辺境の氷瀑

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暖冬の影響で今シーズンのアイスは不作って話だったんですが、ここ数週間の寒気の恩恵を受け、各所で氷瀑がニョキニョキと成長しているそうです。

というわけで、タローくんのお誘いで同山岳会のY氏と3名で某所氷瀑。

 

期待と不安のアプローチ

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だが、寒気が入ったからといって絶対に氷結が約束されるわけではない。

「まあ、行ってみないと凍ってるかどうか分からないんで」と慎重派タロー案内のもと、転戦も視野に入れつつアプローチ。

果たして水分を多く含んだ雪をザクザクと踏みながら沢を詰めると、ゴルジュの奥にヤツは鎮座して待ち構えていた。

100m級の双頭の龍である(シークレットエリアなので話を盛っております)。

とは言え氷結はまだゆるく、全体的に水滴がポツポツと落ちてくるコンディション。アックスが弾かれることはないが、スクリューはやや心もとない。

 

登攀開始

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氷結状態をザックリ確認したのち、タローリードにて登攀開始。下部氷壁は70度前後(だいたい)。シャンデリア地帯を縫うように左上するラインを登る。抜群の安定感でテラスへ抜けピッチを切る。

さて上部はバーチカル。相変わらず湿っぽい氷瀑が聳え立っている。リードはもちろんタローくん。私がリードしたら少なくとも3回は死ねるだろう。流石にコンディションが厳しいとみえ、アックステンションを入れるがしっかりトップアウト。

そしてフォローで取り付く。予想通り氷結も甘くスクリュー回収も苦労知らず。するすると抜ける(スクリューが ! )。アックスの刺さりはいいがフルスイングで打つとパコっと容易く割れる。バーチカルに入ると足が消失。ステップを作るがキツい。Y氏に落氷コールをしたりなんやかんやキャパオーバー、あえなく足抜けフォール。前言撤回、3回じゃなくて5回死ねそう。

なんとか上に抜け安心したのも束の間、懸垂も一癖あって最後まで気の抜けない充実の登攀でした。

 

下段リード

OLYMPUS DIGITAL CAMERA[photo by taro inomata]

 

その後、時間に余裕もあるので下段リードにトライ。このスケールと傾斜をリードするのは初めてである。

「スクリュー5本くらいでいいかな?」
「や、7本あったほうがいいよ」
「じゃあ8本にしとくか」

というやり取りを経てY氏のレーザースピードライトを強奪。気合をいれてアックスを振るう。

出だしの緩傾斜でまず1本目を打つ。徐々に傾斜がきつくなる前に2本目。そして中間部に3本目、しかしここでシャブシャブ氷が出現。とりあえず打ち足す。

シャブシャブスクリューは回収して更に高度を稼ぐ。比較的硬そうな氷を探してスクリューをセットするが緊張感は高まってくる。テラスまであと数メートルに迫るが気がつくとスクリューの残弾も僅か。ふと下を見るとどんだけスクリュー決めてんだよ状態。誰だ5本で登ろうとしたやつは。

鉄壁のリスクマネジメントで無事にテラス到達。タローくんとY氏のフォロービレイして撤収。

渋い温泉に入って帰路に。今シーズンの目標、阿弥陀北西稜に向けて少しは経験値を積めただろうか…


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