久しぶりにソロボルダーに行ったんだけど、登れたのはハイボールな5.7くらい。スラブ、マントル、前傾SD、カンテ等々、どれもこれも中途半端なトライで成果なし。
それなりに楽しかったけどやはり悔しい。
…いや、結構悔しい。
そういえば去年も春シーズンは初段3本、5.12a1本とイマイチ振るわなかった。秋シーズンが初段4本、二段1本、5.12a5本なので、数字の上からも春の不振が見てとれる。
たぶん春には魔物がすんでるんじゃないかと思うわけです。しかも二匹くらい。
一匹目、雪山
まずは最大にして最強の魔物、「雪山」
こいつのフェロモンったら尋常ではなく、どれほどスルーを決め込んでても最終的にはアイスやらスノーハイクやらアルパインに行ってしまう。
シーズン前はオレも言ってたんだよ「今年はアイスはいいかな。フリーの調子良いし、専念しようかな」って。
しかし蓋を開ければ低山トレッキングを含めてなんやかんやで4回。さらに今年はトラッドやらマルチピッチに手を出したからもーーー。
二匹目、なまくら
で、そんな感じで雪山へ行ったり城山、城ヶ崎エリアでルートクライミングしてると、ボルダーに必要なハードムーブが出せなくなってきます。
ボルダーにおけるハードムーブの成否は、課題やムーブに対する集中力が大きく影響していると考えています。この集中力は、対象への分析やシミュレーション、鍛錬、思い入れなどによって高めることが可能です。ここら辺をカミソリのように限界まで研ぎ澄ました結果、
「初めはできるとは微塵も思わなかったムーブができるようになって限界突破で完登したぜ。ひゃっはー!」
というカタルシスへと昇華し、ボルダーの醍醐味って正にこれだろ、と思ってます。
しかし、集中力には限界がありカミソリ級の集中力を維持できるのは1,2課題程度です。もちろん、RPグレードから2−3グレード下回る簡単な課題を数多くトライする選択肢もありますが、経験的にそういう日は「不完全燃焼な日」として記憶されることが多いです。
一方、ルートクライミングでは思い入れの深さは同等でも分析やシミュレーション、鍛錬は異なってきます。必要とされる集中力もカミソリではなく、包丁くらいがちょうどいいイメージでしょうか。限界まで研ぎ澄ますより、汎用的な切れ味と耐久性や確実性を求めます。
そういったことが影響してか、ボルダーとは対照的にルートクライミングでは簡単な課題をトライしても「今日はいろんなルートを楽しんだ日」として記憶されます。
ちなみにアルパインに関しては包丁どころかナタか斧くらいのイメージです。
春シーズンのボルダー不振の主因は、ルートとアルパインの比率が増えたことによる切れ味不足、集中力のなまくら化にあるんじゃないかなーと思っています。
さらに拙いことに、なまくらカミソリでボルダーに挑んだ結果、準備不足が露呈してルートよろしくエンジョイクライミングにスイッチしようとします。しかし前述したようにボルダーを楽しむには限界まで研ぎすますことが前提、ボルダーではエンジョイクライミングは成立しないのです(あくまでも個人的に)。なまじルートではエンジョイできているだけに、いっそう大きな落差を感じることになります。
挙げ句の果て、スランプに陥りボルダーにとどまらずルートの成果も伸び悩むことに…
まとめ
ずいぶん長くなったのでまとめると、
- アルパイン、ルートクライミングの頻度アップ
- ルートクライミングは簡単なグレードでも楽しい
- アルパインはそもそも限界トライしない
- 限界に挑む機会が減る
- ボルダーと異なるスキルを鍛える
- ボルダーのスキルがなまくら化
- ボルダーに復帰
- ボルダーのスキルがなまくらのまま
- 限界トライするための準備不足露呈
- 簡単なグレードでは不完全燃焼するだけ
- やたらと不振が誇張されスランプに陥る
という感じかなっと。
念のため言及すると、「なまくら」なのはあくまでもカミソリを要求した場合だけ。包丁やナタとしては十分な切れ味があり、繰り返しなるが「汎用的な切れ味と耐久性や確実性」を追求したから。カミソリ、包丁、ナタにそれぞれの特性があり、優劣をつけるものではないってことを強調したい。
とはいえ研ぎなおさないとボルダーは楽しめないんだよなー。さーて研ぎなおしますよー!