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低山バリエーションとボルダー

ここんところ忙しかったのでクライミングは控えめ。反面、お酒とご飯は控えるところ知らず。さすがに脇腹とかヤバいんじゃね?ってことで三連休の最終日、すこしだけ歩こうと思って奥武蔵へ行った。

いや、ホントに軽いハイキングのつもりだったんだ。

実際、最寄り駅に帰ってきたのは15時過ぎだったし。

ところがその短い時間の中でバリエーションルートとワールドクラスのボルダーを堪能した。

ホント山は何がおこるかわからない。

この時ほど、ザックの中にクライミングシューズがあってよかったと思ったことはないだろう。

バリエーションに関しては一般ルートが酷く凍結していたという怪我の功名だが、いい塩梅の稜線を繋いで下降。久しぶりの読図とかルートファインディングが楽しかった。

ちなみに見つけた岩は既に登られているようで、古いボルトがあったりチョーク跡があったりする。なお、今のところ詳しい位置情報は書かないつもりだ。

アクセス問題が理由の一つだが、岩を探すところから始まるクライミングが一番楽しいと思ってる。あなたの楽しみを奪いたくはない。是非探しに言ってほしい。

今回登った一本は既にスポートルートして登られている可能性が高いが、ボルダーとしては実践されていないと思う。とりあえず便宜上「BrewDog」と呼ぶことにする。今年の干支ですからね。

賀正二〇一八

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山の中を歩いていると、いきなりカッコイイボルダーが現れて、何やら登れそうな雰囲気がするのでちょこっと掃除して登ってみるとサイコーに楽しい。

既登課題かもしれないけど、重要なのは自分でラインを見つけることなので初登・既登は気にしない。

むしろ既登なら先人クライマーと時間を超越してラインを共有できたことが尊いと思える。

ってな感じで2017年は過ごしました。

年始に掲げた「心魅かれるラインや岩を自由に登りつつ、想像力を働かせるトラッドとかマルチに取り組みたい」という抱負は概ね実現できた一年でした。

岩場での過ごし方は特定の課題に拘ってトライを重ねるより、気になった岩をトポに依らず見たまま感じたままに登ることが多くなりました。

開拓っていうより沢の遡行で「一般的には高巻きみたいだけど、この滝直登できるんじゃね?ちょっと探ってみようかな…」みたいなノリに近いと思っています。

エリアの看板課題や名クラシック、自分にとっての高難度課題に取り組むのも素晴らしいことですが、同様に自分で見出したラインを登るのも素晴らしいと確信した一年だったかと。

まあ、実際には前年比で1/4くらいしか岩場に行ってないし、高難度をガッツリ打ち込む時間がないことは事実なんですが、そういった要因を差し引いてもこのスタイルはアリだな、と。

いわゆる「エンクラ」とはちょっと違う、クリエイティビティとスパイスが効いたクライミングを2018年も指向していこうと思います。

それでは本年もよろしくお願いします。

登り初めはソーメイのリードデビューでした。(1ピン目だけかけた

Ken Yamagamiさん(@gamiken_kappalab)がシェアした投稿 –

豊田の岩場 初上陸

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豊田にて「初めての岩場でトポをあんまり見ないで登るスタイル」を実践してきた。大給城址しか行ってないが瑞牆、小川山、昇仙峡、笠間、北山公園等々とくらべてポジティブなホールドが多くてなんつーか、好きになっちゃったよ、トヨダ。

 

アップ

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駐車場からアプローチも早々にポジティブなボルダーが現れ始める。どの岩も今すぐ登りたいほど魅力的だがぐっと我慢してダイアモンドスラブまで上がって1000夫妻と合流。

ティータイム岩の簡単なスラブやら斜面上に位置するフェイスやら薄被り課題を登る。右足ヒールで登った課題がズバリ「ハイヒール」という課題だそうで、この地の開拓者と通じた気がしてニヤニヤする。ちなみにスズメ氏はヒールなど繰り出さずにトウで乗り込んでいた。

