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しっとり笠間

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小川山、瑞牆の最高気温が1-2度とかになってくると「あー師走だなー」って気分になるわけで、ちょっと早い気もするけど笠間に行ってきた。

当初はSSKの予定だったが紆余曲折を経て1000夫妻と。そういやこのお二方と笠間に行くの初めて。自分でも意外だ。

 

しっとり侍

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かねてから打ちたかった「サムライ返し 初段」のある大黒岩でアップ。今回はトポがないので自由な発想とやらに任せて登る。しかし全般的にしっとり。

アップの仕上げに裏面のフェイスラインをトライ。ノーマットでスタートしてみるが結構悪い。数回スリップ落ちしたところでアンジェラに先を越されたのでしれっとマットを敷いて完登。

そしてお待ちかねの「サムライ返し」にファーストコンタクト。スタート足こそポジティブだがその後は実に細かい。

とりあえず立ってみる。
足を上げて、なんとなーくpushな体勢を作る。

うんうん、なるほどね。

とりあえず一旦降りる。あくまでもクライムダウンであり未だOSトライ継続中であることをアピールするがスルー力の高い二人にはサラリと交わされる。

何度か同じ展開をループするが高度は一向に上がらず。最後は足を滑らせて強烈な張り手を見舞ってフォール。しかしこれは面白い。石器人スラブの様に保持力でゴリ押しできるタイプではなく、バランシーなムーブと繊細な足技を駆使する純度100%のテクニカル感が堪らない。

ただ、朝方はフリクションがね〜。それさえなければな〜。とか言いつつ移動。

 

ギル岩

続いて「Way Of The Gill」を拝みに上部岩場へ詰める。するとホソヤン氏にばったり遭遇。最近お子さんが無事産まれたそうです。おめでとうございます。

んでギルさんはというとこちらもしっとり。とくにクラック内部のフリクションが低い。ホールドも磨かれたためか部分的にチャートみたいにツルツルしている。先客のボルダラさんに混ぜてもらってトライするがいきなり右手がすっぽ抜けて吹っ飛ぶ。

その後、ボチボチと高度を上げていくが指皮、体幹ともに消耗が激しい。上部のスローパーに手を出す寸前まで進むが上手く行かない。ちなみにその場の雰囲気で下の岩を使わないで登っていたが、後からやってきた1000氏によると限定はなく使ってよいとのこと。まあグレード的にはそうだよな…と居合わせた誰もが納得。

尚、帰宅後トポを確認しても「下の石つかっていいよ!」と明確に書かれていた。とは言え自分の感覚で岩を見て「使わなくて登った方が楽しいんじゃない」と思ったのならその形で登りたいと思う。次に行った時にどう思うかはわからないけど。

 

ワシントン・クラブ 2級 RP

ギルで盛大にヨレたあと、自分的笠間代表課題にトライ。春シーズンに一度触っているが完登狙いというより最早クールダウンの心境。つーかこの時点で内心「ボルダー飽きたかも。ルートかマルチかクラックやりたい…」と思い始めていたことは内緒だ。

案の定甘いリップをマッチするがそっから進まねえ。

先客ボルダラさんと「やっぱむずいすなー。その足?あーそうっすよねー」とテンプレの様な情報交換をしているとここで1000氏登場。「リップが意外と保持できるはず」みたいなアドバイスをくれるが半信半疑。すると先客の男性クライマーが見事RP。おいおいそんな都合のいい展開ありですか、と「意外に保持できる」と噂のリップを押さえる。

うーん、良くねーよ。

だがもう少しがんばってみると意外に効く。お、これ次のスローパ届くんじゃね、、、と放った左手はしっかりスローパを捉えた。その後実に笠間的なマントルを返し完登。ややリーチムーブ感があったが嬉しいRPだった。

本日の教訓「信じる物は救われる」

 

シンプル・ファイター 1級 RP

初めて「シンプル&ディープ」や「エモーション」を触った時、この岩のホールディングの難しさに下を巻いたのを良く覚えている。

本日はささやかながらもジワジワくる成果を手にできたので、もう十分よねって感じでガンバ係にジョブチェンジ。今度はクラック装備を持ってきて「ターゲット」でもやるかなーと考えていると「何寝てんだ、お前の番だ」とアンジェラ。

「これOSできたらすごいよ」と1000氏が言うので取り合えず前情報無しでスタート、典型的なガチャ持ちである。こいつぁ一発でホールディング解決出来ないだろうと判断してクライムダウンする。そう、OSトライは継続中なのだ。

