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サンセットボルダー

7年ぶりにサンセットボルダーを訪れた。前回いいところなく終わった「ファンタジスタ 二段」が狙いである。流石に7年も経てば強くなってるはず、あわよくばワンデイ(と言っていいかは当人の記憶力次第)といきたいところ。他にも課題が追加されトポにも掲載されているようだが、めんどくさくて間に合わなかったので買っていない。登るべきラインは紙ではなく岩を見て決めるのが作法(かもしれない)。

湯河原最遠のアプローチをこなしてエリアに向かう。以前より踏み跡が明瞭になってる気がする。到着すると先客が10人ほど。大人気エリアのようだ。そりゃあ歩きやすくもなるな。

よく見ると中野のシュウジ先生を発見。最近ちょいちょいお会いする。

イノキ岩で適当にアップしてファンタジスタに混ぜてもらう。7年前は限定ホールドがどうとかあったが特に気にしない。とは言え以前は存在しなかった or 使われていなかったガバカチが出現しているように見える。コレを取れば登れるだろう、という雰囲気。

下部からムーブを作っていく。カバカチはランジで解決できそうだが振られと下地を考えると思い切りが必要。中継カチはいずれも悪く、足位置を調整しながら試行錯誤する。シュウジ先生が「意外に持てるよ」というので気合入れて中継カチを握り込んでランジ。ガバカチを捉え損なって落ちるが非常に好感触。

その後、しっかりレストを入れてトライ。

中継カチを保持して足位置を微調整、ガバカチへ飛ぶ。振られを耐えて上部に目をやる、カンテ左の弱点をついてトップアウト。よいクライミングだった。(残念なことにシュウジ先生は撤収ずみであった)

さて、お気づきの方もいらっしゃるかと思うが、このラインはトポに記載されているラインとは異なるようだ。トポではカンテ左へ出ずに右面を直上するらしい。トポがどこまで初登者に裏どりして記載されているかわからないが、おそらく初登時のラインも直上だろう。そう考える理由は、核心のガバカチにある。初登時に存在しなかったとすると、カンテ左に出るのは直上より悪いと予想されるからだ。(憶測してないでトポ見ろよって指摘はごもっとも)

もちろん、登り直しという言葉が頭に浮かんだ。しかし、核心後に壁の中で判断したラインは合理的に思えたし、緊張感のあるよいクライミングをした自負もある。そう言ったもろもろを取り消してまでトポあるいは設定ラインをなぞるのはとても不自由に思えた。野暮と言い換えても良いかもしれない。したがって、このままでよいと結論づけた。

ちなみにグレードは初段くらいに感じた。よいクライミングでした。

ついでに。ジムスタッフを多く知ってるわけではないが、シュウジ先生のアドバイスの的確さは他に類を見ない。もっとも、「意外に持てるよ」と「そこはガンバっす」の情報量にどれだけの差があるのかと問われると何も言えないが、その話はまたどこかで。

ゲルニカ

年末年始と城ヶ崎に行く機会があったので、池田功氏初登の「ゲルニカ 5.10d」を登った。トラッドグレードの更新である。フェイス的なムーブではなく、手も足もがっつりジャミング勝負だった。少しはジャミングが上手くなってるのかもしれない。

ちなみにシューズは今回もジーニアス。最近、複数のクライマーから「そのシューズを岩場で履いてるひと初めてみた」という意見を頂戴したが、未だノーエッジはマイナーカテゴリーなのだろう。そう考えるとこのコンセプトを世に出したスポルティバは慧眼というか野心的というか、イノベーターだと感服する。

ストップ・ザ・トマフォーク

ゲルニカの後は隣の「〜トマフォーク」をゆるくトライ。こちらも難しい。毎度のことながらフェイスとクラックはグレーディング体系分けた方が良いのではないかと思う。

この時、いっしょにトライしていた仲間の#3がすっぽ抜ける。幸い#2がセットされていたのでことなきを得た。城ヶ崎は潮の付着によりカムの脱落があるという話は聞いていたが。まさか#3が抜けるとは…下地も良くないしこれからは多めにセットしたい。

一応ムーブは解決したと思われるが滑りがひどくてRPならず。また今度やりたい。

ギャラクシアン 12a RP

6年ぶりにギャラクシアンをトライした。

前回は真夏だったということもあるが、それ以上に花崗岩スキルが足りず、スラブに入るや否や完全にお手上げ。滝のような汗をかいてA0回収したのも今となっては良い思い出である。(もっとも大部分はパートナーの獅子奮迅の活躍による)

