カテゴリー別アーカイブ: 沢登り

裏妙義 谷急沢 右俣遡行−左俣下降

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台風一過の影響でいい感じに増水した谷急沢に行ってきた。メンバーはミケ&コバ両氏。ミケちゃんは沢デビューである。

 

右俣遡行

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入渓地点は中木川の堰堤から。東京起点120の遡行図よりやや手間から降りた。川幅が広く気持ちいい。程なくして谷急沢との分岐、更に右俣へと分岐する。

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分岐後すぐにF1が現れる。傾斜もゆるくホールドも豊富。まさにシャワークライムデビューにうってつけ。ミケラインが遠慮がちなのは彼の思慮深さの表れだろう。ちなみに、右壁水線を突破した俺氏は早くもヒルにやられる。

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ナメも気持ちよく水量もちょうどいい。むしろ平水だとちょっと退屈だろうな。とくに夏場は。

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小滝が程よい間隔で現れ飽きさせない。

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スラブ滝。ホールドは豊富。

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ハイライトとなる二段滝。ここは是が非でも水線突破だよねーとか言っていたが意外に水量が多かった。すでに寒さが辛くなっているミケちゃんは何やら叫んでいた。

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上部は左のほうが登りごたえがある。

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最後の滝。水流右がやや立っていて楽しい。

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稜線に抜け左俣への途中で浅間山を望む。

 

左俣下降

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左俣は源頭部から広く植生も美しい。

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しばらく降っても依然として明るい。

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全体的にナメ滝で構成されているので下降には最適。途中から登山道も並走するのでエスケープも容易。子連れで簡単な沢歩きが楽しめるなーとか思ったところでまたしてもヒル。なぜか他の二人は一切ヒルにやられなかったんだがどういうことだろう。

最後は深い釜をもつ直瀑にドボンして締め。内容のあるよい沢でした。

笛吹川東沢釜ノ沢東俣

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初めて沢に行ったのは4年前、某隊長に誘われてのことだった。今だからこそ明かすが、「え!? 沢っすか? 僕ぁ乾いた壁で…」とか「やー、そんなマイナーっつーか地味なアクティビティする人、実在するんすね」ってな塩梅であった。

んで、「興味は薄いが何かしら得れるものがあるかも知れない」という極めて後ろ向きな姿勢で参加することとなった。

以来、夏とは沢のために神が与えたもうた季節だと確信している。

だが、登攀的な日帰り遡行は行えど、未だ「沢泊」なるものは未体験であった。沢の醍醐味は沢泊にある、とは多くのガイドブックや技術書でも繰り返し述べられている。沢に泊まらずして神からの恩恵を成就したとは言えない。沢に泊まりたい、そして焚き火の横で雑魚寝がしたい。と、いつしか強く思うようになっていた。

 

入渓

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お盆に入ったばかりの当日は薄曇り。西沢渓谷を鶏冠谷出会まで歩く。強烈な太陽の下でダイブする気120%だったが、この時点で40%くらいに下方修正。河原で装備を整え入渓する。

 

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下流部は左岸の旧登山道を辿るのが一般的だが、そんなことも知らずにザブザブと遡行する。いくつかの小滝を越えたところで泳ぎなしでは突破困難な瀞に行き着く。右岸を探るも悪い。結局左岸の旧登山道まで上がりホラ貝のゴルジュまで。

 

ホラ貝のゴルジュ

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最近8G氏が遡行したホラ貝のゴルジュは、外からでは内部の様子が全く分からない。いつかは行ってみたいが今日みたいな薄曇りの日でないことを願う。一服入れたのち、旧登山道から山の神まで。山の神で手を合わせてから行きたかったがそれらしいものを見つけられず。適当に沢に降りる。

 

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そのまま開けたゴーロ帯を進むと乙女の滝が見えてくる。冬場はアイスのゲレンデになるらしい。思ったよりも傾斜の寝た滝だった。

 

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更に歩くと東のナメ沢がどどーん見えてくる。クライミングシューズで登りたくなる長いスラブ。秋頃にほんちゃんとして訪れてみたい。

 

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この辺りから比較的深い瀞が現れはじめる。相変わらず薄曇りのため積極的に濡れる気にはならない。S兄貴と交代しながらロシアンルーレットライクに「深いっすかー?足付きますかー?」と探りながら遡行。

 

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幸いなことにドボンだとか転覆とかは免れる。ちなみに手持ちのカメラはタフネス系ではない。何があっても水没させるわけにはいかないのだ。

 

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魚留の滝、千畳のナメ

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魚留の滝で一服入れる。「あのスラブを水線突破できるだろうか?」とか考えてみるが大人しく左から上がる。落ち口から下を覗いたが、うん、ないね!

