カテゴリー別アーカイブ: スポートルート

カンマンボロン

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ビッグウォールクライマーであるビッグ・サカイ氏の「LOL 5.13a」をビレイしている時、頭上から灰色の物体が降ってきた。てっきりロープの切れ端と思っていたそれは、羽毛すら生えていない産まれたばかりの雛鳥だった。脳天が割れすでに事切れていたその子には、やけに長いかぎ爪が備わっていた。おそらく猛禽類だったのではないだろうか。

カンマンボロンは絶命危惧種ハヤブサの営巣地である。もちろん雛鳥がハヤブサであったと断定はできない。ただ、幼く孤独な死を見るのは心が痛い。しばし合掌したのち、そっと土に埋めた。

 

水不足

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永福町から首都高速に乗ると電光掲示板が水不足を知らせていた。利根川が取水制限になるとか書いてある。水不足はよろしくないが、おかげでこうしてクライミングができる。とは言えコンディションは期待できない。当初はマルチピッチを視野に入れていたが山間部はどんよりと重い雲がのしかかっている。結局シングルピッチに変更することになった。

 

スラブ 5.10c MOS

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アップは「ハヤブサ 5.13a」の1ピッチ目、スラブ5.10cを登る。バランシーで面白い。最後の抜け口もワイルドで個性的。瑞牆の大岩壁にやってきたことを感じさせる。

カンマンボロンは初めてだったが、この日は次から次にパーティがやってきた。前回大面岩で3パーティしかいなかったのとは対照的。

 

NEXT LEVEL 5.11d RP

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砂のエリアは混んでそうなので隣にあった30mのラインに狙いを定める。日本離れした貴重な一本である(海外の岩場行ったことないけど)。

出だしは90度前後でホールドはポジティブな印象。弱点を突いてやや蛇行気味に乗っ越していけそう。一方、ボルトはほぼダイレクトに伸びている。ラインの選択はクライマーのルートファインディング次第、といったところか。

オブザベーションの印象をサクっと交換してサカイ氏がマスターでスタート。弱点を突いて乗っ越しを抜けて行く。核心は予想通り乗っ越しだったようだがどうもそのあとも悪そう。なにせ湿度も高い。じっくりレストを入れながら現場処理をこなして見事マスターオンサイト。

バトンタッチしてフラッシュトライ。もちろん気合十分…のはずが出だしでまごつく。予想よりポジティブじゃない、と思ったがよく見たらホールド発見。ややバタついたが核心直下へ入る。手順を間違えたかバランスが悪い。レストを入れ突入するがホールドがフィットせずまたしてももたつく。苦し紛れでムーブを起こすがフォール。勿体無いトライだった。

ホールディングの確認と掃除してロワーダウン。上部は未知のまま残す。

そして2try目。イメージしたホールディングとムーブで核心へ入る。やや強引だがそのまま押し切ってテラスへ。十分にレストできるスペースでこの先に待ち構えるラインを読む。集中力が切れないように呼吸を一定に保つ。

その先は明確に覚えていない。シケた浅いホールドに耐えてレストポイントへ向かい、そしてまた次の悪いホールドに耐え次のレスポイントを目指す。という展開を数回繰り返して終了点へ到着。

FLは逃したが自分のムーブでグランドアップできたのは嬉しかった。トポでは30mと記載されているがもう少し短い気がする。おそらく25m前後。

 

LIFE LINE 5.12a FL

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続いて本日のハイライト、これまた長〜い12a。トポには「ルートを間違わなければオンサイトもあり得る」とあるので、先ほどと同様ルートファインディングが鍵となりそう。一方、下部のホールドは細かくボルト間隔もなかなか渋い。

さっきと全く同じ流れでオブザベーションおよび意見交換、そしてサカイ氏のマスタートライ。予想通り2ピン目付近が悪い。下手なことをするとグランドフォールもありそう。一旦クライムダウンしてもう一度オブザベーションを仕切り直す。

今一度ホールドを確認し再出発する。もちろんオンサイトトライは継続中。ドローにロープがあるので幾分緊張感は和らぐが、依然悪いトラバースを抜けて上部へ向かう。慎重にルートファイディングをこなし着実に高度を上げる、そのまま完登。流石の登りである。

そして前述の「NEXT LEVEL」完登後、十分な時間を空けて僕のフラッシュトライ。

ビレイ中にキーホールドを見てしまっているので、比較的スムースにトラバースを抜ける。とは言え悪いものは悪い。中間テラスまで気を吐きながら抜け、レスト体勢へ。十分に体力を回復させ長い旅路へ向かう。ホールドは予想よりポジティブ。一瞬、勝ちを意識したが甘い考えだった。

一手進めるごとにホールドが細かくなり足使いも極めてシビア。もちろんホールドは湿っぽい。弱点を突きながらホールドを辿るとやや右巻きとなるが、当然の結果として左へ戻るトラバースが現れる。最終クリップは足下数十センチ。追い打ちをかけるように足を滑らせるが耐えに耐えて望みを繋ぐ。さらにモヤっとしたホールドまで出てきて心は折れる寸前。

落ちたくない一心で薄カチを握り倒す。だが、このままでは気力も体力が保たない。深く息を吐き、落ちてもいいから力まないように気持ちを切り替える。不安定な体勢でシェイクを入れ、流れが来るのを待つ。ジワジワとムーブを起こし進んでいくとお約束のようにガバホールド。だが終了点は見えてこない。

タタラを踏む膝を堪えながら、今にも抜けそうなホールドをだましてムーブを繋げていく。遂に終了点が視界に入ったが、最後のカチが微妙に遠い。ここで雑になると間違いなく落ちるだろう。他に使えるホールドやムーブはないのか、何度も探るが最後は肚をくくる。

一度レストポイントに戻り呼吸を整える。大丈夫、アレはきっとポジティブなカチに違いない。最後はそう信じる以外にない。気を吐きながら捉えたカチは十分にポジティブだった。しかし自分の前腕は風前の灯、とても長居はできない。見渡すと完璧なガバが目に入った。もはや雑でも構わない、ガバを鷲掴みにしてマントルを返す。最後の力を振り絞ってジワりとテラスに立ちこんだ。

