古え人

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大阪からヒゲ氏が来てたのでINO氏、ZAKI氏を迎え4人パーティにて某岩場。ICを降りて市街地を通り抜け山間部に入っていくとマイナス2度の表示。日陰の気温とはいえなかなかハードな予感がした。

 

ちびちびトラバース 2級 FA

アプローチを開始してもなかなか日が当たらず寒い。とりあえず大ハングまで上がる。アプローチ慣れしていないZAKI氏に「アプローチ楽勝だよ!!」とか言ってたけどナマハゲから大ハングまではちょこっと登りだった。あと序盤の切り立ったトラバースでも面喰らってたな…この場を借りてテヘペロしておきます。

アップは大ハングの裏面。適当に掃除して簡単な課題を登る。「スイトラレバース」のスタートをやってみるけど極悪。左ハムストの調子もイマイチなので即座に鞍替え。ZAKI氏が「このトラバースあるかも」つって楽しんでる課題に参戦。

巨大ボルダーの足下をちびちびとトラバースするある意味贅沢な一本。

中央にある顕著な棚ホールドから右にトラバースして棚足まで来たら直上。トップアウトは木を使う。中間部の一見ブランクセクションに見えるところが核心。ムーブの組み立てが面白い。最後、木を掴んだ瞬間に訪れるパラダイス感で昇天。

ラインはアップでμ UP!が詳しい。

既に登られてるかもしれないけど、とりあえず「ちびちびトラバース 2級」と遊びで名前を付けておいた。情報をお持ちの方や、ご意見などがありましたらこちらまで。

 

大ハング

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スラブトラバースから一転してどっかぶりのランジ課題。

とりあえずスタンドで初手を何度か飛ぶ。飛距離は十分、指皮の消費を度外視して何回かやれば初手は止まりそう。その後は基本的に悪くなさそうなのでテンポよく行けば登れる予感。ってことで本日はここまで。ZAKI氏はまさかのマシンガントライでめっちゃ飛んでた。

 

ナルコレプシー

最上部まで上がってナルコレプシー。

既に登っている僕とINO氏はナルコ左面にあるのっぺりしたリップでマントル特訓。くそワリーんだが。左側に墜落時にヒットしそうな岩があるので右抜けを試みていたがどうにも解決不可能。

そうこうしているとZAKI氏がさっくりナルコをRPして参戦。マットを追加して件の岩を覆って左抜けを慣行。おや、なんかありそうな雰囲気…

ひょっとするかもと左抜けをトライしてみるといい感じに腰が上がってくる。あとはpushで返し切れば…と言いたいところだが上部が微妙に起きているのでバランスが悪く奮闘しているとヒールが抜けてフォール。なんどかやってみるが結局返しきれず移動。

ところで今まで気がつかなかったがナルコ周辺から古い時代の石垣が点在しており、そのまま谷筋を詰める形で続いている。100m上部にいくと過去に整地されたであろう台地がある。建造物のあとは見つけられなかったが興味がわく。

 

古え人 一級 RP

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良い時間になってきたので下山しつつ、これだけは登っておきたかった「古え人 1級」にトライ。前回マントルの悪さと日差しにやられて敗退したのは酸っぱい思い出、被ったカンテをフック系の足技で登るお洒落な課題だ。

一発目から核心の初手が止まるが、思ったより身体がヨレてることに気がつく。何度目かでマントルまで進むがやはり悪い。前回作ったマントルムーブをもう一度おさらいする。

INO氏と情報交換をしながら大切にトライを重ねていくとINO氏が鮮やかにマントルを返して一抜け。驚くほどスムースなマントルだった。どうやら手は送らずに返した方が良いとのこと。更に二手目の足位置を盤石な位置に最適化し時が来るのを待った。そして短いレストを挟んでトライ。初手取りは足下眼力ムーブ。二手目を最適化した足位置から的確に寄せ、リップに繋ぐ。更にリップを進めヒールを上げた。するとそのままマントルが返って後はバランスを取るだけとなった。

こんな最適なマントルがあったとは気がつくのが遅せえなーと思いつつ、良い課題が登れて嬉しかった。

最後はパスウェイを冷やかして撤収。次は48やって見たいぜ。

 

コンディショニング 2016秋

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秋というか既に冬なんだけど今シーズンのメモ

スペック

170cm 60.0±0.5kg

途中経過(9−11月)は初段 x 4本、5.12a x 1本という結果。9月が台風の影響で有効に使えなかったこともあり前年に比べて物足りない印象。自分的難易度は以下。

