タグ別アーカイブ: 榛名山

榛名黒岩

img_6422

山梨方面が雨なので転戦して榛名。ところがどっこいこちらも染み出しMax。収穫の秋はなかなか来ない。テキトーにアップして「エンドオブザレインボー」を偵察に行く。北面はよく乾いていたが中間部に大きな蜂の巣があったので今回はパス。

重箱の隅 5.11b MOS

img_6410

ボルト3本ばかりのボルダリーなやつをトライ。核心部をじっくり粘ってオンサイトに成功する。最近大好きなバランスとムーブで登るタイプ。面白かった。となりにあるカンテラインも触ってみるがS兄貴ともどもムーブが解決せず。今度じっくり探ってみたい。

ルンゼ上部にあるラインも偵察に行くが全く登られていない様子で壁はザラザラ。「西18番ルート 5.11a」にトライするが2段目テラスでスーパーダイレクトに抜けようとすると予想以上に悪くてテンション。しょっぱい登りになってしまった。

img_6415

つる 5.11b RP

img_6437

最後は以前雨でOSを逃した「つる」にトライ。思った以上にヨレていたのでパンプから逃げるように手を進めて無事RP。やっぱ大事になのは呼吸ですね。

恋するスラブ

IMG_5412

 
この世には二種類の人間がいる。

スラブを愛する者と、スラブから愛される者だ。

この日、黒岩を訪れたのは低傾斜界の重鎮 – UEchang aka Srabista -。いうまでもなく後者に分類される人物である。彼を案内するのは「キメイラ 5.12a」。天高くそびえるスラブは天国へ続く階段のようだ。

 

梅雨目前の転戦

IMG_5385

 
当初の予定は甲府幕岩だった。榛名黒岩はすでにシーズンオフだと思っていたのだ。しかし前日に山梨方面の予報は雨へと崩れる。反対に群馬方面の予報は好転。偶然とは思えない展開に翻弄されつつ、最終的に榛名黒岩を選択。

翌朝、小雨が舞う関越道を不安げに北上し高崎で高速を降りる。すると乾いたアスファルトに雲の切れ間からは太陽。この男、どんだけスラブに愛されてるんだよ。

しかし、思わぬアクシデントが発生。落石防止工事で林道が一部通行止め。40分程歩くこととなった。なんすか?ツンデレってやつですか?

 

無名 5.10d FL

予定外のハイキングをこなして9時頃現場に到着。東壁の「無名 5.10d」でアップ開始。リード慣れしていないUEchangが果敢にマスタートライ。ホールドを探すのに苦労しながら高度を上げて行く。終盤は黒山名物の埃まみれホールドに面喰らいながらも無事MOS。続いてFL、回収する。

 

ボランティア 5.11a MOS

交代して隣りのラインを登る。出だしのクラックにフィンガージャムがバチ効きでテラスまで快適に上がる。じっくりとムーブを錬り、ダイレクトラインで抜ける。

そしてUEchangと交代、こちらもテラス以降のムーブをじっくりと錬るがホールドの見当が違ったかフォール。体力温存の為に回収する。

 

舞姫 5.11b 2RP

IMG_5392

 
そしてもう一本イレブン前半をトライ。オブザベーションでは上部核心と予想したが実際には下部核心。序盤の外傾カチを保持しながらも足がスリップしてフォール。ムーブを探ろうかと考えたがロワーダウンしてグラウンドアップに拘ってみる。

ほぼレストなしで再トライ。外傾カチを保持して手を進めるがまたしても悪い。更に進めて何とか突破。上部は予想外に素直だった。安定して5.11bをMOSできるようになるにはもう少しだけ経験値と集中力を高める必要がありそう。

 

キメイラ逢瀬

IMG_5405

 
そしてお待ちかねスラビスタ on キメイラ。

生い茂った木の葉に岩頭が隠され、春先より高く遠く感じる。「うわっ!? こんなに!? 高くない!?」と興奮を隠せないスラビスタ。面喰らったような物言いとは裏腹に、当然のようにノーヒントでマスタートライを始める。

やや高い1ピン目を丁寧に掛けて順調に2ピン目へ。そして核心へ入って行く。しかし安山岩が不慣れなためかホールドがなかなか見つからない。とりあえず3ピン目をクリップして更にムーブを探る。試行錯誤の結果3ピン目付近へ突入、核心へ向かう。