曇った空の先に青空が少し覗いていた。

 

LOL

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その後、砂のエリアに移動すると予想通りの賑わい。(そうはいっても10人に満たない)

名前どおり大きな砂山のような石塔がそびえ、中間部には顕著なハング。トポを見ながら各ラインをながめ最右端の「LOL 5.13a」を触ってみることにする。

サカイ氏がマスタートライを開始するが出だしから悪い。中間部まで抜けるが次はプロテクションが遠い。あーだこーだとムーブを探るが上部のフレアしたクラックは極悪の様相。落ちると当然のロングフォール。何とかトップアウトするが、降りてくると同時に「これ、再登者少ない筈だよ」の一言。

もはやヨレヨレ&充実感MAXだったが、せっかくドローもあることだし一回だけトライしてみる。予想通り出だしからハード。岩の表層も不安定で粒子がポロポロと剥離していく。そして下部もそれなりにプロテクションが遠い。上部に付いたころには既に身も心もズタボロ。

「本当に怖いのは上部、是非味わってくれ」と熱い推薦を頂戴していたが、ロクにムーブを起こせず。トップアウトすら許されなかった。

 

ボロンボロン 回収便

残った時間は風のエリアや周辺の偵察。最後に「ボロンボロン 5.11c」をトライ。もちろんオンサイト狙いだったが、ボロボロなのは岩じゃなく自分の方。終了点直下の核心でフォール。これまたボルト位置が低くて墜落距離が長い。流石にムーブを起こすのは諦めてマイクロカムを極めエイドで抜ける。

オンサイトを逃してしまったが、エイド登攀はそれはそれで楽しかった。最後の最後にひと仕事終えたような、奇妙な充実感に浸った。

梅雨時にフラッシュグレードを更新したのはとても嬉しいが、この日も色んなクライミングが楽しかった。そこにはアプローチやエイド登攀も含まれている。以前は打ち込んでいる課題を一日中打っていることも多く、頭の中はそのことでイッパイだった。そういったスタイルが嫌いなわけではないが、もう少し余裕をもって課題や岩場と向き合ってもいいかもしれない。かつての自分は、落ちてきた雛鳥を見てどう思っただろうか。

「Rock&Snow #063」に掲載された「希少猛禽類営巣地の保全について」では、ハヤブサの営巣期間はクライミングの自粛を提案している。ヨセミテでは既にそうした規定があるようだ。本文中では「3月初旬から5月末まで」を自粛期間として提案しているが、今回の個人的体験と、ヨセミテが3/1 – 7/15を基準としていることを考えると5月末では早すぎると思う。少なくとも6月いっぱいは営巣期間である可能性が高い。

いずれにせよ、期間や範囲については専門的な知見をもって公式な指針が出されることを望む。カンマンボロンを初め、瑞牆、そして多くの岩場がいつまでも登れる場所であってほしい。

次は秋晴れの空を終了点から眺めようと思う。

梅雨の甲府幕岩

本格的な梅雨が到来する前に甲府幕岩へと足を運んだ。ギリギリ間に合ったのか、間に合わなかったのか…いずれにせよ居心地のよい岩場だと再確認した。

 

小森川林道

今回は北杜方面から岩下十王を経由して小森川林道からアプローチ。甲斐方面から太刀岡を経由する観音峠は現在閉鎖中。およそ1年半ぶりだがケミトックスの案内板に助けられ迷わず到着。

 

キルト 5.11b/c MOS

本日も最近のテーマである「11台のOSトライを2-3本」に基づいてオブザベーションを開始。出だしが悪そうだが上部カンテは快適そうである。カンテに出れば勝ちだろうと踏んでいるとS兄貴から「トポにはカンテなしって書いてあるよ」とまさかの一言。

あれだけ顕著なカンテを限定するとは…

「いや、僕は美しいラインを登りたいだけで、グレードとか数字はおまけなんで…!」とか言いつつ限定を無視して自由かつ合理的なラインで登ろうと決意。

とりあえずスタートするとやはり出だし核心。ホールドが上手く探れずクライムダウン。取りつきに足が届かずややテンションが入ったが(1ピン目なのでロープが張り気味だった)ま、ご愛嬌ってことで。

仕切りなおして下部を突破してテラスへあがる。上部へと進み遠慮なくカンテを鷲掴み…と思って見上げれば終了点は目前。やや葛藤があったが結局限定に従いカンテを使わず完登。うーむ、より難しいラインで登ったはずなのに負けた気がするのは何故なんだぜ。

 

アフリカ象が好き TO

次なる一本は看板ルートのひとつ、すっぱりしたカンテライン。当初は「初夏 5.11d」をトライするつもりだったが全長が長い割に主要部が短い(前半部は平凡なスラブ?)ので鞍替え。

S兄貴が途中までドローをセットして一旦下降、バトンタッチ。可能な限りOSトライをしたかったので先行者にムーブを見ないでいたら、想像以上に出だしが極悪。A0クリップで取り合えず突破。右カンテを辿り中間部レスト地点まで。

上部はカンテ右に出れば5.12a、左ダイレクトラインなら5.12bという設定。だが右はランナウトと苔がヤバい。一方左は素直なラインかつジムナスティックなムーブ。取り合えずトップアウトして太郎君にチェンジ。

雨粒を感じ始めるが太郎トライスタート。我々が苦戦した序盤を抜群の安定感で突破すると着実に中間部までロープをのばし、現場でムーブを錬る。なんども試行錯誤を繰り返した末、圧巻のFlash。いや〜、恐れいった。非常にいいトライを見せてもらった。

その後、断続的に雨が強まる中トライを続行するが残念ながら繋がらず。次回に持ち越しとなった。

 

