デザートソング

desertsong

 

初めて「デザートソング 5.12a」をトライしたのは3年前くらいで、「大五郎 5.11a」をRPした日のことだった。「トライ」したと言っていいのか怪しいくらい何もできなかったと記憶している。「大五郎」のダメージを言い訳にしたが、細かい足置きや磨かれた石灰岩への対応、高さへの恐怖心、ムーブの引き出しのなさ、およそ思いつく全ての要素が足りず1クリップ目で音を上げたのだった。

その後、瑞牆を始めとする花崗岩ボルダーに魅了されると同時に、フリクションとは無縁のような河又には厭なイメージばかりが重なっていった。

しかし先日、3年ぶりにトライした「デザートソング」はあっさりとムーブが解決し、最初の本気トライで核心を超えるに至った。核心のスローパーはデュアルテクスチャかよってくらいにツルツルだったが怯むこともなく、高さやクリップへの不安もなかった。むしろケミカルボルトのおかげで安心感が勝った。

ボルダーやルート、トラッドやマルチなど、色々なクライミングに取り組んだ成果だろうか。3年という時間の重みを感じた。

 

湿度90%

天気予報では晴れ間も見えるとのことだったが、名栗の山間は霧が立ち込めててジットリ。お約束のような展開をミケちゃんとボヤく。軽くアップしてドローセット。厳しいムーブはほぼ無いが終盤の一手にやや不安が残る。足位置を確認して本気トライに備える。

その後、ミケちゃんの「モスグレイハンド」ドローセットをビレイ。核心をあっさり抜け、そのまま完登しそうな雰囲気だが焦らずムーブ確認に徹する。本人曰く「またチョークアップわすれてたー!」ってことでまだリードにはちょっと緊張気味。確かに呼吸が浅いような気もする。

で、早々に本気トライ開始。順調に核心に進むが左手が滑る。なんとか突破するがギリギリ。荒い息を整えて後半に突入。懸念事項だった一手を強引にデッドで止めるも予定外の足切れ。最終クリップをこなし残り2手と迫るが頭からムーブがすっ飛んで何故か正体ハイステップで突っ込む。んごーとフォール。はい、しょっぱい。他人にアドバイスする前に自分のクライミングを改善しろってことですよね。

 

最適化

というわけで久しぶりにガッツリハングドック、丹念にムーブを探ることにした。2015年の秋シーズンからオンサイトやグランドアップ、ミニマムトライに拘って、時には「手垢にまみれたムーブで登って嬉しいのか?」とまで言ったり言わなかったりしていたがここで宗旨替え。

するとまー楽しいのなんの。微妙なフットホールドの調整でホールドがぐんぐん近くなる。チョックーアップのタイミングやムーブの緩急など繊細な微調整を積み重ねた結果、飛躍的に完成度が高まる。ホールディングに関しては新たな発見はなかったが、全体の流れや些細な足位置を探求するのは本当に楽しかった。

そしてミケちゃんの「モスグレイハンド」完登を見とどけて本日2回目のトライ。チョークアップから核心のシークエンスを一気につなげレストポイントへ。ムーブはスムーズだったが前回トライの疲労もあってより一層息が荒い。ゆっくりとシェイクを入れ後半に突入。件の一手をスタティックに止め最終クリップをこなす。冷静に最後の2手を繋げて無事完登。久々に煮詰めたムーブは絶品であった。

 

ワークアウト

残った時間はお楽しみタイムで「ディレティッシマ・ドラゴン」。石灰岩といえばジムナスティックなムーブを連想させるが、意外にも花崗岩ライクな立ち込み系。ボルトの間隔も心意気を感じる距離感。これこそハングドックせずに登りたい。こんなルートがあるとは思いもしなかった。河又のことを知ったつもりで全く知らなかったんだなーと反省。僕が知らないだけで奥多摩の岩場にはまだまだ驚くべきルートがあるんだろう。

グランドアップの充実感も、ハングドッグの没入感もどちらも等しく楽しい。また一つ、自由にクライミングを楽しめるようになった気がします。

 


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