しかし既に長時間のムーブ探りでヨレが見え始める。更にその先は微妙なホールディングが続く。流石に初見では突破出来ずフォール。その後、あーだこーだとホールディングやらムーブを試行錯誤。下からもそれとなく「俺の時はその足を〜」とかアドバイスを送るが帰宅後に動画を確認すると全く別のムーブ。とんだ妨害工作であった。

とは言え3トライ目で核心は解決。しかし体力的に繋げるのは厳しく、次回へ持ち越しとなった。ちょっとスラブからの愛が重かったんじゃないかな。

 

ラーコンナ 5.10b MOS

キメイラの右隣に位置するスラブラインだが、ルンゼ状クラックにプロテクションを取りながら登った。出だしはチムニーからハンドサイズになり、最後は適当に抜ける。終了点は絶景。

 

サルバドール 5.13a 初トライ

そして本日の高難度強傾斜課題。そういえば真面目にアッパーグレードをトライするのは久しぶりな気がする。とりあえず「5.13aってどんなのもんなの?」を確かめるためスタート。

威圧的な強傾斜カンテで1ピン目までは緊張感が高い。必要以上に力が入るがとにかくクリップ、ほっと一息してテンション。しかし地上からは持てそうに見えていたホールドはことごとく極悪。カンテ側のホールドも遠かったり甘かったり。探りながら2ピン目まで進む。

高度が上がるにつれ傾斜は緩くなってくるがホールドは悪くなる一方。ヒールを駆使し3ピン目まで進む。地上からでは2ピン目までが核心と踏んでいたが一向に強度は下がらない。

強傾斜のハングドックでヨレるのを感じながら試行錯誤してムーブを探って行く。遂に3ピン目を付近を突破し、後はリップを取れば終わりだっと思っているとまたしても「地上からは持てそうに見えたんですけど」なホールド。これが13aってやつなんですかね。

フルリーチで直接リップをたたけば一瞬だけ保持できたが突破する体力は残っていなかった。時間のことも考えて今日はここまでとした。

 

大スラブ中央クラック 5.9 2P

IMG_5406

 
〆は2ピッチのマルチ。既に5時をまわっていたが夏至の恩恵を最大限に生かすべく登攀開始。事前情報がなくカムの必要数も不明だったが隣接ルートから回収も可能と踏む。

1ピッチ目はボルトルートを快適に辿る。2ピッチ目は#1,#3,#.5あたりをセットし、最後はグサグサに錆びたRCCボルトにクリップ。終了点が目前に見えているが最後のワンムーブを見つけるのに苦労して抜ける。部分的に痺れたが充実のクライミングだった。

 

所感

というわけで今日もスポートルートに始まり、トラッド、マルチピッチ、限界グレードトライと多彩なクライミングを楽しめました。

最近は一日で5本以上初見のルートを登るっていうのが楽しくてしょうがないけど、一方で限界グレードより高難度をトライする機会を伺ってもいました。そんなわけで梅雨入り前にその機会を得れたことは非常にうれしい。

「サルバドール」はずっと気になっていたルートだが、触ってみた印象は基本的にポジティブ。全てのムーブを解決したわけではなく、むしろ今回詰めなかった部分こそが最大核心な気もするけどそれでも期待と希望は大きい。

しっかり夏の間に準備して秋にがんばりましょう。

ゴールデンスラブ

IMGP1958

 
連休後半の初日はまたしても安山岩。家族総出で榛名黒岩。

往きに「みさと芝桜公園」に立ち寄るがピークを完全に過ぎており、まばらな芝桜を眺めながらソフトクリームを食べる。早々に黒岩へと移動するのだった。

 
IMGP1948[長男・次男のテンプレのような写真]

 

練習岩

IMGP1969

 

麓では青空が見えていたが、黒岩に上がるにしたがってお天気はどんよりアンニュイ。なにやら湿度も高く感じる。極め付けは壁からの染み出し。「キメイラ」が染みてないことを祈りながら練習岩でトップロープ。

多分一年ぶりくらいにキッズがトップロープ。二人とも楽しかった様子。その後二人は秘密基地作りへと消えていくのであった。

 

IMGP1997[本日の力作]

 