6年ぶりにトライすると前回見えなかったムーブやホールドが次々に見つかる。もしかすると前回の記憶を忘れてるだけかもしれないが、中間部のジャミングによる解決は成長の証だと主張したい。

そして長いだけのスラブとおもっていたこのルートが、実際には多彩な内容が詰まった珠玉の一本であることを知った。いったい6年前はどこを登っていたのだろう。

9月のトライではまだコンディションが悪く、いっしょにトライした雀ちゃんと日当たりがあーだこーだと会話した。縁があればチャンスは来るだろうと思って帰路についた。

2週間後、とくにギャラクシアンを狙うわけではなくカサメリ入り。壁を見上げると午前中は日陰に入るようでコンディションは良さそう。

とりあえず青龍を登って、これまた長いこと宿題の「朱雀 5.11a」を登る。2週間前とは比較にならないフリクションの良さに驚愕する。

オランジュに上がると雀ちゃんが既にギャラクシアンをトライしている。圧倒的な安定感を見せながら高度を稼ぐ。さっくり登って降りてくると開口一番「前回の5倍のフリクション」とのこと。まだ肚が据わっていないがこの時間帯を逃せば岩に陽が当たる。意を決して準備する。

結び変えボルトまで上がって第一核心へ。5倍のフリクションとやらは…ガセではなかった。異次元のスメアでどこでも踏めそうな雰囲気すらある。とか思っているとまさかの足スリップ。落ちたと思ったがなんなくリカバー。これが5倍ってやつなのか。そして中間部へ。おもむろにジャミングを差し込む。しかしフリクションが良すぎてスメアでもフツーに登れる。結局多少はジャムったもののほぼフェイスムーブで突破。成長の証は…またどこかで役に立つだろう。

そして上部。すこしずつ陽が差してきて眩しい。あと少しだが緊張感も高まる。上部核心に入るが前回のムーブがうろ覚え。落ちたくない一心で半分アドリブながら突破。最後の小ハングも記憶ほど悪くなくバタつきながらも抜ける。終了点の閉じないビナを自分のビナと交換して息が整うのを待った。

ゴンベイ4

締めに「てるやまもみじ 5.10」とこれまた長い宿題の「ゴンベイ4 5.11b」を登った。

しばらく会ってなかった友人と久しぶりに遊ぶような、そんな気がするカサメリ沢だった。

冬のいざない2P目

まだまだ夏真っ盛りですが5年ぶりに「冬のいざない 2P目」のレッドポイントができた。

 

 
 
 
 
 
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今回は娘氏をつれてカサE氏とすずめちゃんに付き合っていただいて小川山キャンプ。初日はテキトーにボルダーを娘氏と遊んだ後に藐姑射岩へ。せっかくなので5年前に敗退した「冬のいざない2P目」をトライさせていただく。前回はフレアパートでなすすべくもなくフォールしたわけだが、今回はギリッギリで耐えレッドポイント。5年の歩みとしては鈍亀もいいとこだがまあ登れたのでよしとしておく。夜は焚き火のよこで娘を寝かしつけて晩酌

翌日は大弛み峠から五状岩へ。初心者コースとはいえ往復4.5hを娘氏はしっかり歩いてくれました。森林限界が気持ちよかった

photo by suzume

In 2021

ここ2年ほど新年エントリーを書いてなかったので久しぶりに書いてみようと思う。

2020年は色々あったわけだが、下の子も3歳になり以前より岩場に行ける回数は増えた。ありがたいことにキャンプ大好きっ娘に育ってくれたので瑞牆や廻り目平に関しては非常にアクセッシブルになった。あとはビレイを習得してくれれば…

昨年最大の成果としてはベルジュエールのレッドポイントだが、その後登ったもので印象に残ってる課題を備忘録しておく。

ナーガ 1級

これは2020年で一番面白かった課題。可能な限り足先行にこだわってスタートしたかったので満足度高し。中間部もバチ効きのフットジャムとハンドジャムで構成される秀逸な構成だった。体感グレードはよくわからないけど2級でもいいのかもしれない。ちなみにチップクラック2級は登れてないぞ。

生命力

ここ数年登った中で、トップアウト後にもっともシャウトした課題。

中間部のポッケを捉えるまでムーブ解析とトライ数を要したが、ポッケを捉えてからは2トライで登れた。リップから先は完全に初見だったので脳汁がMAX。めちゃくちゃ充実した。

