カテゴリー別アーカイブ: スポートルート

錫杖岳前衛壁

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錫杖岳デビューしてきました。パートナーはおなじみS兄貴。ルートは「黄道光」。北アルプスってことで森林限界を超えた場所でのクライミングを妄想していたのは内緒だ。(行ってみると樹林帯)

 

1P目

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左方カンテのルンゼからアプローチ。アップを意識して大きな動きでルンゼを上がる。荷物がやや重い。

黄道光は薄かぶりのボルトルートで始まる。グレードは5.11a、簡単ではないがオンサイト圏内である。しっかりオブザベーションしてから取り付く。ムーブがピシャリとはまってハング部を突破、ひゃっはーと雄叫びをあげる。てっきり核心部を超えたと思ったらそこからのムーブも一癖あって楽しかった。

なお、後述するが荷物は「やや」ではなく「わりと」重かった。

 

2P目 サンシャインクラック

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続いくハイライトピッチはフォローで上がる。クラックの表面はエッジが鋭い。スッパリ切れた安山岩クラックをイメージしていたが意外と荒々しい。日差しも強まってホールドが滑り、ロープはキンクして上がっていかない。こいつは辛えーと悶えてるとクラックから剥がされしまった。

木登りを交えてなんとか突破。松ヤニで手がべたつく。ワイルドな展開にアドレナリンがマシマシ。

小テラスで交代してリード。ボルトとカムを交えて抜ける。疲労からしょっぱいテンションが入ってしまった。

 

3P目

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最終ピッチ。壁が広い。上部にそびえるハング帯が遠く感じる。下部はボルトが多いので間引きつつ進む。面白いフェイスムーブが続き、快適に高度を上げたところでボルトが途絶える。しばし悩むが直上にハンガーのないボルトが見えた。

#0.5をアンダーに決め数手進む。砕けそうなホールドをスタティックに捉えて祈るようにムーブを起こすと、パキっと剥がれた。スラブフェイスを蹴るようにしてフォール、右臀部をぶつける。

その後、横にクラックがあったことを知る。クラック部のムーブもジャミング一辺倒ではなく変化があって面白い。しかし岩の形状ではなくボルトを追いかけてしまったことが悔しい。テンションを交えながら抜けるが消耗が激しく、終了点についたときは汗だくだった。

ハングを抜けたところで「黄道光」のラインは終わり、その先は北沢デラックスの最終ピッチが続く。正直この場所で終わるのは中途半端な感が否めない。釈然としないも下降を開始。壮絶なロープドラッグと格闘する。

 

軽量化

といわけで荷物が「ほんのちょっと」重かった。どれくらかっつーと5-6kgは確実にあったと思う。ひょっとすると8kgあったかもしれない。さすがに10kgはなかった…と思いたい。

「それ、登る前に気付けるでしょ」って話なんですが、左方カンテルンゼはアルパイン的なので荷物が重くても許容できちゃうんですよね。もちろん「重いな〜」と思ったが特に危機感はなく、「なんとなく違和感がある」くらいの感覚。 でも考えるべきは5.11aから先の行程で、そうすると明らかに重すぎた。

違和感があったということはアラートがあがっていたということ。なのに「気にしすぎ」と無視してしまった。ささいな違和感でも言葉にすれば問題意識が生まれて対応できたかもしれない。今後は積極的に言葉にしていきたい。

ギア周りは毎度難しい。今回はモカシムオンサイトとジーニアスという二足体制だったが、クライミングの内容的にはモカシム一足で対応可能だった。結果論に過ぎないと言われるとその通りだが、グレード、岩質、傾斜を含めて考えれば「ありえる選択肢」だったんじゃないかな。

カムに関しては#4を追加したが結局使わなかった。「どっかで使いたくなるかも」で持っていくことが多いが、そういうシチュエーションって実はあまりない。むしろレアケースな気がする。

もちろん安全性とのせめぎ合いなので簡単に答えは出ない。しかしPASをやめてメインロープでのセルフビレイに切り替えたように、シンプルなほどクライミングは楽しい。

 

ロープドラッグ

三回の懸垂の内、二回でロープドラッグ。ドラッグここに極まれリ。しかも最後は空中懸垂からユマーリングで脱出という壮絶な展開。とはいえ個人的にはいい経験になった。時間はかかったが安全にリカバリーできたんじゃないかと。久しぶりに作ったヌンチャクアブミも悪くなかった。いちばん成長を感じられたのはこの瞬間だったかもしれない。

だが、このトラブルも荷物の件同様に2P目をフォローした段階で予期できたはずだ。扇テラスでロープを整理すれば回避出来た可能性は高い。後続が来ていたこともあって先を急ごうとする心理が働いてしまった。

