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冬のいざない2P目

まだまだ夏真っ盛りですが5年ぶりに「冬のいざない 2P目」のレッドポイントができた。

 

 
 
 
 
 
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Ken Yamagami(@gamiken_kappalab)がシェアした投稿

今回は娘氏をつれてカサE氏とすずめちゃんに付き合っていただいて小川山キャンプ。初日はテキトーにボルダーを娘氏と遊んだ後に藐姑射岩へ。せっかくなので5年前に敗退した「冬のいざない2P目」をトライさせていただく。前回はフレアパートでなすすべくもなくフォールしたわけだが、今回はギリッギリで耐えレッドポイント。5年の歩みとしては鈍亀もいいとこだがまあ登れたのでよしとしておく。夜は焚き火のよこで娘を寝かしつけて晩酌

翌日は大弛み峠から五状岩へ。初心者コースとはいえ往復4.5hを娘氏はしっかり歩いてくれました。森林限界が気持ちよかった

photo by suzume

summer high

6月から8末にかけて、いわゆるオフシーズンにのぼったやつあれこれ。

不動沢下のハング課題

初めてトライしたのはちょうど2年前。スタートから数手がムーブがあり面白い。しかし落ちまくったのは最後の一手という辛いパターン。この日は初めてのナイトボルダーだったわけですがランタンの灯の下、ワントライ目で登れた。いい課題だった。

メメクラック

ねじねじの岩場は4年ぶり。前回来たとき、美しくかつ激ムズそうなクラックがあると思っていたら実は「ねじ式 四段」だったわけで、改めてご対面。まあスタートしかできなかったけどな。4年前は「ねじ式」の前に木が生えていた気がするが伐採されたようで切り株だけが残っていた。ちょっと悲しい気がした。

「ねじ式」を挟んで両隣のトップロープ課題をボルダーでトライする。「メメクラック 5.10b」はフィストパートが湿っていたがハンドとフットジャムをねじ込んで突破。乾いてても結構難しい気がする。充実した。

ねじねじ

「ねじねじ」は快適なフェイスからスラブ。上部にボルトが打ってあるが、設置される前に登りたかったなと。まあ上から落ちたら「イシャはどこだ!」ってなるので理解はするのですが。

ハンドジャム課題

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「私を三倉につれてって」の右となりのワンポイント課題。ハンドジャムを効かせてマッチするのが良い練習になる。濡れてなければ…だが。

瑞牆レイバック

一体何年寝かしたのがもはや不明だが、ようやく「瑞牆レイバック」を登った。ランディングにあった岩ってこんなに小さかったのかと。色々と感慨深かった。

プーシェ & 穴社員

スラビスタとkidsでクジラ岩周辺。名作3級をトライ。プーシェはいい課題だった。OSできなかったけど。穴社員はかろうじてOS。その後ウイスキーボトルの2級とか3級を登ったり…

虹の入江

そして3年ぶりの虹の入江。前日もトライしてみたがどうにも3手目が取れない。スラビスタの足ナビゲーションのおかげでなんとか完登。ありがとうございました。ただ3年は寝かしすぎた感があって、もう少し集中的にトライした方が充実するんじゃないかな。

帰りに「雨月」をトライするとこれが超絶面白い。こいつは長期熟成させずに登りたいと思いました。

カサブランカ

 

というわけで3年かかってスーパークラッシク課題のひとつ、「カサブランカ」を登りました。

いやー、それにしても充実した。100%出し切ったクライミングでした。ですが嬉しい反面、3年経ってもあんまり上達してないんだなと、現実を突きつけられた気もします。

序盤に至っては濡れてる&ブランクのせいで上達どころか前回よりぎこちない有様。おかげで無駄な力が入って膝が強烈にガクブル。たしかに中間部のフレアワイドパートはこれまでのトライよりも確実に前進することができましたが、ジャミング云々より適切なサイズのシューズで挑んだことが勝因だとおもいます。まあギア選びもクライミングの一部なんですけどね。終盤では奮闘系の様相を呈しながらギリッギリの完登になりました。