同岩の左カンテ直上も登ったが上部で左の岩にシレッとニーバーが。正直なわたしは降りてくるなり「ニーバーバチ効きですよ!」と申告しておいた。けどこれ、ワイドクラックにジャミングする課題としたほうが内容あって良いと思うよ。

さらに右手上部の少し被った課題を登る。大きな動きのムーブがたのしい。

 

ボクサー/4回戦ボーイ

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アプローチで目星をつけたクラックボルダーへ移動する。見るからに快適そうなフレークをシンプルに登る。最高に楽しい。

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左面にある左上クラックも登る。こちらのほうがやや難しい気がする。ジャミングも可能でこれまた最高。

 

アンジェラによると「ボクサー」「4回戦ボーイ」などの課題らしい。

ちなみにM坂氏の姿が見えないな~と思っていたら我々がアップしてる間にソロで抜け駆けしていたらしい。セッションもいいけどこういうラインとは一人で向かいたいよな。わかる、わかるよ!

と思ってたら今度は満面の笑みで「チムニー最高でしたーーー!!」とか言って何処からか帰還。この男、岩好きすぎるだろ。

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右上ダイクを登ってチムニーに向かうのであった。

 

チムニー

 

んで、件のチムニー。おりしもクリスマス目前である。

この圧倒的ビジュアルを前にして説明は不要だ。あんまり登られてない雰囲気だがこんな素晴らしいチムニーを放っておくなんてどうかしてるぜ。ムーブについては多くを語るべきではないが、抜け口までワイド登りを要求される完璧なラインだったと申し上げたい。

ちなみにワイドどころかクラック経験すら皆無のINO氏は悶絶しつつもこれまでにない岩との一体感が病みつきになったようです。直接聞いたわけじゃないけど。

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スズメ氏も右向きに挟まったり左向きに挟まったり、とにかく挟まりまくってた。その奮闘っぷりを見ているとベルジュエールのチムニーを思い出さずにはいられなかった…

 

つづいてスズメ氏たっての希望で「ポールポジション」をセッション。アプローチの時にブラッシングしてたオニーサンさんが「マントルが核心、リップまではアプローチ、ポケットに足を…」とか言ってたが序盤から指痛くてツレェー。ついでに言っとくとムーブは聴かれない限り喋んなくていいと思うよ!(真顔

ローカルさんも交えてセッションするが皆同じところで落ちまくり。こりゃー指皮消耗するしラストワントライかなーとか言いつつ4,5トライしてるとスズメ氏が落ちまくりポイントを突破してそのまま一抜け。強いとしか形容のしようがない。

こいつはビッグウェーブが来るんじゃないのと沸き立つが後に続くものはなかなか現れず。俺氏、浮気を決断する。ちなみに浮気中にINO氏、M坂氏はバッチリ完登するのだった。

 

鯉のぼり e

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というわけで小ぶりだが印象的なボルダーに移動。スタートから強度が高く無理やり数手つなぐがリップへ出るところでフォール。スズメパイセンのムーブを参考にカイゼンを進める。めっちゃ楽になったが自分のセンスの無さを笑うしかない。

一方、上部に限定あるっぽいなーと思ってアンジェラに確認。果たして上部のガバフレークは限定であった。一瞬、「豊田よ、お前もか」と思いそうになったが限定なんてどこにでもあるし、合理的でないと思えば無視すればよいだけ。ラインを決めるのは自分だ。

と思ってるとポールポジションを完登してきた勢が加わり、みんなでセッションしているとあっという間に上部ムーブが判明して完登。限定が〜とか行ってる間もなく登れてしまった。セッション効果って凄いと思うと同時に、一人で向かい合ったらどんな関係性が生まれただろうかと考えずにはいられなかった。

ちなみにM坂マンは上部で二回くらい落ちたのにも関わらずグラウンドアップを貫いて部分練習なしで完登した。心の底から賞賛したい。拘るなら限定ホールド云々よりもそっちだよな。

 

ポールポジション d

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そして出戻り&泣きのワントライ。片足だけシューズを変えて挑む。指皮が限界だが何故か初手がやたらと持てる。さらにシューズの選択がハマったか足置きの意識が良かったか、落ちまくりポイントを突破して上部に到達する。マントルは確かに良くないが核心てことはなかった。「アプローチ」とやらのほうが…いや、言うまい。

