG_3202[沢登りと化した上部をマスタートライするタロー君]

 

ヘルケイブ

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午後から「Blast Off」を触るためヘルケイブに移動。フェアリーとは打って変わってドライな岩肌。流石どっかぶりエリアである。その名前とは裏腹に非常に開放感かつ快適。むしろ濡れて険悪なフェアリーのほうがよっぽど地獄的なんじゃね?と我々は囁き合った。

常連クライマーさんのドローを拝借して「Blast Off」を触ってみるが、1pin目から悪いうえに濡れている。三人で一巡するや、早々にスーパードライを誇る「ルンルンしんすけ」に浮気。

 

ルンルンしんすけ 5.12b トップアウト

しかし、こちらも相当手強い。出だしこそガバが続くがフト気がつけば一転、悪いクリンプと甘いスローパが襲いかかる。第一核心を常連さんの的確なアドバイスでなんとかこなすがクリップも恐ろしくA0。

IMG_3208[快適なガバ帯をゆく8g氏]

三人が一巡したところで、「ムーブきっついしクリップ怖いけどコイツぁおもしれー」と意見の一致を見る。

そして2try目。第一核心を白いブロック状ホールド、通称「豆腐」のマッチから薄ピンチを保持、右足ハイステップからスローパーへデッド。踏み替えて立ち上がりポッケを取る。クリップは出来なかったが可能性を感じる。

各駅停車で上部に抜け、第二核心に到達。明らかに悪そうなクリンプへデッドを放つが予想通り悪い。「ここまで上がってきて、これにデッドすか。まじすか」と言った印象だがこれはまだなんとかなる。問題なのはデッド後の左手マッチ。この一手が非常に辛い。第一核心がムーブの組み立てを含めて困難であるのに対して、第二核心では真っ向勝負を挑むこととなる。それも持久力と保持力とメンタルのトリプルコンボだ。

迎えた3try目。トップアウトは無理っぽいがせめてムーブの最適化を進めようと取り付く。第一核心は安定してきたが、生憎のヨレでA0クリップ。第二核心まで前進し、件のクリンプと対峙する。やはりマッチが出来そうにないが、常連さんからフラッギングのアドバイス。この局面ではフラッギング自体が厳しいが、アドバイスを信じてフラッギングからマッチ。ギリギリで保持。

その後はガバが続くんだけど、ヨレっぷりがハンパなく吠えまくってトップアウト。完登したわけじゃないけど充実しました。

 

沢渡温泉

IMG_3224[風呂上がりにコーヒーを振る舞われる図]

 

撤収後、常連さんおすすめの沢渡温泉(サワンドじゃなくてサワタリね)の公衆浴場(300円 !!)で汗を流して蕎麦食べて一息。中之条ビエンナーレ会期中なので時間があれば立ち寄ってみるといいんじゃないかな!
IMG_3228[クルミとゴマだれの天ぷら蕎麦]