ま、見てるほうは楽しかったかもね。次回はパリパリのカサブランカを快適にリピートしたいと思います。

 

ホリデー OS

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早々に充実したので快適そうなやつを登ろうと思って、ベルジュエールの大フレークをスケールダウンしたようなルートに取り付く。トポには「おそろしげなグルーブが…」とか書いてある上に初登は室井&吉川という快適とは程遠い条件が揃ってるのに何故か快適さを求めて取り付く。

果たして出だしから充実感あふれる展開だった。

フレークそのものは足を上げていけばランナウトもなんてことない、快適フレークでした。

 

シルクロード

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最後はM坂マンとスズメ氏に混ぜてもらってめっちゃ久しぶりのボルトルート。ミニマムボルトがかっこいい。ルートの展開もメリハリがあって非常に興味深い。ムーブはだいたい解決したので機会があればまた訪れたい。

天気予報は悲観的な内容だったが、結局雨は降ることなく夕方までガッツリ登って帰りましたとさ。

あ、ハイライトは以下のinstaをぜひご覧ください
 

夏トレと秋雨

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満を持して小川山ボルダーへ行った。夏の間に研ぎすましたスキルを全力で投入する構えだったが、なんつーかシットリ。一見乾いているように見えた岩肌はほぼ例外なく取り付けば実にシットリ。

分岐岩

「分岐4級」を登って、「中央3級」をトライ。フリクションが低くて辛い。何とか登ったが右に逃げた感があるので快適なときに再挑戦したい。

「MNP」も触るがポッケの中がシットリ。ポッケマッチで右手を甘めに持ちたいがフリクションが低すぎて厳しい。

AIT

石魂に移動して「AIT」をINOさんとトライ。実にフィンガリーな課題。三手目まではなんやかんやで解決したがソコからの足位置が解らない。フリクションも低いし指の負荷も高いのであまり深追いせず。

テンペル・タットル

箸休め的にランジ課題に遊びにいく。初見では絶望的に遠く感じたホールドだったがトライを始めてみると可能性を感じる。ダブルダイノではなく片手を残した立ち上がりムーブでスローパを止めるムーブが面白い。フリクションが良くなれば楽しそう。

犬岩

悪名高い「レイバック9級」を登る。ハイボールという程の高さではないと思うけど初心者には厳しいかな。ワンポイントのスメアにスパイスが効いてました。

そして最後は「虹の入り江」にトライ。足位置を探しながら水平ホールドに手を伸ばすが全く足が極らない。ムロ氏が気合いの完登を見せるが氏のフットホールドとは没交渉。その後INO氏の足位置を参考に微調整を繰り返すと劇的に左足の上げが改善。水平ホールドは捉えられなかったが次回は登れそう。

秋雨前線

というわけで二言目には「フリクション」と言ってたけど面白かった。1000ジェラ夫妻によると「前週より遥かにマシ」とのことだが前週はいったいどんなだったんだ。

改めて感じたがボルダーはルートに比べて湿気やすい。地面から近いからだろう。やっぱ季節とコンディションによってクライミング対象は慎重に選ばないといけない。

一刻も早く秋雨前線の解消を心から願う。

夏トレ

7,8,9月は週2.5ペースで江戸川橋。135,110度の課題を登ったり設定したり。2/3級が2本と2級が1本が登れた。BCTの初段も登れそうなのでそれなりに成長してると思う。右手中指関節にやや痛みがあるのが気になる。

体幹トレーニング系は夏前の1.7倍程度増やした。といってもあくまでもコンディショニングとして。強度ではなく動作時の連動性を意識するイメージ。身体がクリアになる感じでヨガやってるみたいな感覚。(ちゃんとヨガやったことないけど)

昨シーズンあたりからクラックとボテ系フリクションクライミングに傾倒していてスラブやカンテ、スローパーやフレークが大好き。高い足位置を拾って甘いホールドを効かせる動きやプッシュからのアンダー取りとかが楽しい。強傾斜でカチを引きつけフッキングをこねくり回していたのはいつのことだったか…我ながら変われば変わるもんだなーと思っている。(あ、もちろん強傾斜もトウフックも大好きです)