てるやまもみじ 5.10a/b

雨が心配だがもう一本くらいは登っておきたいので奥壁見学をかねて「てるやまもみじ」をトライ。比較的繊細なスラブフェイスだった。「HIVE 5.10a」とは真逆のタイプ。

更にもう一本と欲張ろうとするといよいよ雨は本降りに。急いで回収。

お天気は微妙だったけどなんだかんだで16時前まで登れて充実した一日だった。

大面岩 左稜線

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梅雨にはいっちまった。毎年のことだが実にアンニュイ。

当初の予定では「ベルジュエール 5.11b」のトライを目論んでいたが、天気予報を何度もチェックした結果「大面岩 左稜線 5.10c」へと変更することとなった。

とは言え、内心ほっとしたんですが…

ベルジュをガッツリ楽しむにはもうちょっと場数を踏みたいって思いもありまして。

 

謎のボルトラダー

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午前5時、植樹祭から瑞牆山を見上げると上部は完全にガスの中。この期に及んで燻っていたベルジュへの未練は完全に鎮火し、粛々とアプローチを開始。通い慣れたパノラマコースを辿る。

「ベシミ」を打ち込んだ昨シーズン、カンマンボロンの大ハングを見上げなが「いつか必ずあの大岩壁を登ろう」と強く思った。

もちろん今日の目的は大面岩である。だが、意外な展開からカンマンボロン登攀のチャンスは巡ってきた。ま、俗にいうアプローチミスってヤツですがね。

大面岩基部に到着してもガスは晴れず、視界は一時50m以下。岩壁の全体像は把握しづらく、カンマンボロンと大面岩は予想よりも隣接していた。そして接続部にはチョックストーンが挟まり、これをトポに記載されているチョックストーンと誤認。結果、カンマンボロン右稜線を大面岩左稜線と誤認することとなる。

 
IMG_3607[接続部のチョックストーン]

 
勘違いしたままカンマンボロン右稜線に乗り上げると古びたボルトが上部へ続いている。相変わらずガスが濃く位置関係を把握出来ない。とりあえず登攀を開始するが、人気ルートにしては風化が激しい。何よりもプロテクションがクッソ錆びていてフリーで抜けるにはリスクが高すぎる。A0で抜け灌木でピッチを切り作戦会議。

取りつきに失敗したのは間違いないってことで、ガスの切れ間から本来のラインっぽいのを探す。そして下降を決断。

 
IMG_3609[風化しまくり]

 

スラブ 5.8

IMG_3618[左稜線2P目取付]

 
仕切りなおして目星を付けたラインを探しに行く。フィックスロープやトレースをトポと照らし合わせながら程なく2P目5.8の取りつきを発見。一同胸を撫で下ろす。

9:40頃にS兄貴リードで「大面岩 左稜線 5.10c」の登攀が始まる。スラブを抜けるとルンゼ状3級、ここでリード交代。いつの間にやらガスは晴れていた。

 
IMG_3622[2P目出だしから上部を望む]

 

スラブ 5.10a

出だしが分かりにくかったがトポと照らし合わせて木登りからテラスへ這い上がる。基本的にほぼ歩き。ズルズルとロープを引きずりながら前進。とにかく流れが悪い。最後に5mほどの個性的なトラバースをこなしてピッチを切る。残置ハーケンにプロテクションを取ったら一段と流れが悪化。ロープの引き上げが過去最大級に大変になる。

 

カンテ 5.10c

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そして数字上の核心パート。S兄貴が「バランス悪いけど面白いなー」といいつつ抜けて行く。カンテから入ってスラブへ左上する面白いピッチ。岩も硬く純粋にフリークライミングが楽しめる。そのまま次も繋げられそうだが「独り占めするわけにはいかないからね」と交代。あざーす!

 

カンテ 5.10b

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んで本日のハイライト。出だしにボルダーを乗っ越して露出感抜群のカンテを登る。難しくはないが丁寧にホールドを探して高度を上げていく。前ピッチ同様、岩が硬く快適なフリークライミング。

 

スラブ 5.10a

つづいてトラバースから直上。トポ通り出だしのトラバースが恐ろしい。上部はデリケートなスラブ。灌木帯でピッチを切り、最終ピッチとなるチムニー〜OWへと歩く。

 

OW 5.10a

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順当に考えてS兄貴パートなのだが「やってみてもいいんじゃね?」と仰るので何を血迷ったか俺氏突撃。

チムニー内はジットリと湿っぽい。頭上には小さな空。まるで幽閉されたかのよう。

遥か頭上の空を目指してズリズリと這い上がる。バック&フットで高度を上げていくと次第に幅が狭くなりチムニーからOWへ。ヒール&トウ、チキンウイングなど聞きかじったムーブでは太刀打ちできない。全身全霊を込めて次のリングボルト(もちろん錆びてる)まで前進してドローをセット、力尽きてテンション。

その後、心折れそうになるも兄貴のアドバイスでヨレヨレになりつつ何とかフリーで突破。水分不足と疲労困憊で終了点作業中に何度も右手が攣った。

 

完登

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OW以降は簡単な岩稜歩きで頂上台座まで。ピーク左手のボルダーから乗っ越して下降地点へ。この日は空いていたのか他のパーティは二組だけ。先行パーティの下降をのんびり待ちながら絶景を堪能した。

コルから取りつきへ戻る道中にもカッコいい岩壁やらボルダーが無数にあって大興奮。瑞牆山のポテンシャルは底知れないなーと再確認した。

 
IMG_3672[佐久間の塔下部の洞窟]

 

恋するスラブ

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この世には二種類の人間がいる。

スラブを愛する者と、スラブから愛される者だ。

この日、黒岩を訪れたのは低傾斜界の重鎮 – UEchang aka Srabista -。いうまでもなく後者に分類される人物である。彼を案内するのは「キメイラ 5.12a」。天高くそびえるスラブは天国へ続く階段のようだ。

 

梅雨目前の転戦

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当初の予定は甲府幕岩だった。榛名黒岩はすでにシーズンオフだと思っていたのだ。しかし前日に山梨方面の予報は雨へと崩れる。反対に群馬方面の予報は好転。偶然とは思えない展開に翻弄されつつ、最終的に榛名黒岩を選択。

翌朝、小雨が舞う関越道を不安げに北上し高崎で高速を降りる。すると乾いたアスファルトに雲の切れ間からは太陽。この男、どんだけスラブに愛されてるんだよ。

しかし、思わぬアクシデントが発生。落石防止工事で林道が一部通行止め。40分程歩くこととなった。なんすか?ツンデレってやつですか?