 

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滝上はシケイン状に屈曲し、抜けるとそこは千畳のナメ。

 

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視界の先の更にその先までナメが続いている。最高の癒し系ナメである。

 

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上部の多段スラブは水線突破で上がる。やや滑りが強く悪い。

 

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両門の滝

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そして両門の滝。サラサラと滑らかに水流が流れてくる。一見優しげな雰囲気だか直下に入り込むとそれなりの瀑風を受ける。ひとしきり遊んだ後、今夜の幕営地を求めて先へと進む。

 

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幕営

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幕営地を求めて高度を上げると立派なカマドを発見。周囲には乾いた流木多数。水辺も不便ではない距離感。これ以上の好物件が他にあるだろうか。いや、ない。さっそく野営準備にとりかかる。

 

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まずは本日のホワイトベルグ。

 

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タマゴ茸を採取。笠が開き切っているため香りは飛んでしまっていた。

 

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パエリアとポトフ。

 

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そして夜はふけていく…

 

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二日目

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夜通し燃えていた焚き火は朝でも安定の火力。朝食を済まし残りの行程を進む。荷物は軽くなっている筈だが久しぶりの山歩きでややヨレを感じる。幕営地以降は倒木が増えてくるが立派な滝も健在。

 

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木賊谷と出会うといよいよ遡行終了も目前。最後のナメを登っていく。

 

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水流がなくなる直前に雲の間に青空が見え、秋を感じさせる風が吹いていた。ポンプ小屋で登攀装備を解除、甲武信小屋まで詰め下山路を下った。

 

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単独遡行 入川谷

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足慣らしの沢登りで奥多摩は入川谷へ行ってきた。思い立ったが吉日ってやつで単独遡行。ガイド本によれば遡行時間4-5時間、遡行グレード2級。遡行時間はともかくグレードに関しては単独ってことを考えると少し緊張感が漂った。

 

薄曇りの奥多摩

IMG_5739[入渓地点]

 
当日は薄曇り、気温もやや低め。稜線付近はガスっているが雲間から日差しが時おり差し込む。あんまり濡れたくない雰囲気でイザ入渓。

 

IMG_5745[土砂で埋まったトバ倉骨]

 
入渓直後のミニゴルジュは濡れたくない一心で右壁をヘツる。あやうくドボンしかかったが無事突破。倒木が多いと思ったら左岸が崩壊していてゴルジュはほとんど埋まっていた。悲しい。

その後、平凡な河原と伏流地帯を淡々と進み「布滝」まで。変化に乏しく、やや退屈。

 
IMG_5767[外道滝]

 
「オキの倉骨」を抜けて「外道滝 5m」に到着。可能性があれば登攀したいと考えていたが残念ながらホールドが乏しい。右岸から巻く。

 
IMG_5776[銚子滝]

 
つづいて「銚子滝 8m」が姿を見せる。こちらは左上バンドが弱点となりそう。さらに上部は凹角状になっている。プロテクションをセットする余地もありそうな雰囲気。おそらく凹角はツルッツルに間違いないがそこは気合いで突破だ。ま、もちろん単独トライなんてするわけないけど。こちらも右岸から巻く。

速滝

IMG_5780[速滝下段]

 
いかにも奥多摩的な仄暗い速滝に到着。ハイライトとなる滝だがこれも登れず。右岸から巻くが、可能な限り滝に近いラインを辿り下段の落ち口へトラバース気味に到達。

 

IMG_5793[速滝上段]

 
上段は立派な滝。巻きは右岸からルンゼ詰め岩稜を上がる。

 

IMG_5800[小滝が続く]

