月別アーカイブ: 2016年9月

榛名黒岩

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山梨方面が雨なので転戦して榛名。ところがどっこいこちらも染み出しMax。収穫の秋はなかなか来ない。テキトーにアップして「エンドオブザレインボー」を偵察に行く。北面はよく乾いていたが中間部に大きな蜂の巣があったので今回はパス。

重箱の隅 5.11b MOS

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ボルト3本ばかりのボルダリーなやつをトライ。核心部をじっくり粘ってオンサイトに成功する。最近大好きなバランスとムーブで登るタイプ。面白かった。となりにあるカンテラインも触ってみるがS兄貴ともどもムーブが解決せず。今度じっくり探ってみたい。

ルンゼ上部にあるラインも偵察に行くが全く登られていない様子で壁はザラザラ。「西18番ルート 5.11a」にトライするが2段目テラスでスーパーダイレクトに抜けようとすると予想以上に悪くてテンション。しょっぱい登りになってしまった。

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つる 5.11b RP

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最後は以前雨でOSを逃した「つる」にトライ。思った以上にヨレていたのでパンプから逃げるように手を進めて無事RP。やっぱ大事になのは呼吸ですね。

夏トレと秋雨

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満を持して小川山ボルダーへ行った。夏の間に研ぎすましたスキルを全力で投入する構えだったが、なんつーかシットリ。一見乾いているように見えた岩肌はほぼ例外なく取り付けば実にシットリ。

分岐岩

「分岐4級」を登って、「中央3級」をトライ。フリクションが低くて辛い。何とか登ったが右に逃げた感があるので快適なときに再挑戦したい。

「MNP」も触るがポッケの中がシットリ。ポッケマッチで右手を甘めに持ちたいがフリクションが低すぎて厳しい。

AIT

石魂に移動して「AIT」をINOさんとトライ。実にフィンガリーな課題。三手目まではなんやかんやで解決したがソコからの足位置が解らない。フリクションも低いし指の負荷も高いのであまり深追いせず。

テンペル・タットル

箸休め的にランジ課題に遊びにいく。初見では絶望的に遠く感じたホールドだったがトライを始めてみると可能性を感じる。ダブルダイノではなく片手を残した立ち上がりムーブでスローパを止めるムーブが面白い。フリクションが良くなれば楽しそう。

犬岩

悪名高い「レイバック9級」を登る。ハイボールという程の高さではないと思うけど初心者には厳しいかな。ワンポイントのスメアにスパイスが効いてました。

そして最後は「虹の入り江」にトライ。足位置を探しながら水平ホールドに手を伸ばすが全く足が極らない。ムロ氏が気合いの完登を見せるが氏のフットホールドとは没交渉。その後INO氏の足位置を参考に微調整を繰り返すと劇的に左足の上げが改善。水平ホールドは捉えられなかったが次回は登れそう。

秋雨前線

というわけで二言目には「フリクション」と言ってたけど面白かった。1000ジェラ夫妻によると「前週より遥かにマシ」とのことだが前週はいったいどんなだったんだ。

改めて感じたがボルダーはルートに比べて湿気やすい。地面から近いからだろう。やっぱ季節とコンディションによってクライミング対象は慎重に選ばないといけない。

一刻も早く秋雨前線の解消を心から願う。

夏トレ

7,8,9月は週2.5ペースで江戸川橋。135,110度の課題を登ったり設定したり。2/3級が2本と2級が1本が登れた。BCTの初段も登れそうなのでそれなりに成長してると思う。右手中指関節にやや痛みがあるのが気になる。

体幹トレーニング系は夏前の1.7倍程度増やした。といってもあくまでもコンディショニングとして。強度ではなく動作時の連動性を意識するイメージ。身体がクリアになる感じでヨガやってるみたいな感覚。(ちゃんとヨガやったことないけど)

昨シーズンあたりからクラックとボテ系フリクションクライミングに傾倒していてスラブやカンテ、スローパーやフレークが大好き。高い足位置を拾って甘いホールドを効かせる動きやプッシュからのアンダー取りとかが楽しい。強傾斜でカチを引きつけフッキングをこねくり回していたのはいつのことだったか…我ながら変われば変わるもんだなーと思っている。(あ、もちろん強傾斜もトウフックも大好きです)

藐姑射岩

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夏の間はクラック修行に全力で勤しむ予定だったが気がつけば9月も半ば。最後にクラックに行ったのはいつだったか…思えば短い夏だった。

もっともこれからがベストシーズンってやつで、岩の状態も身体の状態も上向いてきている。去年は良い入り方ができたので今年もそうありたい。

 

