三峯クラシコ

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背の高い、すっきりとしたラインを登ってきた。

すっきりしてるのはラインだけではなくホールドもすべすべ。キメ細かくなんなら碁石かよってくらいの三峰のボルダーは一度だけ、4年前の暑い日に訪れている。

その時はフリクションと無縁のような岩肌と、垂壁前後の渋い課題内容に今ひとつピンとこなかった。

さらにその後、花崗岩のフリクションや石灰岩の強傾斜を知るにつれ、この岩場の存在は記憶の片隅へと追いやられた。

 

カンテ 2級 RP

4年ぶりに訪れた三峰は前回とはうってかわってどんよりしていた。だれだよ晴れるっていったやつは。

曇っている三峰は少し雰囲気が違う。不気味ってほどではないが独特の緊張感みたいなのがある。うまく言えないが眷属信仰が根付いたのが妙に納得できる。

そんなことを考えながら「涼しいマントル」の岩でアップ。最後に黒本でOTSとなっている「カンテ 2級」をトライ。どっち向いてんだよってホールドを引っ掛けながらバランシーな足上げ。最近ホントにこういう課題が楽しい。実に味わい深い。

三峯ならこの手の課題に事欠かないだろうと思ってたが、自分の慧眼っぷりが恐ろしい。

 

池田カンテ 1級 RP

そしてシルクハット岩。「一輪車」か「池田カンテ」をトライするつもりだったが、一瞬で「池田カンテ」に心を奪われる。

じっくりとオブザーベーションするが何せすべすべ。こりゃあ触って見ないとわかんねえだろってことで速攻でOSトライ。

一瞬、スローパーを使うか躊躇したが限定とか野暮なことは言わないだろうと、見たまま感じたままに手を進める。数手進んだところで行き詰まって飛び降りる。あっけなくOS終了。やっぱそんな簡単なわけないよな。着地点はすこし気になる岩があるくらいで概ね良好。

ムーブを微調整しつつラインを理解してゆく。予想ではあと2手ってところだが下から見るとホールドが良いのか悪いのか判然としない。とりあえずブラッシングして感触をつかむ。

そして本気トライ。組み立てたムーブどおり進み次の一手を睨む。冷静に捉える。更にもう一手。少し緊張感のあるマントルを返して岩の上に立った。

岩の形、ムーブ、高さ、ロケーションと全てが揃った素晴らしい課題だった。これ以上のラインが他にあるだろうか。自分もこんなラインを残してみたいと心から思った。

それと同時に、ブラッシングなどせず完全に未知の部分を残して登るべきだったと少し後悔した。

 

ひも

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それから本日の主題、「ひも」を初トライ。限界グレード以上のボルダーを触るのは久しぶり。見た目はそんなに難しくなさそう。とりあえず適当に離陸してみる。そんなに悪くない。

だが小一時間ほど同じムーブで打つがまったく進展なし。一旦ゼロベースで再検討。あるじゃないですが、いいスタートホールドが。おもむろにヒールフックを繰り出すが股関節がヤバい。焦らずゆっくり身体に馴染ませてとりあえず初手を出す。超絶あまい。2手目なんて出せたもんではない。

「ぺたし」やら「べろんちょ」を登りながらムーブを微調整するが、結局2手目を捉えることはなかった。

ちなみに翌日、猛烈な筋肉痛が股関節を襲った。

 

一輪車 初段 RP

最後は戻ってきて「一輪車」にトライ。スローパーから一気にマントルを返すのかと期待したがさすがに無理だよな。出来るだけスローパー周りのホールドで解決しようと悪戦苦闘したがそれもかなわず。

すこし離れたフットホールドを拾うと一気に可能性が見えたが時間切れで次回持ち越し。

電車に間に合わせるため駅まで40分の道のりを25分で踏破。ちなみに翌日、猛烈な筋肉痛がふくらはぎを(以下略

後日談

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数日後、ソーメイと晴天の三峯で「一輪車」はレッドポイント。晴れてるとまったく雰囲気違うよなーと思いながら「ひも」は2手目がほんの少し触れるようになった。

摩擦力について調べてみた 2017

以前から気になっていたトピックですが、スポーツクライミング教本Rock&Snow077のJack氏の連載で摩擦とか摩擦力について取り上げてあったのでちょっと調べてみました。

 