藐姑射岩

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夏の間はクラック修行に全力で勤しむ予定だったが気がつけば9月も半ば。最後にクラックに行ったのはいつだったか…思えば短い夏だった。

もっともこれからがベストシーズンってやつで、岩の状態も身体の状態も上向いてきている。去年は良い入り方ができたので今年もそうありたい。

 

森林浴 5.8 MOS

そんなわけで2ヶ月ぶりに小川山でクラッククライミング。藐姑射岩というオシャレな響きの岩場にやってきた。パーティー内にリピーターが居るかと思いきや全員初見。四人仲良く百岩片手にルートを探す。

上部、下部を一通り偵察した後、「冬のいざない 5.10b」がある下部にベースを固める。取り合えずアップで「森林浴 5.8」を登る。久しぶりのNPルートだがホールドが良いので安定してプロテクションを取っていく。印象的なフレークはやや期待ハズレだったが、快適に完登。M坂氏と交代。

 

冬のいざない 1ピッチ目 5.9 MOS

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続いて左隣りの5.9に取りつく。下部のダブルクラックをオブザベーション通りにカムを決め抜ける。上部がやや被り気味でムーブも意外性があって面白い。少々複雑なクラックラインがいい味を出している。

右へトラバースして上部を見上げると美しいクラックが目に飛び込む。スズメちゃん、カサE氏がトライしている2ピッチ目、5.10bである。これは早急に合流せねばと心に決める。

 

img_6351[かっちょいいライン]

 

大和なでしこ5.8 MOS

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中段テラスに上がり順番を待つあいだに凹角ルートを登る。下部でまごついたがよく見れば側壁にガバを発見。クラックとなるとクラックにばかりホールドを求めてしまう。もうちょっと肩の力を抜いて登りたい。上部にやや脆い部分もあるが概ね快適。M坂氏もリード。
 
 

img_6354[扇岩の裏]

 

冬のいざない 2ピッチ目 5.10b 敗退

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そして件の「冬のいざない」核心ピッチ。先行トライを見ているので不要なギアを減らしてスタート。ハングまではスムーズ。このまま行けるんじゃないのとスケベ心が顔をのぞかせる。#0.75をタイトフィットさせ十分にレストを入れる。

そして肚をくくって核心へ。するとあま〜いフレアハンド。実に激甘。たまらず引き返す。もう一度確認して再度クラックへ手を伸ばす。しかし極まらない。周辺をまさぐるがどうにも極らない。もう一度引き返し再度アタック、まったく同じ展開。

行っては戻りを4,5回繰り返し、このままじゃあラチがあかないと覚悟を決める。今一度カムを確認、#0.75は申し分なく効いている。30cm下には#2もしっかり効いている。カムが外れることはほぼないだろう。墜落距離も長くない。しかし腰下にカムがある状態での落下は未経験、緊張感が高まる。

しばし呼吸を整えフレアーハンドにジャミング、やはり甘い。そのままフットジャムをねじ込みさらに両足でフットジャム。すると今までにない安定感が生まれ、ついに右手を送ることに成功。しかし次のホールドが絶望的に遠い。苦し紛れで突っ込んだフィストは何の解決にもならずフォール。結局カムエイドでトップアウト。

今にして思えば、両足フットジャムから立ち込むのが正解だったかもしれない。「もっとハンドジャムが上手くならなければ」としきりに言ってたけど足をしっかり極めれば手も極るんじゃないかな。試してないけどそんな気がする(そうであってくれ!)。

 

img_6357[ヘキセンを決めたくてしょうがない人]

 

冬景色 5.7 MOS

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ここからはワークアウトモードでM坂氏とバチ効きハンドを堪能。

 

発熱の街角 5.10b TO

さらに「もう一本だけ」と日が暮れかける中、スラブに取りつく。しかしガスが降りてきたこともあり痛恨のスリップ、OSを逃す。そのまま上部のレイバックを抜けトップアウト。コンディションは悪いけど楽しい。