 

所感

というわけで豊田の岩は極上だった。すぐにでもまた行きたい。その時もトポを見るのは最小限で好きなように登るんだろう。数年前から徐々にそうしたスタイルに移行してきている。登攀対象を自らの意思で定義するところからクライミングは始まるんだと思うようになった。それを教えてくれたのは他でもない息子たちなんだが、その話はまたどこかで。

 

湯河原キッズボルダー

2週連続で湯河原幕岩。今回はトラッドではなくソーメイを連れてのボルダリング。笠間と迷ったが少しでも暖かい場所を選択。

最近は平塚PAで食料を調達するのが定番。店内調理のパンとおにぎりが旨い。そしてなぜかコーヒーの種類が豊富。たしか8種類くらいあった気がする…とは言え、コーヒー好きなわりに違いわからないマンなんだけどね。

 

米粒岩

アップは定番の米粒岩。駐車場についたときは風が強かったが気がつくとポカポカ陽気。なんやかんやで二年くらい触ってる「米蔵 二段」のカチがかなりスタティックに触れるようになってきた。たぶん次くらいに登れるだろう。

ってことで移動。

 

棺桶岩・大地岩

実は登れていない「湯河原ジャンプ 3級」を数年ぶりにトライ。うむ、相変わらず思いきれない。が、ホールディングを調整してデッドで完登。まったくもってジャンプしてないがよしとしておく。

ソーメイはおにぎりを食べたのち棺桶岩で日向ぼっこに勤しむ。岩の名前を教えると色々めんどくさそうなので黙っておく。

日向ぼっこを満喫した後、ポジティブなホールドを見つけてSDラインにトライ開始。スタートホールドを色々と吟味してムーブを組み立てるが、スタート〜初手が悪そう。まだ強度の高い一手をだす集中力とか、スタートに入る前のルーティンなどが彼にはないのでちょっとアドバイス。トライを繰り返すたびに動きが良くなって無事完登。

ちなみにトポによると「初めてのSD」ってのがあって多分それかな。

気がつくと雪が降ってきたので、大地岩にある2級くらいのSDラインを登って移動。

 

亀岩

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亀岩の先っぽに魅力的なラインを見つけたがトーフックから動けず。二三段ありそうな雰囲気。

ソーメイは指皮売り切れのためスラブを登ったが簡単すぎたみたいで早々に移動。

 

キッズワイドコーナー

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正面壁下でスラブを探すがなぜかワイドコーナーに落ち着く。小学生にはベストなサイズ感でちょっとうらやましい。

スタートの足上げが最大核心で案の定なかなか足が決まらない。スタート時の足位置が成否を分けるのだが、そういったことに自分で気がつくにはもうちょっと時間がかかりそう。できるだけヒントを小出しにしつつ無事足を決めて完登。

 

阿夫利っぽいなにか

隣の被ったフェイスには「阿夫利」というラインがあるはずなので、良さげなホールドを見繕う。低い位置にあるガバホールドからカンテに出ないで直上するラインだと想定してトライ。つなげると中間部の一手が悪かったがホールディングを調整して完登。

わりと良いラインを見出したつもりでいたが、帰宅後に調べるとayashin616さんが登ってるラインのほうが良さげなラインだった。うーん、自分もこのラインを見いだして登りたかったな。グレードとか初登ラインがどうかではなくて、良いラインを見出すためのライン審美眼を磨きたいぜ。

湯河原トラッドⅡ

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湯河原正面壁へトラッドクライミングに行ってきた。パートナーはM坂氏。前回「No1ルート 5.10c」を登ったので今回は「小ハング左凹角ルート 5.10d」でも登ろうかなーという目論見。

 

No3ルート 5.10a OS

まずはアップということで「ベビーピナクル 5.9」を登ってから「No3 ルート」を登る。クラックのサイズがワイドからフィンガーまでと変化に富んでいて面白い。快適にOS。

 

