太刀岡山 右岩稜

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ほどよくワイルドなロッククライミングがしたいっつーことで「太刀岡山 右岩稜 6pith 5.10d/11a」に行った。

「ほどよく」ってところが微妙にヌルい感じだが、「基本NPで登りたいけど、ブランクセクションのボルトは許容しつつ(内心ウェルカム)、あまり踏まれてないのでルートファインディングがそれなりに必要」みたいなニュアンス。わかっていただけるだろうか?

 

First Pitch 5.10a

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というわけで季節外れの太刀岡山。メンバーはM坂、カサE、Y下(敬称略)である。駐車場に着いた時点でマイナス2−3度くらい。落葉樹の葉が落ちきっているので下部岩壁までのアプローチは明確。だが寒い。当然かもしれないが他にクライマーの姿は見えない。

岩壁下を右へと移動して取り付きを発見。しかしボルトが多く1ピッチ目の終了点が判然としない。装備を整えつつボルト位置とトポを見比べながら終了点を定める。

システムとコールの確認などをおさらいして、M坂氏からスタート。岩が冷たく足裏感覚も鈍いので2クリップ目からクライムダウン。何度か行きつ戻りつを繰り返しアップの替わりとする。凹角に入るまでが意外に悪そうだが無事に終了点に到達。フォローで続く。

 

img_7072[かっこいいシャーク岩]

 

2nd Pitch 5.9

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2ピッチ目からは少し日が差し込む。スタート直後から痺れるムーブをこなすと、ノープロテクションな浮石地帯が出現。クライミング難易度は低いが本ちゃん的な雰囲気。

落石に気をつけながら灌木にランナーを取ってほっと一息。樹林帯に入るがこれまた終了点の位置が判然としない。上部にハングと蜂の巣、右手にワイドハンドクラックという位置関係から大きなズレはないと判断してピッチを切る。

グレードはスタート後のワンポイントについてるんだろうが、体感は5.9Rって印象。さすがワイルド系だけあって「Rなんて飾りです」という意志を感じる(個人の感想です)。

 

3rd Pitch 5.10a

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そして苦戦必至と噂のNP&ボルトのミックスピッチをM坂氏がトライ。屈曲を避けるためスリングを大きく伸ばす。ハング下でカムセットを行い、カンテへとトラバースに入る。カンテの乗っ越しが悪いようで凹角を探ったりじっくりとラインを探るがテンション。初見では抜け口へのラインが見出すのが難しそう。ちなみにカサE氏はバッチリ突破。さすがである。

終了点はカム構築を想定していたので固め取りが命取りになるかとヒヤヒヤしたが、アンカーが設置されていた。ロープの流れがやや重くなったが概ね想定内。さらにスムースにするには最左側の#2を回収すれば良さそう。

ちなみにカンテ手前のボルトを目視した瞬間、我々は歓声をあげていた。ワイルドとはなんぞや。

 

img_7088[3ピッチ目終了点]

 

4th Pitch

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4ピッチ目は以前登っているので快適に抜ける。とはいえ5.7にしては少々ホールドが悪いんじゃないかと。1クリップ目から左にトラバースして直上するがラインが違うかもしれない。しかし高度感のあるクライミングは楽しい。体感は5.8。

 

5th Pitch

ここは懸垂だけ。枯葉のクッションに降り立つ。

 

6th Pitch

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そして最終ピッチへ。グレードではこのピッチが最難だが、ボルトもあるしフツーに考えて登りやすい5.10d/11aだろうと予想。オブザベーションでも予想を覆すものはなかった。だがここで再び、ワイルドはなんたるかを突きつけられる。

不要な装備を預け、軽くレストを入れたあと身心共に軽やかなクライムオン。すると、1クリップ目から2クリップ目へのトラバースでオブザベーションの甘さが露呈。ホールドは極端に悪いものではないが進行方向に対して向きが悪く、加えて足もタルい。取り付きに置いてきたソリューションがあればその名の通り一発解決なのだが後の祭り。

フォールすればグラウンドの可能性が高いが、ある程度はテンションで落下速度が抑えられるだろう。ランディングも斜面に枯葉マットなので衝撃はバックサイド吸収が期待出来る。普段のノーマットボルダーと大差はない。何よりも登山道が目前なのでエスケープも容易。

つーことで肚をくくって乗り込みトラバース。無事にホールドを捉える。ひょっとするとトラバースではなくダイレクトに上がれたのかもしれないが、充実感のあるムーブだった。あとはリップを乗っ越してビクトリーロードを行くだけ。そう思って勝利のマントルを返した。

だがそこは枯葉の堆積したワイルドスラブだった。埋もれたガバポッケを掘り起こし、枯葉を払いのけ足場を確保して前進する。既にRの範疇を超えてXに手が届きそうな雰囲気。だが「森の生活」にRやXがつくだろうか。いや、つかない。いわんや「先住者」「生命力」においておや。後者2課題は触ってもいないがそういうことにして灌木帯まで一気に抜ける。探せばプロテクションを取れたかもしれないが、体感は5.10d R。

鋏岩の終了点は強い風が吹き付けていたが日当たり最高。これでもかってくらい写真撮影会をしてラッペル。無事に登攀を終了した。

 

img_7103[おれの胸に飛び込んでこいよ(とは言ってない)]

 

ワークアウト

当初の予定では左岩稜に継続する予定だったが、時間の都合上ショートピッチとボルダーに切り替え。小山ロックの「義理チョコ」「チェリーブロッサム」を登り、小山ロック下のボルダーで適当に設定して登る。最後に左岩稜の取り付きを確認して1ピッチ目だけ登って終わった。次は左岩稜かな。

 


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