 
ロクな滝登攀がないまま終わってしまうのかと危惧したが小滝がチラホラ。とは言え物足りない。

 

IMG_5803[5m滝]

 
ようやく5m滝が出現。快適に水流右を抜ける。

 
IMG_5806[快適な二段滝]

 
さらに10m滝。これも快適。

 
IMG_5807[やや悪い二段滝]

 
もう終わりかなーとおもったらまだまだ。今回の滝の中で一番手応えがあった。

 

IMG_5810[ラスト多段滝]

 
駄目押しの滝。抜け口直下がハングしている。灌木にプロテクションを取ってハングを乗っこす。

 

IMG_5813[落ち口から]

 
これにて遡行終了。右岸に仕事道が続き鳩の巣方面へ抜ける。

 

IMG_5816[鳩の巣駅への登山道]

 
2級の沢ということで気合いを入れて入渓したが終わってみると登攀要素が少ない印象だった。銚子滝を直登できれば一気に遡行価値が上がる気もするが、そうすると3級くらいになるんだろうか…
鳩の巣駅への登山道は古い石垣があったり部分的に広葉樹が生えていたりとよい雰囲気だった。

 

 

那珂川源流 井戸沢 遡行

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開放的な沢は樹林帯のそれとは違った魅力がある。3000m峰の稜線で味わう爽快感に近いが、またひと味違う趣だ。登攀的要素も重要だが、源頭に近づくにつれ広がっていく感覚、これこそが最大の魅力だと思っている。その手の沢と言えば上越方面がまっさきに思い浮かぶが、今回は体力的事情によりコンパクトな沢をセレクト。「那珂川源流 井戸沢」を遡行した。

 

恐怖核心

前日発で都内から深山ダム入り。ダムへの峠道にさしかかる頃にはジャスト丑三つ刻。ワイフの手前、気丈に振る舞っているがハンドルを持つ手に汗が滲む。仕事のBGMとして稲川淳二を聞いたことを激しく後悔するが後の祭りだ。あと少しでダムというところで突如、真っ暗なトンネルが現れる。トンネル内に照明はなく、涙目になりつつ通過。ようやく深山ダムに到着するがガスに霞んだ湖畔は心をざわつかせる。極めつけは公衆トイレ。いったい誰が丑三つ刻にこのトイレを利用できるというのか。いつもとは違う意味で恐怖核心であった。

 

IMG_2815[早朝の深山ダム]

 

熊注意(ガチで)

翌日6時起床、車で林道終点まで。そこから入渓地点へ小一時間。熊の出没が多いようで林業のおじさん達から何度も注意喚起を促される。出来るだけ大きな声で話しながら三斗小屋跡に到着。石灯籠や鳥居のある不思議な場所で夢とも現ともない不思議な雰囲気。大日如来像に安全祈願をして一服入れる。

IMG_2825[三斗小屋跡目前で開ける]

IMG_2829[石灯籠]

IMG_2832[大日如来]

IMG_2835[不思議な雰囲気の鳥居]

 

入渓

IMG_2853[入渓地点]

 
9:30登攀具を装備して入渓。すぐに井戸沢出会いとなるが水流がまったくないので確信が持てない。一旦峠沢を偵察遡上した上で井戸沢と判断して入る。堰堤までは完全に伏流が続き、わずか5−10分にも関わらず汗が噴き出す。ちなみに「東京起点 沢登りルート120」の遡行図には堰堤は記載されていないので注意が必要。

IMG_2848[新調したサワーシューズ]

IMG_2854[井戸沢出会いは完全に水流無し]

 

核心は末広の滝15m

IMG_2861[しょっぱなから核心]

 
堰堤を越えると水流が復活し、F1-3m滝となる。ほどなくしてF2-15m滝、井戸沢核心となる末広の滝が現れる。水線突破を探ってみるが右壁はブランクが続く上に、ヌメヌメ。左壁はクラックがあるが脆そう。そして抜けがかなり悪そう。大人しく右壁から巻く。

末広の滝以降はしばらく小滝と癒しのナメ滝。やはり水量が少ないようで全体的にヌメりがち。10m級の滝を越えていくが、ホールドが豊富なのでヌメりを気にせず快適に登攀できる。