はじめに

調べてみて分かりましたが、この分野は絶賛研究中って感じで未だ結論が出てないことや一致しない見解があるようです。

摩擦力の発生原因に関しても近年になって新たな理論が出てきたり、わりと変化の激しい学問って印象ですね。今後も法則や理論が覆される可能性は十分ありそうなので、このエントリーのタイトルにも”2017″を加えています。

ちなみに物理とか工学を先攻していたわけではなく基本的に門外漢なので、まあなんつうかポエムだと思って読んでいただけると幸いです。

 

中高で学ぶ摩擦の法則は万能ではない

中高ではざっくりこんな感じで学んだと思います。

 

1. 摩擦力は荷重に比例(摩擦係数は定数)
2. 摩擦力は見かけの接触面積によらない
3. 最大静止摩擦力が動摩擦力よりも大きい
4. 動摩擦力は速度によらず一定である

荷重を P、比例定数を μ とすると、摩擦力 F は次式で表される

F = μP

参考

 

あまり一般的な図ではありませんが上記の法則を斜面に配置したブロックで表現したのが図1です。

fig1図1

 

さてここからが本題ですが、いくつかの研究結果から例外が報告されています。以下の論文や講義内容が法則の破れや例外について触れています。

 

主に弾性体における法則の破れが指摘されています。ちなみに弾性体って何よ?って話ですが、めちゃくちゃ雑にまとめるとゴムとか柔らかくて変形しても元通りに戻る物体です。

一方、中高で学んだ法則(クーロン・アモントン則)は塑性体でほぼ成り立つようです。塑性体って何よ?って話ですが、これまた雑にまとめると金属とか鉱物など硬くて変形すると元通りに戻らない物体です。

余談ですが、Rock&Snow077でJack氏が弾性体の対義として「個体」を用いていますが、なんとなく誤用なんじゃないかと思います(おそらくは「剛体」って言いたかったんじゃないかと)。また、論文内では「塑性体」が頻出するので摩擦を語る上では「弾性体」の対義としては「塑性体」のほうが適切っぽいです。

 

弾性体では荷重が7倍になると摩擦係数は半減する、らしい

クーロン・アモントン則では摩擦力は荷重に比例します。図2で示すように、物体Aの質量が大きくなるにつれて同じだけ摩擦力も大きくなり物体Aはすべり出しません。したがって摩擦係数は変動しません。

fig2図2

 

しかし、先に紹介した入門講座 やさしいゴムの物理によると弾性体の摩擦力は荷重に比例しません。それどころか摩擦係数が変動すると報告しています。具体的には

  • 摩擦係数は荷重の-1/3乗に従う
  • 摩擦係数は荷重が7倍になると半減する

と驚愕の研究結果が報告されています。数値については材質によって異なると考えた方が良さそうですが、ひとまずこの結果に基づいて図1を修正したものが図3です。

fig3図3

 

これをスラブクライミングに当てはめると「同じ性能のシューズでも体重30kgなら傾斜45度のスラブを登れて、体重60kgなら傾斜38度までしか登れない」を意味しています(図4)。

fig4図4

「まじかよ、とりあえず痩せるわ」 って感じですね!!(本音を言うと「体重半分にしても傾斜7度かよ」という印象)

厳密には「登れる/登れない」ではなく「落ちない/落ちる」ですが細けーこたあいいんです。また、摩擦係数と傾斜角の変動は三角関数を使って求めています。尚、繰り返しになりますがこの分野は絶賛研究中なのでこれらの結果は覆されるかもしれません。

 

接触面積と摩擦力

続いて接触面積です。クライマー的には脚置きやホールディングと密接な関係があるので気になるところですよね。

ところが、こちらは諸説ある上に「見せかけの接触面積」とか「真の接触面積」など何やら込み入った話になってきて理解するのが大変です。

雑な感想ですが、ナノレベルオーダーの観測と日常レベルの観測が明確に分離されず混在したまま議論されている印象があります。摩擦力ってナノレベルだと「衝突」なんだけど、日常レベルだと観測出来ないため話がややこしくなってる気がします。かと言って個別には論ずると現象全体の把握がうまくいかなっていうジレンマが…

なんにせよこの分野の核心っぽい雰囲気ですね。(ポエム感)