ちなみに後続は激強ソロクライマーだった。惚れる。

 

何を登るのか

色々と反省点やトラブルがあったが、残念極まりないのが3P目で直上してしまったことだ。

こういう岩場に来てボルトを追ってしまったのが実にショボイ。もっとよく観察すればクラックの存在に気づけたはずだ。できる限りトポや他者の情報に頼らず、自分の目と判断で登りたいと思っていた。しかし結局のところ、誰かが埋めたボルトを頼りに登ってしまった。これをダサいと言わずして何と言えよう。

ホールドが欠けたのは「もっと岩をよく見ろ」という黄道光からのメッセージだったかもしれない。

ぶつけた尻は当分癒えそうにないぜ。

超最高露府

15007539_2147749785450311_1183085046_o[photo by satoshi hirayama]

 

SAT6師匠と昨年春以来のチョーサイコールーフへ行った。花崗岩らしからぬルーフは相変わらず立派でまさに天井。といっても僕の狙いはあくまでも下部の5.11cなんだけどね。匠はもちろんフルバージョンの5.12c狙いである。

 

錦秋トラベルチャンス 5.10d RP

見るからに花崗岩エッセンスを濃縮還元したかのようなルートでアップ。「これは是非マスターで行くべきだよ」とSAT6師匠が猛烈プッシュするので気合いを入れてスタート。予想どおり出だしからペタシなマントル。そしてステミングなハイステップ、向きの悪いフレーク、遠いフットホールドとアップにしては要求度が高い。寒さを理由にモカシム&靴下で取りついたことを後悔するが後の祭り。下部でスリップしてフォール。しょっぱい。

そのまま上部へ抜けてハング越え。ここの「試されてる感」は秀逸の一言。終了点までのランナウトも初登者の心意気を感じさせる。ロワーダウンして2回目で完登。技術的にも精神的にも花崗岩っつーか瑞牆らしさが抜群だった。次はマスターでRPしたい。

 

チョーサイコールーフ

そして今日の本命ルートにマスターで取りつく。下部は以前にトライしているのでシビアな足使いとリーチフルな核心部が印象に残っている。しかし細かな足位置は記憶になく、案の定下部でテンション。そのままルーフ直下まで抜けて本題の上部に入る。と、思ったよりもガバで快適。ヒールフックやらトウフックやら盛大にジムナスティックムーブを連発してテンション交えつつリップまで。

そして核心の抜け。瑞牆本では左から抜けるとあるが直上部に良さげな凹凸があるじゃないか。ものは試しとはたいてみるが…激甘。何度かムーブを探ってみるが慣れないルーフハングドックはぶら下がってるだけで疲れる。前傾壁とはひと味違う疲労感は腹筋やハムストリングに顕著。ポンピングによる指皮消耗も激しい。そして背後の空間が広いというのもジワジワくる。ランナウトなスラブやフェイスとはまた違った緊張感。一旦ロワーダウンしてレスト。

匠は絶妙なフットワークで下部をスルスルと抜けルーフ直下へ。ノーハンドレストを入れてルーフに突入。下から見ていると「あんなところに足あったかしら」だが安定して繋げていく。クリップがムーブと連携していていかにも疲れなさそう。スムースに抜け口をこなし残り1,2手というところで滑ってフォール。めっちゃ悔しがりながら降りてきてレスト。

大レストを挟んで2トライ目、右上パートを色々試しながら結局初期ムーブで突破。ひとまず5.11cは登れたーと思ってたら核心部で手の位置を間違えてフォール。ほんとしょっぱい。そのまま上部まで進んでルーフ抜けを探る。カンテとフレークを挟み込んでデッドするのが比較的良さげ。しかしその後に控える匠直伝の鬼ピンチや甘々ガストンとは真っ向勝負しかなさそう。今一度ダイレクトラインも探ってみるがやっぱねーなと諦める。既にヨレヨレだが気合いで抜け口を突破しマントルへ。ロープがクソ重いので堪らずボルトを踏む。そこから先も最終クリップが実に合理的(つまり遠い)。出し切ってトップアウト。

 

サイコールーフ下部 5.11c RP

もうヨレヨレだがせめて下部は完登しておこうと最終トライ。色々悩んだが右上パートは初期ムーブを採用。すると小さな発見があり劇的に負荷軽減。もっと早く気付けよって話だがそのまま核心もこなして無事完登。そしてルーフ直下でレスト。ノーハンドであるがやや股関節が疲れる。ゆっくりと呼吸を整えルーフに突入。比較的スムースに繋ぐが抜け口のクリップにまごつき盛大に消耗。強引に突っ込みピンチを掴んで乗り込む。右手を寄せてきてリップに手を伸ばしてフォール。まあ今の実力じゃここまでかな。くたくたになってロワー。

