月別アーカイブ: 2015年7月

鹿股川 桜沢 遡行

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「子連れで無理のないハイキングができて、水量は豊富だが危険ではない河原で遊べて、実はその間にコッソリ沢登りしつつ、ナメ滝だけでなく登攀も楽めて、比較的涼しく、できることなら渋滞に巻き込まれたくない」というこの上なくワガママな要求に応えてくれる「鹿股川 桜沢」に行ってきました。当初は丹沢のモロクボ沢を予定していたところ、酷暑と渋滞回避のため急遽変更。こちらのサイトで有力情報を入手し、炎天下に焦げ付く東京から全力で脱出。

 

山の駅 たかはら

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桜沢の入渓地点へは「山の駅 たかはら」から下山でアプローチとなる。遊歩道はよく整備されているので子連れでも快適。中間地点に架かる「雷霆の滝」までゆっくり小一時間(大人なら20-30分)で到着。河原遊びに夢中のマイソンとしばし別行動。

 
IMG_2683[子猿のように戯れる]

 

咆哮霹靂の滝

IMG_2655[霹靂の滝12m]

 
遊歩道を下り切ると、そのまま入渓地点となり遡行開始。咆哮滝8mと霹靂滝12mが出迎える。まずは霹靂滝を偵察。右側のラインに可能性を感じるが、予想よりヌメる上にやや脆い。ビレイヤーがいれば途中の灌木にランナーをとれそうだが今回はソロ。諦めて咆哮滝を登る。こちらもヌメっているが傾斜が寝ているので特に問題はなし。

 
IMG_2654[咆哮の滝8m]

 

癒しのなめ滝

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咆哮霹靂の滝から上部は広い川幅になめ滝と瀞がたゆたう。存分に癒されながら遡行。標高が高いためか奥多摩と比べて水温は低め。当日はピーカンだったので気持ちよかったが、曇ってると積極的に泳ぐ気にはならないかも。

 

雷霆の滝

IMG_2692[雷霆の滝10m]

 
ほどなくして雷霆の滝に到着。マイソンにラーメンを作りながら雷霆の滝を登攀。水量の少ない中央ラインを突破、トップロープを設置する。出来上がったラーメンをすすりながらワイフの登攀にガンバを送る(滝の音でかき消されてたけど)。

 

IMG_2685[子猿のように戯れる其の二]

 

渇水のおしらじの滝

IMG_2723[おしらじの滝]

 

雷霆の滝以降もしばらく癒しのなめ滝が続くが、伏流帯に入った後、水量は回復せず「おしらじの滝」に到達。美しい青みがかかった釜を湛えているが滝に水流はなし。その後もゴーロ歩きを経て林道へ上がり遡行終了。

帰りは城の湯やすらぎの里。お風呂もご飯もバッチリだった。

増水の逆川

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猛暑に堪え兼ね、台風11号が通過した翌日、奥多摩は川苔谷逆川を遡行してきた。
メンツはZK夫妻とsig君。

日原街道から見下ろす日原川の水量はハンパなく「これ、支流とは言えどこまで遡行可能なんだろう」ってな案配。川乗橋バス停で下車、川苔谷本流を覗き込むと奥多摩とは思えない様相。谷川で見た湯檜曽川本谷の如くうねる白泡。

とりあえず入渓地点まで上がり、遡行開始。なんだけど、本流の徒渉がシビア。流されることは許されない状況、既に核心である。やや上流まで進み、比較的穏やかな瀞から徒渉。ようやく逆川に入った頃には既に小一時間が経過。

前半のハイライトと言えるF1-F3も圧倒的水量に阻まれ容易には進めない。7m滝に至っては前衛滝の突破すら困難なうえ、滝壺は完全に洗濯機状態。トポでは右壁が登攀可能と記されているが諦めて巻く。F3を抜けた時点で入渓からおよそ2時間。まだ全行程に10分の1くらいなんですが…この時点で敗退が確定。