小ハング左凹角ルート 5.10d OS

そして本題のルートに取りつく。ハング直下でやや躊躇するがプロテクションを信頼して進む(一本目はケミカルボルトだしね)。不安定な体勢でアンダーを保持しながら苦しげにカムをを決める。ハングを超えて一息つくがそこからも全身を使うクライミングが展開され内容があって面白い。

お互いに一撃できたので一旦休憩。

 

ロングラン 5.10d 2p OS

長いルートがあるっぽいので偵察に行くとケミカルが打たれたカンテが目に入る。周辺にカムが決まりそうなリスがあるのでレトロトラッドできるんじゃないかとアイデアが膨らむ。一通り想定を話し合って、最上部の木をサミットに設定し登攀開始。

ところが早々にクラックが閉じてボルトルートに合流。再びカムが取れそうなクラックが出現するが既にテラスに到達、ピッチを切る。核心は超えたが上部ピッチもあなどれない。しかも高度が上がるほどに砂っぽくでワイルド。楽しいお気軽マルチだった。

 

コナン 5.9 FL

右壁に移動して少しだけ「スパイダーキッド」を冷やかしてから締めに「コナン 5.9」を登る。極めて快適。

最後に「小ハング右凹角ルート」をビレイして撤収。M坂氏のクライミングがしばらく会わないうちに劇的に安定していてびっくりした。プロテクションの判断もムーブの選択もスムーズで気負いがない。

正面壁の主要なトラッドルートは登れたので次のステップに進みたい。色々選択肢はあるけどやはり花崗岩、昇仙峡かな。

龍神淵

紅葉狩りに行ってきた。行き先は名栗。クライマー的には河又といったほうが通じるかもしんないが、本日の目的は紅葉である。0歳時のアウトドアデビューとして奥武蔵は便利が良い。クライミングなんつう野蛮なアクティビティが行われているとはニワカには信じられない。

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とはいえ名栗湖湖岸は針葉樹主体の植林地帯。昇仙峡や瑞牆・小川山のような真っ赤な紅葉ではない。もう少し植生に多様性を残して営林してくれたらなーと思う。

 

 

とりあえず有間渓谷を詰め「龍神淵」まであがる。釜の手前にベースを作ってコーヒを入れようと思ったらライターを忘れたことが判明。コーヒどころかラーメンも喰えない。しょうがないので予定を変更して岩登りなどで時間を潰す。

 

龍神淵

 

釜を成す見事なスラブを登る。木の枝と落ち葉により沢登りの亜種みたいなクライミングになる。上から掃除もできるがこういうのはあるがまま登るのがいいんじゃないかな。全力で木を掴みまくったが完登を主張しておく。既登かもしれないが初登ならそのまま「龍神淵」と呼びたい。

 

水龍

 

それから釜の手前にある前傾ボルダー。SDにうってつけな顕著なガバからスタートを試みるがどう考えても初段以上。ってことでスタンドでトライ。足切れ全開だがなんとか完登。もっと合理的なムーブがあると思うが体感2級くらい。ジムナスティックな好課題だった。

ちなみにSDで登れたら鳳師と名付けたい。(大局将棋で水龍の成駒が鳳師なんだと)

 

ニジマス

撤収後、ラーメンの代わりにマス釣場で塩焼きを頂いて帰宅。里山とか川で遊びつつ岩も登れる奥武蔵は子連れクライマーの強い味方なんじゃないかな。全力を出しきるようなクライミングは難しいけど色々と工夫次第で楽しめるはず。

スラブ三昧

 

三連休の初日だけ瑞牆山ボルダーへ行った。4時ちょうどにソーメイを起こして4時半にINOさんと待ち合わせ。朝の空気が随分冷たくなりました。

普段より一時間早いけど交通量が多い。こいつを見越して出発を早めたINO氏は慧眼たるやマジリスペクトである。ソーメイは韮崎のコンビニに到着するまで熟睡。

 

童子岩

とりあえずアップ。パリッパリの花崗岩を期待していたがヤヤ湿っぽい。適当にスラブを登ってトポにはない「ナツメの花」と「小藪の細道」の間に位置するスラブラインを登る。割りと良いラインだった。1000夫妻とスラビスタが合流して談笑。