初段

易しいけど怖い x1
普通 x2
やや難しい x1

5.12a

普通 x1

食事と睡眠

普段の過ごし方も岩場の過ごし方も前年と大差なし。睡眠に関しては以前よりも早く寝入れるようになった。睡眠導入呼吸法みたいなヤツが一段と定着してきたかと。

ジムトレ

9月下旬にパスが切れてから週0.5くらいのペース。ソーメイと行くことも多く、体感的にはほとんどジムトレしていない。

ジムへ行かないと「大きな筋肉が落ちる」という意見を散見するが今のところ影響は感じない。二日前に久々にガッツリ登ったが、若草9,10,Iを登ることが出来た。ランジ課題のIが登れたことからも前述の筋力低下は感じなかった。ダブルダイノもほぼ3ヶ月ぶりだが4連続、3連続がこなせてるので維持出来ているという認識。

上記の筋力維持を可能にしているのは2日に1度のペースでおこなう懸垂10回と思ってる。筋肥大を目的とするのではなく、背筋を意識したフォームと、コーディネーションの確認を目的としている。

一方、ジムに行かないことで低下したと感じる部分もある。強傾斜壁でのリズムや呼吸、脱力などがそれにあたる。自分にとってジムっていうのはコーディネーションや神経系の維持に有効なんじゃないかと。

筋肉疲労と体重増加

筋肉疲労による体重増加はあまり話題に上がらないが、個人的には最も強く影響を受けている気がする。とくに大腿部周りの筋肉痛が酷いとき少し遅れて1kgほど体重増加が見られる。

いわゆる「筋繊維回復による浮腫」が主要因と推測されるが大腿部は大きな筋肉なので特に顕著。部位的にヒールフックを多用した場合や、下山で駆け下りた場合、これらの症状が発生する。

がっつり登ったときにかぎって呑んでるからだろ、というツッコミに対しては「呑まずに登って何が楽しいんだ?」と返したいと思います。

年末に向けて

「限られた時間」「消費者」に関してはシーズン終了のお知らせなんで来期に持ち越し。つーかハードボルダーはモチベーション的にひと月が限界です。シーズンの残りは自由なラインを登ったりマルチピッチに行きたい。

最近テーマになりつつある「自由な発想で登る」に関してですが、MTB界隈ではFreeRideという概念があり、「タイムを競うのではなく、取り回しの良いマシンで幅広くトレイルを楽しむ」みたいなスタイルがあります。

クライミングに置き換えると「グレードを追わず、身軽な装備で色んな岩を楽しむ」とでも言い換えればいいんじゃないかと思いますが、奇しくもFreeClimbingとFreeRideは共にFreeがPrefixされています。

FreeClimbingのFreeはAidからの解放を意味していたはずですが、現代において解放を望むものは何だろうか。

しっとり笠間

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小川山、瑞牆の最高気温が1-2度とかになってくると「あー師走だなー」って気分になるわけで、ちょっと早い気もするけど笠間に行ってきた。

当初はSSKの予定だったが紆余曲折を経て1000夫妻と。そういやこのお二方と笠間に行くの初めて。自分でも意外だ。

 

しっとり侍

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かねてから打ちたかった「サムライ返し 初段」のある大黒岩でアップ。今回はトポがないので自由な発想とやらに任せて登る。しかし全般的にしっとり。

アップの仕上げに裏面のフェイスラインをトライ。ノーマットでスタートしてみるが結構悪い。数回スリップ落ちしたところでアンジェラに先を越されたのでしれっとマットを敷いて完登。

そしてお待ちかねの「サムライ返し」にファーストコンタクト。スタート足こそポジティブだがその後は実に細かい。

とりあえず立ってみる。
足を上げて、なんとなーくpushな体勢を作る。

うんうん、なるほどね。

とりあえず一旦降りる。あくまでもクライムダウンであり未だOSトライ継続中であることをアピールするがスルー力の高い二人にはサラリと交わされる。

何度か同じ展開をループするが高度は一向に上がらず。最後は足を滑らせて強烈な張り手を見舞ってフォール。しかしこれは面白い。石器人スラブの様に保持力でゴリ押しできるタイプではなく、バランシーなムーブと繊細な足技を駆使する純度100%のテクニカル感が堪らない。

ただ、朝方はフリクションがね〜。それさえなければな〜。とか言いつつ移動。

 

ギル岩

続いて「Way Of The Gill」を拝みに上部岩場へ詰める。するとホソヤン氏にばったり遭遇。最近お子さんが無事産まれたそうです。おめでとうございます。

んでギルさんはというとこちらもしっとり。とくにクラック内部のフリクションが低い。ホールドも磨かれたためか部分的にチャートみたいにツルツルしている。先客のボルダラさんに混ぜてもらってトライするがいきなり右手がすっぽ抜けて吹っ飛ぶ。