匠はなんとスタティックに抜け口をこなして見事RP。回収作業も高所作業者かしらってくらいこなれていた。いやー勉強になりますねぇ。

 

所感

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今シーズンの瑞牆ルートはこれが最後になりそうだけど、いいトライができたし色々と勉強にもなりました。

帰りは渋滞回避で下道。尚、MT車なので運転は完全にSAT6師匠にお任せ(猛省)。しかし運転が上手いのなんの。ワイディングをいいペースで抜けていくのに横Gが少ない。「え、その侵入速度で突っ込むんですか」と思うがまったくロールしない。コーナーの侵入角度がいいのかクリッピングポイントを抜群に捉えて抜けていく。クライミングのスムースさと関連付けるのはこじつけだろうか…

デザートソング

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初めて「デザートソング 5.12a」をトライしたのは3年前くらいで、「大五郎 5.11a」をRPした日のことだった。「トライ」したと言っていいのか怪しいくらい何もできなかったと記憶している。「大五郎」のダメージを言い訳にしたが、細かい足置きや磨かれた石灰岩への対応、高さへの恐怖心、ムーブの引き出しのなさ、およそ思いつく全ての要素が足りず1クリップ目で音を上げたのだった。

その後、瑞牆を始めとする花崗岩ボルダーに魅了されると同時に、フリクションとは無縁のような河又には厭なイメージばかりが重なっていった。

しかし先日、3年ぶりにトライした「デザートソング」はあっさりとムーブが解決し、最初の本気トライで核心を超えるに至った。核心のスローパーはデュアルテクスチャかよってくらいにツルツルだったが怯むこともなく、高さやクリップへの不安もなかった。むしろケミカルボルトのおかげで安心感が勝った。

ボルダーやルート、トラッドやマルチなど、色々なクライミングに取り組んだ成果だろうか。3年という時間の重みを感じた。

 

湿度90%

天気予報では晴れ間も見えるとのことだったが、名栗の山間は霧が立ち込めててジットリ。お約束のような展開をミケちゃんとボヤく。軽くアップしてドローセット。厳しいムーブはほぼ無いが終盤の一手にやや不安が残る。足位置を確認して本気トライに備える。

その後、ミケちゃんの「モスグレイハンド」ドローセットをビレイ。核心をあっさり抜け、そのまま完登しそうな雰囲気だが焦らずムーブ確認に徹する。本人曰く「またチョークアップわすれてたー!」ってことでまだリードにはちょっと緊張気味。確かに呼吸が浅いような気もする。

で、早々に本気トライ開始。順調に核心に進むが左手が滑る。なんとか突破するがギリギリ。荒い息を整えて後半に突入。懸念事項だった一手を強引にデッドで止めるも予定外の足切れ。最終クリップをこなし残り2手と迫るが頭からムーブがすっ飛んで何故か正体ハイステップで突っ込む。んごーとフォール。はい、しょっぱい。他人にアドバイスする前に自分のクライミングを改善しろってことですよね。

 

最適化

というわけで久しぶりにガッツリハングドック、丹念にムーブを探ることにした。2015年の秋シーズンからオンサイトやグランドアップ、ミニマムトライに拘って、時には「手垢にまみれたムーブで登って嬉しいのか?」とまで言ったり言わなかったりしていたがここで宗旨替え。

するとまー楽しいのなんの。微妙なフットホールドの調整でホールドがぐんぐん近くなる。チョックーアップのタイミングやムーブの緩急など繊細な微調整を積み重ねた結果、飛躍的に完成度が高まる。ホールディングに関しては新たな発見はなかったが、全体の流れや些細な足位置を探求するのは本当に楽しかった。

そしてミケちゃんの「モスグレイハンド」完登を見とどけて本日2回目のトライ。チョークアップから核心のシークエンスを一気につなげレストポイントへ。ムーブはスムーズだったが前回トライの疲労もあってより一層息が荒い。ゆっくりとシェイクを入れ後半に突入。件の一手をスタティックに止め最終クリップをこなす。冷静に最後の2手を繋げて無事完登。久々に煮詰めたムーブは絶品であった。

 

ワークアウト

残った時間はお楽しみタイムで「ディレティッシマ・ドラゴン」。石灰岩といえばジムナスティックなムーブを連想させるが、意外にも花崗岩ライクな立ち込み系。ボルトの間隔も心意気を感じる距離感。これこそハングドックせずに登りたい。こんなルートがあるとは思いもしなかった。河又のことを知ったつもりで全く知らなかったんだなーと反省。僕が知らないだけで奥多摩の岩場にはまだまだ驚くべきルートがあるんだろう。

