月別アーカイブ: 2017年6月

30日間登らないとクライマーはどうなるのか

結論から先に書くと大きなパフォーマンス低下はなかった。

数値的な裏付けはないが保持力、体幹、バランス、コーディネーション、関節可動域は休止前と大差ない感じ。一方で指皮の弱体化は想像以上だった。ちなみに該当期間中は自宅にて自重トレーニングは継続した。

以下、もう少し詳しい報告と雑感。

Stats

具体的な休止期間は5/3-6/6の約一ヶ月。

この間のトレーニングは以下を中1-2日でルーティン。

  • 懸垂10回
  • 腕立て10回
  • バランス系体幹 2-3セット
  • 腹筋系体幹 2-3セット
  • 股関節系体幹 2-3セット

フルセットをハードに行うのではなく、7-8割の強度で継続した。鍛えるより整えるイメージ。余談だが忙しさのせいか体重が1-1.5kgほど減った。
上記を経て6/6に江戸川橋でリニューアルした舟壁をトライ、結果は以下の通り。

  • 若草3 FL
  • 若草F RP
  • 若草E バラし
  • 青H RP
  • 青G OS

休止前から青はOS圏内、若草はRP圏内なのでパフォーマンス低下はほぼ無い。あったとしてもごく僅かだろう。一方、前述したように指皮があっという間に痛くなってしまい3時間が限界だった。また、登り終わった後にタワシで洗おうとしたら非常に痛い。クライマーの手の皮厚すぎだろ。

ちなみに登る前は若草を1本登れたら御の字くらいに考えていたので、2本も登れるとは思いもよらなかったし、指皮が残っていれば3本目も登れた公算が高い。つーわけでパフォーマンス低下は無いと結論付ける。(減量による恩恵を考慮しても)

今後のトレーニング

というわけでパフォーマンス低下が防げたのを喜ぶと同時に、これまでのトレーニングが如何に非効率だったかを直視せざるを得なくなった。

「週一回だと維持はできても強くならない」とか「オフシーズンは週三回以上で登りこむ」みたいな考えを当然のように受け入れていたが、果たして正しいのだろうか。故障のリスクを高めてるだけでトレーニング効果は低いんじゃないだろうか。もっとストレッチとか疲労快復とかコンディショニングにリソースを割いた方がトータルパフォーマンスは上がるんじゃないだろうか。

今回の経験だけで適切なジム頻度を導き出すのは難しいが、それでも週三回はオーバートレーニングだと思う。しばらくは外岩も含めてクライミングは週二回に留めて、残りはレストとコンディショニングに充てたい。楽しいとつい登りたくなるんだけど、自分にとって一番大切なのは外岩なので、ジムで消耗しちゃうのは本末転倒なんだよな。怪我なんてしちゃった日にゃあもう…

という観点をもってやっていこうと思います。

ただし、指皮だけはジム以外に鍛え方がわからないので、情報をお待ちの方は(以下略

ひとつきぶり

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梅雨目前だが生岩を触ってきた。実に45日ぶりである。ジムへは数回通ったが、それでも一ヶ月ぶり。こんなにも長いブランクはここ数年記憶にない。間違いなく感動に打ち震えるだろうと思ったが、意外とフツーだった。

 

不動沢最下部

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今回はボルダー&トラッドな贅沢プランだったので不動沢最下部へ。以前から気になっていた林道を挟んで小クジラ岩と対面にあるボルダーで遊ぶ。

アップのつもりがマントル課題でいきなり爪を割り流血、さっそく花崗岩の洗礼を浴びる。

IMG_7720[SD課題]

IMG_7737[嘆きライクなライン]

続いて「嘆きの壁」っぽい渋い課題をスラビスタと探る。なんとなくムーブが出来てきたがフリクションが悪いのか指皮がヘタレになってるのか(たぶん両方)完登ならず。

 