その後、ボチボチと高度を上げていくが指皮、体幹ともに消耗が激しい。上部のスローパーに手を出す寸前まで進むが上手く行かない。ちなみにその場の雰囲気で下の岩を使わないで登っていたが、後からやってきた1000氏によると限定はなく使ってよいとのこと。まあグレード的にはそうだよな…と居合わせた誰もが納得。

尚、帰宅後トポを確認しても「下の石つかっていいよ!」と明確に書かれていた。とは言え自分の感覚で岩を見て「使わなくて登った方が楽しいんじゃない」と思ったのならその形で登りたいと思う。次に行った時にどう思うかはわからないけど。

 

ワシントン・クラブ 2級 RP

ギルで盛大にヨレたあと、自分的笠間代表課題にトライ。春シーズンに一度触っているが完登狙いというより最早クールダウンの心境。つーかこの時点で内心「ボルダー飽きたかも。ルートかマルチかクラックやりたい…」と思い始めていたことは内緒だ。

案の定甘いリップをマッチするがそっから進まねえ。

先客ボルダラさんと「やっぱむずいすなー。その足?あーそうっすよねー」とテンプレの様な情報交換をしているとここで1000氏登場。「リップが意外と保持できるはず」みたいなアドバイスをくれるが半信半疑。すると先客の男性クライマーが見事RP。おいおいそんな都合のいい展開ありですか、と「意外に保持できる」と噂のリップを押さえる。

うーん、良くねーよ。

だがもう少しがんばってみると意外に効く。お、これ次のスローパ届くんじゃね、、、と放った左手はしっかりスローパを捉えた。その後実に笠間的なマントルを返し完登。ややリーチムーブ感があったが嬉しいRPだった。

本日の教訓「信じる物は救われる」

 

シンプル・ファイター 1級 RP

初めて「シンプル&ディープ」や「エモーション」を触った時、この岩のホールディングの難しさに下を巻いたのを良く覚えている。

本日はささやかながらもジワジワくる成果を手にできたので、もう十分よねって感じでガンバ係にジョブチェンジ。今度はクラック装備を持ってきて「ターゲット」でもやるかなーと考えていると「何寝てんだ、お前の番だ」とアンジェラ。

「これOSできたらすごいよ」と1000氏が言うので取り合えず前情報無しでスタート、典型的なガチャ持ちである。こいつぁ一発でホールディング解決出来ないだろうと判断してクライムダウンする。そう、OSトライは継続中なのだ。

アンジェラはハイステップまでのムーブは出来上がってるようだが乗り込みに苦戦してる。しかしガチャ持ちは非常に安定している。既に日が暮れてスポット位置からでは詳細なホールディングは目視出来ない。しかも私は未だOSトライ中である。ふと「OSトライ中に他人のトライを見るとFLになるんすかね」と両氏に質問するがまたしてもスルーされることとなった。

その後、何度か足上げに挑戦するがどうも保持感が悪い。1000氏がもう少し奥まで探ってみた方が、というので試してみるとそれっぽい凹みを突き止める。すると足がヒョイヒョイ送れて、ハイステップ体勢に移行完了。ヨレててちょっと苦しいけど我慢の一手を出しダイクを掴む。そして完登。

 

おまけのエモーション

意外な成果に気を良くしたので最後は「エモーション」を1000氏とセッション。なんかスタートが個性的。一見ヒールフックかと思いきや、そんなわけないでしょと思わせつつ、結局ヒールフックだった。

初めはしっくりこなかったスタートだったが、数トライで腰の入りが良くなり左手の保持感Up。やや被りのタレたリップなので壁に入って傾斜を喰らった方が保持感は良くなる印象だ。ヒールと正対で壁に入るのは「皇帝」や「B岩 初段」と良く似ている。んで得てして身体のでかい人はつらい。

完全に日が暮れたところで上部の右ダイクに迫るが、ホールドを捉えられずフォール。しかしこれは面白い。いい宿題を貰ったところで撤収。

昼頃は「そろそろボルダーシーズンも終わりかなー(自分の気分的に)」とか思っていたわけですが、帰り際には次の笠間はいつにしようかとばかり。毎度のことながらゲンキンですが、なにか?

