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城山 マルチピッチ

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2016年の初外岩は城山。

今年のテーマの一つであるマルチピッチを登ってきました。

 

丙申-ひのえさる-

photo by taro inomata[photo by taro inomata]

 

今回は一泊二日の行程、初日はワイルドボアでスポートルートをがっつり。

前回S木兄貴とトライした「トゥエルブモンキー5.12b」をタローくんを交えてあーだこーだ。今年の干支ってことで縁起もいい(気がする)。

ボルダリーなラインは、全力で体幹勝負を挑むイメージ。「かさぶた」のようなダイナミックムーブは出てこない。ポイントは核心のトラバースで声を出すことでしょうか。「サァーーーー!」みたいな。

ちなみに核心を超えても甘いホールドが続く。追い込まれたところで厳しい距離にパラダイスガバが出現。届きさえすればヒャッハーなのだが、これで終わりと思ったら大間違い。

駄目押しのクッソカチが出てきて心をヘシ折られたところで、ようやく雲の彼方からビクトリーガバ。

ドローセットを除いて3トライ、前回2トライと都合5トライ。ワンテンまでは比較的スムーズに進んだが、うーん。繋がるんかな?これ。

 

幕営

幕営は最近マダニが出たと話題の狩野川河川敷。

「おれ、明日二日酔いだったら、よろしくね」とおっしゃる兄貴はガロンでビールを流しこんだ後、2ピッチ目はハイボール。翌日は何事もなかったのように晴れ晴れとしていた。

 

南壁

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二日目は南壁初上陸。YAMAAN!チームから拝借したGoProを携えアプローチを行く。

それなりの盛況っぷりで目当ての「バトルランナー」「エキスカーション」はどちらも数パーティがトライ中。テキトーに5.10aあたりでアップ。日差しは強く半袖でも登れるが風が吹くと寒い。

なんやかんやと順番待ったり装備確認したりでようやく「バトルランナー 4ピッチ 5.10a」に取り付く。

 

バトルランナー

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1ピッチ目はタローリード、スイスイと下部スラブを抜ける。快適に高度を稼ぎつつフォローで続く。ときおり風が吹くがおおむね暖かい。むしろやや暑いくらい。

 

G0060813[高度感がイイ]

G0060831[1ピッチ目終了点]

G0060994[しんがりの兄貴]

 

そして核心となる2ピッチ目はワタシ。小ハング直下まで前進するが、「うん?10aのハングなのにガバはどこにあるんだ?」とやや焦る。緊張感と日差しの強さが相まって手もヌメる。が、それ以上にモカシムの中で足汗がハンパない状態。

 

G0061842[ハングを望む]

 

こいつは気合入れないとフツーに落ちるな、と肚をくくってカチにかじりつくように乗っ越し。ヌルヌルの足で耐え、這々の体でビレイポイントへ。フヘー疲れた。ちなみにここでGoProのバッテリーが終わる。

 

G0061974[ハング突破中]

 

残りの2ピッチを爽快なランナウトで無難にこなして完登。そのまま「ダイレクトルート 2ピッチ 5.10d」まで懸垂して継続。

 
OLYMPUS DIGITAL CAMERA[ハングに怯む私 photo by taro inomata]

 

ダイレクトルート 継続

OLYMPUS DIGITAL CAMERA[ヨレヨレの私 photo by taro inomata]

 
1ピッチ目はタローリード、5.10dの垂壁をジワジワと着実に高度を上げていく。見るからにムズそうなんすけど…

S兄貴からサブザックを受け取りフォローで登攀。チョークバッグが前側にあるのが地味にいやらしい。すでにヨレヨレの足に鞭打って意地のトップアウト。

続く5.10bでリード交代。

タローくんが「ボルトからやや離れるけどリカバリー可能だよ!」とヒント&アドバイスをくれていたが敢えなくA0。5.10bとはいえ6ピッチ目、しかもスラブときては力及ばず。

鍛えなおして、10ピッチくらいはサクッと登れる耐久力を身につけたいと心に誓いました。

次の目標は「エキスカーション」から「ダイレクトライン」への継続かな。そのためにはロープワークやらギアの扱い等々、登攀以外の諸々の能力をもっと洗練させないとね。タローくん、S兄貴、本当に勉強させていただきありがとうございましたっ。

 
OLYMPUS DIGITAL CAMERA[高度感サイコー photo by taro inomata]

ドロンパ☆看板娘

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甲信方面のクライミングシーズンが終わりますれば、伊豆方面の御開帳。