初日はスラビスタとセッションだったので、完登はソロが理想的と思っていた。念願叶ったわけだが、登れたら登れたで誰でもいいからグータッチをさせてくれと割と本気で思った。人とはわがままな生き物ですね…

グレードは雷帝と比較すると易しく感じた。新しいトポによると生命力 初段(V8), 雷帝 初段 (V7)とグレーディングされているが、個人的には生命力 初段(V7), 雷帝 初二段(V8)あたりが妥当に思える

Hapinnest You

これは3日ほどトライしているがまだ登れていない。春シーズンには登りたい。めちゃくちゃ面白い。

水際カンテ

年始に御岳に行ったのでかねてより気になっていた池田功の名作にトライ。

下地がかなり上がっているのでお買い得だよと居合わせたクライマーさんに教わる。せめてスタートは地面からやるかとトライ開始。思ったよりホールドはよくてそのままリップまで。

リップは予想通りツルツル。カンテと言うか稜線というかとにかく岩の形状に合わせてもがくとなんと登れてしまった。

え…!? もしかして..これって….二段フラッシュ…ってやつじゃ…

と思いながらスポットしてくださったクライマーさんに「いやでも、ちょっと左上気味でしたかね…デュフフフ」みたいに浮かれポンチな会話をかましてしまったのでかなりキモかったと思われる。

とは言え奮闘感溢れる直登マントルラインも魅力的なので再度トライを開始。だが、見事にスベスベかつ足もない。何度かトライしたのち、下手にホールドを探っても望みは薄いと判断し、リップをマッチして返しきるムーブを選択。

秋冬に緩く継続した懸垂15回3セットの真価を見せる時がきたのだ。

リップマッチから全力でプッシュするがほぼ膠着状態。やっぱムーブ間違ってるんじゃね、という思いと、諦めんな返し切れ、という思いが交錯しているとジワジワ体が上がってきてなんとか完登。期待を裏切らない奮闘系マントル課題だった。カンテ、とは…

 

今年の抱負

というわけで今年も可能な範囲で登っていこうと思います。特段大きな目標を立てるつもりはないけれど、こどもたちとマルチピッチができると楽しそうだな、と思っている。

ベルジュエール 10pitch 5.11b


パラパラと小雨が降り出した。レインウェアはいらないレベルだが、敗退すべきか否かを意識しつつ4年ぶりのチムニーに挟まった。

#6はスッカスカでまったく効かない。もちろんそれは4年前に経験済み。しかし今回はそれに加えてところどころ結露している。

ズリズリ上がって黒ずんだリングボルトにクリップする。一息ついて上部に目をやると、記憶より近い気がした。甘い考えが浮かぶがすぐさま打ち消し、ただひたすら無心で前進しようと覚悟を決めた。


天気予報

今秋の予報はいつもに増して難しい。当初は土日を使ってベルジュエールからビバーグを交えて蒼天攀路をプランニングしていた。だが七転八倒する天気予報に愛想を尽かして日帰りにシュリンク。それでも午後は崩れる予報。一方、土曜日は登れたっぽい。我々の土曜を返してくれ。


植樹祭発 (5:15)

そんなわけで前夜泊で瑞牆入り。オープンビバーグで霧に包まれながら時折訪れる晴れ間からオリオン座を見てまどろむ。3時間程度の仮眠時間。明日は午前中にカタを付けなければ雷雨に巻かれるかもな…とか考えると…朝になってた。

まだ暗いうちに植樹祭を発つ。


First Pitch (6:40)

ゆっくり登って準備してClimb On。4年ぶりのベルジュは寒くは無いけどシットリ。

ハング抜け口まで登ってロワーダウン、これをアップとする想定で登攀開始。

ハング抜けはちょっと悪い。前回はここでスリップフォールした記憶。慎重に手を進める。無事に抜けると、そのままイケそうな気がする。可能ならマスターで登りたい。次の手を出す。

上部核心に入る。前回は初見でムーブがわからず、そこそこ時間を使って抜けた気がする。ただ4年も経つとほぼ何も覚えていない。慎重にムーブを探る。ホールディングを調整して手を伸ばす。なんとしても登りたいと思った。核心を抜け、歓声をあげた。


2-3nd pitch (8:00)

続いてスラブトラバース。このルートの二大恐怖核心。だが、サクサクとスズメちゃんが突破。流水でヌルヌルのスラブもなんのその。ただでさえ重いシングルロープを引きずって3pitch目まで。小面岩が綺麗にみえた。