眼力

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珍しいメンバーで瑞牆ボルダー。

シーズンも佳境を迎えるところだが季節外れの春陽気。エリアによっては上裸トライになるくらいのポカポカ具合。寒くなったり暑くなったり読めない秋だよホント。

 

阿修羅

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植樹祭でSAT6師匠とKnさんとジョインしてハイキングコースから山形県エリアへ。

アップは阿修羅だ。何を言ってるのかわかんねーと思うが、M坂氏は到着するなりトライ開始。ザキ氏もミケちゃんもイソイソとシューズを履く中、ひとり周辺のボルダーで体をほぐす。

いい感じにほぐれてきた頃に阿修羅に合流。久しぶりにスタートをやってみると右薬指の皮がズル剥。幸い出血はなかったが「ちょっとまだクラックの状態が…」と呟いて即離脱。

SAT6師匠のレアトライを激写してから移動。

 

ヒドラ

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前回スラビスタとムーブを解決しているのでサクッと完登して大面岩下へ上がる構え。とりあえずミケちゃんをけしかける。ひとしきりムーブ迷子になった彼を見届けてからトライ開始。

件のフットホールドにバッチリ乗り込んで上部のポッケを捉える。やはり私の見立ては正しかったようだ。更に上部の良さげなポッケに手を伸ばす。が、やや遠い。「なんか違うなー」と言って降りる。その後同様の展開を二・三度ループしたところで「ちょっとまだポッケの状態が…」つーことで移動。

 

B岩 無名 初段 RP

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それから単身大面岩下。

なんやかんやで1年以上の付き合いだが初手が止まらないB岩をちょっとだけトライ。サンサンと照りつける日光のおかげで明らかにホールドが温まっている。今日も予定調和に終わるのかと思いきや…おや、止まった。

二手目のランジもこなし手を進めるが繋げてくると悪い。足が切れるが耐えてさらに繋ぐ。リップ直下のカチを捉えて勝利を確信したとこで滑ってフォール。安定のしょっぱさ。

気をとりなおして再トライ。初手は安定して止まるがまたもや滑ってフォール。強烈な猫パンチを見舞って流血。あまりの暑さに日が陰るのを待つか、いっそ移動しようかと迷い始めるが粘ってRP。心理戦を制したのはスーパー嬉しかった。

ちなみに初手止めの要は下半身だと思う。一見するとカチの保持力と思いがちだが、足位置、はさみ込み、腰の入れ方、重心位置など、下半身の安定感を高めることが重要だった。また、それらを十分に意識するため、スタートして下半身が安定するまでは次のホールドを見ないで視線を足元に残すと上手く行った。

意識と視線のコントロールは竜王のスタートと同じロジックだなーと思う。保持力、バランス力、ムーブ解決力など、クライミングスキルの一角に「眼力」を付け加えるべきだと申し上げたい。

 

限られた時間

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で、ようやくの本命課題。スタートから数手をリピートするが思った以上に辛い。B岩で結構消耗したのが原因だろう。非常に良くあることです。指皮の残弾も残りわずかなのでカンテ以降のムーブを解析。

強々クライマーが落ちまくってる最終局面のカチ取りが納得の悪さ。ブラインドでエッジの効いたカチにデッドを放つムーブ。迂闊に手を出すとザックリと掌を裂きそう。正対デッドやらフラッギングやら諸々を試した結果、トウフック的な何かに落ち着く。そこらで疲労と湿度上昇となり5時前に撤収。

今日も一日がっつり課題と向かい合えて幸せでした。繋がるかなー…

 

超最高露府

15007539_2147749785450311_1183085046_o[photo by satoshi hirayama]

 

SAT6師匠と昨年春以来のチョーサイコールーフへ行った。花崗岩らしからぬルーフは相変わらず立派でまさに天井。といっても僕の狙いはあくまでも下部の5.11cなんだけどね。匠はもちろんフルバージョンの5.12c狙いである。

 

錦秋トラベルチャンス 5.10d RP

見るからに花崗岩エッセンスを濃縮還元したかのようなルートでアップ。「これは是非マスターで行くべきだよ」とSAT6師匠が猛烈プッシュするので気合いを入れてスタート。予想どおり出だしからペタシなマントル。そしてステミングなハイステップ、向きの悪いフレーク、遠いフットホールドとアップにしては要求度が高い。寒さを理由にモカシム&靴下で取りついたことを後悔するが後の祭り。下部でスリップしてフォール。しょっぱい。

そのまま上部へ抜けてハング越え。ここの「試されてる感」は秀逸の一言。終了点までのランナウトも初登者の心意気を感じさせる。ロワーダウンして2回目で完登。技術的にも精神的にも花崗岩っつーか瑞牆らしさが抜群だった。次はマスターでRPしたい。

 

チョーサイコールーフ

そして今日の本命ルートにマスターで取りつく。下部は以前にトライしているのでシビアな足使いとリーチフルな核心部が印象に残っている。しかし細かな足位置は記憶になく、案の定下部でテンション。そのままルーフ直下まで抜けて本題の上部に入る。と、思ったよりもガバで快適。ヒールフックやらトウフックやら盛大にジムナスティックムーブを連発してテンション交えつつリップまで。