 

無名 5.10d FL

予定外のハイキングをこなして9時頃現場に到着。東壁の「無名 5.10d」でアップ開始。リード慣れしていないUEchangが果敢にマスタートライ。ホールドを探すのに苦労しながら高度を上げて行く。終盤は黒山名物の埃まみれホールドに面喰らいながらも無事MOS。続いてFL、回収する。

 

ボランティア 5.11a MOS

交代して隣りのラインを登る。出だしのクラックにフィンガージャムがバチ効きでテラスまで快適に上がる。じっくりとムーブを錬り、ダイレクトラインで抜ける。

そしてUEchangと交代、こちらもテラス以降のムーブをじっくりと錬るがホールドの見当が違ったかフォール。体力温存の為に回収する。

 

舞姫 5.11b 2RP

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そしてもう一本イレブン前半をトライ。オブザベーションでは上部核心と予想したが実際には下部核心。序盤の外傾カチを保持しながらも足がスリップしてフォール。ムーブを探ろうかと考えたがロワーダウンしてグラウンドアップに拘ってみる。

ほぼレストなしで再トライ。外傾カチを保持して手を進めるがまたしても悪い。更に進めて何とか突破。上部は予想外に素直だった。安定して5.11bをMOSできるようになるにはもう少しだけ経験値と集中力を高める必要がありそう。

 

キメイラ逢瀬

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そしてお待ちかねスラビスタ on キメイラ。

生い茂った木の葉に岩頭が隠され、春先より高く遠く感じる。「うわっ!? こんなに!? 高くない!?」と興奮を隠せないスラビスタ。面喰らったような物言いとは裏腹に、当然のようにノーヒントでマスタートライを始める。

やや高い1ピン目を丁寧に掛けて順調に2ピン目へ。そして核心へ入って行く。しかし安山岩が不慣れなためかホールドがなかなか見つからない。とりあえず3ピン目をクリップして更にムーブを探る。試行錯誤の結果3ピン目付近へ突入、核心へ向かう。

しかし既に長時間のムーブ探りでヨレが見え始める。更にその先は微妙なホールディングが続く。流石に初見では突破出来ずフォール。その後、あーだこーだとホールディングやらムーブを試行錯誤。下からもそれとなく「俺の時はその足を〜」とかアドバイスを送るが帰宅後に動画を確認すると全く別のムーブ。とんだ妨害工作であった。

とは言え3トライ目で核心は解決。しかし体力的に繋げるのは厳しく、次回へ持ち越しとなった。ちょっとスラブからの愛が重かったんじゃないかな。

 

ラーコンナ 5.10b MOS

キメイラの右隣に位置するスラブラインだが、ルンゼ状クラックにプロテクションを取りながら登った。出だしはチムニーからハンドサイズになり、最後は適当に抜ける。終了点は絶景。

 

サルバドール 5.13a 初トライ

そして本日の高難度強傾斜課題。そういえば真面目にアッパーグレードをトライするのは久しぶりな気がする。とりあえず「5.13aってどんなのもんなの?」を確かめるためスタート。

威圧的な強傾斜カンテで1ピン目までは緊張感が高い。必要以上に力が入るがとにかくクリップ、ほっと一息してテンション。しかし地上からは持てそうに見えていたホールドはことごとく極悪。カンテ側のホールドも遠かったり甘かったり。探りながら2ピン目まで進む。

高度が上がるにつれ傾斜は緩くなってくるがホールドは悪くなる一方。ヒールを駆使し3ピン目まで進む。地上からでは2ピン目までが核心と踏んでいたが一向に強度は下がらない。

強傾斜のハングドックでヨレるのを感じながら試行錯誤してムーブを探って行く。遂に3ピン目を付近を突破し、後はリップを取れば終わりだっと思っているとまたしても「地上からは持てそうに見えたんですけど」なホールド。これが13aってやつなんですかね。

フルリーチで直接リップをたたけば一瞬だけ保持できたが突破する体力は残っていなかった。時間のことも考えて今日はここまでとした。

 

大スラブ中央クラック 5.9 2P

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〆は2ピッチのマルチ。既に5時をまわっていたが夏至の恩恵を最大限に生かすべく登攀開始。事前情報がなくカムの必要数も不明だったが隣接ルートから回収も可能と踏む。

1ピッチ目はボルトルートを快適に辿る。2ピッチ目は#1,#3,#.5あたりをセットし、最後はグサグサに錆びたRCCボルトにクリップ。終了点が目前に見えているが最後のワンムーブを見つけるのに苦労して抜ける。部分的に痺れたが充実のクライミングだった。

 

所感

というわけで今日もスポートルートに始まり、トラッド、マルチピッチ、限界グレードトライと多彩なクライミングを楽しめました。

最近は一日で5本以上初見のルートを登るっていうのが楽しくてしょうがないけど、一方で限界グレードより高難度をトライする機会を伺ってもいました。そんなわけで梅雨入り前にその機会を得れたことは非常にうれしい。

「サルバドール」はずっと気になっていたルートだが、触ってみた印象は基本的にポジティブ。全てのムーブを解決したわけではなく、むしろ今回詰めなかった部分こそが最大核心な気もするけどそれでも期待と希望は大きい。

しっかり夏の間に準備して秋にがんばりましょう。

SKY HIGH

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三人そろうと100%雨、という定説を覆しミケ&オショー&ガミによる奥多摩スカイハイクライミングを満喫してきた。