ソーメイは6歳くらいの頃にトライした「ナツメの花」をRP。よくできました。

 

十六夜セション

最近スラブの楽しさを多少なりとも理解できるようになってきたのでINOさんとセッション。以前は「スラブ?なにそれおいしいの?」って態度でしたが変わり身の早さには定評があります。

じっくりムーブを考えよう…とか思ってたけど他のパーティもいるとサクッと核心まで解決。いや、けどこれ「解決」って呼んでいいのかな…ムーブをコピーしただけって感じが…

ま、核心ムーブ起こせなかったからいいか(何が

ソーメイと周辺のボルダーで自由に遊ぶ。

 

山梨市エリア

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山形県エリアからパノラマコース(大面岩アプローチ)を200mくらい辿り左手から入る小沢を詰めるエリア。この呼び方は定着してるんだろうか。そもそも「山形県エリア」って名前からして…いや、言うまい。

ラーメンを食べつつ周囲のスラブを触る。山形県エリアより更に湿っぽいが気付かないフリだ。簡単なヤツをいくつか登って難しそうなヤツにトライ。スタートのムーブがなかなか良い。中間部から上部にかけては指力と精神力が問われる。何とか粘ってレッドポイント。

ソーメイはムーブを修正しながらスラブにマシンガントライ。指皮が減らないので思う存分撃てるのが良いらしい。完登はできなかったが今までで一番楽しかったとか。登れなくても楽しいって、お前、それ、クライマーじゃね?

 

水晶スラブ

少し上がって綺麗な水晶が生えているスラブを登る。

中央のスラブラインは快適。

左のスラブはのっぺりしたフリクション系。

ちなみに落ちると足がなくなります。

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夕方頃に再び山形県エリア(ややこしいな)にもどって「インドラ」を初トライ。初手から悪い。体幹もヨレてるんで早々に撤収。こいつはフレッシュな時に再訪したいな。

パンプすると死ぬ病について

先日、江戸川橋で512a/bをOSした。それまでのOSグレードが5.12aだったので、文字半分だけ更新したことになる。半分とはいえ地味に嬉しい。ついでに5.12cを一回だけトライしてみたがこちらも好感触。ムーブを忘れさえしなければ次で登れそう。5.12cを2tryで完登できたとすれば自分的には快挙である。(ただジムリードって半年に一回くらいしかやんないんだよな)

最近のジム頻度は週一回程度、滞在時間は3時間前後。よく聞かれるのが「それでどうやって調子キープするの?」だが、パンプ耐性や持久系の対策をメモしておく。

 

バンザイニギニギ運動

パンプ耐性向上のため「両腕をバンザイして握ったり開いたりを一定時間行う」というトレーニングを行っている。おおむね週二回くらい、もちろん自宅で。個人的にはわりと効果を感じているのでもう少し補足したい。

動作の注意点

  • 呼吸を一定に保つ
  • 腕はしっかり伸ばすが肩や胸郭はできるだけ脱力
  • パンプしてから2−3分継続する
  • 辛くなったらシェイク入れてもいい
  • チョークアップライクに腕を下げてもいい

効果と目的意識

  • パンプ発生までの時間を長くする
  • パンプ発生からパンプ限界点までの時間を長くする
  • パンプ発生からの回復時間を短くする
  • 持久力向上を目的として最大筋力や保持力の効果は求めない
  • パンプしてもプロテクションセットできるメンタルをつくる
  • パンプしても次の一手を出すメンタルをつくる

以上、パンプと共に訪れる辛い時間を如何に平穏に過ごすかっていうライフハックでした。特にボルダラは「パンプすると死ぬ病」にかかってる人が多いので(パンプすると一瞬で心折れるとか。自分がその最たる例だった)騙されたと思って試していただきたい。

 

ジムトレ

ついでにジムに関しても触れておく。ジムでは基本的にボルダーしかやらないが、最後の15分くらいはテキトーに長モノを登る。こちらもパンプしてからが勝負でレスト体勢を挟みながらとにかく粘る。周りからすればいい迷惑だろう。こちらはパンプ耐性向上だけでなくクールダウンにもなってるみたいで翌日の筋肉痛とか疲労感が軽減される。