そして核心の抜け。瑞牆本では左から抜けるとあるが直上部に良さげな凹凸があるじゃないか。ものは試しとはたいてみるが…激甘。何度かムーブを探ってみるが慣れないルーフハングドックはぶら下がってるだけで疲れる。前傾壁とはひと味違う疲労感は腹筋やハムストリングに顕著。ポンピングによる指皮消耗も激しい。そして背後の空間が広いというのもジワジワくる。ランナウトなスラブやフェイスとはまた違った緊張感。一旦ロワーダウンしてレスト。

匠は絶妙なフットワークで下部をスルスルと抜けルーフ直下へ。ノーハンドレストを入れてルーフに突入。下から見ていると「あんなところに足あったかしら」だが安定して繋げていく。クリップがムーブと連携していていかにも疲れなさそう。スムースに抜け口をこなし残り1,2手というところで滑ってフォール。めっちゃ悔しがりながら降りてきてレスト。

大レストを挟んで2トライ目、右上パートを色々試しながら結局初期ムーブで突破。ひとまず5.11cは登れたーと思ってたら核心部で手の位置を間違えてフォール。ほんとしょっぱい。そのまま上部まで進んでルーフ抜けを探る。カンテとフレークを挟み込んでデッドするのが比較的良さげ。しかしその後に控える匠直伝の鬼ピンチや甘々ガストンとは真っ向勝負しかなさそう。今一度ダイレクトラインも探ってみるがやっぱねーなと諦める。既にヨレヨレだが気合いで抜け口を突破しマントルへ。ロープがクソ重いので堪らずボルトを踏む。そこから先も最終クリップが実に合理的(つまり遠い)。出し切ってトップアウト。

 

サイコールーフ下部 5.11c RP

もうヨレヨレだがせめて下部は完登しておこうと最終トライ。色々悩んだが右上パートは初期ムーブを採用。すると小さな発見があり劇的に負荷軽減。もっと早く気付けよって話だがそのまま核心もこなして無事完登。そしてルーフ直下でレスト。ノーハンドであるがやや股関節が疲れる。ゆっくりと呼吸を整えルーフに突入。比較的スムースに繋ぐが抜け口のクリップにまごつき盛大に消耗。強引に突っ込みピンチを掴んで乗り込む。右手を寄せてきてリップに手を伸ばしてフォール。まあ今の実力じゃここまでかな。くたくたになってロワー。

匠はなんとスタティックに抜け口をこなして見事RP。回収作業も高所作業者かしらってくらいこなれていた。いやー勉強になりますねぇ。

 

所感

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今シーズンの瑞牆ルートはこれが最後になりそうだけど、いいトライができたし色々と勉強にもなりました。

帰りは渋滞回避で下道。尚、MT車なので運転は完全にSAT6師匠にお任せ(猛省)。しかし運転が上手いのなんの。ワイディングをいいペースで抜けていくのに横Gが少ない。「え、その侵入速度で突っ込むんですか」と思うがまったくロールしない。コーナーの侵入角度がいいのかクリッピングポイントを抜群に捉えて抜けていく。クライミングのスムースさと関連付けるのはこじつけだろうか…

ホールディングスキル

imgp6948[写真と本文は関係ありません]

 

ルートやクラックなど最大強度が比較的低いクライミングから、ハードボルダーのような最大強度が強いクライミングに戻ってくると色々と(再)発見があって面白い。

最近強く実感したのはホールディングに関して。

先日登った「ジュゴン 初段」や「穴会長 V8」はいずれもホールディングによって解決、完登へ繋ぐことができた。

前者は左手親指のオープンピンチを発射ボタンピンチ(なんだこりゃ)に修正することでシットスタートからの一手目が飛躍的に安定した。後者は左手オープンポッケから俵ポッケへ修正し、それに伴い一・二手目の手順を入れ替えデッドの成功率を高めた。

両者とも初見では最適な持ち方がわからず、試行錯誤の末にたどり着いたホールディングだった。最近トライを開始した「消費者 二段(ホントかよ!)」「限られた時間 三段」も感触を確かめるようにホールドを馴染ませながら少しずつ高度を伸ばしている。

「感触を確かめるようにホールドを馴染ませながら」というのはルートではあまりやらない。限界グレードをトライしてないからって話もあるが、ルートではムーブの連続性やクリップポイント、レストポイントの試行錯誤が多い。たったひとつのホールドを穴があくまで凝視したり、あらゆる角度から撫で回したりは非常に稀だ。だからこそボルダーに戻ってきたとき、それまで日常的に行っていたあらゆる行為が新鮮に感じられ、そこに新たな解釈と知見が生じるんだと思う。