とはいえ前日は結構な降雨。ホントどうなってんだか。だがしかし、評判通り氷川屏風岩の乾きは早く、アルパインゲレンデ感あふれるチャートはなんだか懐かしかった。

 

スパイシーなアップ

とりあえずB峰下部でアップ。ドライアルパインなルンゼをスパイスたっぷりで登った後、「第一苔ハング 5.10b」と思われるラインに取り付く。スタートのテラスがカタカタと小気味良い音を奏でる(オイ。

慎重に剥離チェックをしながら上がっていくがホールドを見つけられずまさかのテンション。この手のクライミングは久しぶりだったとは言えちょっとショック。

オショー&ミケのTrトライを見届けた後、一応RP。

 

直上右ルート 5.10a MOS

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A峰に場所を移してスラブ。チャートのスラブとか久しぶりすぎる。トポ通り「快適なフェイスからスラブ」へと上がる。やや湿っぽいホールドをごまかしながらじわじわと完登。なかなか良いラインでした。

オショー君が緊張感のあるナイスクライミングを披露した後、ミケちゃんに回収をお願いして懸垂下降&掛け替え講習タイム。

その後、C峰へ。

アップで登ったルンゼをザックを背負ってアプローチシューズで這い上がる。そしてフォローをビレイ。スポートルートをやりに来たとは思えない展開だが超楽しい。

 
IMG_5227[BC間テラス]

 
IMG_5217[C峰岩頭から奥多摩を一望]

 

イクイノシシ 5.11d RP

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露出間のあるC峰は城山の二間バンドを小振りにしたみたいな雰囲気。こいつぁ気持ちがいいぜ。さっそくイクイノシシをオブザベーション。1ピン目は渋い高さだ。この岩場はどこまで我々を試すのだろうか。

しばし1ピン目を眺めるがクリップできなかった場合、ルンゼを転がり落ちるのは火を見るよりも明らか。諦めてプリクリップする。安全には変えられない?いえ、私がクソ弱いだけです。

そしてOSトライ。出だしから悪い。刻みながら2,3手進めてポジティブなサイドカチへ…と思ったら清々しいまでの外傾カチ。なんじゃこりゃーと叫びながらフォール。改めてプリクリップで良かった。

とりあえず力ずくで抜け2ピン目に進む。オブザベーションどおりここはホールドが遠い。これまた力ずくで突破。繋がるんかコレ。

3ピン目はだらりとチェーンが垂れ下がっている。もちろん信頼性は不明。というか延長しなくてもフツーにクリップできるぞ。そしてまたしても遠いホールド。今度はダイナミックに気持ち良くデッドを放つ。

ロワーダウンしながら力ずくムーブをブラッシュアップ。だが「さっきどうやって抜けたんだっけ」を連発。オショー君が「現代人はスイカのせいで電車賃も覚えられねえ。記憶能力の低下だ」とまさかのスイカdisを展開していたが真摯に受け止めようと存じます。

地上に下りてミケちゃんのトライを見ながらレストタイム。出だしで苦戦する彼に「そこはXXで〜」とかアドバイス。

んで、2トライ目。出だしで行き詰まる。得意げにアドバイスしていた赤っ恥をムーブと一緒に忘れてしまいたい。とはいえ比較的無理のないムーブを探り当て仕切り直し。

順調にムーブをこなし、3ピン目の遠いホールドも捉えビクトリーガバへ。しかし、おや?微妙に遠いんですが…。まごまごしていたら指が滑ってくる。軽くタメを作ってデッド。微妙に違う所をはたいてフォール。しょっぺーーー。

一同完登を確信していただけに落胆も大きい。最後のムーブを今一度詰めて次に備える。

けっこうヨレてきているが踏ん張りどころの3トライ目。ムーブが馴染んできて疲労を感じさせないスムースクライムで2ピン目まで。核心の遠いホールドに一瞬怯むが止まると信じてデッド。なんとか捉える。

焦らず冷静かつ丁寧にムーブをつないで完登。マントルを返して岩峰の頂上に立てるのもこのルートの魅力だ。 

 

 

岩峰で記念撮影したあと、裏のルンゼをラペルで下降。最後までアルパインゲレンデっぽい展開だった。

 
IMG_5253[雨男御三家]

 

ゴールデンスラブ

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連休後半の初日はまたしても安山岩。家族総出で榛名黒岩。

往きに「みさと芝桜公園」に立ち寄るがピークを完全に過ぎており、まばらな芝桜を眺めながらソフトクリームを食べる。早々に黒岩へと移動するのだった。

 
IMGP1948[長男・次男のテンプレのような写真]

 

練習岩

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麓では青空が見えていたが、黒岩に上がるにしたがってお天気はどんよりアンニュイ。なにやら湿度も高く感じる。極め付けは壁からの染み出し。「キメイラ」が染みてないことを祈りながら練習岩でトップロープ。

多分一年ぶりくらいにキッズがトップロープ。二人とも楽しかった様子。その後二人は秘密基地作りへと消えていくのであった。

 

IMGP1997[本日の力作]

 

掃除と開拓

そして今日の本命に取り付く。とはいえまずは掃除とドローセットから。同時に前回やや強引なトラバースとなった部分をより自然な右上ラインへと修正する。回収用ビナから上部は汚れが酷い。丁寧に掃除しながらホールドもしっかり確認しておく。テキトーだと間違いなく落とされるだろう。

そして上部。右カンテに一切体を出さない方法を探るが結局ワンポイントだけ右に出たのち左に戻ってきて直登に落ち着いた。

ロワーダウンしてくると上部で落とした土埃が中間部のホールドに積もっていた。もちろん再度お掃除。

レストがてらキッズボルダー開拓に混じる。ロクでもないムーブを提案すると「お父さんは黙ってて!」的なことを言われたのでスゴスゴと退散。

 
IMGP2018[中1には狭い]

 

IMG_5074[小2にはジャスト]

 