一応触れておきますとクーロン・アモントン則では摩擦力は見かけの接触面積に依存しません。図5で示すように、物体Aに生じる摩擦力は同じです。

fig5図5

 

しかしクーロン・アモントン則とその現代的意義 P.31では「摩擦力は真接触部位の面積に比例する」と述べています。

一方でアモントンの法則が系統的に破れは、やや逆張りの主張をしていて「摩擦係数が荷重とブロックの大きさの増加とともに減少する!!」と述べています。ここでなぜ接触面積ではなく「ブロックの大きさ」や「ブロックの長さ」など曖昧な表現になっているのか気になるところですが、ついていくのがしんどくなってきたので

考えるのを辞めました。

 

とは言え仮説を立ててみる

個人的には「接触面積が大きい方が摩擦力も大きくなる」を支持しています。

理由としては

  • 摩擦係数が荷重の増加によって減少するのはほぼ間違いなさそう
  • 減少する原因は「前駆滑り」などが指摘されている
  • 「前駆滑り」はナノレベルのゴム負けと考える
  • ナノレベルのゴム負けを防ぐことが摩擦係数の保持に繋がる
  • ゴム負けは一定以上の荷重によって発生する
  • 総荷重あるいは単位面積当たりの荷重を小さくすればゴム負けを低減できる
  • 接触面積を大きくすれば単位面積当たりの荷重を小さくなる

という具合です。「前駆滑り」をゴム負けと解釈すると突っ込まれそうなので先に謝っておきます(しかし訂正はしない)。

この仮説が正しければ

「足裏をベタ置きして接触面積を稼ぐほうが、つま先にピンポイントで立ち込むより有利」

が成り立ちます。
さらに前項の「荷重が7倍になると摩擦係数は半減する」および「単位面積あたりの荷重が7倍になると摩擦係数は半減する」も正しければ、

「ソールの接触面積1平方cmで傾斜40度のスラブが登れる場合、接触面積7平方cmなら摩擦係数200%で傾斜60度のスラブが登れる」

も成り立つはずです。最後のヤツは我ながら暴論な気もしますが、ポエムなのでよろしくお願いします。

 

指皮でも近い結果になるのでは

ところで指皮も当然ながら弾性体です。参考にした資料は基本的にゴムを対象としていますが、指皮も同じか類似した法則に基づくのではないかと考えています。今後はスローパーの処理などに落とし込んで考えていきたいですね。

ちなみに手指・皮膚表面摩擦に関する研究にも「研究も解明もイマイチ」という旨の記述があります。スイムウェア開発とかは表皮と流体の摩擦とかやってそうですが、オリンピック種目になったことだしどっかの野心的な研究者が着手しないかと期待しています。

 


 

長々とここまで読んでいただいてありがとうございます。最後に重鎮スラビスタから頂戴したtweetで本稿を締めくくりたいと思います。

錫杖岳前衛壁

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錫杖岳デビューしてきました。パートナーはおなじみS兄貴。ルートは「黄道光」。北アルプスってことで森林限界を超えた場所でのクライミングを妄想していたのは内緒だ。(行ってみると樹林帯)

 

1P目

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左方カンテのルンゼからアプローチ。アップを意識して大きな動きでルンゼを上がる。荷物がやや重い。

黄道光は薄かぶりのボルトルートで始まる。グレードは5.11a、簡単ではないがオンサイト圏内である。しっかりオブザベーションしてから取り付く。ムーブがピシャリとはまってハング部を突破、ひゃっはーと雄叫びをあげる。てっきり核心部を超えたと思ったらそこからのムーブも一癖あって楽しかった。

なお、後述するが荷物は「やや」ではなく「わりと」重かった。

 

2P目 サンシャインクラック

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続いくハイライトピッチはフォローで上がる。クラックの表面はエッジが鋭い。スッパリ切れた安山岩クラックをイメージしていたが意外と荒々しい。日差しも強まってホールドが滑り、ロープはキンクして上がっていかない。こいつは辛えーと悶えてるとクラックから剥がされしまった。

木登りを交えてなんとか突破。松ヤニで手がべたつく。ワイルドな展開にアドレナリンがマシマシ。

小テラスで交代してリード。ボルトとカムを交えて抜ける。疲労からしょっぱいテンションが入ってしまった。

 