4th Pitch (9:00)

一番フレンドリーなピッチ。今回も美味しくいただきました。ちなみに今回はアナサジピンクですが、アッパーの厚み不足でフットジャムが痛い。


5th Pitch

ハイライトとなる大フレーク。ガスに巻かれて辺り一面まっしろ。予報どおり天気は下り坂で気持ちが焦る。ススズちゃんが高度を上げていくがクラック内部は流水でびちゃびちゃ。大胆にレイバックでグイグイ上がっていく。メンタルどうなってるんですかね。


6th Pitch

そして冒頭のチムニー。前回はここで30-40分は格闘したような気がする。だが今回の天候でそんな時間はかけられない。少しはチムニーも上手くなってると信じて挑む。

リングボルトにクリップして、#6をセットしようとギアラックから#6を外す。と、なぜか#4が脱落して遥か彼方に落ちていってしまった。こんなことが起こるんだろうか。呆然とするが、なかったことにして目の前のタスクに手中する。

#6を開き気味に決めた後は一切上を見上げず無心でプッシュで前進する。壮絶な耐久系クライミングの幕が開けた。と、思っていた。

すると…
.
..

………
あれ?めっちゃ快適なんだが…

クラックが少しずつ狭まってきて進みづらくなる。両手を逆手でPushしながら膝と足裏と背中でずりあがる。

落ちる気が全くしない…なんということでしょう。

不意にメットに何かが当たった。チョックストーンだった。前回はバテバテで必死の思いで返したマントルをこともなげに返して、チムニーの抜け口に立った。

できすぎた展開で我ながら嘘っぽいのでこの画像を貼っておこうと思った。


8th Pitch (11:00)

一時強まった雨脚も小康状態となり、これを抜ければ完登は目前というクラック。屈曲したラインで先の展開が読みにくいルートだが、抜群の読みで手堅くOS。

「ガバっぽかったのでしっかり片手固めて出したら登れた」みたいなコメントだったけどつくづくスゲー。


Last Pitch (12:20)


ついに最終ピッチ。またしてもパラパラと雨が降り始める。出だしの被ったクラックがやや悪い。雲が流れていくのを視界の隅に捉えながら最後のスラブを抜け、岩頭へ。

4年ぶりに十一面から眺める瑞牆はいたるところで霧が沸き立ち、雲の切れ間から富士山がのぞいていた。


東黒沢〜ナルミズ沢

東黒沢〜ナルミズ沢を遡行してきた。

沢泊を伴う山行は4年ぶり2度目、今回はカサEさんと焚き火&天国の詰めを堪能しようぜってことで、このプランを選択。

天気予報は寸前まではっきりしなかったが、ECMWFでは降水量1mm程度だったので血行。金曜の夜中に東京を出て関越を北上。めっちゃ空いてる。あっという間に水上。

6:40に白毛門登山口を発つ。サクサクとハナゲの滝を登って東黒沢の出会いまで。ちなみに今回もラバーソール。アプローチシューズは持たずにそのまま朝日岳〜白毛門を縦走する計画なのだ。



東黒沢に入ると奥多摩ライクな冴えない渓相。もしかしてこの沢…とか思ったのも束の間、次第に川幅が広がりナメやら小滝が出てきてホッとする。カサEさんも同様の表情。そう、我々は開放的な沢を味わいたいのである。

多段ナメ

ひょんぐり滝


開放的ではないが程よく変化のある渓相が続き、水流は稜線近くまで絶えない。

10時ごろに稜線に出る。思ったよりヤブが濃いがトレースを探しつつウツボギ沢の支沢に入る。

宝川


10:50に支沢から本流に合流。ちょっと下れば宝川との出会い。うってかわって視界が広い。

泳ぎを交えつつゴルジュの滝を超えていく。そうそう、これこれ。こういうのがいいんですよ。


12時前には幕営地に着きそうなペースなので竿を出しながら進む。しかし釣りスキルがザコ&魚影なんて全くない、という揃いも揃った条件下で竿だけが虚しく空を切る。

結局釣果ゼロのまま幕営地へ。適地が見当たらなかったので適当な河原を整地してベースを作る。さて、この沢を知ってる人ならこの記述に疑問を覚えるかもしれないが、それは完全に正しい。なんと我々は大石沢出会いを読み間違え5-10分ほど下流で幕営に入ってしまったのである。