森林浴 5.8 MOS

そんなわけで2ヶ月ぶりに小川山でクラッククライミング。藐姑射岩というオシャレな響きの岩場にやってきた。パーティー内にリピーターが居るかと思いきや全員初見。四人仲良く百岩片手にルートを探す。

上部、下部を一通り偵察した後、「冬のいざない 5.10b」がある下部にベースを固める。取り合えずアップで「森林浴 5.8」を登る。久しぶりのNPルートだがホールドが良いので安定してプロテクションを取っていく。印象的なフレークはやや期待ハズレだったが、快適に完登。M坂氏と交代。

 

冬のいざない 1ピッチ目 5.9 MOS

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続いて左隣りの5.9に取りつく。下部のダブルクラックをオブザベーション通りにカムを決め抜ける。上部がやや被り気味でムーブも意外性があって面白い。少々複雑なクラックラインがいい味を出している。

右へトラバースして上部を見上げると美しいクラックが目に飛び込む。スズメちゃん、カサE氏がトライしている2ピッチ目、5.10bである。これは早急に合流せねばと心に決める。

 

img_6351[かっちょいいライン]

 

大和なでしこ5.8 MOS

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中段テラスに上がり順番を待つあいだに凹角ルートを登る。下部でまごついたがよく見れば側壁にガバを発見。クラックとなるとクラックにばかりホールドを求めてしまう。もうちょっと肩の力を抜いて登りたい。上部にやや脆い部分もあるが概ね快適。M坂氏もリード。
 
 

img_6354[扇岩の裏]

 

冬のいざない 2ピッチ目 5.10b 敗退

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そして件の「冬のいざない」核心ピッチ。先行トライを見ているので不要なギアを減らしてスタート。ハングまではスムーズ。このまま行けるんじゃないのとスケベ心が顔をのぞかせる。#0.75をタイトフィットさせ十分にレストを入れる。

そして肚をくくって核心へ。するとあま〜いフレアハンド。実に激甘。たまらず引き返す。もう一度確認して再度クラックへ手を伸ばす。しかし極まらない。周辺をまさぐるがどうにも極らない。もう一度引き返し再度アタック、まったく同じ展開。

行っては戻りを4,5回繰り返し、このままじゃあラチがあかないと覚悟を決める。今一度カムを確認、#0.75は申し分なく効いている。30cm下には#2もしっかり効いている。カムが外れることはほぼないだろう。墜落距離も長くない。しかし腰下にカムがある状態での落下は未経験、緊張感が高まる。

しばし呼吸を整えフレアーハンドにジャミング、やはり甘い。そのままフットジャムをねじ込みさらに両足でフットジャム。すると今までにない安定感が生まれ、ついに右手を送ることに成功。しかし次のホールドが絶望的に遠い。苦し紛れで突っ込んだフィストは何の解決にもならずフォール。結局カムエイドでトップアウト。

今にして思えば、両足フットジャムから立ち込むのが正解だったかもしれない。「もっとハンドジャムが上手くならなければ」としきりに言ってたけど足をしっかり極めれば手も極るんじゃないかな。試してないけどそんな気がする(そうであってくれ!)。

 

img_6357[ヘキセンを決めたくてしょうがない人]

 

冬景色 5.7 MOS

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ここからはワークアウトモードでM坂氏とバチ効きハンドを堪能。

 

発熱の街角 5.10b TO

さらに「もう一本だけ」と日が暮れかける中、スラブに取りつく。しかしガスが降りてきたこともあり痛恨のスリップ、OSを逃す。そのまま上部のレイバックを抜けトップアウト。コンディションは悪いけど楽しい。

そしてM坂氏と交代するとなんと雨。お互いにあせらず細心の注意を払って回収。ヘッデン下山となった。

所感

5.9以下のクラックで一日遊んだが色々と気付くことがあった。

まずは落ち着いてカムセットが出来るようになったこと。アイスクライミングのスクリューセットより落ち着いて作業できる。

そして、フットジャム。やっぱ足と腰ですね。コイツが極らないと手も極らない。こういうのを巷では基礎と呼ぶのだろう。

最後にシューズ。前回、足の痛みでカサブランカに敗退したことから、痛くないシューズを求めてやまなかった。そして今回、モカシムでのフットジャムを試したところ全く痛くないことを確認。やはり攻めた靴でフットジャムはよくないんだよ(今更)。まさに目から鱗が…

というわけで朧げながらクラックに必要な要素が分かってきた気がする。次は不動沢に行きたいなー。

 

img_6346[アプローチで見つけた分岐岩]

