月別アーカイブ: 2017年10月

パンプすると死ぬ病について

先日、江戸川橋で512a/bをOSした。それまでのOSグレードが5.12aだったので、文字半分だけ更新したことになる。半分とはいえ地味に嬉しい。ついでに5.12cを一回だけトライしてみたがこちらも好感触。ムーブを忘れさえしなければ次で登れそう。5.12cを2tryで完登できたとすれば自分的には快挙である。(ただジムリードって半年に一回くらいしかやんないんだよな)

最近のジム頻度は週一回程度、滞在時間は3時間前後。よく聞かれるのが「それでどうやって調子キープするの?」だが、パンプ耐性や持久系の対策をメモしておく。

 

バンザイニギニギ運動

パンプ耐性向上のため「両腕をバンザイして握ったり開いたりを一定時間行う」というトレーニングを行っている。おおむね週二回くらい、もちろん自宅で。個人的にはわりと効果を感じているのでもう少し補足したい。

動作の注意点

  • 呼吸を一定に保つ
  • 腕はしっかり伸ばすが肩や胸郭はできるだけ脱力
  • パンプしてから2−3分継続する
  • 辛くなったらシェイク入れてもいい
  • チョークアップライクに腕を下げてもいい

効果と目的意識

  • パンプ発生までの時間を長くする
  • パンプ発生からパンプ限界点までの時間を長くする
  • パンプ発生からの回復時間を短くする
  • 持久力向上を目的として最大筋力や保持力の効果は求めない
  • パンプしてもプロテクションセットできるメンタルをつくる
  • パンプしても次の一手を出すメンタルをつくる

以上、パンプと共に訪れる辛い時間を如何に平穏に過ごすかっていうライフハックでした。特にボルダラは「パンプすると死ぬ病」にかかってる人が多いので(パンプすると一瞬で心折れるとか。自分がその最たる例だった)騙されたと思って試していただきたい。

 

ジムトレ

ついでにジムに関しても触れておく。ジムでは基本的にボルダーしかやらないが、最後の15分くらいはテキトーに長モノを登る。こちらもパンプしてからが勝負でレスト体勢を挟みながらとにかく粘る。周りからすればいい迷惑だろう。こちらはパンプ耐性向上だけでなくクールダウンにもなってるみたいで翌日の筋肉痛とか疲労感が軽減される。

あ、あといい汗かいて締められるからビールがうまい。

 

握力とはなにか

バンザイニギニギ運動は「クラッシュ力」的な動作となる。理想的には「ホールド力」的な動作でパンプを発生させたいが自宅では難しそう。現状ではパンプ発生の手軽な方法と割り切っているが、いずれは「ホールド力」的な動作によって効率よくトレーニングできるようになりたい。(最大筋力と筋持久力ともに)

ちなみに調べるまで握力が三種類に分類されることなんて知らなかった。もしかすると専門的には更に細分化できるのかもしれない。そして同じことは「保持力」や「体幹」など半ばバズワード化してる概念に対しても言えるんじゃないかと思ってる。

三峯クラシコ

dav

 

背の高い、すっきりとしたラインを登ってきた。

すっきりしてるのはラインだけではなくホールドもすべすべ。キメ細かくなんなら碁石かよってくらいの三峰のボルダーは一度だけ、4年前の暑い日に訪れている。

その時はフリクションと無縁のような岩肌と、垂壁前後の渋い課題内容に今ひとつピンとこなかった。

さらにその後、花崗岩のフリクションや石灰岩の強傾斜を知るにつれ、この岩場の存在は記憶の片隅へと追いやられた。

 

カンテ 2級 RP

4年ぶりに訪れた三峰は前回とはうってかわってどんよりしていた。だれだよ晴れるっていったやつは。

曇っている三峰は少し雰囲気が違う。不気味ってほどではないが独特の緊張感みたいなのがある。うまく言えないが眷属信仰が根付いたのが妙に納得できる。

そんなことを考えながら「涼しいマントル」の岩でアップ。最後に黒本でOTSとなっている「カンテ 2級」をトライ。どっち向いてんだよってホールドを引っ掛けながらバランシーな足上げ。最近ホントにこういう課題が楽しい。実に味わい深い。

三峯ならこの手の課題に事欠かないだろうと思ってたが、自分の慧眼っぷりが恐ろしい。

 

池田カンテ 1級 RP

そしてシルクハット岩。「一輪車」か「池田カンテ」をトライするつもりだったが、一瞬で「池田カンテ」に心を奪われる。

じっくりとオブザーベーションするが何せすべすべ。こりゃあ触って見ないとわかんねえだろってことで速攻でOSトライ。

一瞬、スローパーを使うか躊躇したが限定とか野暮なことは言わないだろうと、見たまま感じたままに手を進める。数手進んだところで行き詰まって飛び降りる。あっけなくOS終了。やっぱそんな簡単なわけないよな。着地点はすこし気になる岩があるくらいで概ね良好。

ムーブを微調整しつつラインを理解してゆく。予想ではあと2手ってところだが下から見るとホールドが良いのか悪いのか判然としない。とりあえずブラッシングして感触をつかむ。

そして本気トライ。組み立てたムーブどおり進み次の一手を睨む。冷静に捉える。更にもう一手。少し緊張感のあるマントルを返して岩の上に立った。

岩の形、ムーブ、高さ、ロケーションと全てが揃った素晴らしい課題だった。これ以上のラインが他にあるだろうか。自分もこんなラインを残してみたいと心から思った。

それと同時に、ブラッシングなどせず完全に未知の部分を残して登るべきだったと少し後悔した。

 

ひも

dav

それから本日の主題、「ひも」を初トライ。限界グレード以上のボルダーを触るのは久しぶり。見た目はそんなに難しくなさそう。とりあえず適当に離陸してみる。そんなに悪くない。

だが小一時間ほど同じムーブで打つがまったく進展なし。一旦ゼロベースで再検討。あるじゃないですが、いいスタートホールドが。おもむろにヒールフックを繰り出すが股関節がヤバい。焦らずゆっくり身体に馴染ませてとりあえず初手を出す。超絶あまい。2手目なんて出せたもんではない。

「ぺたし」やら「べろんちょ」を登りながらムーブを微調整するが、結局2手目を捉えることはなかった。

ちなみに翌日、猛烈な筋肉痛が股関節を襲った。

 

一輪車 初段 RP

最後は戻ってきて「一輪車」にトライ。スローパーから一気にマントルを返すのかと期待したがさすがに無理だよな。出来るだけスローパー周りのホールドで解決しようと悪戦苦闘したがそれもかなわず。

すこし離れたフットホールドを拾うと一気に可能性が見えたが時間切れで次回持ち越し。

電車に間に合わせるため駅まで40分の道のりを25分で踏破。ちなみに翌日、猛烈な筋肉痛がふくらはぎを(以下略

後日談

dav

数日後、ソーメイと晴天の三峯で「一輪車」はレッドポイント。晴れてるとまったく雰囲気違うよなーと思いながら「ひも」は2手目がほんの少し触れるようになった。