あ、あといい汗かいて締められるからビールがうまい。

 

握力とはなにか

バンザイニギニギ運動は「クラッシュ力」的な動作となる。理想的には「ホールド力」的な動作でパンプを発生させたいが自宅では難しそう。現状ではパンプ発生の手軽な方法と割り切っているが、いずれは「ホールド力」的な動作によって効率よくトレーニングできるようになりたい。(最大筋力と筋持久力ともに)

ちなみに調べるまで握力が三種類に分類されることなんて知らなかった。もしかすると専門的には更に細分化できるのかもしれない。そして同じことは「保持力」や「体幹」など半ばバズワード化してる概念に対しても言えるんじゃないかと思ってる。

三峯クラシコ

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背の高い、すっきりとしたラインを登ってきた。

すっきりしてるのはラインだけではなくホールドもすべすべ。キメ細かくなんなら碁石かよってくらいの三峰のボルダーは一度だけ、4年前の暑い日に訪れている。

その時はフリクションと無縁のような岩肌と、垂壁前後の渋い課題内容に今ひとつピンとこなかった。

さらにその後、花崗岩のフリクションや石灰岩の強傾斜を知るにつれ、この岩場の存在は記憶の片隅へと追いやられた。

 

カンテ 2級 RP

4年ぶりに訪れた三峰は前回とはうってかわってどんよりしていた。だれだよ晴れるっていったやつは。

曇っている三峰は少し雰囲気が違う。不気味ってほどではないが独特の緊張感みたいなのがある。うまく言えないが眷属信仰が根付いたのが妙に納得できる。

そんなことを考えながら「涼しいマントル」の岩でアップ。最後に黒本でOTSとなっている「カンテ 2級」をトライ。どっち向いてんだよってホールドを引っ掛けながらバランシーな足上げ。最近ホントにこういう課題が楽しい。実に味わい深い。

三峯ならこの手の課題に事欠かないだろうと思ってたが、自分の慧眼っぷりが恐ろしい。

 

池田カンテ 1級 RP

そしてシルクハット岩。「一輪車」か「池田カンテ」をトライするつもりだったが、一瞬で「池田カンテ」に心を奪われる。

じっくりとオブザーベーションするが何せすべすべ。こりゃあ触って見ないとわかんねえだろってことで速攻でOSトライ。

一瞬、スローパーを使うか躊躇したが限定とか野暮なことは言わないだろうと、見たまま感じたままに手を進める。数手進んだところで行き詰まって飛び降りる。あっけなくOS終了。やっぱそんな簡単なわけないよな。着地点はすこし気になる岩があるくらいで概ね良好。

ムーブを微調整しつつラインを理解してゆく。予想ではあと2手ってところだが下から見るとホールドが良いのか悪いのか判然としない。とりあえずブラッシングして感触をつかむ。

そして本気トライ。組み立てたムーブどおり進み次の一手を睨む。冷静に捉える。更にもう一手。少し緊張感のあるマントルを返して岩の上に立った。

岩の形、ムーブ、高さ、ロケーションと全てが揃った素晴らしい課題だった。これ以上のラインが他にあるだろうか。自分もこんなラインを残してみたいと心から思った。

それと同時に、ブラッシングなどせず完全に未知の部分を残して登るべきだったと少し後悔した。

 

ひも

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それから本日の主題、「ひも」を初トライ。限界グレード以上のボルダーを触るのは久しぶり。見た目はそんなに難しくなさそう。とりあえず適当に離陸してみる。そんなに悪くない。

だが小一時間ほど同じムーブで打つがまったく進展なし。一旦ゼロベースで再検討。あるじゃないですが、いいスタートホールドが。おもむろにヒールフックを繰り出すが股関節がヤバい。焦らずゆっくり身体に馴染ませてとりあえず初手を出す。超絶あまい。2手目なんて出せたもんではない。

