小川山にクラッククライミングに行った。
昨年5月以来、1年2ヶ月ぶり。この間、城ヶ崎クラックや瑞牆マルチ、その他トラッドルートをコツコツと登りそれなりに手応えを感じていた。ここらでひとつ、現在の実力を測ってみるのも悪くない。あの時とは違う圧倒的に成長した姿をカサブランカに見せつけてやるぜ、そう思って妹岩を訪れた。
愛情物語 5.8 MOS
とりあえずアップで最も簡単なNPルートを登る。ジャミング要素は皆無。快適にカムセットを確認して完登。
龍の子太郎 5.9 RP
続いて昨年トップロープで登っているタツノコにトライ。前回はハンドジャム初挑戦につきかなり強引な登りになった記憶がある。最後のマントルも無理やりなムーブだった。
まずは出だしに#1を決めて乗り込んでいく。クラック内はやや湿っているがジャムの効きはよい。冷静にプロテクションをとって高度を上げる。テラス手前でレイバックへ移行し乗っ越す。灌木をつないで終了点まで。
NP特有の緊張感こそあれどあっさり完登。ひとまず成長を実感する。
カサブランカ TO
続いて今日の大ボス「カサブランカ 5.10a」にトライする。こちらも昨年トップロープで登っている。核心部の「バチ効きのハンドジャム」とやらがまったく効かず、激痛のフットジャムに泣かされズタボロになったのはいい思い出である。
下部でのグラウンドフォールに注意と何かで呼んだので気合いを入れて取りつく。
最下部のやや甘いクラックを慎重に抜けバンド手前で#3を決め乗っ越す。既に足の疲労感を感じるが無視。カムをセットして十分に休み、次のバンドを目指してジャムを決める。不安定な体勢でカムを選ぼうとするが何かに引っかかってギアラックが回らない。なんとかセットをするが今度はロープがフットジャムに噛み込んでクリップに難渋。
半端なく消耗したところで核心直下のバンドに到達、#4を決めてマントルを返す。見上げると視線の先にはフレアしたクラック以外にホールドは皆無。じっくり休みたいところだが消耗が激しく十分な回復は見込めない。意を決してフットジャムをねじ込み気合いで立ち込む。しかし激しく足が痛い。数手進めたところで不安定な体勢からカムをセットするがメンタル、フィジカルともに限界となりテンション。
その後、A0混じりでセットしながらとりあえず上まで抜け、ロワーダウン後にトップロープでムーブのおさらい。昼寝を挟んでラストトライに挑む。核心まではスムースに進んだが核心でフットジャムをねじ込んだ瞬間に自分の体が終わってることを実感、数手進めてフォール。
まだまだ修行が足りなかった。
届け手のひら TO
完全にヨレているがここからのスラブが面白いところ。定番の駄目押しスラブとして「届け手のひら 5.10c」に取り付く。
もちろんOS狙いで虎視眈々とムーブを読んで高度を上げていく。しかし中間部の大穴でムーブを間違えフォール。そのままムーブを探って核心へ。ここでも狙ったホールドが甘くあっさりフォール。最後は指力マックスから立ち込んでデッド。そういえば笠間の石器人スラブも同じようなムーブで登った気がする。もうちょっとスラブらしく足技で登りたい。
ま、次回いつになるんでしょうな…
フットジャム修行
というわけでタツノコには通用したがカサブランカには見事に跳ね返された。
この一年あまり、プロテクションとハンドジャムはそれなりの数をこなしてたきたがフットジャムに関してはほぼゼロだった。前者の成長を垣間見れた一方で後者の未熟さを痛感することになったのは、つまりそういうことだろう。
S兄貴曰く「俺はカサブランカよりタツノコのほうが登りにくいよ」とのことだが、個人的には「ワングレードの差とは到底思えない!」って感じだ。
何が辛いってフットジャムの痛さ。技術的な未熟さは当然だが、シューズも見直したほうがよさそう。今回使ったシューズはフェイス用サイズ感なので指の曲がりが深い。フットジャムをねじ込むと親の仇のごとく足指の第一関節が圧迫される。
アナサジレースの値段とにらめっこしながら、まだまだドラゴンは夢のまた夢、タツノコが精一杯だと痛感するのだった。