そしてM坂氏と交代するとなんと雨。お互いにあせらず細心の注意を払って回収。ヘッデン下山となった。

所感

5.9以下のクラックで一日遊んだが色々と気付くことがあった。

まずは落ち着いてカムセットが出来るようになったこと。アイスクライミングのスクリューセットより落ち着いて作業できる。

そして、フットジャム。やっぱ足と腰ですね。コイツが極らないと手も極らない。こういうのを巷では基礎と呼ぶのだろう。

最後にシューズ。前回、足の痛みでカサブランカに敗退したことから、痛くないシューズを求めてやまなかった。そして今回、モカシムでのフットジャムを試したところ全く痛くないことを確認。やはり攻めた靴でフットジャムはよくないんだよ(今更)。まさに目から鱗が…

というわけで朧げながらクラックに必要な要素が分かってきた気がする。次は不動沢に行きたいなー。

 

img_6346[アプローチで見つけた分岐岩]

真夏の卒業試験

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超絶猛暑到来ですが、果敢にも小川山に行ってきました。

流石に難しいルートは完全スルー、5.10台を中心に日頃お世話になっているINO氏のリードクライミングを全力でサポート。

前日はマラ岩方面と屋根岩方面のどちらが快適なのか、諸先輩方からご意見を伺いマラ岩方面を選択。ちなみに、これまで「屋根岩」のことを「尾根岩」だと自信満々で呼んでいたことは秘密だ。

 

だがシケシケ

そして当日、リバーサイドから妹岩を経由し、姉岩まで高度を上げながらめぼしいルートに取りつく想定でアプローチ開始。ほどなくしてリバーサイドに到着。

だが、そこに待っていたのはシッケシケの壁。あまりの潤いっぷりは沢かと言わんばかり。早々に妹岩に移動。

しかし妹岩も幾分マシとはいえシッケシケ。せっかくなので一本くらいは登ろうとトポに載っていない「見た感じ簡単そうだし、10a/bくらいなんじゃね?」にレッツトライ。するとお約束の如くこいつが激悪。居合わせた方によると「11のどこか」らしい。そりゃあ悪いよね。A0でなんとかトップアウトして回収。

まったくアップにならないままマラ岩へ向かう。混雑状況次第では「レギュラー」あたりを登りたかったが、やはり待ち人多し。634君に挨拶して姉岩へ上がる。

 

センター試験 5.8

姉岩まで上がってくると流石に乾燥した岩肌。やや日差しが強いが許容範囲。まずはスラブを登る。INO氏が果敢にMOS。なんの問題もなさそう。後に続くが乾いているだけあって快適そのもの。

 

卒業試験 5.10b MOS

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そして今日の本命、「卒業試験 5.10b」にトライ。中間部のホールドが下からでは全く検討が付かない。現場処理に賭けてスタート、懸念していた中間部はやはり悪い。なんとか突破するがグレードより遥かに悪く感じた。ホールドを見落としたかもしれない。

INO氏も無事FL。核心部で「これボルダーだったら迷うことなく体上げれるホールドなんだけど…」と唸っていたがアッサリ完登だった。

ライン取りも個性的で面白い一本だった。

 

yamashi 5.10b MOS

上部に移動して、短い垂壁を登る。これと卒業試験が同じグレーディングとは思えない。昔の人は緩傾斜が本当に強かったんだなーと我々は姿勢を正すのであった。

 

ゴールドグリッター 5.10a MOS

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更に上部に移動して、右端のスラブを登る。ややボルト間隔の遠いがホールドは良さそう。ラインは複数考えられるが最も無難に見えた右カンテラインを選択。すると最後のクリップがやや遠い。スメアが湿気でずるりと滑りヒヤっと。

滑った本人よりビレイしているINO氏のほうがビビっておいでだった。冷静にダイレクトラインに合流して無事完登。終了点からの景色がきれいだった。

 