掃除と開拓

そして今日の本命に取り付く。とはいえまずは掃除とドローセットから。同時に前回やや強引なトラバースとなった部分をより自然な右上ラインへと修正する。回収用ビナから上部は汚れが酷い。丁寧に掃除しながらホールドもしっかり確認しておく。テキトーだと間違いなく落とされるだろう。

そして上部。右カンテに一切体を出さない方法を探るが結局ワンポイントだけ右に出たのち左に戻ってきて直登に落ち着いた。

ロワーダウンしてくると上部で落とした土埃が中間部のホールドに積もっていた。もちろん再度お掃除。

レストがてらキッズボルダー開拓に混じる。ロクでもないムーブを提案すると「お父さんは黙ってて!」的なことを言われたのでスゴスゴと退散。

 
IMGP2018[中1には狭い]

 

IMG_5074[小2にはジャスト]

 

キメイラ 5.12a RP

そして繋げトライ2回目。

2クリップ目まで上がって、フットホールドを再確認。呼吸を整えて核心へ入っていく。柔軟性を要求されるムーブから息を吐きながらデッド、クリップをこなしてハイステップで高度を稼ぐ、甘いホールドにガチャっとジャムを効かせてバランシーな寄せ、さらにチクタク、からのハイステップ、そしてようやくクリップホールドへ。

核心を抜けた後もなんどもレストを繰り返しようやく終了点まで。いやー充実した。

 

 
ゴールデンウィークは花崗岩とがっぷり四つの予定だったが、蓋を開けてみると安山岩の割合が高く、しかも成果まで付いてきてしまった。棚からボタ餅な感もあるがゴールデンスラブをがっつりと味わうことができて感無量。

再登者の少なそうなラインだが、もっと登られてよい魅力的なスラブルートだと自信をもってオススメします。

 

テクニカルライン

ここ数ヶ月で急速にスラブ熱が高まったきっかけは、ベースキャンプトーキョーとかロッキーの巨大ボテを使った緩傾斜課題の影響が大きい。

巨大ボテを使った各種ムーブはコンペ向きのテクニックと捉えられがちだが、実際には花崗岩や安山岩のスラブやカンテ、ディエードル、クラックで十分に使える。

例えばマントル、プッシュ、バランシーな立ち込み、全身でのジャムやチョック、フリクションを効かせたホールディングなどなど。

石灰岩や凝灰岩の強傾斜課題では出番の少ないムーブかもしれないが、先に挙げた岩場では不可欠なテクニックだ。

他にもデュアルテクスチャのマイクロアンダーホールドをプッシュして立ち込む、とか思いっきり花崗岩のテラス這い上がりで出てきそうだし。

こういった繊細がゆえに地味と見られがちなムーブやテクニックの楽しさを再確認させてくれたジムには割と本気で感謝している。

黒岩初上陸

kimera

 

初上陸の岩場で、初めて目にするルートを、グレードにはあまりこだわらずに、できるだけ多く登りたいなーってことで榛名山は黒岩に行った。

関越道でパラパラと小雨が降ってきたが、現場に降雨の形跡はなし。けどちょっと寒い。

軽くストレッチを入れながらパッキングを確認してアプローチ開始。最近、アップやストレッチはベース設営やギアの準備など諸々の作業と並行しながら行なっている。

最後に仕上げとして大きくスタティックストレッチもするんだけど、その手前で筋温あげたり可動域をほぐしておくとなんつーか「話が早い」感じだ。

 

夏子 5.8 MOS

まずは簡単なやつから。

核心部でワイフでも届くムーブをごにょごにょと探る。イマイチしっくりこないがとりあえず抜ける。ちなみにワイフはデッドで抜けておりました。

ま、そうなるよな。

 

柿ドロボー 5.10b MOS

IMG_4545

 

続いて二つ星の立体的なルートをセレクト。中間部の「くの字」にえぐられた変則的なテラスにワクワクする。

実際にはテラスというには傾斜がありすぎるため、入り込むことはなくフェイス面を直上する。上部がやや悪く感じたが、悩むと良くないと思い一気に抜ける。

変化に富む好ルートだった。

 

黒岩老眼鏡 5.10c MOS

IMG_4548

 

こちらも二つ星だが、うってかわってデリケートな印象のスラブ。

核心まではイージーで、そこからは予想どおりホールドが乏しい。しかも砂っぽい。

あまり登られていないんじゃね?

