超絶猛暑到来ですが、果敢にも小川山に行ってきました。
流石に難しいルートは完全スルー、5.10台を中心に日頃お世話になっているINO氏のリードクライミングを全力でサポート。
前日はマラ岩方面と屋根岩方面のどちらが快適なのか、諸先輩方からご意見を伺いマラ岩方面を選択。ちなみに、これまで「屋根岩」のことを「尾根岩」だと自信満々で呼んでいたことは秘密だ。
だがシケシケ
そして当日、リバーサイドから妹岩を経由し、姉岩まで高度を上げながらめぼしいルートに取りつく想定でアプローチ開始。ほどなくしてリバーサイドに到着。
だが、そこに待っていたのはシッケシケの壁。あまりの潤いっぷりは沢かと言わんばかり。早々に妹岩に移動。
しかし妹岩も幾分マシとはいえシッケシケ。せっかくなので一本くらいは登ろうとトポに載っていない「見た感じ簡単そうだし、10a/bくらいなんじゃね?」にレッツトライ。するとお約束の如くこいつが激悪。居合わせた方によると「11のどこか」らしい。そりゃあ悪いよね。A0でなんとかトップアウトして回収。
まったくアップにならないままマラ岩へ向かう。混雑状況次第では「レギュラー」あたりを登りたかったが、やはり待ち人多し。634君に挨拶して姉岩へ上がる。
センター試験 5.8
姉岩まで上がってくると流石に乾燥した岩肌。やや日差しが強いが許容範囲。まずはスラブを登る。INO氏が果敢にMOS。なんの問題もなさそう。後に続くが乾いているだけあって快適そのもの。
卒業試験 5.10b MOS
そして今日の本命、「卒業試験 5.10b」にトライ。中間部のホールドが下からでは全く検討が付かない。現場処理に賭けてスタート、懸念していた中間部はやはり悪い。なんとか突破するがグレードより遥かに悪く感じた。ホールドを見落としたかもしれない。
INO氏も無事FL。核心部で「これボルダーだったら迷うことなく体上げれるホールドなんだけど…」と唸っていたがアッサリ完登だった。
ライン取りも個性的で面白い一本だった。
yamashi 5.10b MOS
上部に移動して、短い垂壁を登る。これと卒業試験が同じグレーディングとは思えない。昔の人は緩傾斜が本当に強かったんだなーと我々は姿勢を正すのであった。
ゴールドグリッター 5.10a MOS
更に上部に移動して、右端のスラブを登る。ややボルト間隔の遠いがホールドは良さそう。ラインは複数考えられるが最も無難に見えた右カンテラインを選択。すると最後のクリップがやや遠い。スメアが湿気でずるりと滑りヒヤっと。
滑った本人よりビレイしているINO氏のほうがビビっておいでだった。冷静にダイレクトラインに合流して無事完登。終了点からの景色がきれいだった。
Ka-Ching! 5.10a FL
スラブはもういいかなってことでポジティブかつダイナミックな印象のルートを選ぶ。INO氏が快適にMOS。続いて完登、実に快適。
ハラペーニョウルトラHOT 5.10d MOS
そしてこの壁最長にして最難の一本に取りつく。中間部の灌木は限定がありそうだったが、下部テラスからダイレクトにあがっても容易に手が届いたのでアンダーをガッツリ保持して上部へ抜ける。
上部でヒールフックからのノーハンドレストを気分よくこなすと、最後は大胆なランナウト。こちらも終了点からの景色が良かった。
INO氏も無事にFLするが、二人の意見では「卒業試験のほうが難しいのでは…」という印象。
時期的に緩傾斜は格段に悪くなるし、ハラペーニョには限定があるのかも知れないが、やはり卒業試験は登り応えのあるルートなんだと思う。あ、もちろんハラペーニョも面白かったです。
大きな松の木の下で 5.10a MOS
撤収時間が差し迫る中、ワークアウトの一本。出だしがやや悪かったが、その後は特に問題なし。INO氏は終了点の結びかえを無事修了。
蛇足で「入学試験 5.10c」を触ってしまったがフリクションの低さに左ルンゼからトップアウト。これは涼しくなったらやりましょう。
所感
この時期の過ごし方として、5.10台のルートを沢山登るというのは良い選択だと思う。とは言え快適に登れるのは垂壁からだろう(可能であれば前傾壁も登りたいが花崗岩で5.10-5.11の前傾壁は多くない)。スラブに執着すると登れないばかりかラバーの摩耗がハンパない。
正直、こんなにもスラブが豹変するとは思っていなかった。改めて気温と湿度がフリクションに及ぼす影響を痛感したのでありました。