3P目

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最終ピッチ。壁が広い。上部にそびえるハング帯が遠く感じる。下部はボルトが多いので間引きつつ進む。面白いフェイスムーブが続き、快適に高度を上げたところでボルトが途絶える。しばし悩むが直上にハンガーのないボルトが見えた。

#0.5をアンダーに決め数手進む。砕けそうなホールドをスタティックに捉えて祈るようにムーブを起こすと、パキっと剥がれた。スラブフェイスを蹴るようにしてフォール、右臀部をぶつける。

その後、横にクラックがあったことを知る。クラック部のムーブもジャミング一辺倒ではなく変化があって面白い。しかし岩の形状ではなくボルトを追いかけてしまったことが悔しい。テンションを交えながら抜けるが消耗が激しく、終了点についたときは汗だくだった。

ハングを抜けたところで「黄道光」のラインは終わり、その先は北沢デラックスの最終ピッチが続く。正直この場所で終わるのは中途半端な感が否めない。釈然としないも下降を開始。壮絶なロープドラッグと格闘する。

 

軽量化

といわけで荷物が「ほんのちょっと」重かった。どれくらかっつーと5-6kgは確実にあったと思う。ひょっとすると8kgあったかもしれない。さすがに10kgはなかった…と思いたい。

「それ、登る前に気付けるでしょ」って話なんですが、左方カンテルンゼはアルパイン的なので荷物が重くても許容できちゃうんですよね。もちろん「重いな〜」と思ったが特に危機感はなく、「なんとなく違和感がある」くらいの感覚。 でも考えるべきは5.11aから先の行程で、そうすると明らかに重すぎた。

違和感があったということはアラートがあがっていたということ。なのに「気にしすぎ」と無視してしまった。ささいな違和感でも言葉にすれば問題意識が生まれて対応できたかもしれない。今後は積極的に言葉にしていきたい。

ギア周りは毎度難しい。今回はモカシムオンサイトとジーニアスという二足体制だったが、クライミングの内容的にはモカシム一足で対応可能だった。結果論に過ぎないと言われるとその通りだが、グレード、岩質、傾斜を含めて考えれば「ありえる選択肢」だったんじゃないかな。

カムに関しては#4を追加したが結局使わなかった。「どっかで使いたくなるかも」で持っていくことが多いが、そういうシチュエーションって実はあまりない。むしろレアケースな気がする。

もちろん安全性とのせめぎ合いなので簡単に答えは出ない。しかしPASをやめてメインロープでのセルフビレイに切り替えたように、シンプルなほどクライミングは楽しい。

 

ロープドラッグ

三回の懸垂の内、二回でロープドラッグ。ドラッグここに極まれリ。しかも最後は空中懸垂からユマーリングで脱出という壮絶な展開。とはいえ個人的にはいい経験になった。時間はかかったが安全にリカバリーできたんじゃないかと。久しぶりに作ったヌンチャクアブミも悪くなかった。いちばん成長を感じられたのはこの瞬間だったかもしれない。

だが、このトラブルも荷物の件同様に2P目をフォローした段階で予期できたはずだ。扇テラスでロープを整理すれば回避出来た可能性は高い。後続が来ていたこともあって先を急ごうとする心理が働いてしまった。

ちなみに後続は激強ソロクライマーだった。惚れる。

 

何を登るのか

色々と反省点やトラブルがあったが、残念極まりないのが3P目で直上してしまったことだ。

こういう岩場に来てボルトを追ってしまったのが実にショボイ。もっとよく観察すればクラックの存在に気づけたはずだ。できる限りトポや他者の情報に頼らず、自分の目と判断で登りたいと思っていた。しかし結局のところ、誰かが埋めたボルトを頼りに登ってしまった。これをダサいと言わずして何と言えよう。

ホールドが欠けたのは「もっと岩をよく見ろ」という黄道光からのメッセージだったかもしれない。

ぶつけた尻は当分癒えそうにないぜ。

白州尾白川スイム&クライム

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白州尾白川ボルダーでクライム&スイムしてきた。メンツはもはや定番と言って差し支えないソーメイ&スラビスタとのトリオパーティ。ちなみにチョーナンも一緒に行く予定だったが友達との予定が入ってドタキャンっつう親父殺しを炸裂。や、いいんですよ。こうして子どもは大きくなっていくんですなあ。

 