Ka-Ching! 5.10a FL

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スラブはもういいかなってことでポジティブかつダイナミックな印象のルートを選ぶ。INO氏が快適にMOS。続いて完登、実に快適。

 

ハラペーニョウルトラHOT 5.10d MOS

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そしてこの壁最長にして最難の一本に取りつく。中間部の灌木は限定がありそうだったが、下部テラスからダイレクトにあがっても容易に手が届いたのでアンダーをガッツリ保持して上部へ抜ける。

上部でヒールフックからのノーハンドレストを気分よくこなすと、最後は大胆なランナウト。こちらも終了点からの景色が良かった。

INO氏も無事にFLするが、二人の意見では「卒業試験のほうが難しいのでは…」という印象。

時期的に緩傾斜は格段に悪くなるし、ハラペーニョには限定があるのかも知れないが、やはり卒業試験は登り応えのあるルートなんだと思う。あ、もちろんハラペーニョも面白かったです。

 

大きな松の木の下で 5.10a MOS

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撤収時間が差し迫る中、ワークアウトの一本。出だしがやや悪かったが、その後は特に問題なし。INO氏は終了点の結びかえを無事修了。

蛇足で「入学試験 5.10c」を触ってしまったがフリクションの低さに左ルンゼからトップアウト。これは涼しくなったらやりましょう。

 

所感

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この時期の過ごし方として、5.10台のルートを沢山登るというのは良い選択だと思う。とは言え快適に登れるのは垂壁からだろう(可能であれば前傾壁も登りたいが花崗岩で5.10-5.11の前傾壁は多くない)。スラブに執着すると登れないばかりかラバーの摩耗がハンパない。

正直、こんなにもスラブが豹変するとは思っていなかった。改めて気温と湿度がフリクションに及ぼす影響を痛感したのでありました。

ジャミングドラゴンへの道

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小川山にクラッククライミングに行った。

昨年5月以来、1年2ヶ月ぶり。この間、城ヶ崎クラックや瑞牆マルチ、その他トラッドルートをコツコツと登りそれなりに手応えを感じていた。ここらでひとつ、現在の実力を測ってみるのも悪くない。あの時とは違う圧倒的に成長した姿をカサブランカに見せつけてやるぜ、そう思って妹岩を訪れた。

 

愛情物語 5.8 MOS

とりあえずアップで最も簡単なNPルートを登る。ジャミング要素は皆無。快適にカムセットを確認して完登。

 

龍の子太郎 5.9 RP

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続いて昨年トップロープで登っているタツノコにトライ。前回はハンドジャム初挑戦につきかなり強引な登りになった記憶がある。最後のマントルも無理やりなムーブだった。

まずは出だしに#1を決めて乗り込んでいく。クラック内はやや湿っているがジャムの効きはよい。冷静にプロテクションをとって高度を上げる。テラス手前でレイバックへ移行し乗っ越す。灌木をつないで終了点まで。

NP特有の緊張感こそあれどあっさり完登。ひとまず成長を実感する。

 

カサブランカ TO

続いて今日の大ボス「カサブランカ 5.10a」にトライする。こちらも昨年トップロープで登っている。核心部の「バチ効きのハンドジャム」とやらがまったく効かず、激痛のフットジャムに泣かされズタボロになったのはいい思い出である。

下部でのグラウンドフォールに注意と何かで呼んだので気合いを入れて取りつく。

最下部のやや甘いクラックを慎重に抜けバンド手前で#3を決め乗っ越す。既に足の疲労感を感じるが無視。カムをセットして十分に休み、次のバンドを目指してジャムを決める。不安定な体勢でカムを選ぼうとするが何かに引っかかってギアラックが回らない。なんとかセットをするが今度はロープがフットジャムに噛み込んでクリップに難渋。

半端なく消耗したところで核心直下のバンドに到達、#4を決めてマントルを返す。見上げると視線の先にはフレアしたクラック以外にホールドは皆無。じっくり休みたいところだが消耗が激しく十分な回復は見込めない。意を決してフットジャムをねじ込み気合いで立ち込む。しかし激しく足が痛い。数手進めたところで不安定な体勢からカムをセットするがメンタル、フィジカルともに限界となりテンション。