「そうだ、伊豆(城山、城ヶ崎に限る)に行こう!」は我々の業界に於いて常套句にして風物詩。つっても城ヶ崎は一回しか行った事ないんだけどな。

ツヨポン氏と訪れた二間バンドは9月のカサメリのように暖かく、サンサンと陽光に満ちあふれていた。

 

ドロンパ 5.12a RP

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前日までは「かさぶた 5.12c」を触る予定だったが、なんとなく「ドロンパ 5.12a」に魅かれオブザベーション開始。カンテ挟み込み系のボルダリーな感じ。ボルトは5-6本だが全長は短い。なんとなく得意系に思え、「これ2撃できそうすねえ…」と強気の発言が飛び出す。

そしてMOSトライ。カンテ一本目のドローが遠いが気合いでセット。右下のテラスを踏んでガバポッケを取り、完全にカンテに体を移す。カンテを挟み込んで前進していく。下から見ると全てガバに見えていたが、実際は甘いポッケという定番の展開にも怯まず進んでいく。

こいつぁMOSもありえるんじゃねえかとスケベ心がチラついた頃、待ってましたとばかりにバランスの悪いクリップ&核心が出現。良く覚えてないけどその辺でフォール。

軽くムーブを探ってトップアウト。グラウンドアップに拘りたい気持ちもあったが、ひとまずムーブを固めすぎない方向で妥協。

ツヨポン氏の「かさぶた」ビレイ後、2try目に挑む。

 

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と、ここでHIANGLE woman を投入。最近とんと出番がなかった看板娘ですが、そろそろ本腰を入れて育てなければならない。カンテ右側の連続ヒールフックとも相性よさげ。

すると抜群のヒールで順調にカンテ上部に到達。ところが最後の一手が出せずフォール。やはり感覚でこなしたムーブは定着が悪い。「さっきどうやったんだっけ」状態でもう一度確認。グラウンドアップとはなんだったのか。

もう一度「かさぶた」ビレイに戻った後、三度目の正直。

ムーブに体が慣れてしまいクリップを飛ばしそうになるが、修正して核心へ。さすがにヨレているので気を吐きながらテラスに抜ける。無事RP。

ちなみに、右下テラスを使う範囲はクライマーの判断に委ねられるだろう。個人的にはカンテ二本目クリップ直下までが自然な流れだった。

 

かさぶた 5.12c 敗退

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最後に「かさぶた」を触ってみる。12aを3tryした後にやるもんじゃないが、ツヨポンムーブを見てると自分も出来そうな気がする不思議。

すると2,3手も進んだあたりで、「え、甘っ…つーか遠っ!!」と面喰らう。 なんとか突破するが、その後も遠い、悪い、キツイ(傾斜が)の三重苦。見るとやるでは全然違いますな。核心手前で敗退。

 

長いヤツ

ドロンパをワンデイ出来たのは嬉しいが、レストポイントもない短いルートだったのでルートを登った感が少ない。というわけで今度は「イエスタデイワンスモア」とか長〜いヤツを登りたい。もちろんグラウンドアップでな。

んで、今シーズンこそは南壁のマルチピッチを…求むパートナー!

城山 OFF Season

OLYMPUS DIGITAL CAMERA[photo by I.taro]

 
絶滅危惧種とも言われる若手ソロアルパインクライマー・タロー君と、オールラウンドクライマー・ミノルパイセンと共に城山。

当初、瑞牆に行く予定だったが金曜の降雨から転戦を決断。梅雨真っ只中、完全オフシーズンにもかかわらずワイルドボア&チューブロックは意外と悪くなかった。

 

カルカッタ 5.10c FL

ボルト事情が意味不明な当ルート、一本目は地上1mで二本目は地上5-6m。当然二本目でクリップできなければグラウンドは必至。だが何を思ったかタロー君はやる気マンマン、さすがはソロアルパイン野郎である。見てる側でさえ痺れる二本目を苦戦しながらも見事突破、そのままMOS。

 

IMG_2490[流石のメンタル]

 
熱い登攀の見届けたあと、シレッと他のルートに乗り換えるつもりだったが言い出せる雰囲気になくトライ。懸案の2クリップ目はドローがかかっている状態だと特に問題はなし(マスターだとかなり遠い)。快適な中間部を抜け、これで終わりかと思いきや最後のハングがやや悪い。慎重にホールドを探して無事完登。ボルト位置がもう少し良ければ好ルートなんですが…

 

