シーズン最後の瑞牆は最低気温マイナス5度/最高気温6度。最後を飾るに相応しい冷え込みっぷり。
車内ではR&Sに掲載された「千日の瑠璃」と倉上氏のことでINO氏と盛り上がる。互いに「おれも男泣きするようなクライミングがしたい!」と熱量を溜め、寒さ対策とした。
アップ核心
しかし皇帝岩に着くとまだ日陰。日向を求めて花畑エリアまで下る。
一向にクライミングシューズに履き替える気にならないが、この程度の寒さで萎えてるようでは男泣きはできない。意を決して履き替える。
すると面白いほどスメアが効きスラブが楽しい。「花畑」向かいのスラブを数本登り「ラフレシア」を冷やかす。以前中腰スタートしかできなかったスタートだが、ヒールからトウに変更すると完全SDが可能となった。とは言え皇帝が目当ての我々は早々に移動。
皇帝を打つが二手目の感触がイマイチ。ムーブが短いので体が冷えるのも早い。しばらく打って阿修羅へ移動。
阿修羅 初段 RP
正直に告白すると前回マントルで落ちて以来、あまり前向きではなく塩漬け確定かと思っていた。だが、そんなヘタレを再び奮い立たせてくれたのが前述した「男泣き」である。そこには「マントル返せばいいだけだから今更…」などとのたまうヘタレマントル野郎はいなかった。
上部のポッケにゴミが詰まってないことを確認して早速1try目。足上げまで順調に進むが上手くフットホールドを踏めずフォール。
そして、短いレストを挟んで2try目。
初手がやたらと伸びる。こんなに近かっただろうかと思っていると、マッチの右手がクラック上部に届きそうになる。あわてて手順を修正、足上げからアンダーポッケへ繋げる。
さて、ここからが本題。気合をいれて体幹を締める。そっと荷重を移動させ上部へ伸び上がり、ほぼ何もないスローパーを中継。ジワっと上部ポッケに到達した。
一気に緊張感が高まる中、手を進めてマントルに入る。前回はここで落ちた。実際には落ちずに木に挟まったわけだが、集中力を切らすまいと渾身のマントルを返し、登りきった。
完登できた嬉しさはもちろん、マントル落ちした課題に対し積極性を取り戻せたことがなによりだった。男泣きできるほどのカタルシスは訪れなかったけど、そいつはいつかきっとやってくるだろう。
背骨岩
その後、背骨岩の「背伸び運動 3Q」「スケルトン 5Q」を股関節の柔軟性全開で完登。簡単だが高さのある上部も楽しい。
皇帝岩
4時頃に皇帝岩に戻り、日が暮れるまで皇帝。二手目を足で立ち上がり取りに行くがあまり良い感触がない。結局、ランジで完全に引きつけるのが正解に近そう。ただし、ランジの溜めでは壁に入りすぎないほうが吉。
ジェラ&1000氏と合流して、すっかり日の早くなった瑞牆を後にした。
所感
つーわけで、最後にご褒美をいただいた締めの瑞牆。涼しくなるのが早かったこともあり、9月の中頃から12月上旬までガッツリ登れたことにも感謝したいと思います。
看板課題にして室井氏最高傑作といわれる「阿修羅」がシーズンラストってのは出来過ぎな気もしますが、今後のクライミングスタイルを考える上で非常に示唆的に思えました。
春に戻ってくるときは「生命力」を触ろう。そして、「スラッシュフェイス」と2年越しの決着を。