匠と怒濤とゴンベイ

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シーズンインにはまだ早いがカサメリ沢へ行った。「まだ暑いんじゃねーの」と口元まで出かかった言葉を呑み込んでお付き合いいただいたSAT6師匠とINO氏には頭が上がりません。

午前中はガスっていたが午後は快適。存分に花崗岩で指皮を削ってきました。

 

コセロック

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アップは定番のコセロック。白虎、青龍を登りたかったが下部がシットリ。バットマン取り付き部に至っては激しく染み出している。少し順番を待って「トータルリコール 5.10b」を再登する。2回くらい登ってるはずだが核心部はアドリブ全開。

続いて隣の5.10b。取り付きはびしょ濡れ。ガバ足にはナミナミと水が溜まっている。比較的濡れていない足を探して登る。結果、面白いムーブになったのでこれはこれでアリ。

INO氏は掛け替えの練習をしてロアーダウン。

 

怒涛のレイバック 5.11b RP

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アップ後、まだ登ったことのないコートダジュールへ移動。南に面しているが林のおかげでオランジュのような灼熱ではない。看板課題の「怒涛のレイバック 5.11b」に取り付く。

オブザベーションでは「中間部からが怒涛セクションなんじゃない」とか言っていたが、出だしからハンパない怒涛っぷり。加えてシケシケスメアにしっとりガバホールド。凹角に入り込みレイバックを作るが手も足もすっぽ抜けそうなフリクションである。実に恐ろしい。

パワフルなムーブと緊張感で呼吸が激しく乱れ、奮闘の末テンション。OS狙いだったがやや条件が厳しかった。その後、中間部のトラバースパートで危うくハマリかけるがなんとか打開。フレアードクラックをこれまたバランスの悪いレイバックで抜け、上部は炎天下のスラブ。ポジティブなホールドを探しながら慎重に抜ける。とりあえずトップアウトはできたがムーブは非常に荒削り。

続いてSAT6師匠がFLトライを開始。流石の登りで最適なムーブを次々と解明していく。勘所をしっかり押さえた匠のクライミング。勉強になるわー。

そしてINO氏。このコンディションでボルダラーにレイバック課題をやらせるのは酷ってもんだが果敢にもトライ。テンション入れつつも粘ってフレアードクラックまで。

2トライ目に入ると岩のコンディションが唐突に良くなり、シケシケスメアもしっとりガバも格段に良い。加えて匠ムーブの恩恵によりあんなにキツかった下部をスルリと突破。トラバースパートで手順を間違えるが、手堅く修正してフレアードクラックへ。ここでも匠のアドバイスを存分に活かして危なげなく突破。最後のスラブ面を着実に繋いで無事RP達成。

SAT6師匠もサクッとRP。ドロップニーフットジャムニーバーとでも言うべきお洒落なムーブを披露して登っていた。

INO氏は色濃いヨレ感を醸しつつトップロープでトライ。初回より圧倒的スムーズに抜けて無事終了点まで。リードでRPできたんじゃないかと思うほど安定していた。

 

りかちゃんバンザイフレーク 5.11a MOS

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〆のつもりでこれまたレイバック課題。ボルト二本目までがバランシーで緊張する。そこから数手も迷わされる展開。フレークに入ってからもクリップ体勢が見つからずハラハラするが大きく足を上げて打開していく。3P目を過ぎたあたりからハンドジャムもバチ効きで快適。最後のスラブ面がこれまた一癖あって充実の一本だった。

 

 

ごんべい4 5.11b TO

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シメたつもりだったがSAT6師匠のトライを見ているとどーしても自分もやってみたくなり、泣きの1トライ。師曰く「出だしからチョー怖いんですけど」という出だしのムーブは悪くて怖い。その後も典型的な花崗岩プッシュ系がメンタルと手皮を削ってくる。そして傾斜が緩くなったところで師曰く「てっきり核心終わったもんだと思ったらコレだよ」な絶妙のフリクションクライミングがスタート。

時期が良ければ突破できたかもしれないがここでフォール。あの手この手のムーブを試すが手も足も甘い。こいつは涼しくなるのを待つしかないかと諦めかけたが、なんとか最適ムーブを発見。次回が楽しみなルートとなった。

最近、この手の立体的スラブとでも言うべきルートが本当に楽しい。実は「怒濤のレイバック」より楽しかったかもしれない。下部の恐怖パートもいいアクセントだ。カサメリにはゴンベイシリーズが四本存在する。以前はテキトーな名前つけやがって、と思っていたが今ではシリーズコンプリートを密かに狙っている。

 


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