河原のボルダー

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んでコンディションの方はというと、キャンプ場内はどれもビショビショ。まー想定範囲なので早々に河原に移動。テキトーに川遊びしながら周辺のボルダーで遊ぶ。駐車場の売店で購入したトポに顔見知りを見つけてニヤニヤする。

 

足拭きスラブ

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渡渉&足拭きがスタートムーブという冒険心をくすぐる課題。当初は飛び石からジャンプというスタートムーブを提案したがスラビスタから却下される。スラビスタが理想的な右上ラインを描いて完登。後に続こうとするが結構悪い&ボチャンしたくない、という理由から直上(事実上の敗退)。

 

被ったライン

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スラブ右横の被ったライン。水が流れてなければもっと奥からスタートしたいが致し方ない。ムーブは面白かった。

 

よじれるスタート

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一見するとSDスタートからパワームーブな展開を連想する棚ホールドがあるが、ここはSDしないのが作法ってもの。最近ジムのスラブとか緩傾斜で出てくるバランス&体勢辛い系のムーブでスタートをこなす。だいたいなんでもかんでもSDするのってどうな(自粛

 

旭滝

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アプローチ至近の旭滝を見にいく。右壁のクラックにプロテクションが取れそう。

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さらに左岸に大きな洞窟。登れるんだろうか。

その後はゆったり川遊び。

 

天津甘栗スラブ

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天津甘栗に見えなくもないスラブ。適当にラインを引いいて登れる。中央のラインはノーハンドもできそう。

 

白蛇

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トポの表紙になっている白蛇。キャンプ場内で唯一生乾きだったのでトライ開始。するとこれが超絶楽しい。ホールドが濡れているためムーブの制限が強かったが、結果的として非常に印象的なシーケンスで完登。ドライコンディションだと全く違う印象だと思うが(それでもいい課題だろう)、これまでに登ったどの課題よりも面白かったかもしれない。

濡れててもクライミングは楽しめるんだなーと再確認。

 

駒ケ岩、高砂殿

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締めは駒が岩と高砂殿。スラビスタはこの日、ボチャニスタの称号を拝命する。ソーメイの黒戸尾根トライを見守り、高砂殿のラインを登って終了。楽しかったけどすべり台が登れなかったからまた来るかも。

 

 

裏妙義 谷急沢 右俣遡行−左俣下降

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台風一過の影響でいい感じに増水した谷急沢に行ってきた。メンバーはミケ&コバ両氏。ミケちゃんは沢デビューである。

 

右俣遡行

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入渓地点は中木川の堰堤から。東京起点120の遡行図よりやや手間から降りた。川幅が広く気持ちいい。程なくして谷急沢との分岐、更に右俣へと分岐する。

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分岐後すぐにF1が現れる。傾斜もゆるくホールドも豊富。まさにシャワークライムデビューにうってつけ。ミケラインが遠慮がちなのは彼の思慮深さの表れだろう。ちなみに、右壁水線を突破した俺氏は早くもヒルにやられる。

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ナメも気持ちよく水量もちょうどいい。むしろ平水だとちょっと退屈だろうな。とくに夏場は。

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小滝が程よい間隔で現れ飽きさせない。

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スラブ滝。ホールドは豊富。

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ハイライトとなる二段滝。ここは是が非でも水線突破だよねーとか言っていたが意外に水量が多かった。すでに寒さが辛くなっているミケちゃんは何やら叫んでいた。

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上部は左のほうが登りごたえがある。

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最後の滝。水流右がやや立っていて楽しい。

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稜線に抜け左俣への途中で浅間山を望む。

 

左俣下降

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左俣は源頭部から広く植生も美しい。

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しばらく降っても依然として明るい。

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全体的にナメ滝で構成されているので下降には最適。途中から登山道も並走するのでエスケープも容易。子連れで簡単な沢歩きが楽しめるなーとか思ったところでまたしてもヒル。なぜか他の二人は一切ヒルにやられなかったんだがどういうことだろう。

最後は深い釜をもつ直瀑にドボンして締め。内容のあるよい沢でした。

十一面継続登攀

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調和の幻想とJoyful Momentを継続登攀してきた。天気予報がハッキリしないため不動沢のショートルートで溜飲を下げようとするも未練タラタラっぷりを見かねたSAT6師匠から「マルチ行った方がいいYO!」と言っていただき突撃。快く送り出してくれてた皆様にはこの場を借りて多謝であります。