その後、A0混じりでセットしながらとりあえず上まで抜け、ロワーダウン後にトップロープでムーブのおさらい。昼寝を挟んでラストトライに挑む。核心まではスムースに進んだが核心でフットジャムをねじ込んだ瞬間に自分の体が終わってることを実感、数手進めてフォール。

まだまだ修行が足りなかった。

 

届け手のひら TO

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完全にヨレているがここからのスラブが面白いところ。定番の駄目押しスラブとして「届け手のひら 5.10c」に取り付く。

もちろんOS狙いで虎視眈々とムーブを読んで高度を上げていく。しかし中間部の大穴でムーブを間違えフォール。そのままムーブを探って核心へ。ここでも狙ったホールドが甘くあっさりフォール。最後は指力マックスから立ち込んでデッド。そういえば笠間の石器人スラブも同じようなムーブで登った気がする。もうちょっとスラブらしく足技で登りたい。

ま、次回いつになるんでしょうな…

 

フットジャム修行

というわけでタツノコには通用したがカサブランカには見事に跳ね返された。

この一年あまり、プロテクションとハンドジャムはそれなりの数をこなしてたきたがフットジャムに関してはほぼゼロだった。前者の成長を垣間見れた一方で後者の未熟さを痛感することになったのは、つまりそういうことだろう。

S兄貴曰く「俺はカサブランカよりタツノコのほうが登りにくいよ」とのことだが、個人的には「ワングレードの差とは到底思えない!」って感じだ。

何が辛いってフットジャムの痛さ。技術的な未熟さは当然だが、シューズも見直したほうがよさそう。今回使ったシューズはフェイス用サイズ感なので指の曲がりが深い。フットジャムをねじ込むと親の仇のごとく足指の第一関節が圧迫される。

アナサジレースの値段とにらめっこしながら、まだまだドラゴンは夢のまた夢、タツノコが精一杯だと痛感するのだった。

おれはまだ本気出してないだけ

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一泊二日で晩秋の小川山をエンジョイする予定がまさかの雨で予定変更。結果、有笠山リード&小川山ボルダーという贅沢な展開に。

 

Blast−off 探り便

初日の有笠山は「ルンルンしんすけ」を安定の1tension。まだまだ時間がかかりそうなので、得意の浮気心MAXで「Blast-off」を物欲しそうに見つめていると、ウッチパイセンから「だめだよ、浮気せずにルンルンしなきゃ!」と叱咤される始末。(ちなみにパイセンはルンルン2撃。強すぎるだろ)

だが、チカマ隊長とトモコさんのムーブを見てると「我慢?なにそれ、美味しいの?」状態に。パイセンが昼寝してる間に知れっと浮気を敢行。起きる前に登ればバレないのだ。

するとこれがもー最高に面白い。隊長のいうとおり、ジムナスティックなムーブが波状攻撃かっつーくらいに来襲。ヒールやらトウをフックしまくりこねくり回しハングとがっぷり四つで抜けていく。初めて見た時は「ジムっぽいルートはジムで登ればいいじゃん」的な発言をしておりましたが敢えて言おう、「ジムサイコー!!」だと。ボルトが錆びてるのが玉に傷だが、最高のルートと出会ってしまった。

核心部でハングドッグしているとウッチパイセン起床。浮気現場を抑えられたが、こういう時は言っておかなきゃね。「浮気じゃないんだ、本気なんだ」と。

 

ギガント 初段 RP

翌日、眠い目をこすって国分寺で634号でけーこさんとともにピックアップ。小川山で1000/アンジェラ/INOパーティと合流。

「バルカン 二段」を1000&INO両氏が解析する裏側で「ギガント 初段」をエンクラ。人気課題だけあって、人が多く集中しずらいけどRP。面白い課題だった。その後、少しだけバルカンを触って、朱雀門に移動。

 


[誰も居なくなったので再登してみた]

 