キメイラ 5.12a RP

そして繋げトライ2回目。

2クリップ目まで上がって、フットホールドを再確認。呼吸を整えて核心へ入っていく。柔軟性を要求されるムーブから息を吐きながらデッド、クリップをこなしてハイステップで高度を稼ぐ、甘いホールドにガチャっとジャムを効かせてバランシーな寄せ、さらにチクタク、からのハイステップ、そしてようやくクリップホールドへ。

核心を抜けた後もなんどもレストを繰り返しようやく終了点まで。いやー充実した。

 

 
ゴールデンウィークは花崗岩とがっぷり四つの予定だったが、蓋を開けてみると安山岩の割合が高く、しかも成果まで付いてきてしまった。棚からボタ餅な感もあるがゴールデンスラブをがっつりと味わうことができて感無量。

再登者の少なそうなラインだが、もっと登られてよい魅力的なスラブルートだと自信をもってオススメします。

 

テクニカルライン

ここ数ヶ月で急速にスラブ熱が高まったきっかけは、ベースキャンプトーキョーとかロッキーの巨大ボテを使った緩傾斜課題の影響が大きい。

巨大ボテを使った各種ムーブはコンペ向きのテクニックと捉えられがちだが、実際には花崗岩や安山岩のスラブやカンテ、ディエードル、クラックで十分に使える。

例えばマントル、プッシュ、バランシーな立ち込み、全身でのジャムやチョック、フリクションを効かせたホールディングなどなど。

石灰岩や凝灰岩の強傾斜課題では出番の少ないムーブかもしれないが、先に挙げた岩場では不可欠なテクニックだ。

他にもデュアルテクスチャのマイクロアンダーホールドをプッシュして立ち込む、とか思いっきり花崗岩のテラス這い上がりで出てきそうだし。

こういった繊細がゆえに地味と見られがちなムーブやテクニックの楽しさを再確認させてくれたジムには割と本気で感謝している。

太刀岡山三種競技

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連休初日は指皮温存のために安山岩の岩場をセレクト。行き先は太刀岡山。ほんとうは榛名黒岩で「キメイラ 5.12a」を登りたかったんだけどお天気には勝てない。

パーティーはソーメイとワイフとUEchangとワタシの4名構成。チョーナンは部活だ。

 

ヴァレンタイン・イヴ 5.10b/c RP

小山ロックに上がると一番乗り。やや気温が低い。でもって壁も濡れている。とりあえずアップで簡単そうなやつに取り付くがフリクションが悪くスメアが効かない。岩も冷たくてホールドが持てない。でもって濡れてる(二度目)。

結局テンション入れてトップアウト。アップにならないのでリピートしてRPしておく。

 

おさわがせしました 5.11d/12a RP

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UEchangとワイフのビレイを挟んで「おさわがせしました 5.11d/12a」の思い出し便。前回トライしたのはちょうど一年前。初手と核心の強度が高かったのをよく覚えている。

あいかわらず初手が悪いがまあなんとか。そして核心へ。錆び付いたアンカーを見て一年前の記憶が蘇ってくる。ここではあまり落ちたくない。しかしムーブの強度が…と思ってると前回気がつかなかったフットホールドを発見。劇的にムーブが楽になる。

その後は記憶通りのクリップ姿勢からトラバース。上部のマントルも危なげなくこなしてトップアウト。

次のトライで完登できちゃうなーと思ってると核心後のトラバースでまさかのスリップ。ダッセー。次々トライでRP。

一年前はあんなに難しく感じたルートがサクッと登れたことは嬉しかった。フィジカルよりムーブの解析やリードクライミングへの慣れなどテクニック面が向上したように思う。少しはクライミングがうまくなったに違いない。(スリップしたけどな)

 

 

太刀岡山右岩稜 4p目

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大一番が終わったので付近を探索。鋏岩下部のスカイラインに露出感サイコーのボルトラインを発見。大興奮してUEchangとトップ&フォローで登る。調べた感じでは「太刀岡山右岩稜 4p目」かと思う。今度は取り付きからマルチピッチで登りたい。

 

ボルダー開拓

IMG_5017[キッズ課題]

 

右岩稜4P目の裏はルンゼ状となり手頃なボルダーがある。下地は落ち葉で天然のクラッシュパッド。ソーメイ、UEchangと初登大会。7級くらいのスラブ課題を登った。

 
IMG_5031[木漏れ日が美しい]

 

一通り遊んでUEchangの「ハッピーバースデー 5.11a」をビレイ。さすがの強さでスイスイと高度を上げていく。あまりのスムースさに完登を確信したが最後の2,3手で無念のフォール。テラスでもう少し休めば間違いなく登っただろう。実に惜しかったが、こういう戦略性がルートクライミングの面白さだよな。

 

義理チョコ 5.9 MOS

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UEchangがレストしてる間に、NP課題の「義理チョコ 5.9」にトライ。短いがハンドサイズのクラックだ。仕入れたばかりのキャメロットを嬉々としてセットする。

ジャミングで抜けようと足掻くが上部がハンドとフィストの中間くらいでうまく決まらない。結局スラブ面のポッケを使いつつトップアウト。充実したのでもう一回登る。

 

ハッピーバースデー 5.11a 再登

UEchangが2トライ目をきっちりRPしたので、ワークアウトがてらに再登。改めて登ってみていいルートだと再確認。

前回登ったのはなんと3年ぶり。初めてここを訪れた時だ。時間の流れは早い。あの頃はワンデイの中でスポートルートとトラッドルートとボルダー開拓を同時開催しようなんて発想はなかった。そりゃあ、チョーナンも大きくなるわけだ。

鳳来峡デビュー

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つよぽんパイセンにお誘いいただいてMetz先生と鳳来峡デビューしてきました。

東名川崎から3時間ちょっと。意外に近いじゃんホーライ。

 