 

8:00 調和の幻想

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前回は偶数ピッチだったので今回は奇数ピッチ。Mサカ氏とギアチェックして登攀開始。相変わらず1ピッチ目はキツイ。2ピッチ目は前回も湿ってたが今回も湿りがち。3ピッチ目は一瞬ルートファインディングに戸惑ったが無事解決。

 

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4ピッチ目の木登りと変化に富んだフレークスラブをMサカ氏が抜け、最終5ピッチ目のフレアワイド。前回フォローだったのでリードが楽しみで仕方ない。すると期待を裏切らない極上ピッチ。適度なランナウトと快適なムーブ、最後はピリッとOWで〆。改めて素晴らしいルートだと思う。

 

IMG_8015[適度なランナウト]

 

11:30から懸垂開始、12:00ごろ取り付き。大休止を入れて十一面奥壁へとハイクアップ。

 

IMG_7996[ガスに覆われる末端壁]

 

13:30 Joyful Moment

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アプローチで少々迷ったが大きなロスはなく登攀開始。1−2ピッチを繋げて抜ける。本チャンっぽいが岩は硬く快適。

 

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3ピッチ目はMサカ氏が軽快に高度を稼ぐ。時間的に敗退も覚悟していたが杞憂だった。4ピッチ目はリービテーションがバチ効き。なんだけど慣れてないので結局奮闘系となってしまった。5ピッチ目は歩きから少しだけ登攀。

 

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15:10に岩頭へ抜ける。下降路へのクライムダウンも侮れなかった。

 

装備

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今回、装備に幾つかの工夫を凝らした。

まずハイドレーション。この時期は水不足になることが予想されたのでビレイ中の水分補給を確実にこなしたかった。結果、ビレイ中に荷物落下を気にせず適量づつ水分補給が可能になった。水分補給だけではなく心理的負担軽減にも効果的。

次にPASを省いてメインロープでのセルフビレイに切り替えた。以前からカムがPASに引っかかるのを煩わしいと思っていたので、今回思い切って取り除いた。結果、ビレイループ周りがスッキリし、登攀中にカムが引っかかることもなくなった。懸垂下降の時はスリングでカウテールを作って対応。PASは沢やアルパインでは有効だが、岩主体の場合は必要ない気がする。

 

所感

ルート選択が功を奏したようで無理なくマルチピッチ継続を楽しめた。数字的には「2ルート/9ピッチ/最大グレード5.10a」となるだろうか。もう少しアクセントになる要素が欲しい気もするが初回ということを考えれば十分なクライミングだったと思える。

ちなみにアクセントを入れるとなると、ピッチ数15以上とか、5.11aを含めるなど。或は情報の無いピッチを含めるとか、トラッドボルダーを交えるってのも楽しそう。更には沢遡行からの継続とかも良さそう。欲望は尽きない。

乾徳山ハイク&クライム

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最近定番となりつつあるソーメイ&スラビスタとのトリオパーティで乾徳山。前日の雨の影響で湿気ムンムンだったがボルダーもハイキングも楽しかった。

 

太平高原−道満尾根

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太平高原からアプローチ。牧場に家畜は一切いなかったがどういう位置づけなんだろうか。

 

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尾根上のボルダーを偵察しながらすすむ。

 

扇平

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月見岩を登るソーメイ

 

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富士山をバックにカンテラインを登る。

 

苔絨毯スラブ

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サイコーに美しいスラブを見つけるが美しい苔絨毯をまとっている。秋に来てトライしてみたいが、この美しい絨毯をはがして良いんでしょうか。

 

とりあえず裏面のジムなスティックな課題を登る。三ツ星課題だがリップは沢かよってレベルでビショビショ。トップアウトも濡れた苔絨毯のおかげでワイルド。

 

髭剃りチムニー

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今回の目玉、髭剃り岩。チムニーはこれ以上無いくらい快適。スラビスタもご満悦。

 

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ソーメイも挟まってみる。まさかのニーバーサイズ。

 

雨乞い岩

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ハイボールというか若干フリーソロな雰囲気の雨乞い岩。スタートはカンテにあるピンチからガバカチにデッド。快適なムーブ。登山道脇なのでトライする場合はハイカーへの配慮が必要です。

 