 
IMG_3125[中間部ゴルジュ]

 

その後、ゴーロ地帯を抜ける。何でもない小滝も水量が故に楽しい。中間部のゴルジュをへつり、ザブザブの釜から2m、7m滝を抜ける。いずれも面白い突破だった。小ゴルジュを抜けた所で仕事道と出会い遡行終了。トポにある木橋は崩壊していたがトレースは明瞭、小一時間で林道に到着。

 

IMG_3133[ゴルジュ内の釜、滝を突破する]

 

シーズン初回から予想外にハードな遡行となったが、増水による影響を実際に知る貴重な経験になりました。ちなみに逆川は1級上ですが、緊張感に関しては2級の海沢より強く感じたかな。やっぱ水量多いと良くも悪くも濃密な遡行になるようです。

Colosseo

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前回、南西面のオランジュ岩でサンサンと照りつける太陽の下、ギャラクシアンのスラブにかじりつきながら僕は悟った。瑞牆と言えど夏は暑い。標高が高いとはいえ日照条件を無視するのは無謀である。この夏を我々はどう過ごすのか。快適な岩場、言葉にするのは簡単だが、現実には希有な物件だ。しかしコロッセオ、あそこなら涼しいはずだ!(行ったことないけど)そこに行けばきっと出会える!そう信じて我々は向かった。

二週間後、梅雨前線が南下するのを見届けて訪れたカサメリは、すでに真夏の様相を呈していた。

しっとり感抜群のコセロックでアップ。Mサカ氏と取り付いた「ネコのヒゲ 5.10b」でまさかのドハマり。コンディションが原因なのかまったく5.10bとは思えない。とりあえずトップアウトしてスズメ&634ペアがアップしている「白虎 5.10c」に合流。フリクション故か、いつより悪く感じるがやはり面白い。

IMG_2617[白虎を攀じるスズメちゃん]

 

コロッセオ

その後、日が高くなるのを避けるように北面のコロッセオに移動。「真実の口 5.10d」を偵察にいくと先客が居たので「オスティカ・アンティカ 5.11a」に鞍替え。

快適なトラバースパートを抜け核心部のイメージ通り突破するが、最後のクリップでフォール。マスターでなければオンサイトできた可能性は高いが実力不足でした。

 

コセ・ド・ドン

634君とMサカ氏がNDDを撃つ側でスズメちゃんと「コセ・ド・ドン 5.11c」に取り付く。長い系5.11cってことは上手くすれば一撃、最悪でも3tryだろうとタカをくくっていると極悪。核心部は甘いスローパーと乏しいフットホールドに加え、絶妙なクリップ配置で怖さMAX。

NDD、トップガンのギャラリーをしつつ、結局トップアウトに3tryもかかってしまいレッドポイントは次回となった。(しかし次回ちゃんとトライするかは全く謎)

 

オスティカ・アンティカ 5.11a RP

Mサカ&634ペアは我々が「コセ・ド・ドン 5.11c」にやられっぱなしになっている間もひたすらNDD。私とてNDDに興味がないわけではないが(むしろ興味津々)ここはグッと堪えて「オスティカ・アンティカ 5.11a」のレッドポイントに向かう。

前述の快適トラバースから核心部をスムーズに突破、最終クリップを掛ける。パンプでギリギリだが、次のムーブを出そうとフト足下をみた。するとシューズのベロクロが外れている。一瞬、心が折れそうになるが踏めないほどのホールドはないはず。気持ちを切り替えて苦し紛れの一手を耐え、続く一手も止めると漸くガバのお出迎え。強烈にタタラを踏みながら終了点にクリップ。めでたくレッドポイントを修めた。

ムーブが多彩でホールドも明確。やはりこの手のルートは楽しい。もう少しコンスタントに11が登れるようになりたいがそろそろ本気で打ち込む12も探したいところ。

帰りの車の中では疲れてるはずなのに、バカっ話で誰一人寝落ちすることなく帰京。みなさん本当にありがとうございました。