スーパースター 初トライ

長い12を触ろうってことで「スーパースター 5.12a」を3人でトライ。しかしトポと実情が食い違っているためラインを見いだすので精一杯。3人掛かりでなんとかライン(とムーブ)を解決。序盤のハングを越えると中間部でしっかりレストできる。終盤のカンテがやや悪く、ヨレたところに駄目押しの抜け。登りごたえは十分。冬シーズンの目標かな。

 

ミウラー 5.11a MFL

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日が陰ったのでチューブロックに移動、11台でエンジョイする構えである。まずは看板イレブンな「ミウラー 5.11a」をマスターで一撃。オンサイトと言いたいところだが、既にタロー君のトライを見てるので言えない。こういう場合「マスターフラッシュ」とでも言えば良いのだろうか。

下部核心を抜け、以降のフェイスをカチやらポッケを繋いで登っていく感じはなんとなく「生と死の分岐点」に似ている気がした。

 

こんにちはマコロン 5.11b RP

更にもう一本、「生と死〜」の右隣りに位置する「こんにちはマコロン 5.11b」にトライ。そろそろヨレを感じる頃合い、3クリップ目でホールドが見つからず粘りに粘ったが敢えなくテンション。ヨレで閉店状態のタロー君を強引に取り付かせる間、ゆっくりレスト。2トライ目でレッドポイント。

IMG_2512[ミノルパイセンは一撃、流石13クライマー]

 
こちらも下部核心。チューブロックはこのパターンが多いのだろうか。ミウラーよりムーブが多彩で面白いと感じた。どうせなら、更に右隣りの「オンリーイエスタデイ」を継続して最高点まで抜けるとより充実できそう。

その後、タロー君の「グレイシー」やらミノルパイセンの「シャムロック」を見届け、クールダウンの「ストーンフリー」でまさかの敗退。

 

ホテル狩野川

翌日の天候が崩れるのはほぼ間違いなかったが、せっかくなので狩野川で幕営&宴会。伊豆の国ビールと絶品あなご寿司を堪能して就寝。

翌早朝は薄曇りで一見登れそうな空模様。しかし雨雲レーダーで東海地方まで雨雲が迫ってきていることを知り、早々に撤収となりました。

ジャンバラヤ

先日、「生と死の分岐点」から無事生還(RED POINT)したのはご報告の通り。早速吉報を届けに行ったところ、盛大な賛美と祝福に包まれると思いきや、

 

「ふーん」みたいな。

「まー二日もかけりゃね」的な。

「そりゃ登れてトーゼンってもんだよ」とかって反応。

 

や、分かってるんです。これくらいで満足するなと。まだまだお前は高い所に行けるはずだと。厳しい言葉も全て、期待感の表れなんだと。私、もちろん気付いておりましたとも。

で、次に進むにはどうしたら良いかと考えたところ、まずは弱点克服ではないかと。「分岐点」に 2Days 5Try を要した原因は

  • ムーブのボキャブラリー不足
  • ボルダーだと辛くないムーブがリードだと辛い問題

が大きかったと感じています。この弱点を克服するには一本でも多くのルートを登って経験値を積むのが正攻法だと思うので、5.11台の良質のルートを沢山登りたいと思います。と言うわけで城山のナイスな5.11に登ってきました。

メンバーはUEChang,NOBUtang,Mサカ氏,Sザキ氏,Nミチくん,僕。総勢6人。

 

 

チャンディーラサ 5.11a

当然のFlash狙いで取り付くが、下部のディエードルでまごつく。そしてテラスへ上がって核心のマントル。ムーブが分からず、早速弱点を露呈。しかし弱点克服の好機と奮闘マントルへ突入。ピンチこそがチャンスなのだ。渾身の強引100%のマントルが返ろうとした瞬間….フォール。FLならず。しょっぺー。

2try目でマントルを返してRP。返した後にロープの流れが悪くて焦った。

 
その後、ディエードルとマントルの変態職人ことUEchangに交代。かつてこれほど相性の良い関係があっただろうか。ディエードルを見つめる彼の視線は、無機質な岩に対するそれではなかった。

 
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まずはディエードルをヌルヌルと抜ける。見よ、このセクシーなキョンを。そして、ハイキックのようなハイステップからスムーズなマントル。私の強引ムーブとは一線を画す優雅なクライミングにため息がもれる。抜群の安定感で終了点に到達。クリップをかける彼の表情は恍惚そのものだった(見てないけど)。