やっぱ色んなクライミングをするのがスキルアップには最適なんじゃないかな。

 

手首

具体的にはまず、手首。

以前からスローパなどは指だけではなく掌全体を使うことを意識していたが、最近では手首まで拡大解釈している。「指、掌だけでなく手首を使って効かせる」「手首の内旋、外旋モーメントの有効活用」などを意識している。

尚、個人的には右手外旋時では、2時~4時方向で保持力が最大となる。一方、12時~6時方向への内旋は故障しそうなのであまりやらない。

手首の重要性は花崗岩クラックやカンテのクライミングで再認識し、ボルダーで検証と言語化が進んだ。

 

力の効率化

次に、力の効率化。

単純にホールドに加える力を最大化させるのではなく、ホールドを起点とする力の流れを体幹の安定性やムーブにつなげたいと考えている。

「限られた時間」ではアンダー保持による右肘引き込みと右体側部のテンションがフットホールドの荷重に一役買っている。「ジュゴン」では左手親指の修正により左脇の絞り込みがスムースになり、背筋群を有効に使うことができた。

両者ともに「持ち感」に大きな変化は感じなかったが、ムーブの完成度は高まっている。あくまでも体感値だが「ホールドへの荷重量」に変化はほぼなかったと考えている。もし「ホールドへの荷重量が小さいままムーブが出せる」ようになったとすれば、一つの理想形じゃないだろうか。

保持力という言葉が示すように「単純にホールドに加えられる力」は重要な要素だ。だが「効果的にホールドに力を伝えられる能力」や「少ないエネルギーで保持できる能力」とかを開発できないかなーとぼんやり考えている。

かつてニーチェは言った「ホールドに力を込めるとき、ホールドもまたこちらを押し返すのだ」(うそですごめんなさい)

ハードボルダー御開帳

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ここんところ「本気のファンクライミング」が主流でしたがようやく「本気のハードクライミング」を開始しました。舞台はもちろん瑞牆山大面岩下エリア。パーティはINO&スラビスタ

 

猫頭ントル 初段 RP

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植樹祭から遊歩道を歩いて大面岩方面へ向かう。途中で猫頭エリアでアップ。しかしガスっててシケシケ。

マントル課題をトライする条件下ではないが看板課題なのでやってみる。当然のようにリップのフリクションは悪い。更に濡れた松の葉が広範囲に積もっている。そういえば阿修羅で痛い目を見たのも松の葉が一因だった。

あまり執着心はなかったがスラビスタの助言のおかげもあって最後は踏ん切り勝負のマントル。本人も驚きのRPだった。

個人的にはメンタル系マントル課題だと思う。奮闘系やテクニカル系ではない。だから登れたんだと思ってる。SSKの「なまはげ」を登れた時が真のマントリスト初段ではないだろうか。

 

消費者

ガスが晴れてきた頃に未公開エリアを見学して大面岩方面。日当たりがよく乾いてる。このエリアは冬のコンディションが抜群。

昨年「べしみ」を登った後にトライした「消費者」と再会。本日の目標は一手目だか二手目のホールド取り。コーヒ淹れたりランチしながらトライ。指皮を削りつつも少しずつ感触がよくなり、ついに止まる。

と同時に人差し指から鮮血がほとばしる。はい終了。

ちなみに止めた後も厳しいムーブが待っている。消費者は継続できないので「限られた時間」を探ってみるがこちらの方が指には優しくムーブ的にも可能性を感じる。今度はこっちもちゃんと触ろう。

 

ネズミオン

「ガルーダ」っぽいということで意気揚々とトライしたがガルーダより圧倒的に意味不明。三人で仲良くスタート敗退。きっつー。

ちなみに裏面のクラック課題は快適でした。

 

ヒドラ

最後は山形エリアに戻ってスラビスタ執心の「ヒドラ」にトライ。オブザベーションでは「あのポッケ、余裕で届くっしょ」とか言ってたが、いざトライしてみると遠いのなんの。試行錯誤したが結局クライムダウン。

その後、テキトーにサジェストしたフットホールドがスラビスタにズキュンと刺さって猛烈にテンション上昇。最後の一手を繋ぐ鍵となり、一気に完登が見えてきた。提案者本人はソリューションで踏めなかったが、次回オゾンに変えたら踏める…はず。

 

雑感

というわけで意外な完登もあったが、その他の進歩も含め実り多い一日だった。そして、久しぶりのハードボルダーには楽しいと同時にある種の安堵感を覚えた。

それは、こういったクライミングに対する貪欲さを、自分はまだ失っていないということへの安堵感だった。

僅か一手、いや一手とも呼べない微細な動きであっても、それが解決の糸口や成長の証であれば肚の底から喜ぶことができる。そういったプリミティブな部分を再確認することができた。