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雨乞い岩横のスラブも気になる。これも秋にトライしてみたい。

 

鳳岩

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鳳岩の鎖場はロープをつけて登る。フルボディハーネスもそろそろサイズアウト。

 

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富士山のシルエットを背景に記念撮影して早々に下山。

 

雑感

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というわけで往復4時間くらいのトレッキングで、チムニーとハイボールと薄被りと超簡単なクラックで遊んだ。

これを「アプローチ4時間でノーマットボルダー」と捉えると変態感が半端ないんだけど、「トレッキングしながら見つけたボルダーを楽しむ」と捉えるとカジュアルでいいんじゃないかな。

「アプローチもランディングもクライミングに含まれる」という考え方は割とストイックなスタイルとして受け取られることが多いと思いますが、もっとカジュアルかつ自由なスタイルなんじゃないかなーと。

スポンジみたいに水を含んだ苔スラブを登りながらそんなことを思いました。

30日間登らないとクライマーはどうなるのか

結論から先に書くと大きなパフォーマンス低下はなかった。

数値的な裏付けはないが保持力、体幹、バランス、コーディネーション、関節可動域は休止前と大差ない感じ。一方で指皮の弱体化は想像以上だった。ちなみに該当期間中は自宅にて自重トレーニングは継続した。

以下、もう少し詳しい報告と雑感。

Stats

具体的な休止期間は5/3-6/6の約一ヶ月。

この間のトレーニングは以下を中1-2日でルーティン。

  • 懸垂10回
  • 腕立て10回
  • バランス系体幹 2-3セット
  • 腹筋系体幹 2-3セット
  • 股関節系体幹 2-3セット

フルセットをハードに行うのではなく、7-8割の強度で継続した。鍛えるより整えるイメージ。余談だが忙しさのせいか体重が1-1.5kgほど減った。
上記を経て6/6に江戸川橋でリニューアルした舟壁をトライ、結果は以下の通り。

  • 若草3 FL
  • 若草F RP
  • 若草E バラし
  • 青H RP
  • 青G OS

休止前から青はOS圏内、若草はRP圏内なのでパフォーマンス低下はほぼ無い。あったとしてもごく僅かだろう。一方、前述したように指皮があっという間に痛くなってしまい3時間が限界だった。また、登り終わった後にタワシで洗おうとしたら非常に痛い。クライマーの手の皮厚すぎだろ。

ちなみに登る前は若草を1本登れたら御の字くらいに考えていたので、2本も登れるとは思いもよらなかったし、指皮が残っていれば3本目も登れた公算が高い。つーわけでパフォーマンス低下は無いと結論付ける。(減量による恩恵を考慮しても)

今後のトレーニング

というわけでパフォーマンス低下が防げたのを喜ぶと同時に、これまでのトレーニングが如何に非効率だったかを直視せざるを得なくなった。

「週一回だと維持はできても強くならない」とか「オフシーズンは週三回以上で登りこむ」みたいな考えを当然のように受け入れていたが、果たして正しいのだろうか。故障のリスクを高めてるだけでトレーニング効果は低いんじゃないだろうか。もっとストレッチとか疲労快復とかコンディショニングにリソースを割いた方がトータルパフォーマンスは上がるんじゃないだろうか。

今回の経験だけで適切なジム頻度を導き出すのは難しいが、それでも週三回はオーバートレーニングだと思う。しばらくは外岩も含めてクライミングは週二回に留めて、残りはレストとコンディショニングに充てたい。楽しいとつい登りたくなるんだけど、自分にとって一番大切なのは外岩なので、ジムで消耗しちゃうのは本末転倒なんだよな。怪我なんてしちゃった日にゃあもう…

という観点をもってやっていこうと思います。

ただし、指皮だけはジム以外に鍛え方がわからないので、情報をお待ちの方は(以下略

ひとつきぶり

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梅雨目前だが生岩を触ってきた。実に45日ぶりである。ジムへは数回通ったが、それでも一ヶ月ぶり。こんなにも長いブランクはここ数年記憶にない。間違いなく感動に打ち震えるだろうと思ったが、意外とフツーだった。

 

不動沢最下部

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今回はボルダー&トラッドな贅沢プランだったので不動沢最下部へ。以前から気になっていた林道を挟んで小クジラ岩と対面にあるボルダーで遊ぶ。