草付き見つからなかったけど割と快適な幕営地になったな、みたいな会話を交わしたが、翌日、上流にて超絶快適な幕営地を目の当たりにした我々は…言葉を失った。

そんなことなど露知らず、今日のために厳選したIPAを呑みながらパエリアを仕込み、ラム肉を河原の石で焼いて過ごす。思えば一番幸せな時間だった。

2日目

大石沢出会


さて、翌日。前述したように早朝から打ちひしがれた我々は気をとりなおして遡行を継続。

ゴルジュ

魚留滝

ゴルジュも渇水のため泳ぐことなく突破。魚留めの滝も右壁を快適に抜ける。少しだが青空も覗き、快調に詰めていく。

まだかすかに青空が望める
源頭の雰囲気
上部は霧のかなた



山頂方面は雲に覆われていそうだが、多少なら青空も望めるだろうと期待しつつ奥の二股へ。たおやかな稜線は上部が完全に霧の向こう。下山に備えて給水と装備を整えて天国の詰めを上がる。


霧の中に溶けていきそうなカサEさんの後ろをゆく。天国っつうより彼岸といった方がふさわしいかもしれない。まあこれはこれで嫌いじゃないんだけど。大烏帽子稜線からは膝〜腰くらいの笹薮を漕ぎながらジャンクションピークまで。結構長かった。


朝日岳あたりで青空が見え始める。湿地が広がる稜線が美しい。そして次第に強くなる日差しの中を白毛門まで。この時期もいいけど秋はもっと綺麗なんだろうな。今度は秋シーズンだな、とか思いつつ白毛門の下山を汗だくで下ってると、やっぱ大石沢BCで周回ルート組むのが正解かもな、とか思うのであった。


砂の塔

IMG_2995

2週間ぶりにカンマンボロン。前回ややミスったアプローチをきっちり修正し、「太陽の塔」の取り付きへドンピシャで到着。前日の雨の影響か下部は沢登り状態。砂のエリアを偵察しに行く。

コルまで上がり砂のエリアを望む。とてつもなくカッコイイ。このエリアは実に4年ぶり、基部から見上げた壁はよく乾いていた。

 

砂の塔 5.12a

できる範囲でアップを済ませてOSトライ。下部はボロボロと脆い。まさに砂。大きなガバがミシミシいってる。気がする。たぶん気のせい。ポジティブなホールドをつなぎ高度を上げていく。進めば進むほど岩は硬くなっていく。

傾斜を喰らい始めるあたりでホールドも細かくなってくる。しばしラインを読む。何度か行きつ戻りつを繰り返し突破。そして核心。ブランクセクションに見えた部分は果たして…何もなかった。

詰んだ。と思っていると下から「出せー!」コール。出した。落ちた。

いくつかムーブを試して核心を超える。上部は気持ちよい凹角を辿って終了点まで。核心のムーブは割りと好きなタイプ。

スズメちゃんのビレイを挟んで2トライ目。

さっきよりミシミシいってる気がする。レストポイントで呼吸と意識を整え、核心に入る。片足が切れるがすぐに足を拾う。そして手を寄せ…られない。典型的なテンションムーブだったらしい。一気に次のホールドへ、ブランクセクションに入る。腰が落ちてるが全力で粘る。

ギリギリで届いた。上部でムダに吠えまくった。2トライで登れたのはとても嬉しい。

ボロンボロン 5.11c

4年前にヨレてA0回収した思い出のルート。改めて登ってみると、どこでA0したのか逆にわからなくなった。不思議なこともあるもんだ。

4年前より強くなったかは正直わからない。多分あまり変わってないだろう。ただ、上手くなったような気はする。もっと上手くなりたい。

クラック 11b

ほどよくヨレたので太陽のエリアにあるクラックへS兄貴と移動。7mくらいのシンハンド〜フィンガーサイズ。手はなんとかできるが足が痛い。それも親指の爪。クラックの時はアナサジレースを使ってるが兄貴曰く、それじゃあ痛いだろうとのこと。靴はいまだに悩みのタネだ。

クラックセッションでヨレヨレになったところで砂のエリアへ戻ると、山ちゃんのRPトライ。
コルを登り返し、対面から撮影。素晴らしいトライが撮れた。

太陽の登 1st Pitch

近況報告

5億年ぶりにブログを更新しようと思ったらプラグインエラーとか出ちゃってて、よし、Wordpressは捨ててhugoとかstatic-gen系に乗り換えてやるぜと決心しました。んで、30分くらいリサーチしてたらめんどくさくなってきたので、シレッとプラグインを削除してWordpressに戻ってきてイマココ。