朱雀門

suzakumon[正面からだと垂壁に見える]

 

ランジの二段と聞いて消極的だったが、飛んでいるとガバに届き始める。これはワンデイもあるかもと沸き立つがそこから進まない。明確なガバにがっつり手がかかってるのに振らては落ちる。振られもそんなに大きいわけでもないのに、なんだろな〜。面白いもんだ。

 
IMG_3619[横から見ると被ってる]

 

駐車場に戻ると「The Two Monks 二段」を登った634くんが安堵の表情で迎えてくれた。本当におめでとうございます。そしてお疲れ様でした。

 

破廉恥クライマーのススメ

最近、身の回りの二段完登の報せが珍しくなくなりつつあります。ここは俺も稼ぎにいくかと、勢い「みんな登れてるから飛沫やってみようかな」と発言すると大炎上。

「そんなケーハクなトライでいいのか」
「スラッシュフェイスはどうしたんだよ」
「あんた、変わっちまったな…」

全く、耳が痛い限りでございます。
や、でもあれだよ、まだシーズンインしたばかりだからライトな課題からですね…(飛沫はライトじゃないだろ)

そんなこんなで東京に戻るとタローくんから「ルンルンしんすけ 5.12b」のRP報告がっっ。まじかー。つよいなーー。すげーよ






あ、あしたから本気出してやるぜ!

小川山トリコロール

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長い充電期間を経て、ついにボルダーシーズンが開幕。最高のフリクションで存分に指皮を削ろうと目指した先は小川山。久方ぶりのクラッシュパッドを背負いこみ、夜明けに集うはあの三人。コバ、ミケ、俺氏でいざ行かん廻り目平。

 

634、現る

快調に中央道をひた走り、須玉のセブンイレブンに到着すると、おや?見た顔が。

近年、飛ぶ鳥を落とす勢いで難課題を完登している634君である。聞けば小川山に行くとのこと、現地でセッションできるといいねーなどと談笑しつつお買い物。

しかし、我々は気づいてしまった。彼らの男女比に。その比率たるや驚愕の3:2。対する我々は純度120%のオッサントリオである。これが格差社会って奴なのだろうか…コバ号の車内はさながらお通夜の如くであった。

 

変人 一級 RP

634君からプレゼントされた予期せぬプレッシャー(予期プレ)にもめげず、石楠花エリアに向かう。とりあえず「変人 一級」のガバでアップ。

その後、トポにある通りSDでトライ。顕著なアンダーホールドからスタートするが、あまりの簡単さに一同釈然とせず。今一度トポを見直し、左端のダブルポッケからスタートを試みる。すると一転して意味不明、スタート不可に陥る。

「さっきのでいいんじゃね?」「や、でも何かいい手がある気もする」つーかんじでゴニョゴニョすること数十分。伝家の宝刀トウフックでスタートを解決、さっくりRPをキメる。トウフックでシットスタートを攻略する、個人的には強烈にツボるフェチ課題であった。初登したクライマー氏とは朝までトウフックについて語り合いたいものだ。

 

 

神の瞳 初段 2撃

首尾よく変態変人になったところで続きまして「神の瞳 初段」。既にトライを見てしまっているのでFlash狙いだ。既登のコバちゃんから恥も外聞も捨て根掘り葉掘りヒアリング。

そして1try目。順調に手を進めるが足位置が低く、リップ取りを外す。あえなくフォール、ミケちゃんとバトンタッチ。私のミスった足を確実に捉えてヒラリとリップをパーミング。危なげなくマントルを返して文句なしにFlash達成。この男、底知れず。

634君につづいてミケちゃんからもプレッシャーに晒されるなか、慎重にRP。2撃というよりFlashを逃したというほうが近い。エイハブのほうが苦労した記憶がある。ま、強くなったってことでいいんじゃないすかね。

 

 

達筆 三級 RP

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石楠花エリアでもう少し手ごたえのある初段ってことで「一筆 初段」を打ちに移動。しかし、スタートはできるが初手が取れず。手ごたえアリどころか手強すぎ。達筆に鞍替えするが、これも3Qにしては悪い。なんとか完登するがやばかった。