 
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ジャンバラヤ5.11c

そして本日の大物、「ジャンバラヤ 5.11c」にMサカ氏とトライ。まずはMサカ氏から。

オブザベーション通りハングまでは特に難しくない様子。しっかりレストしてハングに突入。左のクラックから入っていくが、悪そう。何とかハングを越えるも、次のクリップができず一旦ロワーダウン。

交代して僕。もちろんここでもFL狙いだが、ハングでやはり苦戦。その後のクリップを何とかこなそうとするがA0。とりあえずトップアウトしてムーブ確認。核心はハングから次のクリップまでだ。クリップはリードにありがちな「ちょっと手を進めた方が安心できるクリップ」。ハングはボルダーライクな「手数をかけずに黙ってデッド」。

そして2try目。ハングまでのアプローチでややスタックするが、ハングに到達。予定通りサクっと抜け、手を進めてクリップ。最終局面でパンプを感じるが、気合いとともに保持。無事にRP。一応「2TryRP」なんだけど、FLするにはまだまだムーブの引き出しが足りないなーと痛感。特にハング後のクリップに関しては如実に経験不足を感じた。次は「ジゴロ」のFLを狙いたい所。

 
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Mサカ氏も3try目でRP。や、つーか強すぎだわ。外リード三回目くらいのはずなんだが。

 

プチマルチ

〆に「クロスロード 5.10a」から「ロングディスタンス 5.10d」に抜けるプチマルチ。60mロープで登れるんだけど、あえてピッチを切ってハンギングビレイ。沢とか山でしかマルチピッチシステムを使った事がないので、後学の為。テラスに上がる風が冷たかった。

 
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今年は本格的なスポートマルチ登りたいなー。

生と死の分岐点

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その仰々しい名前のを聞いたのは去年の暮れだったか。「スパイダーマン 5.12a」に何もできず敗退し、江戸川橋の二階で居並ぶ13クライマーにボヤイてた時だ。

「あんな細いホールド、持つところも立つところもない」「普段のクライミングとカルチャーが違いすぎる」「ムーブとかあるんですか?(どーせ地味ムーブだろ!)」「無駄に怖いっす」

今思い出しても糞ヘタレクライマー発言だったと記憶している。しかし寛大な彼らは、僕が登るべき一本として「生と死の分岐点」を推してくれた。城山はチューブロックの看板ルートだ。凝灰岩特有の程よいフリクションと明確なホールドに導かれ、薄かぶり断崖を登る。左手には「白壁の微瑕」を末端に大きな空が広がり、眼下には大仁の街。行った事のない城山だったが、「これしかない」と思った。

 
 

ムーブ探り

 
年が明けて、ドラパイセンと早速「分岐点」へ行った。UEちゃん、ノブたん、ワイフも一緒だ。初めての城山は、ストレッチスペースがなかったり、落石に神経を使ったり、難点もあるが魅力的な課題に圧倒された。

とりあえず「イスタンブール」「椿の森の中で」「ワイルドX」でアップをこなし、いよいよ「分岐点」へ。先行トライしていたクライマーのドローをお借りしてスタート。もちろんOS狙いである(真顔)。

 
IMG_0902[ドローありがとうございました]

 
スタートとなる大穴ポッケから、アンダーを取って足上げ。ドローが目の前にあるがクリップなんて無理。テキトーに周辺のポッケを掴むがやはり厳しい。早々に行き詰まる。辺り構わずホールドを探した挙句、何も見つからないままパンプによりA0。あっけなくOSトライは幕を閉じた。

すぐさまムーヴ探りに移行するが、遅々として解析が進まない。それもそのはず、アンダーからクリップを含む数手がこのルートの核心だからだ。ホールドはどれもこれも悪い。左奥のガバポッケは12bで登る場合は限定と聞いていたので迷ったが、結局キャッチ。これで12aとなった。しかし已然として厳しい。

その後、A0クリップを連発しトップアウト。ロワーダウンしながらムーブをさらに解析するが「ホントに繋るの、これ?」感はMAX。まったく繋がるイメージを持てずにドラパイセンに「これ、もう1便出しますよね(や、なんつーか、他のに浮気するのも選択肢としてアリじゃないすかね、あ、もちろんモチベーションはバッチリっすよ!自分、全然折れてないっすから)」と伺うと、パイセンはきっぱりと言った「もちろん!」

というわけで長レストを挟んでの2トライ目。「2トライ目はなぜかスムーズになる」の法則に従い、比較的スムーズに核心を抜けようとするが、クリップでもたつき、足置きが雑になりテンション。再度トップアウトしてムーブを固めていく。