匠と怒濤とゴンベイ

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シーズンインにはまだ早いがカサメリ沢へ行った。「まだ暑いんじゃねーの」と口元まで出かかった言葉を呑み込んでお付き合いいただいたSAT6師匠とINO氏には頭が上がりません。

午前中はガスっていたが午後は快適。存分に花崗岩で指皮を削ってきました。

 

コセロック

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アップは定番のコセロック。白虎、青龍を登りたかったが下部がシットリ。バットマン取り付き部に至っては激しく染み出している。少し順番を待って「トータルリコール 5.10b」を再登する。2回くらい登ってるはずだが核心部はアドリブ全開。

続いて隣の5.10b。取り付きはびしょ濡れ。ガバ足にはナミナミと水が溜まっている。比較的濡れていない足を探して登る。結果、面白いムーブになったのでこれはこれでアリ。

INO氏は掛け替えの練習をしてロアーダウン。

 

怒涛のレイバック 5.11b RP

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アップ後、まだ登ったことのないコートダジュールへ移動。南に面しているが林のおかげでオランジュのような灼熱ではない。看板課題の「怒涛のレイバック 5.11b」に取り付く。

オブザベーションでは「中間部からが怒涛セクションなんじゃない」とか言っていたが、出だしからハンパない怒涛っぷり。加えてシケシケスメアにしっとりガバホールド。凹角に入り込みレイバックを作るが手も足もすっぽ抜けそうなフリクションである。実に恐ろしい。

パワフルなムーブと緊張感で呼吸が激しく乱れ、奮闘の末テンション。OS狙いだったがやや条件が厳しかった。その後、中間部のトラバースパートで危うくハマリかけるがなんとか打開。フレアードクラックをこれまたバランスの悪いレイバックで抜け、上部は炎天下のスラブ。ポジティブなホールドを探しながら慎重に抜ける。とりあえずトップアウトはできたがムーブは非常に荒削り。

続いてSAT6師匠がFLトライを開始。流石の登りで最適なムーブを次々と解明していく。勘所をしっかり押さえた匠のクライミング。勉強になるわー。

そしてINO氏。このコンディションでボルダラーにレイバック課題をやらせるのは酷ってもんだが果敢にもトライ。テンション入れつつも粘ってフレアードクラックまで。

2トライ目に入ると岩のコンディションが唐突に良くなり、シケシケスメアもしっとりガバも格段に良い。加えて匠ムーブの恩恵によりあんなにキツかった下部をスルリと突破。トラバースパートで手順を間違えるが、手堅く修正してフレアードクラックへ。ここでも匠のアドバイスを存分に活かして危なげなく突破。最後のスラブ面を着実に繋いで無事RP達成。

SAT6師匠もサクッとRP。ドロップニーフットジャムニーバーとでも言うべきお洒落なムーブを披露して登っていた。

INO氏は色濃いヨレ感を醸しつつトップロープでトライ。初回より圧倒的スムーズに抜けて無事終了点まで。リードでRPできたんじゃないかと思うほど安定していた。

 

りかちゃんバンザイフレーク 5.11a MOS

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〆のつもりでこれまたレイバック課題。ボルト二本目までがバランシーで緊張する。そこから数手も迷わされる展開。フレークに入ってからもクリップ体勢が見つからずハラハラするが大きく足を上げて打開していく。3P目を過ぎたあたりからハンドジャムもバチ効きで快適。最後のスラブ面がこれまた一癖あって充実の一本だった。

 

 

ごんべい4 5.11b TO

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シメたつもりだったがSAT6師匠のトライを見ているとどーしても自分もやってみたくなり、泣きの1トライ。師曰く「出だしからチョー怖いんですけど」という出だしのムーブは悪くて怖い。その後も典型的な花崗岩プッシュ系がメンタルと手皮を削ってくる。そして傾斜が緩くなったところで師曰く「てっきり核心終わったもんだと思ったらコレだよ」な絶妙のフリクションクライミングがスタート。

時期が良ければ突破できたかもしれないがここでフォール。あの手この手のムーブを試すが手も足も甘い。こいつは涼しくなるのを待つしかないかと諦めかけたが、なんとか最適ムーブを発見。次回が楽しみなルートとなった。

最近、この手の立体的スラブとでも言うべきルートが本当に楽しい。実は「怒濤のレイバック」より楽しかったかもしれない。下部の恐怖パートもいいアクセントだ。カサメリにはゴンベイシリーズが四本存在する。以前はテキトーな名前つけやがって、と思っていたが今ではシリーズコンプリートを密かに狙っている。