1月ごろは自分史上最高のチムニー?課題が登れました。ロケーション、ムーブともに”胎内くぐり”そのものだと感じたので子育て・子授かりで下田にゆかりのある伊古奈の名をいただきました。こじつけだけど。

そのあと、城山のFateをバタつきながらも2tryでのぼりました。

この手のかぶったルートを動画でみかえすと我ながら下手すぎると思いました。どの辺が”崩れている”のか有識者の意見が欲しいところであります。

COVID-19

そして、そうこうする間に自粛と緊急事態宣言で岩場にもジムにもいけない日々に突入。しょうがないので鉄棒やってたら、マッスルアップができるようになってた。

ひとつ明確にしておこうと思いますが、この期間に登りにいった人も行かなかった人にも、自分は肯定したい気持ちが強い。まだうまく説明できないが、何かで読んだ「俺は俺のやりかたでやる、君は君のやりかたでやれ」がやけに沁みる。

*開け

というわで「*(アスタリスク)開け」は瑞牆へ行った。それも屈指のマイナーエリアでワイドやらハンドやら。

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復帰一本目のワイド。良いスクイーズチムニーだった

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そして数年ぶりのカンマンボロン

カンマンボロン、大面、末端あたりは取り付きからして雰囲気が違っていて、そりゃあ雨の侵食でさえも梵字と言いたくなるよなと思う。

今回はスズメ&MSMと「太陽の登」をセッション。3回フォールしたら交代というグラウンドアップというかヨーヨースタイルをさらに大甘にしたような高回転スキームで各自高度を上げていく。正直取り付きからではクソ簡単に見えたのだが、実際には厳しい核心とその後も気の抜けないムーブが続く秀逸な構成。

2トライ目でトップアウトし、3トライ目でレッドポイントすることができた。

3トライ目で登りきったことも嬉しかったが、2トライ目で核心後の際どいムーブをマスターで落ちずに抜けきったこともよかった。花崗岩は最高すぎる。

ムーブメモ

雨月

  • 右手右足で手に足クロスヒール
  • 右手、悪いカチを刻む
  • 左手、さらに悪いフレークカチを保持って右足に乗り込んでいく
  • 左手、甘いカンテ状を抑える
  • さらに右足に乗り込めば多分リップに届く

熊岩フィンガークラック10c

  • 小ハングまではエイリアン黄、緑、ナッツ
  • 小ハングアンダーにC4#.4が決まるが回収注意
  • レイバック気味に上がる
  • ハンドサイズからはクラック右を利用
  • 上部はレイバックで快適に抜けられる(はず)

セルベッサ

下部ハング

  • テラスから左手インカットカチ、右手たるいカチでトラバース
  • 左手、薄いピンチホールド
  • 右手、やや高いサイドアンダーから足あげて左手カチへ
  • 左手、飛ばしでガバ
  • 右足、ハイステップから右手、サイドガバ
  • クリップ
  • 足位置調整して左手、ピンチポッケ
  • 左手、飛ばしてスローパ。スローパ上部の窪みに2&3番指を効かせる
  • 腰を落として右手、ピンチポッケへ寄せ(悪い。もっといいムーブあるかも)
  • 左手、ガストンカチ。右手、一気に上部ガバ
  • ハング左側の良いホールドでクリップ

上部ハング(うろ覚え)

  • ハング最下部のガバでクリップ
  • 戻ってレスト
  • 再びハング最下部のガバ
  • 左手、サイドガバ。足位置調整
  • 右手、アンダーポッケ中継(中継しないほうがいいかも
  • 右手、ガバ上部までデッド。左手マッチ。足位置調整
  • 左手、遠いリップ直下のガバへデッド
  • あとはよしなに

下部ハングは1try目にhangdogで解決。最適化の余地はあるだろうな。上部を探らずRPトライに挑むと、予想以上に遠くて撃沈。個人的には未知の要素を少しでも残したいのでこの判断は支持したい。あえて江戸川橋的な表現をしてみると下部ハングは◯ッシー課題で、上部ハングは岩◯課題な塩梅。また行きたい。

B1ハング

  • ハング下 C4#1
  • ハング上スリット Nシルバー
  • ハング上ガバ上部 エイリアン黄色
  • 確信手前のカチピンチ上スリット Nゴールド
  • 右手甘いかち、左足ハイステップ、右手クラック、右足クロスステップ、右腰つけて立ち上がる、左手カチ、右手ガバ