アンジェラはハイステップまでのムーブは出来上がってるようだが乗り込みに苦戦してる。しかしガチャ持ちは非常に安定している。既に日が暮れてスポット位置からでは詳細なホールディングは目視出来ない。しかも私は未だOSトライ中である。ふと「OSトライ中に他人のトライを見るとFLになるんすかね」と両氏に質問するがまたしてもスルーされることとなった。

その後、何度か足上げに挑戦するがどうも保持感が悪い。1000氏がもう少し奥まで探ってみた方が、というので試してみるとそれっぽい凹みを突き止める。すると足がヒョイヒョイ送れて、ハイステップ体勢に移行完了。ヨレててちょっと苦しいけど我慢の一手を出しダイクを掴む。そして完登。

 

おまけのエモーション

意外な成果に気を良くしたので最後は「エモーション」を1000氏とセッション。なんかスタートが個性的。一見ヒールフックかと思いきや、そんなわけないでしょと思わせつつ、結局ヒールフックだった。

初めはしっくりこなかったスタートだったが、数トライで腰の入りが良くなり左手の保持感Up。やや被りのタレたリップなので壁に入って傾斜を喰らった方が保持感は良くなる印象だ。ヒールと正対で壁に入るのは「皇帝」や「B岩 初段」と良く似ている。んで得てして身体のでかい人はつらい。

完全に日が暮れたところで上部の右ダイクに迫るが、ホールドを捉えられずフォール。しかしこれは面白い。いい宿題を貰ったところで撤収。

昼頃は「そろそろボルダーシーズンも終わりかなー(自分の気分的に)」とか思っていたわけですが、帰り際には次の笠間はいつにしようかとばかり。毎度のことながらゲンキンですが、なにか?

笠間トリッキー

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最近、自分の中で強傾斜よりスラブ〜薄被りのテクニカル&トリッキーなラインに強く心惹かれております。

そんな訳で今回は和尚くんと笠間。関東有数の心霊スポットたる彼の地ではこれ以上ない強力な助っ人であります。

 

ホップ岩

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前回から1年以上経過しているのでアプローチに不安を抱えつつ車道を下りていくとボルダーを発見。トポと照らし合わせてホップ岩と判明。本当は扇岩に向かいたかったのは内緒だ。

「素直 7級」「ヨイショ 9級」「罠 6級」と簡単だが面白い課題でアップ。花崗岩デビューの和尚くんは足置きの繊細さに驚愕している。いい反応だ。

さらに「ホップ・マントル 6級」「タンコブ 4級」へ。もちろんOS狙いだったが結果2撃。どちらも良い課題だった。

 

ワシントン岩

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笠間っぽい課題をやりたいってことで「ワシントン倶楽部 2級」を触る。スタート、足上げ、リップまではスムーズに進むが抜けられる気配が皆無。

基本的にヨレない課題だから何度でもトライできるが、和尚くんとペチペチとスローパーを叩いては落ちるの繰り返し。時間だけは着々と過ぎていく。

結局ペチペチ輪廻から解脱できないまま移動。

 

石器人岩

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前回宿題になっていた「石器人スラブ中央 初段」を回収すべく気合をいれる。トリッキーなスラブムーブを期待して胸が高鳴る。

足順を思い出すようにトライを繰り返し、少しづつ高度を上げて行く。何度かフォールを繰り返しついにリップ直下まで到達。

と、ここで気がついてしまったがこの課題、トリッキーでもテクニカルでもないのでは…。

細かいエッジに爪を立てるように保持して足を上げ、リップに手を伸ばす。ただそれだけの課題に思える。もちろん丁寧な足置きは必須だが、意外性のある足位置はない。そんなことよりとにかく保持力がモノを言う。少なくとも僕はそう感じた。

居合わせた親切なお姉さんが「コーヒーでもいかが?」と仰るので、コーヒーブレイクの前に1トライを試みる。何度か足を滑らせるがエッジを渾身の指力で保持しリップへ。足が切れるも意地の完登。

後日、左に逃げると2級という情報を得るが断じて「逃げた」つもりはないので気にしないことにした。

お姉さんの煎れてくれたコーヒーは香り高く、美味しかった。本当にごちそうさまでした。

 

ラブ岩

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首尾よく宿題を終わらせ、笠間を代表する課題「ラブタッチ 3級」へと斜面を登る。

まずは和尚くんがスタート。

左カンテとスメアでおもむろに右カンテをはたきに行くが足が抜けてフォール。まだまだ足修行が足りないようだ。いっちょお手本を見せてやるかと俺氏スタート。

だが、バランスが悪い。おかしい、そんなはずは…と右カンテを叩きに行くが同じく足抜けフォール。何一つお手本とはならなかった。

その後二人で止まらない初手をペチペチ。お互い口に出さないが「これ、さっきと同じ展開なんじゃね…」と不安を抱きはじめる。「ひょっとするとラインが間違ってるかも」と見え見えのエクスキューズを入れてYoutubeで確認。もちろんムーブではなくあくまでラインの確認である。