セーラームーン 5.12b ランジ落ち

つよぽんパイセンが「がみけん君ならうまくいけば一撃。ま、うまくいかなくても2撃かな」と心理攻撃を仕掛けてくるので平静を装ってマスタートライ。

アップのつもりでモカシムでスタートしたが早々に後悔。3クリップ目前後でフォール。

そのままムーブを探って前腕がパンパンになりながらも最終クリップまで到達。さて、どーすんだと辺りを見渡す。

ずいぶん上の方にガバ棚らしきエッジが見える。往きの車でランジがどうとか言ってたのはこれのことかと納得するが、てっきり核心は終わってるもんだと勘違いしてたのは内緒。

ランジ体制を作るがホールドが悪くて飛びづらい。なんやかんや調整して無理やり抜ける。

2トライ目はムーブ探りのつもりだが一応RP狙い。当然、そんなイージーなわけはなく3クリップ目を調整してテンテンでランジまで。相変わらずホールドが悪いができるだけ脱力してフンワリランジ。ふわり夢気分に止まる。

何度か飛んで感触をつかむ。「これ、いけるかもなー」と思ったのが甘かった。

つよぽんパイセンのランナウトがボールドな「マジカルライン5.12b」をガンバしたり、Metz先生の美しいムーブに感嘆したりして3トライ目。

追い込まれながらも割とスムースにランジに入って、ハイふんわり。

距離は十分だったが凹凸を捉えられずフォール。非常に惜しかった。だが本当の過ちはここで今一度ホールドをよく見なかったことだった。4トライ目、いやというほど思い知ることとなる。

 

インカットガバは右

再びレスト。つよぽんパイセンが一気に洗練させて「マジカルライン」にあと二手と迫り、Metz先生がしっかりと「セーラームーン」をRPするのを見届けてヨレヨレの4トライ目。

ややムーブを間違えたがランジ直下に入り、苦しいランジを放つ。だが無情にも左手はホールドを保持できなかった。

しばらくブラブラとぶら下がった後、ランジで抜ける。そして止まらなかったガバ棚を改めてしっかりと観察した。そこにはフンワリとキャッチしていた膨らみの右横に大きくえぐれたインカットガバがあった。

 

反省

日曜の疲労が肩まわりと指皮に残っていたことや、最近この手の課題とご無沙汰だったことなど、ネガティブな要因はあれど今回のパーティと岩のコンディションからすると登れたはずの一本だった。

2トライ目の好感触なランジに固執してしまいホールドをよく観察しなかったのが最大の敗因。インカットガバへランジしていれば止まった可能性は高い。

最近ムーブのバラシや最適化はあまり深追いせず、可能な限り未知の部分を残して登りたいと思っている。できればハングドッグに頼ることなくグラウンドアップに近い形で登りたい。そんな思いからビクトリーホールドを触り倒すことはしなかった。

だがビクトリーホールドを触らずとも、しっかりと観察すればムーブやホールディングをイメージすることができたはずだ。今回は端的に言ってサボったつーか手抜きをしちゃったんだな。

もっと気持ちを入れて一本一本に取り組みたいと思いました。

しかし鳳来、次はいつ行けるんだろうか…

黒岩初上陸

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初上陸の岩場で、初めて目にするルートを、グレードにはあまりこだわらずに、できるだけ多く登りたいなーってことで榛名山は黒岩に行った。

関越道でパラパラと小雨が降ってきたが、現場に降雨の形跡はなし。けどちょっと寒い。

軽くストレッチを入れながらパッキングを確認してアプローチ開始。最近、アップやストレッチはベース設営やギアの準備など諸々の作業と並行しながら行なっている。

最後に仕上げとして大きくスタティックストレッチもするんだけど、その手前で筋温あげたり可動域をほぐしておくとなんつーか「話が早い」感じだ。

 

夏子 5.8 MOS

まずは簡単なやつから。

核心部でワイフでも届くムーブをごにょごにょと探る。イマイチしっくりこないがとりあえず抜ける。ちなみにワイフはデッドで抜けておりました。

ま、そうなるよな。

 

柿ドロボー 5.10b MOS

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続いて二つ星の立体的なルートをセレクト。中間部の「くの字」にえぐられた変則的なテラスにワクワクする。

実際にはテラスというには傾斜がありすぎるため、入り込むことはなくフェイス面を直上する。上部がやや悪く感じたが、悩むと良くないと思い一気に抜ける。

変化に富む好ルートだった。

 

黒岩老眼鏡 5.10c MOS

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こちらも二つ星だが、うってかわってデリケートな印象のスラブ。

核心まではイージーで、そこからは予想どおりホールドが乏しい。しかも砂っぽい。

あまり登られていないんじゃね?

 

スノードロップ 5.11a MOS

そろそろギアを上げてくぜってことでスッパリしたフェイス。こういう安山岩ルートを登るは久しぶりな気がする。

入念にオブザベーションして取り付く。着実に高度をあげて無事終了点…と思いきや、終了点付近が砂まみれ。

冷静に対処して完登。

 

キメイラ 5.12a トップアウト

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ちょうど昼ごろになったので軽く腹ごなしして南壁上部へ偵察。

イマイチ興味が湧かなかったスラビーなキメイラは実物を目にすると俄然モチベーションアップ。

ロープスケールで25mくらいだろうか。ホールドの乏しいスラブフェイスをテクニカルなムーブで謎解きをするように抜けていく、そんな状況が目に浮かぶ。

とりあえずマスターで取り付く。1クリップ目からやや遠い。痺れるクライミングになりそうな予感が漂う。

左カンテも使い2,3クリップ目まで進むとホールドが見当たらない。登攀ラインは右上気味だが出だしのトラバースムーブから解決困難。カンテと行きつ戻りつを繰り返し、遂にトラバースに成功。

と思ったけど、次の手も足も悪くてそこでフォール。さすがは5.12aのスラブ。

その後、目を皿のようにしてホールドを探し、足をあげたり下げたり、カチやらピンチやらプッシュやら、チクタクまで出てきてなんとか核心を突破。

ほっと一息をつくが、そっから先は砂まみれに加えオールアンカー。相当登られてないと見える。

掃除しながら野性味溢れるスラブをジリジリと抜け最後はランナウトでトップアウト。予感は正しかった。

2トライ目は首尾よくトラバースをこなし、ビクトリーカチに手を伸ばそうとしたが「あれ、ここのムーブどうでしたっけ」とワイフに尋ねながらフォール。足位置のツメが甘かったようです。