グランドアップの充実感も、ハングドッグの没入感もどちらも等しく楽しい。また一つ、自由にクライミングを楽しめるようになった気がします。

 

秋のマルチピッチ

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瑞牆の名作マルチピッチ「ベルジュエール 5.11b 10p」に行ってきた。

「行ってきた」という言葉から察せられる通り、オンサイトやレッドポイントではなくあくまでもトップアウトである。瑞牆の厳しさを全身で味わってきたんだぜ。

 

最低気温零度

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当初は10月頭を予定していたがずれ込んで10月も3週目。すると天気予報では最低気温0度、午前8時でも4度とかいきなりの冬模様。厳しい登攀になることを予想しながら備えた。

蓋を開けてみるとさすがに0度ってことはなく、5-6度だったが依然として寒いことに変わりはない。アプローチで暖まった体も登攀準備を整えているとすぐに冷えてくる。1ピッチ目の出だしを往復してとりあえずのアップとする。

そして1ピッチ目5.11bに取りつく。果敢にもオンサイト狙いである。気合い十分だったが中間部でしょうもないスリップをやらかしてフォール。寒さでフットホールドを捉えきれなかった。そのままフリーで抜けるが核心部と思われる部分でさらにフォール。結局2テンションでトップアウト。

 

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トラッドスタート

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2ピッチ目5.10aからトラッドが始まる。とはいえショボくれたピトンを頼りにスラブを進む痺れるピッチ。気温はまだ低く肝を冷やしながらS兄貴が抜ける。続いて3ピッチ目は潅木の生えた歩き混じりの5.7。

 

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そして4ピッチ目5.9は最後にスッパリと綺麗なクラック。一見簡単そうに見えるが若干斜めに進むクラックと最後のシンハンドに苦戦。落ちるかと思ったがなんとかオンサイトに成功。

 

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白クマのコルを挟んで5ピッチ目5.10a、大フレークをS兄貴が大胆なランナウトで抜けていく。フォローは回収が厄介。

そして悪名高い5.8チムニー。この数ヶ月、このピッチが放つ圧迫感を常に感じながら過ごした。「やばいと思ったら早めに諦めます」と告げ#6を持ってチムニーへ向かう。下から見上げるがチョックストーンでよく分からず、中間部にあるというリングボルトも見えない。

意を決してチョックストーンへ上がると意外にも快適、リングボルトも見つけることができた。だがもちろん錆びている。黒ずんだリングボルトにクリップしずり上がる。

チムニーは少しづつ狭くなり身動きが取れなくなっていく。ロープの流れが悪くなるがチムニー奥に#6を決めてT字スタックやらチキンウィングやら、本で読んだだけのジャミングを試す。もちろん全く効いてこない。

すでに疲労困憊、荒い呼吸をなんとか整え分速数センチで這いずりあがる。メットが引っかかって首を回すのも一苦労。脱水で足が攣りそうになるのを必死で誤魔化す。もっとチムニーの練習をしておくんだったと心の底から反省した頃にようやく上部チョックストーンに到達。ガバだが激しい疲労感から必死でマントル。いやー奮闘した。

 

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完全に出し切ったがまだ終わらない。ブッシュ帯を経て8ピッチ目5.10bは先行きが見えない左上クラック。脱水気味の体にザックが重くのしかかるが見上げると青空がどこまでも高い。最後は岩稜歩きを経て5.8をバテバテで超える。

 

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終了点から眺める大ヤスリ岩がなんつーかH.R.ギーガーのクリーチャーみたいだった。

 

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簡単には登らせてくれないとわかってはいたが予想を上回るハードワークで、植樹祭を6時に出発して帰着は17時。クライミングで11時間行動なんて記憶にない。

さて、次はもちろんレッドポイントを狙いに行くのだが色々と改善点も見えた。装備に関してはもう少しギアを減らそう。クイックドローとマイクロカムは減らせるはず。反対に水は一人750mあったほうがいい。終了点は把握できたので以外と時間のかかったピッチ間の連携は短縮出来るだろう。今回は花崗岩からやや離れていた(最後に瑞牆に来たのが一ヶ月以上前)ので、次回はもう少しこまめに花崗岩を登ってから挑みたい。とはいえその辺は冷え込み同様、お天気次第なんだよな。

いつかサラリとレッドポイントできるように励みたいと思います。

シケた秋の過ごし方

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毎週のようにしっけしけなので御岳とか河又に足を運んでいる。9月上旬に策定したロードマップでは花崗岩にかじりつきまくって魂を震わせる課題たちと蜜月している想定だったが、天気ばかりはどうにもならない。ここ数年、御岳とか河又は主に混みすぎが原因で足が遠のいていたが改めて訪れると割と楽しい。フリクションってなんだっけと言わんばかりのスリッピーなスローパーやフットホールドもこれはこれで好きと思える。