今シーズンばまだ一ヶ月以上残っている。

 

御岳ログ

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ミケちゃんと「田中くん」「ネクロフォビア」をトライした。御岳で本気トライするのは久しぶり。

田中くん

到着時は「やや湿っぽい」くらいだったが、昼前から完全に結露。ここは裏御岳と同じくらいコンディションが難しい。

スタンドで初段か一級、SDで二段という話だったが割とスムースにSDからスタンドまで繋がった。スタンドの一手目となるムーブも乾いていれば問題ない。次回のコンディションによってはRPできると思う。問題はコンディションなのだよ。

ネクロフォビア

こちらは比較的乾いている。相変わらずどっかぶりが凄まじい。

三手目が遠く何度かトライすると届くようになったが足が切れる。足元に視線を残したまま動くと足は切れないがミートしない。距離は十分に出る。むしろ出過ぎ。というわけで、距離感を磨いて足元を見たまま動くか、三手目を見て足元の意識をキープするか、いずれかを選択する必要がある。ノールックがかっこいいので前者を選びたいが果たして…

豚の鼻 一級

最後にワークアウトがてら「とけたソフトクリーム」で遊ぶ。なんとなく「豚の鼻」って課題があったよねと遊んでいたら登れた。一級らしい。ごちそうさまでした。

キッズボルダー開拓

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小僧クライマーズを連れて瑞牆キャンプへ行った。今秋初のキャンプ&クライミングである。

植樹祭広場でスラビスタと雑談したのちハットエリアへ向かう。植樹祭周辺より人気が少なく手付かずのボルダーも豊富。

まずはケロケロ岩のスラブでアップ。V0ならノッチは問題なく登る。ソーメイはスタートでまごつくがほどなく解決。

続いて入門岩。V1マントル課題を典型的なアザラシマントルで抜ける。V2は指が痛いっつーことで早々に見切りをつける。久しぶりのボルダーをノッチは自由に楽しんでいる様子。一方ソーメイは水晶探しに精を出す。

 

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移動してガンダーラまで上がる。「山ガール」をトライしながら周辺のボルダーを探す。大小様々、フェイスからクラックまで豊富に存在するが脆さや下地など、なかなか条件が揃わない。

 

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幾つか掃除してみたが結局ガンダーラ真下に位置する激低なスラブを掃除して登る。SDスタートは離陸までこぎつけたが初手が止まらず。是非解決してほしい。

一方「山ガール」はリップまで到達するもスイートスポットを逃し粘ったがフォール。その後、先客のクライマーさんが移動してしまったのでノースポット。最上部からランディングの倒木へとフォールしまくっているとノッチから「父さん、それ一人でやる課題じゃないんじゃないの?」と至極真っ当な意見を頂戴する。返す言葉もございませんとばかりに「ダイヤモンドゆかい」「やっこだこ」を登って本日は終了。

 

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植樹祭に戻りキムチ鍋を食べて9時くらいには川の字で就寝。

 

二日目

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翌日もハットエリア。植樹祭で二週連続SAT6先生と会って雑談。

穴課長まで上がって「穴会長」をトライしながら周辺のボルダーを探す。林道下に程よい高さのボルダーがあるがどれも苔が激しい。適当なスラブ課題を設定して苔ダリング。これはこれで楽しい。

 

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その後、左手ルンゼのテラスに小振りだが苔の全く付いていないボルダーを発見。ノッチは指皮完売により戦線離脱。ソーメイとムーブを探り少しずつ手を進める。当初は足が切れ切れだったがトライを重ねるごとに安定感UP。リップまで進みマントル体勢に入ったがヨレて完登ならず。これも是非完登してほしい。

 

穴会長 V8 RP

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さて、今回の本命課題の一つでもある「穴会長 V8」はガバポッケ取りが気持ちいい。当初は悪いホールドからの飛び出しに怯んでいたがホールディングと足位置の調整で解決。スタートからの数手を試行錯誤したのち本気トライ。上部でややまごつくが無事にRP。

一人でじっくりとムーブを解析しつつ、上部は未知のまま完登。出来すぎなんじゃないのっていうクライミングだった。

 

臍 FA(?)

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その後、林道下にある顕著な大穴からスタートする課題を登る。体感V3かな?