IMG_2859[F1 3m]

IMG_2862[末広滝直後のナメ]

IMG_2867[10m滝 ここは右から]

IMG_2868[10m滝 こっちは左から]

 

18m階段状滝

IMG_2872[遠目に見るとヤバそう]

 
そしてようやく18m階段状滝。遠目には登攀困難に見えるが近づいてみるとなるほど快適なテラスが豊富。ここもヌメりが酷かったが問題なく突破。その後も快適に小滝を越え、気がつくと源頭の雰囲気となる。最後のトイ状滝を越え枯れ沢となってからの詰めが想像より長かったが、ほぼコースタイム通りに稜線へ抜ける。

IMG_2894[快適な小滝]

IMG_2902[源頭の雰囲気]

IMG_2914[しかし意外に長い詰め]

 

稜線へ

稜線上では2000m未満とは思えないスカイラインにトンボが舞っていた。

IMG_2929[笹とトンボ]

IMG_2931[大倉山への縦走路]

IMG_2941[大峠への縦走路]

雲行きが怪しいので早々に下山。大峠から峠沢を下降。下降中に雷雨となり待避も検討したが、川幅が広くゴルジュが存在しないため水量に気を配りながら継続。無事に入渓地点へと帰還。ゆっくり駐車場へと戻った。

IMG_2947[降りてくると木漏れ日]

色々と内容の詰まった遡行でしたが、熊にも遭うことなく増水に流されることもなく、無事に下山できたのは三斗小屋跡でお参りをしたご利益でしょうか。そんな三斗小屋跡ですが、調べてみると歴史的に複雑な土地のようです。調べるほどに現地で感じた不思議な感覚が色濃くなる、真夏の径でした。

奥多摩 水根沢 遡行

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毎度おなじみ、twallメイトの1000&コバ&アンジェラによる異色メンバーで沢登り。行き先は奥多摩を代表する小滝と泳ぎとゴルジュの水根沢。

ホリデー快速&バスで水根バス停に9:40到着。ゆっくりと身支度を整える。今回、沢装備を揃えた1000&アンジェラの沢靴が眩しい。

キャンプ場奥から入渓する。第一ゴルジュに入るが水量が多い。

IMG_2747[水流に押し返されるアンジェラ]

去年より水量が多いが快適に遡行を継続。そしてゴルジュに到達、果敢に登攀を挑む。

IMG_2776[へつりから突っ張りで突破]

IMG_2787[初めてだが果敢にへつる1000氏]

そして半円の滝へ。流芯の水量が前年比の倍に感じる。ここはオンサイト権を奪ってはならないとアンジェラの登攀を見守る。

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水流に足を取られないように着実に高度を稼いでいくが落ち口直下で断念。クライムダウンから右壁にエスケープ。クライムダウンの余裕があるなら間違いなく突破できると思うのだが…いや、言うまい。

続いて、1000氏のFLトライがスタート。同じく順調に高度を稼いでいくが股関節の柔軟性がボトルネックとなり右壁にエスケープ。

増水のため水線突破は困難かと思われたが、登ってみると問題無し。全員トップアウトしたところで遡行終了。雷鳴が轟く中、急いでバス停まで下山。豪雨を間一髪でかわして帰りましたとさ。

 

 

 

 

鹿股川 桜沢 遡行

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「子連れで無理のないハイキングができて、水量は豊富だが危険ではない河原で遊べて、実はその間にコッソリ沢登りしつつ、ナメ滝だけでなく登攀も楽めて、比較的涼しく、できることなら渋滞に巻き込まれたくない」というこの上なくワガママな要求に応えてくれる「鹿股川 桜沢」に行ってきました。当初は丹沢のモロクボ沢を予定していたところ、酷暑と渋滞回避のため急遽変更。こちらのサイトで有力情報を入手し、炎天下に焦げ付く東京から全力で脱出。

 

山の駅 たかはら

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桜沢の入渓地点へは「山の駅 たかはら」から下山でアプローチとなる。遊歩道はよく整備されているので子連れでも快適。中間地点に架かる「雷霆の滝」までゆっくり小一時間(大人なら20-30分)で到着。河原遊びに夢中のマイソンとしばし別行動。