発電所エリア

御岳発電所対岸の小ぶりなボルダーをミケ、和尚、サイトー氏らとトポに拘らず遊んだ。岩を見て登りたいラインを決めて遊べるようになったんだなーとつくづく思う。カンテをSDで抜けるラインが特に面白かった。

モスグレイハンド 5.11d RP

去年グランドアップに拘って下からムーブを作っていたら居合わせたクライマーから「そのムーブであってますよ。そこから先は〇〇で…」とまさかのネタバレになった課題。いや、親切心からなのは分かってるし河又という場所柄、そういうもんだとは思うんですが…。というわけで今回はガッツリハングドックしてやりましたよ。ええ。おかげで正解と言われたムーブより省エネムーブを開発。

その後、「デザートソング」にトライ。限定がどーだとかありますがとりあえずそれっぽいやつは触らず。初見でムーブはほぼ解決したので満を持して2トライ目。調子は悪くなかったが核心手前で左手が攣る。痙攣する指と前腕を騙しながらクリップ、さらにムーブをつなぎ核心も突破。あと1手でガバだったがフォール。悔しいが水をこまめに飲まなかったのが敗因だろう。その後レストを入れてトライするがヨレが色濃く持ち越し。順番待ち核心のこのルート、果たしてRPできる日は来るだろうか…

榛名黒岩

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山梨方面が雨なので転戦して榛名。ところがどっこいこちらも染み出しMax。収穫の秋はなかなか来ない。テキトーにアップして「エンドオブザレインボー」を偵察に行く。北面はよく乾いていたが中間部に大きな蜂の巣があったので今回はパス。

重箱の隅 5.11b MOS

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ボルト3本ばかりのボルダリーなやつをトライ。核心部をじっくり粘ってオンサイトに成功する。最近大好きなバランスとムーブで登るタイプ。面白かった。となりにあるカンテラインも触ってみるがS兄貴ともどもムーブが解決せず。今度じっくり探ってみたい。

ルンゼ上部にあるラインも偵察に行くが全く登られていない様子で壁はザラザラ。「西18番ルート 5.11a」にトライするが2段目テラスでスーパーダイレクトに抜けようとすると予想以上に悪くてテンション。しょっぱい登りになってしまった。

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つる 5.11b RP

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最後は以前雨でOSを逃した「つる」にトライ。思った以上にヨレていたのでパンプから逃げるように手を進めて無事RP。やっぱ大事になのは呼吸ですね。

匠と怒濤とゴンベイ

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シーズンインにはまだ早いがカサメリ沢へ行った。「まだ暑いんじゃねーの」と口元まで出かかった言葉を呑み込んでお付き合いいただいたSAT6師匠とINO氏には頭が上がりません。

午前中はガスっていたが午後は快適。存分に花崗岩で指皮を削ってきました。

 

コセロック

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アップは定番のコセロック。白虎、青龍を登りたかったが下部がシットリ。バットマン取り付き部に至っては激しく染み出している。少し順番を待って「トータルリコール 5.10b」を再登する。2回くらい登ってるはずだが核心部はアドリブ全開。

続いて隣の5.10b。取り付きはびしょ濡れ。ガバ足にはナミナミと水が溜まっている。比較的濡れていない足を探して登る。結果、面白いムーブになったのでこれはこれでアリ。

INO氏は掛け替えの練習をしてロアーダウン。

 

怒涛のレイバック 5.11b RP

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アップ後、まだ登ったことのないコートダジュールへ移動。南に面しているが林のおかげでオランジュのような灼熱ではない。看板課題の「怒涛のレイバック 5.11b」に取り付く。

オブザベーションでは「中間部からが怒涛セクションなんじゃない」とか言っていたが、出だしからハンパない怒涛っぷり。加えてシケシケスメアにしっとりガバホールド。凹角に入り込みレイバックを作るが手も足もすっぽ抜けそうなフリクションである。実に恐ろしい。

パワフルなムーブと緊張感で呼吸が激しく乱れ、奮闘の末テンション。OS狙いだったがやや条件が厳しかった。その後、中間部のトラバースパートで危うくハマリかけるがなんとか打開。フレアードクラックをこれまたバランスの悪いレイバックで抜け、上部は炎天下のスラブ。ポジティブなホールドを探しながら慎重に抜ける。とりあえずトップアウトはできたがムーブは非常に荒削り。