 

ベヒーモス 一級 RP

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最後にファンタジー岩。前回、と言っても一年以上前にマントル敗退した「モルボル 初段」を回収する構え。しかし、今回もリップのスローパーのホールディングがままならない。

一体この一年何をやってたのかと自分を責めるが、そういえばこういうホールドに嫌気がさして、石灰岩やら凝灰岩やら、どっかぶりリードに向かったんだと独り納得。

ミケ・コバ両氏からアドバイスをもらい、なんとなく保持れそうな気配になってきたが、お隣の「モルヒネ」とか「ベヒーモス」が気になって浮気。

ミケちゃんがビシバシとパワフルなパーミングを繰り出し「ベヒーモス 一級」をRP。つづいてこちらはソロ〜リ手を出してRP。いい課題だった。モルボルの回収は、派生ラインだがムーブが面白い「モルヒネ」に託そうかな!

 

 

帰りは安定の境川。この日は、肉の日ってことで豚汁がサービス。最後の最後で予期せぬプレゼントを頂戴し、シーズンインとしては十分な成果を噛みしめましたとさ〜。

CrackBerry

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先週のなんちゃってクラックに引き続き、今回はガチクラック。舞台は瑞牆ではなく小川山。遂にクラックデビューを果たしてきました。

ちなみに今回は2days。おなじみUEchangと金曜夜発で土曜はスポートルート、ジムメイトのS氏と廻り目平周辺。日曜は姐さんにご紹介いただいた山岳グループに混ぜていただきマラ岩周辺、余った時間はUEchangと石楠花ボルダー。スポート、クラック、ボルダーと一粒で三度美味しい週末を満喫してきた。

 

とろろ

 
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というわけで土曜は「とろろ 5.12a」にアタック。S氏の「イムジン川 5.11c/d」と交代でトライ。といっても完全に探り便の私と対照的にS氏はOSを視野に入れたガチトライ。厄介なプロテクションに悩まされOSは逃したが3トライでRP。圧巻の登りだった。初めてNPのビレイを任されたけど、ボルトルートより格段に緊張する。やードキドキした。

本題のとろろは苦戦しまくったが2トライでムーブ完成。長い上に傾斜が強く好ルート。脆いのが玉に傷だが絶対に登りたい一本だった。問題は小川山へスポートルートで来る機会があまりないってとこ。

 
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[イムジン川のライン]

 

龍の子太郎

 
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そして翌日、初の本格クラックデビュー。もちろんトップロープでレッツジャミング。秘伝のテーピングを施しハンドジャムをねじ込む(姐さん、リード&テーピングありがとうございました)。

が、いまいち効いてんのか自信が持てない。

手の甲が痛いのは確かだが、保持してる実感が希薄。それでもゴソゴソと探ると「痛みと保持の妥協点」みたいなのが朧げながら見つかり、なんとか高度を稼いでいく。息を切らしながらプロテクションを回収し、レイバックからやや強引にマントルを返して無事トップアウト。

初めて外岩をリードした頃の感覚が蘇るようだった。

 

カサブランカ

 

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そして名作「カサブランカ 5.10a」。なんとビレイをしてくださるのは開拓・初登者である竹本氏。こんな贅沢が許されていいのか分からないが全力で登る。

出だしから思ったよりも悪いが、ガバまで辿り付きレスト。そこから「超快適ハンドジャムパート」と噂される中間部に突入。しかし、まだまだ余計な力が抜けず超絶パンプに加え、フットジャムがスタックして悶絶。心が折れそうになりながらようやく切り株に到達する。そこから先も何度も諦めそうになったが耐えに耐えて遂に終了点へ。

トップロープでこれだけ充実したのはいつぶりだろうか。

その後、強々女性クライマーがスイスイと超快適パートを駆け抜けていく様を見ながら撤収作業。
姐さん、竹本さん、お付き合いいただきました皆様、勉強させていただき誠にありがとうございました。