他のクライマーのトライを眺めながらムーブを錬りつつ、太陽が傾き始めた頃に3トライ目。まだムーブが固まっていないが体は限界。行けるとこまで〜と思っていたら案の定ヨレヨレ。それでもなんとか核心を抜けてクリップまで進む。しかしもう何も残っておらずテンション。いつまでたってもパンプが回復しなかった。

一方、ドラパイセンは圧倒的完成度で核心を抜け、「あ、これRPするな」と思ったところで惜しくもフォール。さすがに4便目は無理と撤収。核心のパワーとバランスを要求するムーブが想像以上に体幹を削るようだ。帰りはUEちゃんが提案した「クライマーしりとり」に興じているとあっという間に東京。

 
 

生と死の分岐点 RP

 
二週間後、再び城山。今回はUE、ノブに変わりましてMサカ氏。前回同様「ワイルドX」に加え「クロスロード」でアップ。前回より風が少なく暖かい。天候まで味方につけ不安要素は皆無、と浮かれていた。この時までは。

そして気合いの1便目。「一応、ムーブ確認便なんですが、調子が良ければそのまま….」とドラパイセンに言おうとすると「皆まで言うな」という視線に促され、スタート。

アンダーから、危なげなくクリップをこなし、スムーズに核心を抜ける。これはいけるんじゃないかと次のクリップへ。だが決まらない。まごつきながらもなんとかクリップをこなし、手を進める。しかし、パンプした腕が回復せずフォール。

トップアウトして再度ムーブ確認。すると、フォールしたパートが「あれ、こんな悪かったかしら」と豹変。一瞬、気が動転するが心を落ち着けて確認する。やはり悪い。典型的な「気に留めてなかったムーブが後々になって自己主張してくるパターン」だ。だが今回は頼れる兄貴、ドラパイセンが居る。兄貴の的確なアドバイスによって劇的に解決。

ロワーダウンしてドラパイセンとバトンタッチ。相変わらずの安定感で核心を抜け、足が切れるも耐えて繋げる。「あ、これRPするな」と思ったところで惜しくもフォール。奇しくも的確なアドバイスを頂戴したそのパートでだ。とは言え、お互いにムーブは固まっているので二人して長レスト。

ところが昼を過ぎた頃から風が吹き始める。更に太陽が雲に隠れて極寒タイムに突入。しかもこんな日に限ってダウンは洗濯中。

ようやく風が収まってきた頃、ドラパイセンの2トライ目。抜群の安定感で核心を抜け「あ、先越されたな」と思ったところで驚愕のフォール。デジャヴの様な展開に周囲も動揺を隠せない。

そして風が再び強まる中、運命の2トライ目。「寒いんで声出しまくりでいきます」の宣言通りシャウトしながら核心を抜ける。クリップをこなし上部へ、ガバポッケを捉える。しかしまだ気は抜けない。限界近くまでパンプした前腕と、たたらを踏む膝を繊細にマネジメントし、慎重に立ちこんでゆく。最後の核心である右手ポッケへのデッドにさしかかるが、パンプの度合いからデッドは不可能と判断。左手で薄カチをだましながら、細心のバランシームーブで捉える。最後まで集中力をキープしつつ、リップへ。シャウトする必要はないんだけど、とりあえず叫んでおいた。

ダイナミックさと繊細さのバランスが程よく、特に後半のパンプに耐えてスタティックに高度を稼いでいくパートは充実する。おもしろかった。グレードに関しては厳密には5.12aってことになるのかな。ようやく12クライマーを名乗る事ができましたよっと。

 
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[ぼくのシャウトは大仁の町まで響いただろうか]

 
 

グレイシー 5.11c OS

 
Mサカ氏の「ストーンフリー 5.10c」OSを見届けた後、隣の「グレイシー 5.11c」にトライ。ボルト2本の見るからに紐付きボルダーといった印象。ひょっとしてOSできるんじゃね?と取り付いてみるとあっさりOS。気持ちよいスローパーと安心感抜群のガバによるボルダールートでした。正直な所、「ワイルドX 5.10a」や「クロスロード 5.10a」より簡単に感じてしまった。

こいつは間違いなくMサカ氏にはオススメ度ナンバーワンだと猛プッシュ。すると案の定RP。外リード二回目だそうですが流石としか言いようがない。

 
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[二度目とは思えない安定感でストーンフリーを登るMサカ氏]

 
最後にドラパイセンの3トライ目を見守るが、やはりヨレが顕著。残念ながら宿題となった。夕方になると風が止み、昼間より暖かい日差しの中撤収。次は「白壁の微瑕」をやるかな。