続いてSAT6師匠がFLトライを開始。流石の登りで最適なムーブを次々と解明していく。勘所をしっかり押さえた匠のクライミング。勉強になるわー。

そしてINO氏。このコンディションでボルダラーにレイバック課題をやらせるのは酷ってもんだが果敢にもトライ。テンション入れつつも粘ってフレアードクラックまで。

2トライ目に入ると岩のコンディションが唐突に良くなり、シケシケスメアもしっとりガバも格段に良い。加えて匠ムーブの恩恵によりあんなにキツかった下部をスルリと突破。トラバースパートで手順を間違えるが、手堅く修正してフレアードクラックへ。ここでも匠のアドバイスを存分に活かして危なげなく突破。最後のスラブ面を着実に繋いで無事RP達成。

SAT6師匠もサクッとRP。ドロップニーフットジャムニーバーとでも言うべきお洒落なムーブを披露して登っていた。

INO氏は色濃いヨレ感を醸しつつトップロープでトライ。初回より圧倒的スムーズに抜けて無事終了点まで。リードでRPできたんじゃないかと思うほど安定していた。

 

りかちゃんバンザイフレーク 5.11a MOS

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〆のつもりでこれまたレイバック課題。ボルト二本目までがバランシーで緊張する。そこから数手も迷わされる展開。フレークに入ってからもクリップ体勢が見つからずハラハラするが大きく足を上げて打開していく。3P目を過ぎたあたりからハンドジャムもバチ効きで快適。最後のスラブ面がこれまた一癖あって充実の一本だった。

 

 

ごんべい4 5.11b TO

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シメたつもりだったがSAT6師匠のトライを見ているとどーしても自分もやってみたくなり、泣きの1トライ。師曰く「出だしからチョー怖いんですけど」という出だしのムーブは悪くて怖い。その後も典型的な花崗岩プッシュ系がメンタルと手皮を削ってくる。そして傾斜が緩くなったところで師曰く「てっきり核心終わったもんだと思ったらコレだよ」な絶妙のフリクションクライミングがスタート。

時期が良ければ突破できたかもしれないがここでフォール。あの手この手のムーブを試すが手も足も甘い。こいつは涼しくなるのを待つしかないかと諦めかけたが、なんとか最適ムーブを発見。次回が楽しみなルートとなった。

最近、この手の立体的スラブとでも言うべきルートが本当に楽しい。実は「怒濤のレイバック」より楽しかったかもしれない。下部の恐怖パートもいいアクセントだ。カサメリにはゴンベイシリーズが四本存在する。以前はテキトーな名前つけやがって、と思っていたが今ではシリーズコンプリートを密かに狙っている。

 

獅子岩マルチピッチ

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グンマには獅子岩というイカした名前の岩場があるー。

ということを知ったのはいつのことだったか。たぶん子持山のバリエーションルートを調べていた時だろう。スポートマルチの存在を知ったのは更に後になってから。完全にクライミングに傾倒してからだった。

いつか登りたい。けど技術も装備もない。ま、そのうち機会がやってくるだろう。そう思っていた。たぶん2,3年くらい。

するとフトした拍子でその時はやってきた。よりにもよって真夏に。

 

アプローチ

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前夜発で現地入り。落石による通行止めのため3号橋付近に車を留める。当日は薄曇り。真夏にしては条件は良さそう。林道を歩いて屏風岩まで30分前後、獅子岩までは更に50分前後。

登山道を詰めていくと道標にたどり着く。「この先危険」の方向に進むと岩壁基部が少しずつ姿を現す。

 

IMG_5920[左に進む]

 

1,2,3pitch

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出だしのピッチは繋げて登るのが一般的だが敢えてピッチを切ってワイフにリードをまかす。ちなみにトップは空身なのでフォローはダブルザックという苦行。なかなかハードなアップである。

3p目は巨大なフレーク。#6があれば決めてみたい。特に意味は無いが。

 

4,5,6pitch

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核心(5.8)となる4p目はグレードの割に難しいという話だったが、体が暖まったか荷物に慣れてきたのか、ここまでで最も快適にロープを延ばす。とは言え日が照ってきて暑い。

IMG_5936[核心ピッチ終了点から]

そこから頂上直下のテラスへはピッチを繋げて抜ける。スラブなのでロープが重いことこの上なし。

テラスでしっかり休んで最後の”おまけ”ピッチを登り岩頭へ。景観はいいんだけどとにかく暑い。

 

IMG_5949[獅子岩ピーク]

 