 
IMG_2683[子猿のように戯れる]

 

咆哮霹靂の滝

IMG_2655[霹靂の滝12m]

 
遊歩道を下り切ると、そのまま入渓地点となり遡行開始。咆哮滝8mと霹靂滝12mが出迎える。まずは霹靂滝を偵察。右側のラインに可能性を感じるが、予想よりヌメる上にやや脆い。ビレイヤーがいれば途中の灌木にランナーをとれそうだが今回はソロ。諦めて咆哮滝を登る。こちらもヌメっているが傾斜が寝ているので特に問題はなし。

 
IMG_2654[咆哮の滝8m]

 

癒しのなめ滝

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咆哮霹靂の滝から上部は広い川幅になめ滝と瀞がたゆたう。存分に癒されながら遡行。標高が高いためか奥多摩と比べて水温は低め。当日はピーカンだったので気持ちよかったが、曇ってると積極的に泳ぐ気にはならないかも。

 

雷霆の滝

IMG_2692[雷霆の滝10m]

 
ほどなくして雷霆の滝に到着。マイソンにラーメンを作りながら雷霆の滝を登攀。水量の少ない中央ラインを突破、トップロープを設置する。出来上がったラーメンをすすりながらワイフの登攀にガンバを送る(滝の音でかき消されてたけど)。

 

IMG_2685[子猿のように戯れる其の二]

 

渇水のおしらじの滝

IMG_2723[おしらじの滝]

 

雷霆の滝以降もしばらく癒しのなめ滝が続くが、伏流帯に入った後、水量は回復せず「おしらじの滝」に到達。美しい青みがかかった釜を湛えているが滝に水流はなし。その後もゴーロ歩きを経て林道へ上がり遡行終了。

帰りは城の湯やすらぎの里。お風呂もご飯もバッチリだった。

増水の逆川

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猛暑に堪え兼ね、台風11号が通過した翌日、奥多摩は川苔谷逆川を遡行してきた。
メンツはZK夫妻とsig君。

日原街道から見下ろす日原川の水量はハンパなく「これ、支流とは言えどこまで遡行可能なんだろう」ってな案配。川乗橋バス停で下車、川苔谷本流を覗き込むと奥多摩とは思えない様相。谷川で見た湯檜曽川本谷の如くうねる白泡。

とりあえず入渓地点まで上がり、遡行開始。なんだけど、本流の徒渉がシビア。流されることは許されない状況、既に核心である。やや上流まで進み、比較的穏やかな瀞から徒渉。ようやく逆川に入った頃には既に小一時間が経過。

前半のハイライトと言えるF1-F3も圧倒的水量に阻まれ容易には進めない。7m滝に至っては前衛滝の突破すら困難なうえ、滝壺は完全に洗濯機状態。トポでは右壁が登攀可能と記されているが諦めて巻く。F3を抜けた時点で入渓からおよそ2時間。まだ全行程に10分の1くらいなんですが…この時点で敗退が確定。

 
IMG_3125[中間部ゴルジュ]

 

その後、ゴーロ地帯を抜ける。何でもない小滝も水量が故に楽しい。中間部のゴルジュをへつり、ザブザブの釜から2m、7m滝を抜ける。いずれも面白い突破だった。小ゴルジュを抜けた所で仕事道と出会い遡行終了。トポにある木橋は崩壊していたがトレースは明瞭、小一時間で林道に到着。

 

IMG_3133[ゴルジュ内の釜、滝を突破する]

 

シーズン初回から予想外にハードな遡行となったが、増水による影響を実際に知る貴重な経験になりました。ちなみに逆川は1級上ですが、緊張感に関しては2級の海沢より強く感じたかな。やっぱ水量多いと良くも悪くも濃密な遡行になるようです。

海沢谷 ーキャンパと胎内くぐりー

 
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私の愛読書「東京起点沢登りルート120」によると海沢谷は遡行グレード2級、ピッチグレードⅣ+と記されている。奥多摩に於いてこれを上回るグレードは存在しない。即ち、奥多摩最難の沢である。(遡行、ピッチともに同じ三郎ノ岩窪道があるため同位最難)