すると、一気に両カンテをハグするようなムーブが飛び込んできた。そのインパクトたるや凄まじく、初登ムーブだとか地ジャンだとかはどうでもよく、ただ純粋に「ラブタッチというからにはこのムーブしかありえない。私もこのムーブで登りたい!」と思わざるをえなかった。

そして、幾度かの熱い抱擁の末、遂に完登。

カンテを止めた後の足位置も非常に笠間的。充実の一本となった。

え、ライン? 正しかったみたいだよ。

 

ベンチ岩

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やや寒くなったので日当たり良好なベンチ岩に移動。穏やかな日差しのもと、「ベンチ岩 10級」「ベンチ岩SD 2級」を登る。「ワシントン倶楽部」と同じグレードとは思えない課題だが被った面白いラインだった。

 

ヒップ岩

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〆は当然のハイボールである。

「アンクラ・スラブ 7級」を登り、「フィスト・クラック 6級」に取り付く。ハンドジャムはバチ効きだが、いかんせん抜けが恐ろしく思い切れない。

和尚くんもハンドジャムに果敢にトライ、初めは意味不明という雰囲気だったが極まると「なんだこりゃ、片手が離せる!」と歓喜。

ジャミングで遊んでいると撤収時間が来てしまったので抜けは諦めて「チョックマン 6級」でチムニークライミングを堪能して終了。

終わってみるとスラブ、垂壁、強傾斜、クラック、チムニー、ハイボールと多彩なクライミングが楽しめた一日だった。笠間、また来たいぜ。

 

 

Granitism

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近年、加熱の一途をたどる花崗岩至上主義ですが(当社比)、春が来るまで瑞牆・小川山は冬眠中。気合いが入ってれば雪なんて関係ないそうですが、アイスクライミングとか雪山とかスキーも楽しい。ふと気づけば指皮は滑らか。オフィスの指紋認証も一撃で開錠。日常生活では理想的な指皮でございますが、花崗岩エバンジェリスト(自称)としては憂慮すべき事態。

つーわけで冬場の花崗岩オアシス、笠間に行ってきました。お相手はミケコバ。実は小生、笠間は初めて。とんだ花崗岩エバンジェリスト()もいたもんだ。

東北道をひた走るコバフォレスタ号の中では、笠間の何たるかを両先輩から拝聴。予習しておいた心霊情報の答え合わせを行う。SAでご飯を食べて、2番乗りくらいに駐車場に到着。エリアに向かう。

コバちゃんが「石器人スラブ 初段」を打つというのでアップもなしにやってみる。すると2,3try目で上部に到達。スタートホールドに右足が乗り、あとはリップを取るだけってところでフォール。ミケコバからは「絶対いけるよ!」と熱い応援を頂戴するが、次第に高度が下がり、ついでにモチベーションも下がってきたところで移動。「自分、基本ドMなんで、サクっと登れる課題はどうにも….サーセン」と意味不明の言い訳を残す。

 

 

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お次は「シンプル&ディープ 初段」。初手がなかなか取れず、マントルも悪そう。お隣の「エモーション」を触ったり、「石器人スラブ」に出戻ったりと、フラフラと浮ついているとミケちゃんが「シンプル&ディープ 初段」をRP。やはり強い。真の花崗岩エバンジェリストの登りを堪能させていただいた。

 

 

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んで、カンテでも遊んでみるかーってことで「ハートビートカンテ」に移動。地上数メートルの岩棚の上に起立するカンテを右上する、「裂けた青空」みたいなカンテだ。おもむろにスタートすると足が抜けてスリップ。大爆笑だったが、狭い岩棚の上でコバちゃんにドロップキックを見舞うところだった。その後もビビリながらムーブを探り、ようやく固まってきた頃にまたしてもスリップ。笑いを耐えられなくなって移動。

しかしカンテで削りまくった指皮は既に終了。早々に「ラブタッチ」を敗退。記念受験に「うるま」に移動。恒例の「ゔぉっく病」確実とみられていたが、指皮が痛くて「ゔぉっく病」すら発病せず。

 

 

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というわけで、初笠間は清々しいほどの「坊主ー成果なし」にて終了。この感じ、この展開、どこかで見たことあんなーと思ったら「北山公園」でした。花崗岩エバンジェリストとして坊主ってどうよ、な話ではありますが、花崗岩を“楽しむ”エバンジェリストを目指したいと思います。