しかしこのテクニカルなスラブは実に面白い。ムーブを忘れないうちにもう一度トライしないとね。

 

つる 5.11b トップアウト

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キメイラを探っていると雨がパラついてきたが、もう一本登りたいってことで薄かぶりの前傾カンテにトライ。

こいつも1クリップ目が高い。しかもバランスが悪くてドキドキのクリップ。なんとか抜けるがヨレとヌメリであっさりテンション。とりあえずトップアウトして回収。

コンディションを考慮して慎重にルートを選ぶべきだった。もったいないトライをしてしまったことを反省する。

 

ベルジュエールへ続く道

というわけで本日の主題、「初上陸の岩場で、初めて目にするルートを…」ってのは8割くらいの達成できたと思われる。単純に楽しかったけど、あと2本くらいトップアウトしたかったのが本音だ。

というのも実は裏テーマが存在しており、それは「マルチピッチトレーニング」だからだ。5.10台を主体に5.11bまでを8本継続できたらベルジュエールに向けて良いトレーニングになるんじゃないかと考えている。

もちろんベルジュエールはトラッド主体だし、マルチピッチ特有のロープワークは今回のクライミングからは習得できないんだけど。

その日のクライミングをしっかり楽しみつつ、次につながるトレーニングとなるように創意工夫してゆくのだ。

城山 マルチピッチ

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2016年の初外岩は城山。

今年のテーマの一つであるマルチピッチを登ってきました。

 

丙申-ひのえさる-

photo by taro inomata[photo by taro inomata]

 

今回は一泊二日の行程、初日はワイルドボアでスポートルートをがっつり。

前回S木兄貴とトライした「トゥエルブモンキー5.12b」をタローくんを交えてあーだこーだ。今年の干支ってことで縁起もいい(気がする)。

ボルダリーなラインは、全力で体幹勝負を挑むイメージ。「かさぶた」のようなダイナミックムーブは出てこない。ポイントは核心のトラバースで声を出すことでしょうか。「サァーーーー!」みたいな。

ちなみに核心を超えても甘いホールドが続く。追い込まれたところで厳しい距離にパラダイスガバが出現。届きさえすればヒャッハーなのだが、これで終わりと思ったら大間違い。

駄目押しのクッソカチが出てきて心をヘシ折られたところで、ようやく雲の彼方からビクトリーガバ。

ドローセットを除いて3トライ、前回2トライと都合5トライ。ワンテンまでは比較的スムーズに進んだが、うーん。繋がるんかな?これ。

 

幕営

幕営は最近マダニが出たと話題の狩野川河川敷。

「おれ、明日二日酔いだったら、よろしくね」とおっしゃる兄貴はガロンでビールを流しこんだ後、2ピッチ目はハイボール。翌日は何事もなかったのように晴れ晴れとしていた。

 

南壁

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二日目は南壁初上陸。YAMAAN!チームから拝借したGoProを携えアプローチを行く。

それなりの盛況っぷりで目当ての「バトルランナー」「エキスカーション」はどちらも数パーティがトライ中。テキトーに5.10aあたりでアップ。日差しは強く半袖でも登れるが風が吹くと寒い。

なんやかんやと順番待ったり装備確認したりでようやく「バトルランナー 4ピッチ 5.10a」に取り付く。

 

バトルランナー

G0060342[登攀開始]

 

1ピッチ目はタローリード、スイスイと下部スラブを抜ける。快適に高度を稼ぎつつフォローで続く。ときおり風が吹くがおおむね暖かい。むしろやや暑いくらい。

 

G0060813[高度感がイイ]

G0060831[1ピッチ目終了点]

G0060994[しんがりの兄貴]

 

そして核心となる2ピッチ目はワタシ。小ハング直下まで前進するが、「うん?10aのハングなのにガバはどこにあるんだ?」とやや焦る。緊張感と日差しの強さが相まって手もヌメる。が、それ以上にモカシムの中で足汗がハンパない状態。

 

G0061842[ハングを望む]

 

こいつは気合入れないとフツーに落ちるな、と肚をくくってカチにかじりつくように乗っ越し。ヌルヌルの足で耐え、這々の体でビレイポイントへ。フヘー疲れた。ちなみにここでGoProのバッテリーが終わる。

 

G0061974[ハング突破中]

 

残りの2ピッチを爽快なランナウトで無難にこなして完登。そのまま「ダイレクトルート 2ピッチ 5.10d」まで懸垂して継続。

 
OLYMPUS DIGITAL CAMERA[ハングに怯む私 photo by taro inomata]

 

ダイレクトルート 継続

OLYMPUS DIGITAL CAMERA[ヨレヨレの私 photo by taro inomata]

 
1ピッチ目はタローリード、5.10dの垂壁をジワジワと着実に高度を上げていく。見るからにムズそうなんすけど…

S兄貴からサブザックを受け取りフォローで登攀。チョークバッグが前側にあるのが地味にいやらしい。すでにヨレヨレの足に鞭打って意地のトップアウト。

続く5.10bでリード交代。

タローくんが「ボルトからやや離れるけどリカバリー可能だよ!」とヒント&アドバイスをくれていたが敢えなくA0。5.10bとはいえ6ピッチ目、しかもスラブときては力及ばず。

鍛えなおして、10ピッチくらいはサクッと登れる耐久力を身につけたいと心に誓いました。

次の目標は「エキスカーション」から「ダイレクトライン」への継続かな。そのためにはロープワークやらギアの扱い等々、登攀以外の諸々の能力をもっと洗練させないとね。タローくん、S兄貴、本当に勉強させていただきありがとうございましたっ。

 
OLYMPUS DIGITAL CAMERA[高度感サイコー photo by taro inomata]