初登だと嬉しい。

 

ジュゴン 初段 RP

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植樹祭でテントを撤収してお蕎麦で昼食。最後は小クジラ岩で〆。

ソーメイは完全にチャンバラモードだがノッチはスラブなら登りたいと課題探し。簡単なスラブを登ったあと、何故かワイドクラックを登ることになる。大奮闘の末にFLに成功。完登後の彼の言葉は「二度とクラックはやらない」であった。

ジュゴンは過去に何度か触っていたがスタートがしっくりこないまま封印となっていた。今回も触り始めは同じような印象だったが左手のホールディングで一気に解決。気持ちよく初手を捉えてRPすることが出来ました。

 

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帰りは「おいしい学校」でお風呂に入ってさっぱり。境川でジェラートを食べて男三人による秋の開拓祭りは幕を閉じた。

 

 

デザートソング

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初めて「デザートソング 5.12a」をトライしたのは3年前くらいで、「大五郎 5.11a」をRPした日のことだった。「トライ」したと言っていいのか怪しいくらい何もできなかったと記憶している。「大五郎」のダメージを言い訳にしたが、細かい足置きや磨かれた石灰岩への対応、高さへの恐怖心、ムーブの引き出しのなさ、およそ思いつく全ての要素が足りず1クリップ目で音を上げたのだった。

その後、瑞牆を始めとする花崗岩ボルダーに魅了されると同時に、フリクションとは無縁のような河又には厭なイメージばかりが重なっていった。

しかし先日、3年ぶりにトライした「デザートソング」はあっさりとムーブが解決し、最初の本気トライで核心を超えるに至った。核心のスローパーはデュアルテクスチャかよってくらいにツルツルだったが怯むこともなく、高さやクリップへの不安もなかった。むしろケミカルボルトのおかげで安心感が勝った。

ボルダーやルート、トラッドやマルチなど、色々なクライミングに取り組んだ成果だろうか。3年という時間の重みを感じた。

 

湿度90%

天気予報では晴れ間も見えるとのことだったが、名栗の山間は霧が立ち込めててジットリ。お約束のような展開をミケちゃんとボヤく。軽くアップしてドローセット。厳しいムーブはほぼ無いが終盤の一手にやや不安が残る。足位置を確認して本気トライに備える。

その後、ミケちゃんの「モスグレイハンド」ドローセットをビレイ。核心をあっさり抜け、そのまま完登しそうな雰囲気だが焦らずムーブ確認に徹する。本人曰く「またチョークアップわすれてたー!」ってことでまだリードにはちょっと緊張気味。確かに呼吸が浅いような気もする。

で、早々に本気トライ開始。順調に核心に進むが左手が滑る。なんとか突破するがギリギリ。荒い息を整えて後半に突入。懸念事項だった一手を強引にデッドで止めるも予定外の足切れ。最終クリップをこなし残り2手と迫るが頭からムーブがすっ飛んで何故か正体ハイステップで突っ込む。んごーとフォール。はい、しょっぱい。他人にアドバイスする前に自分のクライミングを改善しろってことですよね。

 

最適化

というわけで久しぶりにガッツリハングドック、丹念にムーブを探ることにした。2015年の秋シーズンからオンサイトやグランドアップ、ミニマムトライに拘って、時には「手垢にまみれたムーブで登って嬉しいのか?」とまで言ったり言わなかったりしていたがここで宗旨替え。

するとまー楽しいのなんの。微妙なフットホールドの調整でホールドがぐんぐん近くなる。チョックーアップのタイミングやムーブの緩急など繊細な微調整を積み重ねた結果、飛躍的に完成度が高まる。ホールディングに関しては新たな発見はなかったが、全体の流れや些細な足位置を探求するのは本当に楽しかった。

そしてミケちゃんの「モスグレイハンド」完登を見とどけて本日2回目のトライ。チョークアップから核心のシークエンスを一気につなげレストポイントへ。ムーブはスムーズだったが前回トライの疲労もあってより一層息が荒い。ゆっくりとシェイクを入れ後半に突入。件の一手をスタティックに止め最終クリップをこなす。冷静に最後の2手を繋げて無事完登。久々に煮詰めたムーブは絶品であった。

 

ワークアウト

残った時間はお楽しみタイムで「ディレティッシマ・ドラゴン」。石灰岩といえばジムナスティックなムーブを連想させるが、意外にも花崗岩ライクな立ち込み系。ボルトの間隔も心意気を感じる距離感。これこそハングドックせずに登りたい。こんなルートがあるとは思いもしなかった。河又のことを知ったつもりで全く知らなかったんだなーと反省。僕が知らないだけで奥多摩の岩場にはまだまだ驚くべきルートがあるんだろう。

グランドアップの充実感も、ハングドッグの没入感もどちらも等しく楽しい。また一つ、自由にクライミングを楽しめるようになった気がします。