二刀流

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道中のボルダーで遊びながら今回のメイン、「二刀流 二段」へ移動。スラビスタはお気に召したようだが三手目のタルいホールドが持てない。フリクションが悪いのか指皮がヘタレになっているのか(どちらかというと後者)。

しょうがないのでスラブで遊んだりツェルトを張って遊ぶ。そんなわけで二刀流の写真は無し(オイ)。

 

食パン

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二刀流とキャッキャウフフなスラビスタをたぶらかして上部にある「食パン 5.11d」に取り付く。ボルダーとしては初段となっているので高をくくっていると中間部までノープロテクション。

ボルダーとして登れる、というよりもプロテクション事情からハイボルダーにならざるを得ないって感じだ。逡巡した末にダイレクトラインを諦めてカンテラインからプロテクションをとって進む。

核心手前でフィンガーサイズを固め取ってムーブを探る。だが悪い。「地獄編」ライクなハイステップムーブが正解と思われるが厳しい。いっそランジしてやろうかと考えがよぎったが結局テンション。カンテから抜けてロワーダウン。プロテクションが悪いのかメンタルがヘタレになっているのか(やっぱ後者)。

代わってスラビスタもピンクポイントでトライするが核心は解決できず。2トライ目に賭けようとおもってるとまさかの雨。敗退となった。

 

どっ被りボルダー

IMG_7779

撤収ついでに出合いボルダーの偵察に行くと晴れ間が出始める。手頃なハングボルダーが見えたので締めのセッションを開始。するとそこへ名古屋から1000夫妻が登場。

手始めに右面のポッケ課題から触るがすでに指皮が売り切れていて辛い。ちょっと危うかったが無事OSに成功。スラビスタも続く。

続いてソーメイとハング部の凹角ラインを探る。リップまでは快適なガバホールドが続くが抜けが悪そう。木の根っこでトップアウトすればいいじゃんと言ってみるが全力で却下。知らぬまにクライマーとしての矜持が芽生えつつあるようだ。その後、指皮が売り切れているにも関わらず粘って最後はボディジャムっぽいムーブで完登。よいクライミングでした。

一方どっ被りラインは強度の高さから不可能感が漂いつつも、三人よれば文殊の知恵よろしくムーブが完成。ビルトリーガバにあと一手と迫るが指皮と時間切れで宿題となった。前半に触った課題も面白いので、(自分的)名前を知らない三部作は必ず登りたいと思います。あと最近毎回書いてるけど情報をお持ちの方がいらっしゃれば…

 

IMG_7759[どっ被り凹角ボルダー]

 

IMG_7763[出合いボルダー]

ハンドサイズは#0.2

IMG_7710

ご無沙汰しております。

先日、スーパーかわい子ちゃんと十月十日を経てご対面しました。周囲からはプッチョだサーシャだアシマだとお祝いの言葉を頂戴しています。個人的にはこれからはパメラだと思っています。それはさておき、岩とか山に限らず自然を愛せる人に成長してくれると嬉しいですね。

そんなわけで早くても秋シーズンまではあんまり登りに行けないですが、感触を忘れない程度にボーイズを連れて岩場には行きたいところです。

クライミングに限らず、家庭環境や仕事に大きな変化があるとスポーツや趣味を継続するのは難しくなります。特に高難度を追求する上で必要となるトレーニング頻度やパフォーマンスを維持するのは容易ではありません。

以前ならそうした部分に強い葛藤を感じもしましたが、最近は難易度の追及よりも未知の岩との出会いだとか、こども達とのハイク&クライムにシフトしてきたこともあり、わりとどうでもようくなってきました。

こういう風に書くと「ああ、ゆるく登るようになったのね」と聞こえるかもしれませんが(間違ってはないけど)、未知の岩に自らのラインを求める行為は、根源的な何かが宿っている気がします。

娘の5歳の誕生日には三つ星課題をプレゼントできるように、2mくらいのスラブやフェイスをストックしておきたいと思います。