さらに登攀不可能とされている大滝(20m)、不動滝(10m)、枠木滝(10m)を突破した場合、一体どれほどのグレードになるのか想像もつかない。大滝に関しては流石に現実味を感じないが、枠木滝には十分な可能性を見いだせるし、不動滝も何らかの解決策があるような気がしてならない。実際に今回の遡行では「登攀不可」とされているネジレの滝で水線突破を達成した。兎に角、この沢の可能性に思いを馳せると胸が高鳴らずにいられないのだ。

 

キャニオニングと三ツ釜の滝

さて前日、私は良く眠れなかった。理由は前述した通り、海沢への熱い思いが故である。眠い目をこすって少し遅い9:30に入渓。程なくして三ツ釜の滝に到達、登攀を開始する。しかしそこで目にしたものは..

(つд⊂)ゴシゴシゴシ

(;゚д゚) ・・・

ビキニ姿の女性達であった。(これが噂に聞くキャニオニングというものかっ...)
優れた格闘家は周辺視野が常人より大幅に広いと言う。死角からの攻撃に備える為だ。何の話かって?もちろんルートファインディングに関してである。深い釜を眺めながら、左壁を注意深く抜けた。

 

ネジレの滝

 
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三ツ釜をこえると程なくしてネジレの滝に到達。海沢は全体を通して歩きが少ない。「東京起点〜」によると右岸から高捲きとなっているが、webで調べるとゴルジュ内部の右壁チムニーを抜けられるようである。とりあえずゴルジュ内部へ進む。前衛滝の左壁トラバースも面白い。

ゴルジュ内部は仄暗く神秘的というより不気味。実はオカルトチキンな私は「この中に白装束の女がいたら…」などと考えなくても良い事を思い浮かべつつ、極力ワイフの側を離れないようにした。

そして奥のCS滝をオブザベーションすると、あるではないか、ホールドが。それも比較的ポジティブな印象である。いても立ってもいられなくなり、白装束の女が居そうなゴルジュ左奥から回り込み滝直下に立つ。釜はあまり深くない。落差は6-7mといったところだが、釜の深度を考えると緊張感が増す。ロープを付けていないので軽い偵察のつもりだった。この時までは。

 
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右壁から登攀を開始すると予想通り快適なホールドが続く。しかし垂直部が終わり、上部のスラブに入ると一気にホールドが乏しくなり、突っ張り以外に有効な手だてが無い。クライムダウンも考えたがCSまで進めば終わるだろうと考え、フリーソロのまま前進、CS直下へ潜り込んだ。だが、この判断はあまり賢明ではなかった。

CS直下で一息ついた後、さてCSをマントルするかとホールドを探るが、あまり良いホールドが無い。CS直下から這い出てホールドを探したいが、僅か1m足らずのクライムダウンが容易ではない。足下はあいかわらず滑ったスラブでスリップしたら最後、6-7m下の浅い釜に落ちるだろう。乏しいホールドでマントルを返せない事も無いがあまりにリスクが高い。

上部からお助け紐を垂らしてもらうしかないかと諦めかけたとき、死中に活を見いだした。

CS奥には流木が詰まっている。初見では通れそうに見えなかったが、川床とCSの間隔は狭くない。流木を撤去する事が出来ればどうやら体が通りそうである。唯一の望みをかけ、賢明に流木を取り除いた。するともくろみ通り、人一人分のスペースが。こうしてマントルではなく胎内くぐりにより突破に成功。

改めて考えると、カムを決める余地は十分にあったので、他にも解決策は存在しただろう。しかし胎内くぐりによる突破で、非常に個性的な登攀となった。

一方で今回の登攀はリスクを取りすぎたと反省している。特にフリーソロに関しては致命的な事態を引き起こしてもおかしくはない。充実感はあったが反省点も多い登攀となった。

 

大滝と不動滝

少々ほろ苦い感傷に浸りながら大滝に至る。あり得るとしたら左壁が登攀ラインだが、あまりに現実味が無い。高捲きは右岸から、途中の灌木でピッチを切り2ピッチで越える。

 
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大滝を抜けると不動滝。登山道からは見えないため遡行者だけの特権である。下部まで偵察に行かなかったが、どうやらハングしている様子。次回、じっくりとオブザベーションしたい滝である。