アップのつもりがマントル課題でいきなり爪を割り流血、さっそく花崗岩の洗礼を浴びる。

IMG_7720[SD課題]

IMG_7737[嘆きライクなライン]

続いて「嘆きの壁」っぽい渋い課題をスラビスタと探る。なんとなくムーブが出来てきたがフリクションが悪いのか指皮がヘタレになってるのか(たぶん両方)完登ならず。

 

二刀流

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道中のボルダーで遊びながら今回のメイン、「二刀流 二段」へ移動。スラビスタはお気に召したようだが三手目のタルいホールドが持てない。フリクションが悪いのか指皮がヘタレになっているのか(どちらかというと後者)。

しょうがないのでスラブで遊んだりツェルトを張って遊ぶ。そんなわけで二刀流の写真は無し(オイ)。

 

食パン

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二刀流とキャッキャウフフなスラビスタをたぶらかして上部にある「食パン 5.11d」に取り付く。ボルダーとしては初段となっているので高をくくっていると中間部までノープロテクション。

ボルダーとして登れる、というよりもプロテクション事情からハイボルダーにならざるを得ないって感じだ。逡巡した末にダイレクトラインを諦めてカンテラインからプロテクションをとって進む。

核心手前でフィンガーサイズを固め取ってムーブを探る。だが悪い。「地獄編」ライクなハイステップムーブが正解と思われるが厳しい。いっそランジしてやろうかと考えがよぎったが結局テンション。カンテから抜けてロワーダウン。プロテクションが悪いのかメンタルがヘタレになっているのか(やっぱ後者)。

代わってスラビスタもピンクポイントでトライするが核心は解決できず。2トライ目に賭けようとおもってるとまさかの雨。敗退となった。

 

どっ被りボルダー

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撤収ついでに出合いボルダーの偵察に行くと晴れ間が出始める。手頃なハングボルダーが見えたので締めのセッションを開始。するとそこへ名古屋から1000夫妻が登場。

手始めに右面のポッケ課題から触るがすでに指皮が売り切れていて辛い。ちょっと危うかったが無事OSに成功。スラビスタも続く。

続いてソーメイとハング部の凹角ラインを探る。リップまでは快適なガバホールドが続くが抜けが悪そう。木の根っこでトップアウトすればいいじゃんと言ってみるが全力で却下。知らぬまにクライマーとしての矜持が芽生えつつあるようだ。その後、指皮が売り切れているにも関わらず粘って最後はボディジャムっぽいムーブで完登。よいクライミングでした。

一方どっ被りラインは強度の高さから不可能感が漂いつつも、三人よれば文殊の知恵よろしくムーブが完成。ビルトリーガバにあと一手と迫るが指皮と時間切れで宿題となった。前半に触った課題も面白いので、(自分的)名前を知らない三部作は必ず登りたいと思います。あと最近毎回書いてるけど情報をお持ちの方がいらっしゃれば…

 

IMG_7759[どっ被り凹角ボルダー]

 

IMG_7763[出合いボルダー]

ハンドサイズは#0.2

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ご無沙汰しております。

先日、スーパーかわい子ちゃんと十月十日を経てご対面しました。周囲からはプッチョだサーシャだアシマだとお祝いの言葉を頂戴しています。個人的にはこれからはパメラだと思っています。それはさておき、岩とか山に限らず自然を愛せる人に成長してくれると嬉しいですね。

そんなわけで早くても秋シーズンまではあんまり登りに行けないですが、感触を忘れない程度にボーイズを連れて岩場には行きたいところです。

クライミングに限らず、家庭環境や仕事に大きな変化があるとスポーツや趣味を継続するのは難しくなります。特に高難度を追求する上で必要となるトレーニング頻度やパフォーマンスを維持するのは容易ではありません。

以前ならそうした部分に強い葛藤を感じもしましたが、最近は難易度の追及よりも未知の岩との出会いだとか、こども達とのハイク&クライムにシフトしてきたこともあり、わりとどうでもようくなってきました。

こういう風に書くと「ああ、ゆるく登るようになったのね」と聞こえるかもしれませんが(間違ってはないけど)、未知の岩に自らのラインを求める行為は、根源的な何かが宿っている気がします。

娘の5歳の誕生日には三つ星課題をプレゼントできるように、2mくらいのスラブやフェイスをストックしておきたいと思います。