「ぺたし」やら「べろんちょ」を登りながらムーブを微調整するが、結局2手目を捉えることはなかった。

ちなみに翌日、猛烈な筋肉痛が股関節を襲った。

 

一輪車 初段 RP

最後は戻ってきて「一輪車」にトライ。スローパーから一気にマントルを返すのかと期待したがさすがに無理だよな。出来るだけスローパー周りのホールドで解決しようと悪戦苦闘したがそれもかなわず。

すこし離れたフットホールドを拾うと一気に可能性が見えたが時間切れで次回持ち越し。

電車に間に合わせるため駅まで40分の道のりを25分で踏破。ちなみに翌日、猛烈な筋肉痛がふくらはぎを(以下略

後日談

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数日後、ソーメイと晴天の三峯で「一輪車」はレッドポイント。晴れてるとまったく雰囲気違うよなーと思いながら「ひも」は2手目がほんの少し触れるようになった。

摩擦力について調べてみた 2017

以前から気になっていたトピックですが、スポーツクライミング教本Rock&Snow077のJack氏の連載で摩擦とか摩擦力について取り上げてあったのでちょっと調べてみました。

 

はじめに

調べてみて分かりましたが、この分野は絶賛研究中って感じで未だ結論が出てないことや一致しない見解があるようです。

摩擦力の発生原因に関しても近年になって新たな理論が出てきたり、わりと変化の激しい学問って印象ですね。今後も法則や理論が覆される可能性は十分ありそうなので、このエントリーのタイトルにも”2017″を加えています。

ちなみに物理とか工学を先攻していたわけではなく基本的に門外漢なので、まあなんつうかポエムだと思って読んでいただけると幸いです。

 

中高で学ぶ摩擦の法則は万能ではない

中高ではざっくりこんな感じで学んだと思います。

 

1. 摩擦力は荷重に比例(摩擦係数は定数)
2. 摩擦力は見かけの接触面積によらない
3. 最大静止摩擦力が動摩擦力よりも大きい
4. 動摩擦力は速度によらず一定である

荷重を P、比例定数を μ とすると、摩擦力 F は次式で表される

F = μP

参考

 

あまり一般的な図ではありませんが上記の法則を斜面に配置したブロックで表現したのが図1です。

fig1図1

 

さてここからが本題ですが、いくつかの研究結果から例外が報告されています。以下の論文や講義内容が法則の破れや例外について触れています。

 

主に弾性体における法則の破れが指摘されています。ちなみに弾性体って何よ?って話ですが、めちゃくちゃ雑にまとめるとゴムとか柔らかくて変形しても元通りに戻る物体です。

一方、中高で学んだ法則(クーロン・アモントン則)は塑性体でほぼ成り立つようです。塑性体って何よ?って話ですが、これまた雑にまとめると金属とか鉱物など硬くて変形すると元通りに戻らない物体です。

余談ですが、Rock&Snow077でJack氏が弾性体の対義として「個体」を用いていますが、なんとなく誤用なんじゃないかと思います(おそらくは「剛体」って言いたかったんじゃないかと)。また、論文内では「塑性体」が頻出するので摩擦を語る上では「弾性体」の対義としては「塑性体」のほうが適切っぽいです。

 

弾性体では荷重が7倍になると摩擦係数は半減する、らしい

クーロン・アモントン則では摩擦力は荷重に比例します。図2で示すように、物体Aの質量が大きくなるにつれて同じだけ摩擦力も大きくなり物体Aはすべり出しません。したがって摩擦係数は変動しません。

fig2図2

 

しかし、先に紹介した入門講座 やさしいゴムの物理によると弾性体の摩擦力は荷重に比例しません。それどころか摩擦係数が変動すると報告しています。具体的には

  • 摩擦係数は荷重の-1/3乗に従う
  • 摩擦係数は荷重が7倍になると半減する

と驚愕の研究結果が報告されています。数値については材質によって異なると考えた方が良さそうですが、ひとまずこの結果に基づいて図1を修正したものが図3です。

fig3図3

 