 

枠木滝とキャンパで高捲き

 
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そして最後の難所にして核心である枠木滝。ここも高捲きが一般的であるが、右壁から左壁にトラバースし、左壁を登れば水線突破できそうである。いや、むしろそうあるべきだ。とワイフに力説するが、「おまえちょっと反省しろ」という意見をにより、おとなしく高捲き。だがここで、史上最高の高捲きを体験する。

まずは右岸の草付きから高捲きを開始する。ルンゼを抜け、灌木でピッチを切る。既に高度は落ち口に達しているのでここからはトラバースとなる。通常は一度懸垂下降し登り返すのだが、ダイレクトなトラバースラインが見える。薄くハングしたフェイスにガバホールドが続き、加えてランナーは信頼性十分な灌木である。このラインこそが「自然な登攀ライン」だと思えてならない。

そして、おもむろにトラバースを開始、右手に大きな棚があるが遠い。細かい足を拾うべくホールドを探すが保持しているのは10級レベルのガバホールドである。ジムでもそうそう出てこないドガバだ。次の瞬間、選択肢は三点支持ではなく「キャンパ」に変更。沢登りにあるまじきダイナミックムーブで突破を果たした。

 

再び三ツ釜の滝

枠木滝以降は水流が細くなるのでこの時点で登攀終了。軌道を辿り下山。海沢園地まで降りずに三ツ釜の滝上部に合流。目的はもちろん、「キャニオニング」である。

 
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登攀でも使わなかったゴーグルを装着していざスライダー。
最後までおいしい海沢谷であった。

単独遡行 鷹ノ巣谷

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たまには単独行もいいんじゃないかって事で奥多摩の人気ルート「鷹ノ巣谷」へ。
ガイド本に記載されてるグレードは1級、ピッチグレードはⅢ。

 
バスを降りると稲村岩が青空の下にそびえている。
鷹ノ巣頂上付近はガスの中だが快適な遡行を予感させる。

 
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入渓地点で装備を整える。LTE回線がまだ届く。さすが奥多摩。

 
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事前情報通り、ほぼ全ての滝が水線突破で遡行可能。
河原をサクサク進んで、水線のボルダーを超え、またサクサク進む。理想的な展開。

 
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ガイド本の参考タイムの半分ほどで核心部の大滝18mに到達。右壁の登攀を開始。ガイド本通り非常に快適。だが、あまりにも簡単過ぎるので左壁にトライしようかと考えがよぎる。しかしあくまでも単独行。自重して進む。

 
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パートナーがいれば左壁、あるいは水線突破にトライすると面白いだろう。

 
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大滝以降は崩壊も進んでいるが、時折現れるワサビ田跡が美しい。

 
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奥二俣からの詰めはこれまたガイド本の通り、ザ・パワークライム。稲村尾根のノーマルルートへの合流をぎりぎりまで粘り、頂上寸前で合流、入渓から3:15で鷹ノ巣頂上に到達。スピードソロを指向している訳ではないがサブ3を狙いたい所だ。

 
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下山は稲村尾根を下るのが一般的なようだが六つ石山への稜線が美しく、行程としてもOneWayとなるこちらをセレクト。最後の舗装路がやや長いのが辛いが、非常に充実感のある行程となった。

 
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あ、そういえば「もえぎの湯」は今回も満員で入れなかったよ。

大鹿川平ツ沢

2週連続でズミ沢。

一回目はヤマーンチームとSigくん。

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二回目はZK夫妻。

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今シーズンは色んな人を沢デビューに誘ってるけど、いずれも非常に好評。
改めてこのアクティビティのポテンシャルを感じますね。やっぱ夏は沢ですよ。

ZK夫妻は既にアルパインスキルがハンパ無いので、ワンランク上の沢に行っても良かったかもしれない。
特にZK旦那に関しては核心12m大滝をフリーソロ(しかもラバーソールである)で突破してきたので間違いない。

温泉で食べた天ぷらが旨かった。
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