下山

下山路は屏風岩へ続く痩せ尾根ルート。妙義山と何となく似ている。道中でタマゴ茸やらスズメバチの巣など変化に富んだ下山だった。

長い間登りたいと思っていたルートが登れたのは嬉しいことだが、充実したかと問われると首をかしげる。瑞牆山のトラッドマルチを登る前に来ればもっと緊張感や充実感、感動を味わえたかも知れない。課題とは常に一期一会なのかもしんない。

 

IMG_5959[たまご茸]

 

真夏の卒業試験

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超絶猛暑到来ですが、果敢にも小川山に行ってきました。

流石に難しいルートは完全スルー、5.10台を中心に日頃お世話になっているINO氏のリードクライミングを全力でサポート。

前日はマラ岩方面と屋根岩方面のどちらが快適なのか、諸先輩方からご意見を伺いマラ岩方面を選択。ちなみに、これまで「屋根岩」のことを「尾根岩」だと自信満々で呼んでいたことは秘密だ。

 

だがシケシケ

そして当日、リバーサイドから妹岩を経由し、姉岩まで高度を上げながらめぼしいルートに取りつく想定でアプローチ開始。ほどなくしてリバーサイドに到着。

だが、そこに待っていたのはシッケシケの壁。あまりの潤いっぷりは沢かと言わんばかり。早々に妹岩に移動。

しかし妹岩も幾分マシとはいえシッケシケ。せっかくなので一本くらいは登ろうとトポに載っていない「見た感じ簡単そうだし、10a/bくらいなんじゃね?」にレッツトライ。するとお約束の如くこいつが激悪。居合わせた方によると「11のどこか」らしい。そりゃあ悪いよね。A0でなんとかトップアウトして回収。

まったくアップにならないままマラ岩へ向かう。混雑状況次第では「レギュラー」あたりを登りたかったが、やはり待ち人多し。634君に挨拶して姉岩へ上がる。

 

センター試験 5.8

姉岩まで上がってくると流石に乾燥した岩肌。やや日差しが強いが許容範囲。まずはスラブを登る。INO氏が果敢にMOS。なんの問題もなさそう。後に続くが乾いているだけあって快適そのもの。

 

卒業試験 5.10b MOS

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そして今日の本命、「卒業試験 5.10b」にトライ。中間部のホールドが下からでは全く検討が付かない。現場処理に賭けてスタート、懸念していた中間部はやはり悪い。なんとか突破するがグレードより遥かに悪く感じた。ホールドを見落としたかもしれない。

INO氏も無事FL。核心部で「これボルダーだったら迷うことなく体上げれるホールドなんだけど…」と唸っていたがアッサリ完登だった。

ライン取りも個性的で面白い一本だった。

 

yamashi 5.10b MOS

上部に移動して、短い垂壁を登る。これと卒業試験が同じグレーディングとは思えない。昔の人は緩傾斜が本当に強かったんだなーと我々は姿勢を正すのであった。

 

ゴールドグリッター 5.10a MOS

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更に上部に移動して、右端のスラブを登る。ややボルト間隔の遠いがホールドは良さそう。ラインは複数考えられるが最も無難に見えた右カンテラインを選択。すると最後のクリップがやや遠い。スメアが湿気でずるりと滑りヒヤっと。

滑った本人よりビレイしているINO氏のほうがビビっておいでだった。冷静にダイレクトラインに合流して無事完登。終了点からの景色がきれいだった。

 

Ka-Ching! 5.10a FL

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スラブはもういいかなってことでポジティブかつダイナミックな印象のルートを選ぶ。INO氏が快適にMOS。続いて完登、実に快適。

 

ハラペーニョウルトラHOT 5.10d MOS

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そしてこの壁最長にして最難の一本に取りつく。中間部の灌木は限定がありそうだったが、下部テラスからダイレクトにあがっても容易に手が届いたのでアンダーをガッツリ保持して上部へ抜ける。

上部でヒールフックからのノーハンドレストを気分よくこなすと、最後は大胆なランナウト。こちらも終了点からの景色が良かった。

INO氏も無事にFLするが、二人の意見では「卒業試験のほうが難しいのでは…」という印象。

時期的に緩傾斜は格段に悪くなるし、ハラペーニョには限定があるのかも知れないが、やはり卒業試験は登り応えのあるルートなんだと思う。あ、もちろんハラペーニョも面白かったです。

 

大きな松の木の下で 5.10a MOS

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撤収時間が差し迫る中、ワークアウトの一本。出だしがやや悪かったが、その後は特に問題なし。INO氏は終了点の結びかえを無事修了。

蛇足で「入学試験 5.10c」を触ってしまったがフリクションの低さに左ルンゼからトップアウト。これは涼しくなったらやりましょう。

 

