グンマには獅子岩というイカした名前の岩場があるー。
ということを知ったのはいつのことだったか。たぶん子持山のバリエーションルートを調べていた時だろう。スポートマルチの存在を知ったのは更に後になってから。完全にクライミングに傾倒してからだった。
いつか登りたい。けど技術も装備もない。ま、そのうち機会がやってくるだろう。そう思っていた。たぶん2,3年くらい。
するとフトした拍子でその時はやってきた。よりにもよって真夏に。
アプローチ
前夜発で現地入り。落石による通行止めのため3号橋付近に車を留める。当日は薄曇り。真夏にしては条件は良さそう。林道を歩いて屏風岩まで30分前後、獅子岩までは更に50分前後。
登山道を詰めていくと道標にたどり着く。「この先危険」の方向に進むと岩壁基部が少しずつ姿を現す。
1,2,3pitch
出だしのピッチは繋げて登るのが一般的だが敢えてピッチを切ってワイフにリードをまかす。ちなみにトップは空身なのでフォローはダブルザックという苦行。なかなかハードなアップである。
3p目は巨大なフレーク。#6があれば決めてみたい。特に意味は無いが。
4,5,6pitch
核心(5.8)となる4p目はグレードの割に難しいという話だったが、体が暖まったか荷物に慣れてきたのか、ここまでで最も快適にロープを延ばす。とは言え日が照ってきて暑い。
そこから頂上直下のテラスへはピッチを繋げて抜ける。スラブなのでロープが重いことこの上なし。
テラスでしっかり休んで最後の”おまけ”ピッチを登り岩頭へ。景観はいいんだけどとにかく暑い。
下山
下山路は屏風岩へ続く痩せ尾根ルート。妙義山と何となく似ている。道中でタマゴ茸やらスズメバチの巣など変化に富んだ下山だった。
長い間登りたいと思っていたルートが登れたのは嬉しいことだが、充実したかと問われると首をかしげる。瑞牆山のトラッドマルチを登る前に来ればもっと緊張感や充実感、感動を味わえたかも知れない。課題とは常に一期一会なのかもしんない。