これをスラブクライミングに当てはめると「同じ性能のシューズでも体重30kgなら傾斜45度のスラブを登れて、体重60kgなら傾斜38度までしか登れない」を意味しています(図4)。

fig4図4

「まじかよ、とりあえず痩せるわ」 って感じですね!!(本音を言うと「体重半分にしても傾斜7度かよ」という印象)

厳密には「登れる/登れない」ではなく「落ちない/落ちる」ですが細けーこたあいいんです。また、摩擦係数と傾斜角の変動は三角関数を使って求めています。尚、繰り返しになりますがこの分野は絶賛研究中なのでこれらの結果は覆されるかもしれません。

 

接触面積と摩擦力

続いて接触面積です。クライマー的には脚置きやホールディングと密接な関係があるので気になるところですよね。

ところが、こちらは諸説ある上に「見せかけの接触面積」とか「真の接触面積」など何やら込み入った話になってきて理解するのが大変です。

雑な感想ですが、ナノレベルオーダーの観測と日常レベルの観測が明確に分離されず混在したまま議論されている印象があります。摩擦力ってナノレベルだと「衝突」なんだけど、日常レベルだと観測出来ないため話がややこしくなってる気がします。かと言って個別には論ずると現象全体の把握がうまくいかなっていうジレンマが…

なんにせよこの分野の核心っぽい雰囲気ですね。(ポエム感)

一応触れておきますとクーロン・アモントン則では摩擦力は見かけの接触面積に依存しません。図5で示すように、物体Aに生じる摩擦力は同じです。

fig5図5

 

しかしクーロン・アモントン則とその現代的意義 P.31では「摩擦力は真接触部位の面積に比例する」と述べています。

一方でアモントンの法則が系統的に破れは、やや逆張りの主張をしていて「摩擦係数が荷重とブロックの大きさの増加とともに減少する!!」と述べています。ここでなぜ接触面積ではなく「ブロックの大きさ」や「ブロックの長さ」など曖昧な表現になっているのか気になるところですが、ついていくのがしんどくなってきたので

考えるのを辞めました。

 

とは言え仮説を立ててみる

個人的には「接触面積が大きい方が摩擦力も大きくなる」を支持しています。

理由としては

  • 摩擦係数が荷重の増加によって減少するのはほぼ間違いなさそう
  • 減少する原因は「前駆滑り」などが指摘されている
  • 「前駆滑り」はナノレベルのゴム負けと考える
  • ナノレベルのゴム負けを防ぐことが摩擦係数の保持に繋がる
  • ゴム負けは一定以上の荷重によって発生する
  • 総荷重あるいは単位面積当たりの荷重を小さくすればゴム負けを低減できる
  • 接触面積を大きくすれば単位面積当たりの荷重を小さくなる

という具合です。「前駆滑り」をゴム負けと解釈すると突っ込まれそうなので先に謝っておきます(しかし訂正はしない)。

この仮説が正しければ

「足裏をベタ置きして接触面積を稼ぐほうが、つま先にピンポイントで立ち込むより有利」

が成り立ちます。
さらに前項の「荷重が7倍になると摩擦係数は半減する」および「単位面積あたりの荷重が7倍になると摩擦係数は半減する」も正しければ、

「ソールの接触面積1平方cmで傾斜40度のスラブが登れる場合、接触面積7平方cmなら摩擦係数200%で傾斜60度のスラブが登れる」

も成り立つはずです。最後のヤツは我ながら暴論な気もしますが、ポエムなのでよろしくお願いします。

 

指皮でも近い結果になるのでは

ところで指皮も当然ながら弾性体です。参考にした資料は基本的にゴムを対象としていますが、指皮も同じか類似した法則に基づくのではないかと考えています。今後はスローパーの処理などに落とし込んで考えていきたいですね。

ちなみに手指・皮膚表面摩擦に関する研究にも「研究も解明もイマイチ」という旨の記述があります。スイムウェア開発とかは表皮と流体の摩擦とかやってそうですが、オリンピック種目になったことだしどっかの野心的な研究者が着手しないかと期待しています。

 


 

長々とここまで読んでいただいてありがとうございます。最後に重鎮スラビスタから頂戴したtweetで本稿を締めくくりたいと思います。