所感

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この時期の過ごし方として、5.10台のルートを沢山登るというのは良い選択だと思う。とは言え快適に登れるのは垂壁からだろう(可能であれば前傾壁も登りたいが花崗岩で5.10-5.11の前傾壁は多くない)。スラブに執着すると登れないばかりかラバーの摩耗がハンパない。

正直、こんなにもスラブが豹変するとは思っていなかった。改めて気温と湿度がフリクションに及ぼす影響を痛感したのでありました。

ジャミングドラゴンへの道

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小川山にクラッククライミングに行った。

昨年5月以来、1年2ヶ月ぶり。この間、城ヶ崎クラックや瑞牆マルチ、その他トラッドルートをコツコツと登りそれなりに手応えを感じていた。ここらでひとつ、現在の実力を測ってみるのも悪くない。あの時とは違う圧倒的に成長した姿をカサブランカに見せつけてやるぜ、そう思って妹岩を訪れた。

 

愛情物語 5.8 MOS

とりあえずアップで最も簡単なNPルートを登る。ジャミング要素は皆無。快適にカムセットを確認して完登。

 

龍の子太郎 5.9 RP

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続いて昨年トップロープで登っているタツノコにトライ。前回はハンドジャム初挑戦につきかなり強引な登りになった記憶がある。最後のマントルも無理やりなムーブだった。

まずは出だしに#1を決めて乗り込んでいく。クラック内はやや湿っているがジャムの効きはよい。冷静にプロテクションをとって高度を上げる。テラス手前でレイバックへ移行し乗っ越す。灌木をつないで終了点まで。

NP特有の緊張感こそあれどあっさり完登。ひとまず成長を実感する。

 

カサブランカ TO

続いて今日の大ボス「カサブランカ 5.10a」にトライする。こちらも昨年トップロープで登っている。核心部の「バチ効きのハンドジャム」とやらがまったく効かず、激痛のフットジャムに泣かされズタボロになったのはいい思い出である。

下部でのグラウンドフォールに注意と何かで呼んだので気合いを入れて取りつく。

最下部のやや甘いクラックを慎重に抜けバンド手前で#3を決め乗っ越す。既に足の疲労感を感じるが無視。カムをセットして十分に休み、次のバンドを目指してジャムを決める。不安定な体勢でカムを選ぼうとするが何かに引っかかってギアラックが回らない。なんとかセットをするが今度はロープがフットジャムに噛み込んでクリップに難渋。

半端なく消耗したところで核心直下のバンドに到達、#4を決めてマントルを返す。見上げると視線の先にはフレアしたクラック以外にホールドは皆無。じっくり休みたいところだが消耗が激しく十分な回復は見込めない。意を決してフットジャムをねじ込み気合いで立ち込む。しかし激しく足が痛い。数手進めたところで不安定な体勢からカムをセットするがメンタル、フィジカルともに限界となりテンション。

その後、A0混じりでセットしながらとりあえず上まで抜け、ロワーダウン後にトップロープでムーブのおさらい。昼寝を挟んでラストトライに挑む。核心まではスムースに進んだが核心でフットジャムをねじ込んだ瞬間に自分の体が終わってることを実感、数手進めてフォール。

まだまだ修行が足りなかった。

 

届け手のひら TO

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完全にヨレているがここからのスラブが面白いところ。定番の駄目押しスラブとして「届け手のひら 5.10c」に取り付く。

もちろんOS狙いで虎視眈々とムーブを読んで高度を上げていく。しかし中間部の大穴でムーブを間違えフォール。そのままムーブを探って核心へ。ここでも狙ったホールドが甘くあっさりフォール。最後は指力マックスから立ち込んでデッド。そういえば笠間の石器人スラブも同じようなムーブで登った気がする。もうちょっとスラブらしく足技で登りたい。

ま、次回いつになるんでしょうな…

 

フットジャム修行

というわけでタツノコには通用したがカサブランカには見事に跳ね返された。

この一年あまり、プロテクションとハンドジャムはそれなりの数をこなしてたきたがフットジャムに関してはほぼゼロだった。前者の成長を垣間見れた一方で後者の未熟さを痛感することになったのは、つまりそういうことだろう。

S兄貴曰く「俺はカサブランカよりタツノコのほうが登りにくいよ」とのことだが、個人的には「ワングレードの差とは到底思えない!」って感じだ。

何が辛いってフットジャムの痛さ。技術的な未熟さは当然だが、シューズも見直したほうがよさそう。今回使ったシューズはフェイス用サイズ感なので指の曲がりが深い。フットジャムをねじ込むと親の仇のごとく足指の第一関節が圧迫される。

アナサジレースの値段とにらめっこしながら、まだまだドラゴンは夢のまた夢、タツノコが精一杯だと痛感するのだった。