 

スノードロップ 5.11a MOS

そろそろギアを上げてくぜってことでスッパリしたフェイス。こういう安山岩ルートを登るは久しぶりな気がする。

入念にオブザベーションして取り付く。着実に高度をあげて無事終了点…と思いきや、終了点付近が砂まみれ。

冷静に対処して完登。

 

キメイラ 5.12a トップアウト

IMG_4555

 

ちょうど昼ごろになったので軽く腹ごなしして南壁上部へ偵察。

イマイチ興味が湧かなかったスラビーなキメイラは実物を目にすると俄然モチベーションアップ。

ロープスケールで25mくらいだろうか。ホールドの乏しいスラブフェイスをテクニカルなムーブで謎解きをするように抜けていく、そんな状況が目に浮かぶ。

とりあえずマスターで取り付く。1クリップ目からやや遠い。痺れるクライミングになりそうな予感が漂う。

左カンテも使い2,3クリップ目まで進むとホールドが見当たらない。登攀ラインは右上気味だが出だしのトラバースムーブから解決困難。カンテと行きつ戻りつを繰り返し、遂にトラバースに成功。

と思ったけど、次の手も足も悪くてそこでフォール。さすがは5.12aのスラブ。

その後、目を皿のようにしてホールドを探し、足をあげたり下げたり、カチやらピンチやらプッシュやら、チクタクまで出てきてなんとか核心を突破。

ほっと一息をつくが、そっから先は砂まみれに加えオールアンカー。相当登られてないと見える。

掃除しながら野性味溢れるスラブをジリジリと抜け最後はランナウトでトップアウト。予感は正しかった。

2トライ目は首尾よくトラバースをこなし、ビクトリーカチに手を伸ばそうとしたが「あれ、ここのムーブどうでしたっけ」とワイフに尋ねながらフォール。足位置のツメが甘かったようです。

しかしこのテクニカルなスラブは実に面白い。ムーブを忘れないうちにもう一度トライしないとね。

 

つる 5.11b トップアウト

IMG_4558

 

キメイラを探っていると雨がパラついてきたが、もう一本登りたいってことで薄かぶりの前傾カンテにトライ。

こいつも1クリップ目が高い。しかもバランスが悪くてドキドキのクリップ。なんとか抜けるがヨレとヌメリであっさりテンション。とりあえずトップアウトして回収。

コンディションを考慮して慎重にルートを選ぶべきだった。もったいないトライをしてしまったことを反省する。

 

ベルジュエールへ続く道

というわけで本日の主題、「初上陸の岩場で、初めて目にするルートを…」ってのは8割くらいの達成できたと思われる。単純に楽しかったけど、あと2本くらいトップアウトしたかったのが本音だ。

というのも実は裏テーマが存在しており、それは「マルチピッチトレーニング」だからだ。5.10台を主体に5.11bまでを8本継続できたらベルジュエールに向けて良いトレーニングになるんじゃないかと考えている。

もちろんベルジュエールはトラッド主体だし、マルチピッチ特有のロープワークは今回のクライミングからは習得できないんだけど。

その日のクライミングをしっかり楽しみつつ、次につながるトレーニングとなるように創意工夫してゆくのだ。

頭文字N

IMG_1429

秋名榛名山に行ってきた。

本当は赤城山に行く予定で県道4号を走っていると、路面凍結のため前の車数台がスタック。自分たちの車もスタッドレスとはいえFF車なのでリスクを避けて転戦。榛名山に向かった。

しかし榛名にやってくると一転、ほとんど雪がない。どうしたものかと考えたあげく、登山道の通っていない「幡矢ヶ岳」を目指してバリエーションハイク。榛名湖に面した稜線から沢筋を下降、幡矢ヶ岳取り付きとなる沢出会いを目指す。南面はほぼ完全に雪が無く、落ち葉と枯れた滝を下るのが独特で面白い。ワイフ同行のため、少々時間が足りず取り付きでリターン。往路をそのまま戻る。

途中で往路を外れ、雪の残る急峻な沢を詰め稜線に乗っこす。つぼ足で少々冷や汗をかきながら突破。ペツルのサムテックが購入以来最も活躍した山登りだったかも。天目山で一服して、雪が残る稜線をグリセードを交えて下降。4時間少々のスーパーライトバリエーションハイキングでした。

IMG_1450